【漫画】夏目アラタの結婚 最新話・60話【感想・ネタバレ・考察】”トロフィーシスター”になりたかった…沙菜が兄の英介に抱いていた愛情と執着が明らかになり…

夏目アラタの結婚 7巻表紙

真珠は本当の品川真珠ではなく、無戸籍児の妹であった…。真珠の出生が明らかになり、次回の公判では一審の死刑判決が破棄されることが決まった。

しかし、その一方で真珠は希死念慮を強め、アラタに対して『次の法廷で助けを呼んだら必ず来て』という不可解な発言をし、アラタを困惑させるのであった…。

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Contents

以下、あらすじとネタバレ

周防英介の命日に線香を上げに周防家を訪れたアラタ。そこで英介の母の話から、以前沙菜が相談して来た”嫌がらせ”について違和感を抱く

その日、アラタは周防家で英介の遺影に手を合わせていた。

お礼を言う英介の母に笑顔で休日だったからと答えるアラタだったが内心は冷や冷やしていた。

今日は英介の命日…つまり自分の妻である真珠が英介を殺した日なのだ。アラタは深く英介に詫びていた。

仏壇の横には英介の骨壺が置かれており、アラタが納骨をしないのかと尋ねると英介の妹の沙菜が『夏目さんのおかげでようやくお骨が全部戻ってきたから(真珠によって左腕が旧江戸川河川敷に遺棄されていた)、母と相談してもう少し一緒にいたいと。』と答える。アラタは母娘の心情を汲み、温かい眼差しを骨壺に向けた。

すると、英介の母が『よろしければお昼でも』と言い出す。長いするつもりのないアラタは慌てて断り、そして話題を変えるためにも沙菜に『以前相談してきたポストにイタズラをされた件についてはその後大丈夫だった?』と振る。

それを聞いた瞬間、英介の母は顔色を変えて『聞いていないわよ?』と沙菜を問い詰め、こう続けるのであった。

「まさかまた昔みたいに、生ゴミとか入ってたの?―沙菜!!」

夏目アラタの結婚60 乃木坂太郎 6/27

慌てて『お母さんに心配をかけるのが嫌だったから黙っていた』と弁解する沙菜。一方、アラタは『初めてじゃなかったんですか?』と訝しむ。

そんなアラタに英介の母は6,7年くらい前にも何回か同様の嫌がらせがあったと説明する。

丁度それは英介が独立して家を出ようとしていた頃で、心配した英介は結局家に残った…そう語り合う英介の母と沙菜。

だが、それを聞きながらアラタは違和感を覚えた。以前、沙菜がポストへの嫌がらせを訴えて来た時は、ちょうどアラタが沙菜達被害者遺族と交流があることが真珠にバレ、真珠を怒らせてしまった時期であったこともあり、アラタはそれが真珠が手を回したものだと考えた。しかし、6,7年前となると流石にまだ真珠と英介が出会ったいたとは考えにくい。

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横にいるだけでステータスになる、”トロフィーシスター”になりたかった…アラタは沙菜が血の繋がらない兄の英介に強い好意と執着を抱いていたことに気付く

疑問を持ちながらも、とりあえず周防家を後にするアラタ。すると、沙菜が駅まで送っていくと言い出した。アラタは断るが、沙菜は強引についてくる。

その日の沙菜は体のラインが強調され太ももが露出するタイトミニワンピースを着ており、アラタは『グイグイ来る感じ』と改めて沙菜からアプローチを感じる。

すると、沙菜が唐突に口を開いた。

「…実はね、母とは血がつながってないんです、あたし。」

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沙菜は語る。既に故人である父親と自分。そして、母と兄の英介。お互い連れ子ありの再婚で家族になったのだと。そして、沙菜にとって英介は幼稚園児の時に突然できた兄であったのだが…。

「すごく優しくて―」
「あたし、けっこうブラコンなんですよ。」

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艶然と微笑みそう言う沙菜。だが、アラタはさほど驚かず、むしろ『なるほど』と納得する。

けっこう年上の自分に好意を惜しまずさらけ出すのも兄である英介の代わりなのだろうと。そして、以前に英介の写真を見せてもらった時のことを思い出す。

以前、沙菜に英介の写真を見せてもらった時、そこには英介と共に海水浴に行った時のものがあった。いい年をした、美しさと自信に溢れた女の子が一回り歳が離れた兄と海で遊ぶ…そんな情景にアラタは少し違和感を覚えていたのだ。

そんなことを考えていたアラタに今度は『”トロフィーワイフ”ってあるじゃないですか』と言い出す沙菜。

側に置いておくだけでステータスになるような妻を意味する”トロフィーワイフ”という言葉。一瞬何のことだか分からず困惑するアラタに沙菜は説明し続ける。

「あたしは妹だからワイフにはなれないでしょ?」
「だから「トロフィーシスター」になってやろうって思ったりして。」

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冴えない男でも可愛い妹を連れていたりすると一目置かれたりする。どこか抜けていてあまりモテそうになかった英介のために、自分を磨いてどこの女にも負けないようにした。

そう少し寂しそうな表情で語る沙菜をアラタは複雑な表情で眺めた。

以前、アラタが沙菜に英介と真珠の関係について尋ねた時、『男女の仲ではなかったと思う』『兄はデブ専ではなかった』とハッキリ否定した。沙菜は純粋に真珠が英介の交際相手であったことを認められなかったのだろう…そう考えるのであった。

すると、沙菜はアラタを真っすぐ見据えてこう尋ねて来た。

「死刑になりますよね?」
「あの女、死刑に。」

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期待に満ちた笑みを浮かべる沙菜に思わず目を逸らしてしまうアラタ。犯行時に未成年であったと推定され、それも年齢がハッキリしない真珠が死刑になることはまずない。だが、それを教えるわけには行かないアラタは苦悶の表情を浮かべて無言を貫くしかなかった…。

『死にたい時に死ぬために子供は持たない』『自分は真珠の旦那だから』そう語り、沙菜に別れを告げるアラタ…だが、そんなアラタの背中に沙菜はひそかに呟く

アラタと沙菜は海にやって来ていた。

タバコを吸いながら黙々と歩くアラタの後を楽しそうについて回る沙菜。

海に行こうと言ったのは沙菜だった。兄さんとよく行ったから…そう言う沙菜にアラタは付き合ったのだ。

海水浴シーズンではないため、海辺は閑散としていたが、そこでは夫婦が幼い兄妹を遊ばせていた。

そんな親子を眺めながら沙菜が『子供はすごくかわいい。あたしは沢山ほしい』とアラタに話を振る。だがそんな沙菜にアラタは振り向きもせず『オレはいらない』と答える。そして、立ち止まってこんな話をするのであった。

少し前に子供を連れた元カノにバッタリ会い、買い物の間の子守を頼まれたことがあった。ヤンチャな子供2人を少しの間フードコートで見たアラタ。アラタはギャーギャー騒ぐ子供2人を必死で窘める姿は父親にしか見えなかったのだろう。周囲からは苦笑いと共に温かい眼差しを向けられた。

しかし、意外にも不快さはなく『けっこう楽しかった』とアラタは笑い、沙菜も『そうでしょ?』と嬉しそうに言う。

だがアラタはその30分ほどの体験で満足してしまったと言う。子供が出来てしまったら、この騒々しさが一生続くのかとも思ってしまったと。

別にそれに耐えられないわけではない。むしろ今だって児童相談所の職員として年中よその子供達のために奔走しているのだ。でも、それでもアラタは子供を持ちたいとは思えない。『なんで?』と悲しそうに尋ねる沙菜にアラタは答えた。

「子供がいたら、生きなきゃな…って。」
「死にたい時に、死ねねえなあ…ってさ。」

夏目アラタの結婚60 乃木坂太郎 22-23/27

生きる自由を縛られるより、死ぬ自由を縛られる方が嫌だ。それは自由になった暁に鳥葬を望む真珠と変わらない。結局自分達は似た者同士なのだろう…そう思って内心笑うアラタ。

そして、沙菜に『今は詳しく話せないけど真珠は多分死刑にならない』と告げ続ける。

「2人っきりで君と会うのも、もうやめたほうがいいと思ってる。」
「俺、真珠の旦那だからさ。」

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それだけ言うとアラタは沙菜に背を向けて歩き出してしまう。。

沙菜は縋るように『変な人がポストにイタズラして怖い』と言うが、アラタは振り向きもせず『警察行きな、帰ろうぜ』

そんなアラタの態度に沙菜は呆然と立ち尽くし、手を伸ばして小さな声で『行っちゃダメ』と呟くが、その後舌打ちをして独り言つのであった。

「ゴミくらいじゃ、効果ナシ…か。」

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夏目アラタの結婚 7巻表紙

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以下、感想と考察

明らかになった沙菜の英介への強い愛情と執着について

まさか沙菜がこんな感じの子だとは…。確かにお兄ちゃんっ子過ぎる感じはあったけど、そうか英介と血がつながっていなかったのか…。確かに社会人になった女性が兄と一緒に海水浴行くかというと違和感ある。

8話で沙菜がスマホで英介の写真を見せてくれるシーンがあったけど、そしてそこでわざと自分の水着姿を見せてきたりしたのは、アラタへのアプローチかな…位にしか思っていなかったけど、よくよく考えるとその海水浴もちょっと不自然だし、そもそも兄の画像がポンポンあるのも今思うとアレだ(ただテレビを見ているだけの英介を後ろから撮ってる画像もあるし)。本当に伏線が散りばめられているから油断が出来ない…。

そして、ポストへのイタズラが自作自演なのは、もはや明白。そこまでして英介が家を出るのを阻む執念。恐ろしい…。

しかし、よくよく考えるとポストにゴミってとても自演しやすい嫌がらせだもんな…。沙菜の年齢がハッキリと分からないのだけど、6,7年前って沙菜は学生だろうか?いかにも子供が思いつきそうな手軽な嫌がらせだと言えるだろう。

しかし、別に連れ子同士は結婚できる訳だけど、英介の方は沙菜のことを完全に妹としか見てなかったんだろうな。だから、こんな風な気の引き方しかできなかったのだろう。

うーん、闇が深い。

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実は周防英介を殺したのは沙菜なのか?

なんか怖いのは、この沙菜ちゃん、まるで英介がまだいるかのように話すこと。もちろん話し方とかは全部過去形なんだけど、受け入れられていないというか、英介の人柄などを話すときに、まるで今もそうであるかのように話す。

何というか真珠に対して怒ってはいるけど、兄の死を悲しんでいる感じではなくっ、そこに”喪失感”の様なものが見えない。

ここで、一度振り返りたいのは、5話目の真珠がアラタに言った『誰も殺してない、無罪なの』という言葉。このブログ内でも度々言及しているが、以前、桃山が言っている様に、真珠は狡猾なようであからさまな嘘を吐けない人間である。

なので、この『誰も殺していない、無実なの』は言い換えると『被害者男性3人については殺害していない、3人の殺害については無実だ』と言う風に読み替えられるのではないか。アラタは真珠が人を殺したことがあると直感しているが、それが誰なのかまでは分からない。真珠が殺したのは三島正吾だけである可能性もあるのだ。

もし真珠が被害者男性を殺していないとなると、誰が被害者男性を殺害したのか…という話になってしまう。

英介を殺したのは周防沙菜の可能性もあるのか。

法律的に結婚することは可能であるが、沙菜がどんなに女性としての魅力を磨いても、英介は沙菜を女性として見ることはなかった。そして、英介が選んだ真珠は沙菜の価値観からして到底英介の相手として相応しくなかった。それで、殺意を抱き、あるいは突発的に英介を殺してしまった…とか??

ラストの『行っちゃダメ』も怖い。おそらく、真珠の元に向かおうとする英介に対しても同様の言葉を掛けたのではないだろうか?

…だとして、そこから真珠が英介の遺体をバラバラにするまでの流れが分からないのだけど、やはり沙菜が英介を殺害した可能性としてはゼロではない(個人的に最後の被害者である山下良介も、実は妻に殺害されている可能性もあると思っている)。やたら真珠が死刑になるかどうかを確認したがるのも、真珠に罪を被せて真相を闇に葬ることを望んでいるからなのではないか。

でもだとすると英介の母が可哀そう過ぎる。理由は不明だが最初の夫と離別して、再婚した沙菜の父とは死別して、息子の英介は殺されて…。それでもって、もし英介を殺したのが沙菜とかだったりしたら、もう

…ところで、今、英介が可愛がっていたワンコってどうなってるの?周防家は一軒家だけど、今そのワンコがいる描写はない。普通に老衰で亡くなったのだろうか。まさか、沙菜が英介の気をひくために…なんてことはないよね…?

『ゴミくらいじゃあ効果なし』…次に沙菜が取る行動は??

『自分は真珠の旦那だからもう二人きりで会うのはよそう』とハッキリと沙菜を拒絶したアラタ。しかし、沙菜は全くもって諦めた様子はなく、むしろ『ゴミくらいじゃ効果なしか』とか言って舌打ちをする始末。

確実に何か仕掛けてくる。

とはいえ、あくまでアラタの気を引くのが目的だから真珠個人を攻撃することはないだろう(次の公判で襲撃するとかはなさそう)。あるとして、また誰かに嫌がらせされたのを自演するか、あるいは自傷、自殺未遂とか?

何にせよ嫌な予感しかしない…。

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