『娘の友達』炎上騒動に思う事~本当に悪いのは作品でも、騒いでいる人でもなく、広告ではないか?【あらすじ・ネタバレあり】

娘の友達 1巻表紙

今の世の中、常に何かが炎上している。365日、キャンプファイア状態だ。芸能人の不祥事、SNSの投稿が良く燃え上がるのだが、最近はマンガ、アニメやそれとコラボしたポスター等も炎上する。

そして、今は萩原あさ美氏の『娘の友達』が炎上している。

どうも、ネット上で『日常に疲弊した中年のサラリーマンが、娘の友達の女子高生に癒しを求め、恋愛関係になる』という広告が流れたようで、こんな感じに騒がれてる。以下、Twitterから抜粋

こんな感じで、広告の停止や連載の中止を求める声まであるとかないとか。
では、この燃え上がっている『娘の友達』とはどんな話なのか。以下、説明したい。

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『娘の友達』のざっくりあらすじ、ネタバレ

主人公の市川晃介は会社からエースとして期待されており、もうじき課長になる予定で一見順風満帆だ。しかし、私生活では妻を亡くして一年。高校生の娘、美也は突然不登校になり、晃介に心を閉ざして部屋に籠ってしまっている。晃介は美也の学校から美也への接し方について責められ、また職場では上司の無茶苦茶な注文と部下からの反発、同僚からのやっかみにストレスを溜め、人生に疲れていた。

そんな晃介はある日、行きつけの喫茶店で新しく入った従業員の女の子を親切心から助ける。だが、その少女、如月古都は娘美也と同じ高校に通う友人だったのだ。学校で再会したことをきっかけに、古都は晃介に接近し、心の隙間を見抜いた様に誘惑をしてくるようになる。

『よく頑張りましたね』
『疲れませんか?』
『甘えて下さい』
『一緒に逃げましょう』

晃介が求めている言葉を吐きかけながら、ボディタッチやキスまでして迫って来る古都。晃介はそんな古都の真意が分からず、当惑するものの、徐々に古都に心を掴まれていき…。

本当はサスペンス要素強めなのに誤解されてしまった『娘の友達』…叩く者と擁護する者と煽る者…しかし、真の悪人は…

具体的にどのサイトのどんな広告が騒がれたのか分からないが、この作品は『日々に疲れた中年男が娘の友達の女子高生に欲情してエロいことをするマンガ』ではない。 完全なる誤解だ。

これはYoutubeに流れてる広告
特段エロいシーンはないけど…

確かに主人公の中年男、晃介は娘の友達である古都から裸で迫られ、抱き付かれたりもするのだが、ちゃんとその後服を着せてやっているし、体の関係を持ったりはしていない。誘惑されまくりで、欲しい言葉を吐き続けて来る古都に好意を抱くようになり、本能的に興奮してしまうシーンもあるのだが、『おかしいだろ』と自身に言い聞かせ、現時点理性を保っている。

この誘惑してくる娘の友達の女子高生、如月古都は一見問題のない優等生だが、過干渉で束縛してくる毒母に苦しめられており、そんな現実から逃げ出すために晃介を利用し依存しようとしている節があり、ちゃんと読めば、『恋愛』『エロ』ではなく、どちらかというと『サスペンス』『サイコホラー』要素の方が強い事が分かる。私は「オッサン逃げて!!」と思いながら読んでいる。

しかし、知らない人は当然広告を信じるから『娘と同い年の女子高生に欲情する中年男キモイ』となるし、そう思ったら最後、作品を読まないので誤解は解けない。

このため、ファンや作品を知っている人は『誤解だ』『読みもしないのに文句を言うな』となって、なんだか『広告を見て気持ち悪いと批判した人VS作品を擁護する人』という構造が出来て、そこにさらに、『これだからフェミは』みたいな声が絡んできて、『男は』『女は』『オタクは』とかいう叩き合いの大乱闘スマッシュブラザースになってしまっているのだ。

でも、よくよく考えて欲しい。この騒動を引き起こしたのは誰か。冷静になって欲しい。この騒動には黒幕がいる。私はこう思うのだ。

「あれ、これ悪いのは作者でも、騒いだ人でもなく、広告を作った側、出した側が悪いんじゃないの」と。

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スマホでよく出る、マンガ・電子書籍の広告~短く分かりやすく漫画の内容と魅力を伝える広告

今、スマホで何かしらのサイトを開くと頻繁に出てくるのがマンガ・電子書籍の広告だ。彼らは話題になってる、あるいは話題にしたい作品のシーンやコマを抜粋し、煽り文句をつけて、その作品の概要と魅力を伝えるのだ。

例えば、『夫の扶養からぬけだしたい(略称:ふよぬけ)』の広告はこんな感じ。

この広告を見るだけで『 二人は夫婦で、妻はパート主婦で夫は家事育児に文句をつける割に、家事育児に非協力的』、『そもそも、夫は家事育児を軽く見ているうえに、妻のパート収入の低さを理由に、“共働き”とは認識していない』等が読み取れる。

こういった広告を見て、『この状況分かる、うちとよく似てるわ』等と共感したり、『この妻はこれからどういう行動をするんだろう』と興味を持って、皆は広告を押して作品を読んだりするのだ。

関連記事 →【漫画】夫の扶養からぬけだしたい(ふよぬけ)【感想・ネタバレ】~すっきりしない、モヤモヤが残るラスト・結末

しかし、作品というのは複雑で、例えば一言で『恋愛もの』と言っても、ファンタジー要素強めだったり、シュールだったり、サスペンスの側面があったりもする。短い広告で作品の概要を伝えるのも読み取るのも難しく『純愛だと思ったら意外とエロかった』『エロだと思ったら全然そんなことなかった』『異性愛だと思ったらそもそもBLだった』というのも良くある。

そのうえ、この手の広告は今回の『娘の友達』の様に作品のジャンルや作風、テーマからずれてしまった、あるいは意図的に捻じ曲げられてしまった広告が多いのも事実なのだ。

個人的に『違うだろ』と思った漫画広告の例を挙げていきたい。『あなたがしてくれなくても』と『生者の行進』のネタバレを含むので、ネタバレを避けたい人は飛ばしてください。

主旨がずれてるパターン『あなたがしてくれなくても』~”妊活”はしてないのに…。

この広告だけを見た人は、この『あなたがしてくれなくても』を、

『この妻は妊活に励んだものの、夫が乗り気でなく非協力的だったため妊活を終える事になった』『しかし、この夫が妊活に協力しなかったせいで夫婦の信頼関係にひびが入った』『”もう終わりだから”って、もしかしてこの妻は妊活に協力してもらえなかったことがきっかけで、夫に別れを切り出そうとしてる!?』とか思うかもしれない…全然違う。

このサイトでも紹介しているが『あなたがしてくれなくても』は“セックスレス”が主題。(【漫画】あなたがしてくれなくても1話【感想・ネタバレ・考察】夫婦の”レス”と真面目に向き合う衝撃作

この画像の妻、みちは夫、陽一とのレスに悩み苦しんでいた。しかし、みちが陽一を求めるのは子どもが欲しいというのが一番の理由ではない。ただ、愛する陽一と触れ合いコミュニケーションを取りたいと望んでいるだけだ。そして、夫、陽一は妊活が嫌なのではなく、いずれは子どもが欲しいとは思っているものの、ただみちに欲情することが出来ず、悩むのだ。

…そもそも、この二人、妊活をしていない。妊活というと最低でもタイミング療法をしているイメージあるけど、二人は妊娠のために何か行動を起こしているわけではない。『妊活』という言葉も作中出てこない。なので、この広告の『妊活』という言葉は的外れなのだ。この広告の煽り文句つけた人は、なんというか片手間に適当に読んだか、あらすじだけ読んで勝手に妄想したんじゃないかと思う。 そうでなければ、意図的に『妊活』という言葉に興味を持つ人を釣ろうとしたことになる。悪質だ。

逆に上手いと思う広告はこれ。

こういう風に作品の本質や雰囲気、魅力を伝えるのが正しい広告の在り方だろう。

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もはや悪意すら感じる広告~『生者の行進』…一体何を伝えたいんだ!?

この広告だけを見た人は、この『生者の行進』を、

『このまどかと呼ばれている少女は霊能力者で、チャラ男に口説かれたものの、チャラ男の後ろにいる元カノ達の生き霊、あるいは捨てられて自死でもした幽霊達を見て、ドン引きしている』とか思うんじゃないだろうか。…全然違う。

  • この男は殺人鬼。過去に何人も女性達を殺している。
  • 後ろにいるのは男に惨殺された女性達の霊。歴代の元カノではなく被害者(厳密には男に好意を抱いている者もいたが…)。
  • 男はまどかを口説いているのではなく、殺そうとしていて、ハッキリそう宣言している。
  • まどかにはこの幽霊達は見えていない。
  • 目の前の殺人鬼に怯えていて、ゾッとしている。

…そういう訳なので、全然広告が内容と合っていないのだ。「お前、マンガ読んだの!?」と叫びたくなる。もはや悪意すら感じる。
ちなみに、この広告だけだと『生者の行進』はシュール系マンガに見えるかもしれないが、画力は低いものの割とグロいホラーマンガ&後味悪い系なので、軽い気持ちで読むと大やけどをするかもしれないので注意してほしい。

その他、オチや伏線回収シーンをネタバレ系等

こういう作品の本質からかけ離れた広告は沢山ある。その他にも、マンガのオチと言える最後のコマを広告に使ってしまったり、伏線を明かしたりしてしまったり「そこ使っちゃうの!?」という広告も沢山ある(だから貼らない)。

広告する側は「ここを使えば釣れる!」と思っているのかもしれないが、そこから入ってきてしまった読者は楽しみが半減してしまうので、もうちょい考慮した方がいいんじゃないの?と思う。

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平気でエロ、グロ、後味悪い系を押し付けてくる電子書籍の広告の傍若無人っぷり

大体、最近の漫画・電子書籍の広告は傍若無人過ぎるのだ。平然とエロ・グロ・胸くそ系の広告をバンバン入れてくる。

一昔前のマンガの広告は『嫁姑の争いが…』とか『不倫がバレてしまって』とか『SNSにハマったOLが身を滅ぼす』等の平和的(?)なレディコミ系の広告が多く、いわゆるエロ系のマンガは若干怪しい、いかがわしいサイトや胸くそ系の話をまとめている様なサイトでなければ目にしなかった。

しかし、最近はそういった配慮はかなり薄くなってきて、平然とえげつないマンガの広告がバンバン色んなサイトに入ってきており、しかも広告バナー等は動くから嫌でも目に入ってしまう。意図せずエロ、グロ、胸くそ虐待系のマンガのあらすじを見せつけられることになる。つまり、最新型の精神的ブラクラとも言えるのだ。

例えば『ちいさいひと』なんかは、児童虐待を扱ったかなり真面目な漫画なのだが、ネグレクトされ汚物に塗れた部屋でやせ細ってボロボロになった幼児、乳児のシーンが一時期広告で出されていた。苦手な人はとことん苦手だろうに。

私自身はビビりだが、割と胸くそ系やマンガのグロ、エロに耐性はあり、昔から『ライチ光クラブ』的なマンガが大好きだし、『ブラッドハーレーの馬車』だって持ってるし、クジラックス氏の作品を平然と読める位なのだが、つい最近、あるマンガの広告に当てられて、ちょっと落ち込んだ。
以下、エロ、胸くそ系、リョナが苦手な人は飛ばしてください。

個人的にムカついた漫画の広告について愚痴を語る

繰り返しますが、 以下、エロ、胸くそ系、リョナが苦手な人は飛ばしてください。

以前、雑記記事で『ある漫画の広告を見て落ち込んだ』と書いた。

2019年10月後半の雑記~不快なスマホの漫画の広告への愚痴、ヒロアカ3期OP謎の人物の考察等々

それで、『何のマンガ?タイトル教えて』と聞かれるようになったから言うけど、『家畜の王』です。この『家畜の王』の広告に心底腹が立ったのだ。先に言っておくけど、マンガ作品そのものを批判する気はないです。表現は自由、趣味嗜好も自由だから。胸くそ系が苦手な人は飛ばしてね。

どんな内容かというと、

天才空手美少女が、不良達に絡まれる弟を助けたところ、不良達に逆恨みされて呼び出され嵌められ、不良達が連れてきた強いヤツに鼻血が出て顔面腫れ上がるまでボコボコにされる。ダウンしたところで弟に跨がらされて、性行為をさせられる等凌辱され、その様子をスマホで撮影されるといった感じ。

『よくご存じでwひょっとしてワザワザ調べたの、読んだの?www』とか言われてしまうかもしれないが、これ、広告を見ただけでここまで分かってしまうのだ。ご丁寧にも広告が3パターン位あって、嫌でも何が起こるのかが分かる(細かいところ間違ってたらすみません)。胸や局部が描かれているところは上手いこと隠したりトリミングしているけど、セリフ等は残っているし、ヒロインが何をされているのか等は分かる。
せめて、『これから襲われます』というところで広告をとどめておいたり、その後の流れをぼかせばいいのに(そういう広告なら)、あろうことか、その“凶行”の真っ最中を広告に使っているのだ。

繰り返すが、作者や作品自体を非難する気は全く無い(でも、気絶している少女のポニーテールをああいう風に真上に引っ張ると、顔は上には向かず、俯くと思うよ…。)
この、『オッパイやアソコさえ見えなければ、レイプ等の描写を広告に入れても問題ないよね!』と判断したマンガ・電子書籍の広告の無神経さに腹が立ったのだ

繰り返すが、この作品や作者、ファンに文句を言うつもりはない。表現は自由、趣味嗜好も犯罪に繋がらなきゃ自由だ。
でも、広告で意図せずこういったマンガの一連の流れを見せつけられるのは不愉快でしかない。それも、まだいかがわしいサイト、そういった話と親和性が高いサイトだったら、エロマンガ、アダルトゲームの広告が出るのが予め分かっているけど、私がこの広告を見たのは、全然こういった話とは無縁な平和的なサイトだったので、度肝を抜かれたし、体調を崩していたのもあって、かなり心理的ダメージも受けた。

ケッチャムの『隣の家の少女』を人に貸す人間が何言ってるんだ?とか言われてしまいそうだが、例えるならどんなに絶叫マシンが好きな人でも、何の気なしに乗ったタクシーにいきなり断りもなく時速200㎞で爆走されたら、多分ビビるし怒るだろう。そんな感じだ。

私自身はアニメ・マンガの見すぎなのもあってか、ジャンプの『ゆらぎ荘の幽奈さん』の“乳首事件”も、ジャンプの“エロ”への執念に感心して笑ってしまった位だ。
でも、幽奈さんの乳首は見たくなければジャンプを買わなきゃいいだけの話だけど、こういうネットのマンガ・電子書籍の広告は望んでもないのにいきなりエロ(近親相姦・痴漢・レイプ)・グロ・虐待系を突き付けてくる。

こういう話をすると決まって『こういうのはターゲティング広告はだから、そういう広告が出るのはお前が普段エロいの見てるからだよ!』と言う人がいるが、マンガ・電子書籍の広告はこの限りではない。無差別にぶつけてくるのだ。規制が無いからなのだろうけど、スマホは子ども、少年少女も使うのだから、いい加減どうにかした方がいいと思う。 なので、過激、不快なコマは避けるとか、せめて掲載されるサイトを考慮するとかしてほしい。

個人的にあんまり不快だと広告が出ないようにしようかと思うこともあるのだけど、実際は秀逸な広告も多く、広告から作品に出会うことも多いので、現時点では広告をブロックするつもりはない。でも、あんまり嫌な広告ばかり出る様になったらブロックするかもしれない。

まとめ~広告の作り手には作品を理解した上で責任感とモラルを持って欲しい

大分話が逸れてしまったが、何が言いたいのかと言うと、
「マンガ広告の作り手は作品を理解して倫理観とモラルを持ってくれ!」ということ。

過激な描写や耳目をひくフレーズで釣り上げたいのは分かるけど、作品の本質から離れた所をプッシュしたり、グロやエロを見せつけるのはどうかと思う。
見てる側は広告の内容を信じてしまうし、不快感や憎しみの矛先は作品や作者に向かってしまう。

今回の『娘の友達』をめぐる騒動も、作品の本質が伝わるような宣伝をしたり、あるいは広告を出す場所を配慮すれば問題にならなかったのではないかと思う。
広告を作る側は責任感と倫理観を持ってほしい…そういう、ただのボヤキでした。

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