【映画】アナと雪の女王2【感想・考察・ネタバレ】壮大なストーリーと素晴らしい映像…でも少々大人向けにし過ぎでは?
2014年に公開された『アナと雪の女王』は映画館で見た。具体的な感想は置いておくとして、とりあえず売れて社会現象になったことに納得できる出来だった。しかし、2019年11月公開されたこの『アナと雪の女王2』は夫と長女は観に行ったものの、私は赤子の次女と留守番していたため未視聴だった。
…で、この度『Amazonプライム』でこの『アナ雪2』が先行してレンタル開始、それも48時間399円という破格の値段。今回のコロナ禍で子どもと家に閉じこもる他ないので、早速見てみることにした。
スポンサーリンク
Contents
以下、あらすじとネタバレ(感想混じりです)
幼き日、エルサとアナは父と母から”霧に閉ざされた魔法の森”と過去のことを全て知ることが出来る川”アートハラン”について聞かされる
それはエルサとアナが幼い頃のこと。ある晩父王、アグナルは”魔法の森”についてのお話を2人に語って聞かせた。
アグナルが子供だったころ、アレンデールは”魔法の森”に住む民族ノーサルドラと交流を持っていた。ノーサルドラは森に住む風、火、水、大地の精霊達と共生していた。そんなノーサルドラと友好的な関係を築いていたアレンデールはエルサとアナの祖父王ルナードの代に友好の証として森にダムを建設したのだという。そして、その完成式典の日、まだ子供だったアグナルはルナードに連れられ、”魔法の森”に行ったのだ。
完成式典は当初和やかな雰囲気であった。アレンデールの兵士達とノーサルドラは笑顔で交流し、精霊たちも楽しんでいる様でアレンデールの兵士達を歓迎していた。そして、アグナルは風の精霊と戯れ宙を舞う一人のノーサルドラの少女に目を奪われていた。
しかし、突然、アレンデールの兵達とノーサルドラは戦闘状態に陥る。何が起きたか分からないアグナルだったが、父(エルサ、アナにとって祖父)のルナードも戦闘の最中崖から落ちて死んでしまった。そして、アレンデールとノーサルドラの戦いに怒った精霊達は双方に牙を剥き、襲い掛かり、森を不思議な霧で包んでノーサルドラとアレンデールの兵士達を閉じ込めてしまったのだ。
しかし、その騒動の中で気を失ってしまったアグナルだけは森の外に出ることが出来たのだ。アグナルは不思議な歌声に助けられたのだと言う。その後、アグナルは父の代わりに国王となったが、未だに”魔法の森”は不思議な霧に包まれ出入りすることができず、ノーサルドラと兵士達は閉じ込められないままなのだ。
…そんな話を父アグナルから聞いたエルサとアナ。物語の興奮が冷めやらぬ二人に、今度は母である王妃、イドゥナがある歌を聞かせる。それは、遥か北にあるという不思議な河”アートハラン”についての歌であった。”アートハラン”は過去のことを何でも知っている河で、そこに行けば何でも知ることが出来るというのだ。
幼かったエルサとアナの心には”魔法の森”と”アートハラン”の話が刻み込まれたのであった…。
…冒頭でイドゥナ王妃の歌が入る。王妃の声優が1と変わって吉田羊になったのは歌のパートがあるからなのか。
スポンサーリンク
『変わらない幸せ』を享受し願うアナと不思議な声に悩まされるエルサ
そして、時は流れ、前作から3年後。女王として貫禄のついたエルサが統治するアレンデールは平和そのもので、秋の収穫期を迎えようとしていた。アナは3年前の孤独が嘘の様に、エルサとも打ち解け、皆に囲まれて楽しく賑やかに暮らしており、この幸せが変わらず続くことを信じ願っていた。一方、アナの恋人となったクリストフはそんなアナにプロポーズをひそかに計画していた。そして、雪だるまのオラフは3年前に比べて知識も増え、大人になることを願っていた。
しかし、エルサは時折自分だけに聞こえる、自身を呼ぶ様な”謎の歌声”に悩まされていた。
…歌『ずっと変わらないもの』…『愛』や『友情』の不変を高らかに謳い上げるこの楽曲。『愛や友情って本当にいつまでも変わらないもの?』と突っ込んでしまいたくなるのは、私の心が汚れているからなんだろうな…。いや、愛や友情の存在それ自体が不朽なのは分かるけど、不変っていうのは…。しかし、それをオーバーに謳うこの楽曲そのものがある種の”フラグ”と言えるだろう…。
しかし、”異変”は確実にエルサとアナに忍び寄っていた。ある晩、ジェスチャーゲームに興じていたエルサとアナとクリストフとオラフ(とトナカイのスヴェン)。だが、ゲームの最中にもエルサの耳には”謎の歌声”が届き、エルサは楽しむことが出来ず、そのままお開きに。
アナはそんなエルサの様子が不安でならない。そのため、クリストフがプロポーズのタイミングを掴もうとしたものの、失敗してしまうのであった。
寝室で物思いに耽るエルサを追いかけてきたアナ。アナはエルサが何か悩んでいる事を察するが、エルサは『今の幸せを台無しにしたくない』と言う事しか出来ず、アナはそんなエルサに改めて『ずっと一緒よ』と念を押す様に言うのであった。エルサはそんな妹の愛情を嬉しく思うのであった。
謎の歌声に呼応して歌うエルサ…すると、アレンデールは異常気象に襲われる
しかし、その後眠りについていたエルサはまたしても聞こえてきた謎の歌声で目を覚ます。
…ここで、目玉の曲である『イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに』が入ってくる。自分を誘う”謎の歌声”に対して『今ある幸せを壊したくないから、危険を冒してまで声の元に行くことはしない』と歌うエルサだが、歌が進むにつれて『魔法の力を持つ自分は皆とは違う』『本当はここにいてはいけないのではないか』という心の底で持っていた疑問が抑えられなくなり、『あなたはどこなの?姿を見せてよ』という好奇心が爆発し、曲の最後は『未知の旅へ踏み出そう!』という望みが露わになる。
そんなエルサの歌声の結果、アレンデールの空に雹(ひょう)に似た不思議な紋様の結晶が浮き上がり、バラバラと凄まじい音を立てて国中に降り注いだ。
そして、国から火と水が消え強風が吹き荒び、大地が波打つという異常気象が続けざまに起きる。エルサとアナ達はパニックになる国民達をなだめながら共に崖の上に避難するのであった。
『自分が”魔法の森”の精霊達を起こしてしまったのではないか』…そう動揺するエルサにアナは『お互いに隠し事をしないはず』とエルサが謎の歌声を隠していたことに怒る。更に『謎の声の主は悪い人ではないと思う』というエルサにアナは『国をこんな風にされたのに』と不快感を隠さない。
すると、エルサ達の元にトロール達がやってきて、アレンデールに危機が迫っていることを告げる。しかし、長老のパビーの魔法の力を持ってしても、何故精霊達が怒っているのか、そして過去に本当は何があったのかまでは分からなかった。
『真実を見つけ出さないとアレンデールの未来が危ない』と言うパビー。しかし、同時に『怒った精霊にか弱い心で立ち向かうことも出来ない』とも警告する。
それを聞いたエルサは一人で”魔法の森”に向かい”謎の歌声”を探すと言い出すが、心配したアナは自分もついていくと言う。パビーも今回はエルサ一人では心配だと言う。その結果、国民達はパビーに任せ、エルサ、アナ、クリストフ、オラフ、スヴェンのメンバーで”魔法の森”に向かうことになるのであった。
スポンサーリンク
森に入ったエルサ達…そこで風の精霊に襲われ、閉じ込められていたノーサルドラとアレンデールの兵士達を出会う
オラフが『水には記憶がある』等といった雑学を語ったり、クリストフがアナにプロポーズをしようとしてまたしても失敗したりしながら、一行は長い道のりを進む。そして、ついにエルサ達は謎の白い霧を見つける。
謎の白い霧はオラフやクリストフが触れると跳ね返されてしまうが、エルサが触れると風、水、火、大地の4つの紋章が描かれた石柱が現れ道が開ける。そして、そこを進むと押し出される様にしてエルサ達は霧に包まれた森に入り込むのであった。
霧によって”魔法の森”に閉じ込められたことを理解したエルサ達であったが、森の美しさに圧倒される。
…この秋の森の光景は本当に美しい。落ち葉の湿った香りすら漂って来そうだ。
そして、アナとクリストフは祖父王がノーサルドラのために建てたというダムを発見する。ダムが無事であることを見たクリストフは『ダムが決壊したらアレンデールに被害が出るだろう』と言い、アナと不安がらせてしまう。…これ、フラグです。伏線です。
不安がるアナと慌てて宥めたクリストフは、この美しい森の光景を利用してプロポーズをしようとするも、アナはエルサの事が心配で気もそぞろ。またしてもプロポーズは失敗に終わってしまうのであった。
一方、森を一人ほっつき歩いた結果、迷子になってしまったオラフは風、水、火の精霊達からいたずらをされるも、のんきに探索を続ける。…ここで歌『大人になったら』が入るのだけど、オラフは自分の事を完全に子どもとして認識しているんだな…。そして、オラフが倒れた場所が大き足跡になっているのは間違いなく伏線。
最終的に風の精霊が起こした竜巻に巻き込まれてしまうオラフ。そして、他のみんなも巻き込まれてしまう。途中、他のみんなは落とされ、エルサだけが閉じ込められ続け、 そこで、過去の記憶を断片的に見る。エルサは魔法の力で竜巻と戦い、制御することに成功した。
その結果、風の精霊を手懐けることができ、また竜巻の中で見た過去の映像の様子が氷の彫像となって形となった。旅の途中でオラフが語っていた『水は記憶を持つ』という話は本当だったのだ。
そして、その彫像は少年だった父をノーサルドラの少女が助ける様子を描いていた。エルサとアナは、ダムの完成式典の時に父を助けたのはノーサルドラの少女であったことを知るのであった。
真実に一歩辿り着いて喜ぶエルサとアナ達。しかし、何者かが忍び寄って来た。
それは、34年前のダムの完成式典の日から森に閉じ込められ続けているノーサルドラとアレンデールの兵士達であった。そして、ノーサルドラとアレンデールの兵士達は未だに対立し続けていたのだ。
…アレンデール兵の中心人物のマティアス中尉は、序盤のジェスチャーゲームをしている図書館の肖像画に描かれてますね。
突然現れたエルサ達を警戒するノーサルドラと兵士達、すると、オラフが一人芝居で前作の流れと、何故エルサ達がこの魔法の森に来たのかを説明する。…ピエール瀧の代役となった声優、武内駿輔の演技が光る。
これによってノーサルドラと兵士達はエルサ達の素性と目的を理解する。しかし、エルサ達を自分達が仕えるべき相手だとして歓迎したマティアス中尉ら兵士達に対して、ノーサルドラの長、イエレナは『自分達は自然の声にのみ従う』と協力を求めるエルサ達に難色を示すのであった。
今度は火の精霊との戦い…そして、形見のスカーフから、母イドゥナこそが、少年だった父を救ったノーサルドラの少女であったことが発覚する
しかしそこで、今度は火の精霊が皆に襲い掛かる。…このシーンは大迫力。
皆を逃がして、魔法の力で火の精霊と戦うエルサ。一方、アナもそんなエルサを助けようとするのだが、足手まといになってしまう。
結局一人で火の精霊を追い詰めたエルサ。獰猛に暴れた火の精霊の正体は小さなトカゲであり、エルサが攻撃的な姿勢を取らないと分かると懐いて来るのであった。…何、このリアルヒトカゲ。
火の精霊を手懐けたエルサに驚く兵士達とノーサルドラ。そんな中、アナがエルサが一人で危険に飛び込んだことを怒り、エルサもそんなアナに逃げずに炎の中に飛び込んできたことを怒る。少し喧嘩したものの、結局は仲直りした二人。いつもの様にエルサが母の形見のスカーフをアナの肩に掛けてやると、それを見たノーサルドラは驚く。そのスカーフはノーサルドラに由緒があるものだと言うのだ。
それを聞いたアナとエルサは改めて父と少女の氷の像を見て、父を救った少女が若き日の母イドゥナであることに気付く。
母、イドゥナはノーサルドラ出身だったのだ。
『母はノーサルドラだった』…エルサとアナが皆にその事をつげると、突然森が光り輝く。そして、エルサとアナがノーサルドラの血を引いている事を知って歓迎して歌い出すノーサルドラの民。
『この森を自由にし、アレンデールを救う』とノーサルドラと兵士達に約束するエルサ。そして、もう陽が暮れてしまったため、エルサ達はノーサルドラの元で一晩明かすことにするのであった。
スポンサーリンク
自分の存在が精霊達を引き寄せていると悟ったエルサは出立する…アナはプロポーズの準備をしているクリストフを置いてエルサについていく
このことで、兵士達とノーサルドラ達は休戦状態になり、エルサとアナ達も彼らと交流を深める。
そんな中、クリストフは火の精霊に襲われた際にノーサルドラのトナカイ達を助けたことで、同じくトナカイ好きのノーサルドラの青年ライダーと親しくなり、彼からノーサルドラに伝わるプロポーズの方法を教わりに行くことにする。
また、エルサはノーサルドラの女性、ハニーマレンから自然界の魔法と人間たちを結びつける”第5の精霊”の存在を聞く。…またしても重要そうな設定が来た。
そんな中、大地の精霊である巨大なアースジャイアントが近づいて来る。アースジャイアント達は巨大な上に凶暴で、立ち去るまでノーサルドラ達は怯えながら身を隠す。『自分の存在が精霊達を引き寄せているのかもしれない』…そう考えたエルサは結局夜明けを待たずに”謎の歌声”が聞こえる北の方に出発することを決める。
アナとオラフはクリストフ(とスヴェン)がいつの間にかいなくなっていることに気がつくが、先を急ぐエルサについていくため、クリストフを置いていくことにするのであった。
一方、そんなことを露も知らないクリストフはライダーの協力を経てトナカイを使ったプロポーズをする準備をしていた。しかし、アナと間違えてノーサルドラの長のイエレナにプロポーズしてしまったうえ、アナが自分を置いてエルサと出立してしまったことを聞かされて落胆する。
…ここでアナとの関係に悩むクリストフの『恋の迷い子』…歌パートが始まる。…この80年代MV風の歌パートはどういう顔で見ればいいんだろう…笑う所なのか?妙に長いしシュール過ぎる。
北の海で父母が難破した船を見つけるエルサとアナ…両親の死の真相を知ったエルサは強引にアナとオラフを遠ざけ、一人で先に行ってしまう
北に向かっていたエルサ、アナ、オラフ。しかし、途中で父と母が乗っていた船の残骸を見つけ、エルサとアナは動揺する。父母は出立前、二人にこことは全然正反対の”サザンシー”に向かっていたはずなのだ。難破した船の遺留物を調べたエルサとアナは父母が当初二人に告げていたサザンシーではなく、北の海”ダークシー”に向かっていたことを知る。
『水は記憶を持つ』…その言葉からエルサは魔法の力で船に残っていたわずかな水を抽出し、そこからこの船で起きたことを見ようとする。…先ほどの風の精霊との格闘後の氷の彫像といい、この能力便利過ぎじゃない?ムーディーブルースみたい。
その結果、エルサとアナは『父母はエルサの魔法の力の正体を知るため、”ダークシー”の向こう側にある全てを知る河”アートハラン”を目指し、その結果船が難破してしまった』という真実を知る。そのことにエルサは『両親は自分のために命を落とした』とショックを受けてしまう。
落ち込むエルサにアナは『エルサの魔法の力は正しい行動をした母が授かった物』『過去の誤りを正すために与えられた力だ』と励ます。
そんなアナにエルサは『”第5の精霊”が呼んでいる』『”アートハラン”を目指す』と言い出し、『ここから先は危険だから一人で行く』とアナとオラフに戻るように言う。そんなエルサにアナは『邪魔しないから』『エルサを失いたくない』と縋りつくが、エルサは『私もアナを失いたくない』と言って、魔法で氷の船と川を作り出し、アナとオラフを強引に押し込めて無理矢理二人を元来た道に押し戻す。
必死に抵抗するアナだったが、なす術もなく船は動き、どんどんエルサから遠ざかっていく。その上、アナが無理矢理船を止めようとした結果、氷の川から脱線してしまい、大地の精霊の化身であるアースジャイアント達の住処である川に落ちてしまう。幸いアースジャイアント達は眠っていたが、どうにかして彼らを起こさないように進もうとした結果、アナとオラフは洞窟に入り込み、その中にあった滝に落ちてしまうのであった。
ダークシーで水の精霊と戦い、手懐けたエルサ…アートハランで謎の歌声の正体を知り新しい力を手に入れるも、真実を知り心身ともに凍り付いてしまう
一方、一人で”ダークシー”に辿り着いたエルサは”アートハラン”を目指して海に向かう。
しかし、足場を凍らせて海を走っていこうとするも、波に押し返されてしまい、海に飲み込まれると、そこで馬の形をした水の精霊が襲い掛かって来る。
何度凍らせて打ち砕くも蘇って襲い掛かって来る水の精霊と格闘するエルサ。死闘の末、エルサは水の精霊を氷の手綱を制御した。そして、そのまま水の精霊にまたがって氷の大地、”アートハラン”を見つけ入っていくのであった。…なんか、歌であった様な”河”って感じがしない見た目ですね、”アートハラン”
不思議な懐かしさを感じながら”アートハラン”に入っていくエルサ。
ここで、歌『見せてあなたを』が始まる。『何故私は生まれてきたのか』『何故人とは違う能力を持っているのか』エルサがそう”アートハラン”に問いかける。そして、そこで”謎の歌声”が母、イドゥナの歌声であったことを知る。”アートハラン”はイドゥナの声でエルサに呼びかけ続けていたのだ。
思わぬ形での母との再会を喜ぶエルサ。”アートハラン”はエルサに新しい大きな力を授け、エルサの姿形は変わっていく。…またしてもエルサの見た目が変化。美少女戦士やスタンド使いみたいに新しい力が開花する度に見た目が変わるタイプらしい。
しかし、”アートハラン”で見せられた真実は思ってもみないものであった。
”アートハラン”の奥に入ったエルサはまず、過去の自分の記憶を見せられる。…エルサはレリゴー時代を黒歴史と認識しているのか…。
そして、奥に進むにつれて”アートハラン”の記憶は過去に遡り父母の過去を見せて来る。…この感じだとアグナルは完成式典でイドゥナに助けられたことを完全に忘れていて、恋の落ちてから(あるいは夫婦になってから?)イドゥナに出自を明かされた感じだけど…イドゥナそれまでどうやって生きてきたの?
そして、エルサはついにアレンデールとノーサルドラの争いの真相を知ることとなる。エルサとアナの祖父、そしてアグナルの父親であるルナード国王は『魔法の力を持つノーサルドラはいつかその力を使って反抗してくる』と疑心を持っていたのだ。…ノーサルドラは精霊と共生していただけで、エルサの様に魔法を使えるわけではないのだけど、無知すぎてその違いも分かっていなかったようだ。
魔法の力に対して無知で恐れを抱いていたルナードは、”友好の証”という体で”魔法の森”にダムを建設したが、それはダムを通してノーサルドラを支配するためであった。そして、完成式典を開いたのもノーサルドラの人数を把握するためだった。
その恐ろしい真実にエルサは文字通り見も心も凍り付き始める。しかし、”アートハラン”はもっと残酷な光景を見せつけるのだ。
完成式典の当日、ルナード国王にノーサルドラの長(男性、イエレナの前の長であったと思われる)が声を掛ける。長はルナードに『ダムはノーサルドラに恩恵をもたらすどころか、森を弱めている』と気付いたのだ。すると、謀略が露見することを怖れたルナード国王は丸腰のノーサルドラの長に突然切りかかったのだ。
これがノーサルドラとアレンデールの紛争の契機であった。非は完全にアレンデール側にあったのだ。
…ノーサルドラ、思いっきりトバッチリじゃん!!てっきり『争いは双方の疑念と誤解から生じた』みたいな”どっちもどっち”みたいな方向に持っていくかと思ってたのだけど、一方的にアレンデールが悪くてビックリ。罠にハメられた挙句、長が切り付けられ、自衛戦争していたら精霊達の怒りを買い、34年間も森から出してもらえなくなった…って、ノーサルドラの人達可哀想すぎやしませんか??
その事にショックを受けたエルサは最後の力でアナにメッセージを送ると、完全に身も心も凍てついてしまうのであった…。
…この残酷な真実に身も心も凍てついてしまうというのが、何とも隠喩的だ。前作ではエルサの拒絶によってアナの心身が凍り付いてしまったけれども、今回は残酷な真実にエルサが凍り付いてしまうのだ。
アナに届いたエルサのメッセージ…そして、エルサの窮地にオラフもまた消えてしまう…
一方、洞窟の滝に落ちてしまったアナとオラフは出口を探してさ迷っていた。そこに、エルサが完全に凍ってしまう前に放った魔法が届く。エルサは最後の力を振り絞って、アナに真相を伝えたのだ。
真相を知ったアナは『ダムを壊さなきゃいけない』と気付く。”魔法の森”はダムを壊すことを望んでおり、アレンデールに天変地異を起こしたのも、ダムが決壊しても国民が無事でいられるように崖に誘導するためだったのではないかと推測する。しかし、それでもダムを決壊させてしまえばアレンデールには甚大な被害が出る…アナは悩むのであった。
そんな中、オラフが洞窟の出口を見つけるがオラフの体に掛けられた魔法が消えていき、少しずつ消えていってしまう。アナはエルサの身に何かがあったことを悟り、またオラフが消えてしまう事にショックを受けるが何もすることが出来ない。
そんなアナにオラフは『本当にごめん、ここから先は君一人で…』『変わらないものがある。それは愛』と言ってアナに抱きしめられながら消えてしまうのであった。
一人になってしまったアナは嘆き悲しむ。…ここで、歌『わたしにできること』が入る。孤独に打ちひしがれるアナであったが、立ち上がり、自分が出来ることをする決意を固めるのであった。
アナは過去を清算するため、ダムを破壊することを決意…アースジャイアントを挑発しダムに引き付ける
そして、アナは洞窟から出るとアースジャイアントをわざと起こし、挑発して追いかけさせる。アナはアースジャイアントを使って全ての元凶であるダムを壊すつもりなのだ。
遠くからその様子を見ていたマティアス中尉ら兵士達はアナがダムを壊すつもりであることを知って慌てる。そんな中、アナはアースジャイアントに踏みつけられそうになるが、間一髪のところ駆け付けたクリストフが救い出す。…あれ?クリストフがイケメンに見えるぞ。
ダムにアースジャイアントを引き付けてきたアナをマティアス中尉達が止めようとする。しかし、アナは彼らに『正しいことをしないといけない』と説く。アナに説得されたマティアス中尉達は協力することするのであった。
結果、アナの狙い通りアースジャイアント達はダムに向かって投石し、ダムは決壊する。
『それでいいの…』と言うアナ。しかし、ダムの決壊によって凄まじい勢いの水流がアレンデールに押し寄せるのであった。
ダムの決壊によって、目覚めるエルサ…エルサはアレンデールに駆け付け、水流を食い止める…クリストフも無事にアナにプロポーズする
ダムの決壊によって”魔法の森”の力が蘇ったのか、凍り付いたアナは目覚め、水の精霊(馬)にまたがり、急ぎアレンデールに向かう。そして、アレンデールに押し寄せた水流をすんでのところで魔法の力によって食い止めた。かくしてアレンデールは被害を受けることが無かったのだ。
…アレンデールと”アートハラン”って結構離れてなかった?水の馬はメッチャ足が速いのかな?あんまりそういうところを突っ込んじゃダメか…。
そして、アレンデールの異常現象は無くなり、国には再び平和が訪れる。そして、”魔法の森”を包んでいた霧は晴れて、34年ぶりに森に太陽の光が差し込むのであった。
置いていったことを謝るアナを優しく受け入れたクリストフ。アナにプロポーズし、無事に成功するのであった。
ライダーやハニーマレンら若いノーサルドラは空を初めて見て感動する。長年いがみ合っていたマティアス中尉とイエレナも腕を取り合うのであった。…解放されたトナカイ達が駆け回るシーンは迫力があって、なんというか実写の様だ。
ラスト~離れていても二人は一緒…エルサは魔法の森で”第5の精霊”として生きることを決意…アナはアレンデールの女王として生きていく
そして、海の向こうから水の精霊にまたがったエルサがアナの元に戻って来る。互いの無事を喜ぶエルサとアナ。
『これからも二人で一緒に』というエルサとアナであったが、エルサは自身こそが自然界の魔法と人間たちを繋ぐ”第5の精霊”であると気付き、精霊として”魔法の森”で生きることを決意する。
エルサは精霊として”魔法の森”で”第5の精霊”として、そしてアナはアレンデールの女王として…二人は自然界と人間の世界の橋のたもと…かけはしとして生きていくことを誓い合うのであった。
そして、エルサとアナは早速『雪だるま作ろう』と言い合う。水には記憶がある…その言葉の通り、オラフは記憶もそのまま蘇るのであった。
…それからしばらく時が経った。アレンデールにはエルサに代わり、アナが女王として即位した。
女王となっても変わらず気さくなアナを変わらず愛し続けるクリストフ。一方、オラフはやや大人ぶった態度を取るようになった。…クリストフはアナと結婚したのか?それとも婚約者という立場なのか。
アレンデールには愛と勇気の象徴として幼いアグナルとイドゥナの像が建てられた。34年ぶりに国に帰って来たマティアス中尉はかつての想い人ハリーマと良い雰囲気になっている。
アナは風の精霊を通してエルサへの手紙を送る。その内容はエルサの近況を問い、『金曜の夜にジェスチャーゲームしようね』という誘いだった。”魔法の森”で伸び伸びと過ごすエルサはその手紙を見て微笑む。エルサとアナは離れていても心はいつでも共に在るのであった。
~終わり~
以下、感想と考察
果たして子どもはどこまで理解できるか…大人向けに舵を切り過ぎてしまったのでは?
冒頭から感じたのは『大ヒット作となった前作を超えてやる』という強い意気込み。冬でも夏でも春でもなく、秋という難しい季節を選び、その落ち葉の香りすら漂ってきそうな秋の美しさを体現した映像も素晴らしいし、シナリオもかなり練られている。『自分の能力や真実を探るエルサ』、『自分自身で決断して前に進もうとするアナ』、『アナとの関係に悩むクリストフ』、『成長しようとするオラフ』とメインのキャラクターそれぞれに課題とストーリーがある。それはとても素晴らしいのだけど…。
よく子供向け作品に対して大人も子供も楽しめるという宣伝文句があるが、本作の場合は完全に本末転倒。前作と比べてもかなり大人向けにシフトしてしまっている。もちろん子供が全く楽しめないってわけではない。映像や演出は美しく、何よりも勢いがあるのでその場では楽しんで見ることができるだろう。しかし子供…特に幼児には内容の半分も理解できないのではないだろうか。以下なぜそう思うのかを細かく考察していきたい。
微妙で冗長な恋愛パート
アナ雪は前作でも恋愛についてやや捻りが効いた描き方をしていた。『運命の王子様だと思った相手(ハンス)は下心で近付いてきたクズ野郎だった』というのは一般的なおとぎ話しか知らない子供にとっては意外な展開で、だからこそ面白く感じもするだろう。大人からしても、ディズニーが『そんな出会ったばっかで馴れ馴れしくしてくる奴が運命の王子様なわけねーだろ』と今までのディズニープリンセス物語を否定してくるスタイルに驚くし、『“真実の愛”は別に恋人同士のそれじゃなくても良い。家族愛だって“真実の愛”だ』というメッセージには納得させられただろう(まあ、同じような事をディズニーは先に『マレフィセント』でやってるわけだけど)。
で、今回の恋愛要素は『アナにプロポーズをしたいけど、ことごとくタイミングを逃し空回りをしてしまうクリストフ』と『姉のエルサを心配するあまり、クリストフの意を汲むことが出来ずにすれ違ってしまうアナ』なのだけど、これがやたらと冗長。
前作同様アナとクリストフの掛け合いはややブラックなウィットに富んで大人が聞いていて楽しい。でも、子供はさして面白くないだろう。そして、今回このパートが長いのだ。
特に、今回はクリストフにも歌のパートがあるのだけど、この『恋の迷い子』がまた何とも…。ボヘミアン・ラプソディとかのパロディと思わしき”クリストフのMV”が流れ続けるのだが、正直これは真面目に聞くべきなのか笑うべきなのかも分からなかった。ただひたすらシュールに感じてしまったのだ。
もし、幼児と一緒に視聴する場合はここは特に子供が退屈しやすい場所なので注意したい。
ちょっとアナとクリストフの恋愛パートに時間を割きすぎな気がする。それよりよっぽど気になるのはエルサとアナの母、イドゥナ王妃の半生である。幼かったアグナル国王と共に森から抜け出したはいいけれど、他のノーサルドラ一族は森に閉じ込められたままなので、まだ子供なのに天涯孤独になってしまったイドゥナ。アートハランの記憶だと(アグナルもイドゥナの事を忘れていて、イドゥナは成長してからアグナルに自身の出自を明かしたっぽいし、)どうやって生きてきたのだろう。
あと、マティアス中尉と彼の帰りを待っていたらしきハリマさんの関係の方が気になるよ!
歌も長くて多いうえにあまり子ども向けではない
そして、上述のクリストフの『恋の迷い子』だけでなく、全体的に楽曲が子供向きではない&曲数が多い上に長いと感じてしまうのだ。
前作は『レット・イット・ゴー』はもちろん、『生まれてはじめて』『雪だるま作ろう』とかも子ども受けがメッチャ良いんですよね。そして、歌いやすい。
でも、今作は劇中歌が多い割には子どもに受ける曲が『イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに』位なもので、他はイマイチ。オラフの『おとなになったら』は劇中の演出も相まって楽しんで見られはするが、子供には歌いにくい。『ずっと変わらないもの』も悪く無いのだが、そこまでキャッチーではないのだ。
なので、 楽曲パートは少々退屈。これも『前作を超えてやろう』という意気込みの結果なのだろうが、歌の種類&時間を増やせばいいというものじゃないので、ちょっと微妙だったな…と思ってしまう。『イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに』 は本当に良い曲なのだけどね。
設定が複雑すぎる~詰め込み過ぎなのではないか?
そして、これが一番子供向きではないと思う理由なのだが、とにもかくにも話や設定が複雑なのだ。今回の話の重要なポイントや設定をざっと上げると…
- 霧に閉ざされた魔法の森
- アレンデールとノーサルドラの対立の真相
- 父王アグナルが助かった理由
- 風と火と水と大地の精霊
- そして精霊と人を繋ぐ第5の精霊の存在
- 全ての記憶を持つ川、アートハラン
- エルサは何故魔法の力を持って生まれたのか
…等々、何と言うか重要なワードや伏線が大量。子ども向けアニメにしては設定が過積載なのではないだろうか。
大人が見る分には面白い。捻りが聞いていて、想像していた方向のちょっと斜め上を行っている。『分かりやすい悪役が不在(一番悪いのは祖父王と言えるのだけど、故人なので責めることが出来ない)』、『自国の痛みを承知で過去の罪を清算し、未来に向かおうとする』というストーリーはとても考えられていると思うけれども、ただでさえ、今回は視点がエルサ・アナ・クリストフ・オラフの4か所移動するのに、この設定の過積載。小学校中学年位ならかろうじて理解できそうだが、アナ雪を好んでみる幼児にはちょいっと難し過ぎるだろう。
ちなみに3歳半の長女に聞いた感想は『おもしろかったー。難しかったー。わかんない』である。1の方については『エルサとアナが喧嘩してエルサ出て行ったけど、仲直りできた、王子が悪い奴だった』位には理解できていのだけど、今回の『アナ雪2』については、多分見ているその場では映像の勢いで楽しめて印象に残るシーンがあるけどおおまかなあらすじや5W1Hの関係は欠片も理解できなかったのだろう。
別々に生きることを選んだアナとエルサ…その結末について思う事
…とまあ、散々『ディズニー映画を一番楽しみにしているであろう子どもの事を忘れていないか』という点について批判的な事を書いたけれども、それを除けばストーリーも重厚だしメッセージ性もあって(大人は)十分楽しめる作品だと思う。
ところで、実際に視聴する前によく聞いていた本作への批判は『1でせっかく姉妹仲直りしたのに、結局またバラバラになるのか』『姉妹愛推しはどこに行った』というものだ。確かにエルサは結局アレンデールを離れてノーサルドラで“第5の精霊”として生きていくことを選び、アナがアレンデールの新女王となる。確かにこれを“ハッピーエンド”とは捉えられない人は少なくないのだろう。
しかし、私個人としては「これでいいんじゃないかな」と思った。
というのも、自分が一人っ子なのもあるかもしれないが、元々ウェットな兄弟姉妹愛をそこまで尊いものだと思えないのだよね…。どんな作品でも兄弟姉妹がベッタリ過ぎたり『これからもずっと一緒だよ』『常に心は一つ』みたいなことを言っていたりすると、「そうは言ってもあなた達、いつかはそれぞれ夢や生きがいやパートナーを見つけて違う道を歩むんだよ…」と心配になってしまうのだ。
で、今回の『アナ雪2』ではアナのエルサへの依存っぷりが少々心配だった。まあ、前作で描かれている通り、アナは父母を亡くしている上にエルサから避けられ続けた過去があるから、その反動から今、エルサにベッタリするのは仕方がないのかもしれないが…。しかし、エルサが“歌声”について黙ってたことに『隠し事をするなんて』と怒り、見張るかの様に付きまとい、自身には特に能力もないのに危険な場でエルサから『逃げて』と言われても逃げないアナ。…危なっかし過ぎる。そりゃあ、エルサも無理矢理魔法で船を作って押し込めて一人で行ってしまうわけだよ…。エルサは冒険云々置いておいても、このアナの態度に何かしら思うところはあったんじゃないだろうか。
“兄弟愛”、“姉妹愛”というと聞こえは良いけど、兄弟姉妹は親と同じで決して自分では選べない存在だ。それなのに友人とは異なり、“血の繋がり”というどうしようもないものがある分、より拗れやすいし、縁も切りにくい。
控え目で慎重な性格なエルサに対して、良くも悪くも踏み込んで来る妹のアナ。エルサはそんなアナの性格に救われることも少なくはなかっただろうし(作中にもそういう描写はある)、アナを愛しく感じている様だけど、この調子だといつまた昔の様に拗れてもおかしくないと思う。
そう考えると、今回のラストは姉妹の間に程よい物理的、心理的な距離を置くことが出来た…と言えるのではないか。別に今生の別れとなった訳ではないし、『 金曜の夜にジェスチャーゲームしようね 』という台詞から定期的に二人が会っている様子も伺える。また、 オラフの『変わらないものは愛』という台詞が全てが語っているように、本当に絆さえあれば、遠く離れていても互いの愛情を感じることは出来るのだから。
こう言っちゃなんだが…オラフの声優変わって良かったね
あと、最後に…ピエール瀧の不祥事の結果、オラフの代役を演じることになった武内駿輔。この武内駿輔の声がピエール瀧版と比べてもほとんど違和感がなく、それどころか、正直「武内駿輔に変わって良かったのでは」と思ってしまうのだ。
というのも、今回の『アナ雪2』では前作以上にオラフが喋りまくり、そして一人芝居をするシーンがやたら多い。それが、前作のハンスの真似をしたり気取った態度を取ったりするのだけど、そういう所は武内駿介、いわゆる“イケボ”を出したりしていて、かなり上手いのだ。多分ピエール瀧が演じてもそれなりにコミカルな出来にはなるのだろうけど、失礼だが、ここまでの完成度にはならなかったんじゃないかなぁ…と思ってしまうので、少なくとも2は武内駿介で良かったと思うのだ。歌いながら色んな声色を使い分けるって、やっぱりプロの声優の方が上手いと思うから。
とても面白い解説、考察でした!
私がひとつ気になって仕方ないことは
マティアス中尉が、国王の悪事を知っていたのかどうかです。
イェレナに、「そっちが先に仕掛けてきたんだろ!」
と言っていたと思ったら
アナに「国王が裏切ってノーサルドラを襲った」ことを告げられると
「なぜそれを知ってるんです?」
と言うし。
どっちなの?!知ってたの?!
今まで知らなかったの?!
どっちだと思いますかー???
稲垣 様
コメントありがとうございます。
マティアス中尉、微妙なところですよね。
日本語訳でも英語版でもどちらとも取れるような言い方していますよね。
個人的な解釈ですが、彼の人柄(アレンデールへの忠誠心は強いが、感受性豊かで人情味ある)を考えると、少なくとも事が起こった当初は国王の悪事(国王がノーサルドラの族長を切り付け)は知らなかったのではないかなと思います。
国王もノーサルドラへの疑念やダムの完成式典の真の目的も別の側近のみに明かしている感じでしたし、あの日のマティアス中尉は幼いアグナルの護衛兵として働きながら、ノーサルドラの民との交流を心から楽しんでいるように見えます。
ただ、34年間森の中に閉じ込められている間に、このような事態になった原因について考える時間は沢山あったでしょう。そもそもルナード国王が族長を切りつけたことについてアレンデール、ノーサルドラ双方に目撃者がいてもおかしくないですし(実際にそれが戦闘の契機になったのでしょうし)、別の者から(実際に話を聞いていた側近等)国王の真の目的を後から聞いた可能性もあります。冷静に状況を判断すればするほど、ノーサルドラから仕掛けてくる理由もないですし。思慮深い彼は閉じ込められている間にルナード国王が裏切ったことに気付いたのではないでしょうか?ただ、アレンデールの兵士たちをまとめる立場としてはそれを認めるわけにはいかなかったのではないでしょうか?認めてしまうとアレンデール兵たちの士気に関りますし、ノーサルドラの民に対しても対等ではいられなくなりますから(それぞ私刑にあっても文句言えない)。かなり難しい立場だったと思いますが、アレンデールへの高い忠誠心と部下たちへの責任を持つ彼は真実に気付きながらそれを胸に抱えて過ごしてきたのだと思います。
だからこそ、アナから真相を告げられた時には「何故それを?」と”知った理由や契機”は問いましたが、「そんな訳ない」みたいな否定は一切せず指示に従ったのだと思います。
長くなりましたが、簡潔にまとめると、「マティアス中尉は当初は国王の作戦は知らなかった。ただ、閉じ込められている間に国王の悪事に気付いたが立場上認める訳にはいかず、次代の王であるアナ(エルサ)が真実を知ったことを知ると、否定せず指示に従った」だと解釈しています。