【漫画】あなたがしてくれなくても59話・最新話【感想・ネタバレ・考察】離婚は不幸なことではない…楓との対決を経たみちは陽一に今後の話を切り出す決意をする

あなたがしてくれなくても 8巻表紙

陽一が表面的にはみちに同意して子供を望んでいるふりをしていながら、内心では子供を欲しておらず、みちが子を産めなくなり諦めるのを待っていたことが発覚した。みちが怒ったことで陽一は子供を持つ可能性について考えるようになったものの、みちは陽一に対して強い不信感を抱くようになっていた。

一方、楓は未だに誠の心が戻らないのは誠とみちが関係を持ち続けていることが原因だと考え、怒りからみちに電話し呼び出した。

楓から誠との関係に問い質されたみちは正直に誠との一連の出来事を話し、平身低頭謝罪し続けた。そして、楓はそんなみちに対して辛辣な言葉を浴びせる。

しかし、楓から『たかがレスごときで』と言われると、みちは『たかがではない』と反論し、セックスレスの苦しみを切実に訴えた。みちの言葉に楓は誠が抱え続けていた苦しみを理解し、何も言えなくなってしまうのであった…。

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Contents

以下、あらすじとネタバレ

私はこんなに強かった?弱かった?…対決を終えたみちと楓は互いに自分の意外な一面に驚かされる

セックスレスは『たかが』と言っていいような問題ではない…今まで謝るばかりだったみちからそう切実に訴えられて動揺する楓。レスの苦悩を語るみちの姿に誠が重なって見え、そして、『あんなにも愛してくれたパートナーはもういない』というみちの言葉は、誠からの愛情を失い悲しみ傷ついている自分に深く刺さったのだ。

しばし言葉を失ってしまった楓。しかし、気を取り直してみちにこう言い返した。

「だから?」
「不倫しても仕方ないとでも?」

あなたがしてくれなくても59 ハルノ晴

そう言われたみちはハッとして『そういうことでは』と俯き、再び『すみません』を頭を下げた。

だが、そんなみちに楓は『不快だわ』とだけ言うと、そのまま席を立ち、喫茶店を後にしてしまった。

夜の往来に出た楓は自分の手が震えていることに気付き、愕然とする。本当は夫の浮気相手であるみちにもっと色々と傷つけるようなことを言ってやりたかったはずなのにそれができなかったことを悔しく思うのであった。

一方、一人喫茶店に残されたみちは、最初は震えていたはずの手の震えがいつの間にか収まっていることに驚いていた。当初はただ楓に謝罪するだけのつもりだったのに、『たかがレスごとき』と言わると、思わず反論してしまった。

楓とみちはそれぞれ思うのであった。

私…こんなに弱かったっけ?/こんなに強かったっけ?

あなたがしてくれなくても59 ハルノ晴

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陽一の待つマンションに帰宅したみちは、陽一との関係が修復不可能なものだと改めて感じ、結婚指輪を外そうとするが出来ずに落ち込む

そして、そのままみちはマンションの前まで帰って来た。自室の明かりが灯っていることを確認したみちはため息を吐きながらマンションの中に入っていた。

部屋に入るとリビングで陽一がタブレットをいじっていた。ただいま、おかえりとぎこちなく挨拶をするみちと陽一。しかし、互いにその後の言葉が続かず、みちは逃げる様に『着替えて来る』と言ってリビングを出て、陽一は傷ついた表情を浮かべるのであった。

着替えに向かいながらみちは思う。好きだった人の奥さんと先程のようなやり取りがあったにも関わらず、何事の無かったかのように夫のいる家に戻る自分はおかしいと。そして…

埋められない亀裂が走ってもう上手くいかないってわかってるのに
よそよそしく一緒にいる私たちも全部おかしい

あなたがしてくれなくても59 ハルノ晴

そう考えて、結婚指輪を外そうとしたみち。しかし、結局それは出来ず、ただ立ち尽くすだけであった…。

翌日、みちは離婚した女性社員川上と会話する。『離婚は大変だったが、今はとても楽しい』と明るく話す川上の笑顔にみちは…

翌日、いつも通り経理の業務をこなしていたみちは『あれ?』と声を上げた。見知らぬ『川上』という名を目にして『誰だろう』と隣席の華に尋ねた。すると華は答えた。

「あ 先輩に言い忘れてました」
「営業の浜崎さん名字変わったんですよ」

あなたがしてくれなくても59 ハルノ晴

事情を理解したみち。経理部の中では『名字が変わる』というのは『離婚』を指す。そのため、みちもこれ以上は華に深くは聞かないという大人の対応をするのであった。

その後、化粧室に向かったみちは鏡の前で化粧を直す川上(旧姓浜崎)と出くわした。

鼻歌交じりに化粧を直していた川上はみちに気付くとお疲れ様ですと声を掛け、みちもお疲れ様ですと返す。

すると、川上は『実は私離婚したんです』と告げる。みちは気まずく感じながらももう知っていると答え、川上は『結婚式の時に手伝ってもらったのにごめんなさい』という。

何と返していいか困惑するみち。だが、意外にも川上は明るく、『よく離婚は結婚の何倍も大変だというけど本当だった』『でも終わった今となっては結婚していた時よりすごく楽になった』と語る。夫とはケンカばかりだったが、子供のために我慢をし続けていたという川上。しかし、離婚したらスッキリしたというのだ。

「もっと落ち込んだり後悔するかなって思ってたんですけど」
「今楽というか」
「楽しいんです」

あなたがしてくれなくても59 ハルノ晴

そうみちを真っすぐ見つめて微笑んだ川上。川上は本当に明るく輝いており、みちはその笑顔に心を奪われるのであった。

帰り道、みちは思い返していた。以前、華の引っ越しの荷造りを手伝った時、みちは『自分は夫を失ったら一生一人だ』と零したことがあった。すると、華は『覚悟を決めた女ほど強い生き物はいない』と返した。

みちは改めて、痛感するのであった。

私は失うことばかり恐れてた

あなたがしてくれなくても59 ハルノ晴

もし陽一と離婚したら一生独りかもしれない、孤独に耐えられないかもしれない。後悔するのではないかと。

しかし、”覚悟を決めた”川上の笑顔は強がっているわけではなく、本当に明るく輝いていた。

みちはふと、通りかかった不動産屋の店頭に張り出されていた広告を見た。1Kの部屋の写真に、みちはその部屋で一人ご飯を食べる自分の姿を思い浮かべた。その光景は決して悪いものではなく、みちはときめきすら覚えた。

離婚したってただそれだけで”不幸”なんかじゃないんだ…!

あなたがしてくれなくても59 ハルノ晴

そう感じたみちは意を決して陽一が待つマンションへと向かうのであった…。

マンションについたみちは深呼吸してから『ただいま』と言って中に入った。

そして、リビングにいた陽一にこう告げるのであった。

「陽ちゃん」
「子供のこと…私たちのことで」
「話したいことがある」

あなたがしてくれなくても59 ハルノ晴

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以下、感想と考察

対決を経て、互いに自身の意外な一面を見たみちと楓。自分の弱さに気付いた楓はどうなる?

あっさりと終わったみちと楓の対決。

でも、まあ前回の時点で割と決着がついていたからね。みちがレスの辛さを訴えたことで、楓は誠の感じていた苦悩を理解して、それでもって『自分のことを愛してくれていた配偶者がもういなくて苦しんでいる』というのは楓も一緒だから非常に動揺してしまい、もうみちを責めるどころではなくなってしまったのだ。それでも一応、楓は最後に『レスだったからといって不倫していいのか』と言い返せただけ良かったのだろう。実際にその通りだと思うし。

そして、最初は手が震えていたのに、楓に言い返す中でいつの間にか震えが収まっていたみちと、最初はみちを罵倒する気でいたのに、結局逃げる様に店から出て、手が震えていた楓の対比が何とも上手いと感じた。

互いに自分の以外な一面を知ることになったみちと楓。この経験は二人の今後に大きく影響を残すのではないか。

個人的に、楓が誠とすれ違った原因の一つに『自分の弱さを認められなかったこと』があるのではないかと考える。仕事でも決して弱みを見せない楓。家庭内でも誠に何か頼むときも高圧的。『自分が苦手なことを補ってほしい』というのを素直に出せていたら色々と違っていたのではないか。

でも楓は今回のみちとの対決で自分の弱さに気付くことができた。このことは今後の誠との関係にどう影響してくるのだろうか?

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一方、陽一と別れる覚悟ができたみち。陽一にどのように切り出すのか

そして、楓との対決で自身の意外な強さに気付いたみち…だったけれども、すぐに陽一に話を切り出すことはできなかった。

そんな中でみちの背中を押したのは華…ではなく、初登場のキャラ、川上さん!

この作品、つくづく思うけど、本当に脇役キャラがいい仕事をする。ただのモブに終わらず、ちゃんと主要人物にさり気ない影響を与えてくれる。

53話の荷造り回が顕著だけど、みちは恋愛について強いコンプレックスを持っているのか、『陽一と別れたら自分は孤独になってしまう』という考えに囚われている。華からそれが誤りであることを指摘されても、今一つ受け入れられなかったのは、華が明らかにみちより若くモテるタイプだったというのもあるのかしら。まあ、それでも、華の指摘はみちに『今後独りで生きていけるか』というテーマを与えた。

そんなみちに対して最後の一押しをしたのが、実際に離婚を経験した川上だった。『離婚は結婚よりも大変だったけど今は楽しい』とハッキリといった川上。…いやあ、本当に川上さんが輝いているので説得力が。誰もいない化粧室で化粧直ししながら鼻歌歌っちゃうくらいだもん。本当に楽しいのでしょう。

川上の言葉は以前の華の言葉と混ざり合って、『離婚したからといって不幸になるわけじゃない』とみちに気付かせる。一人暮らしの様子を明るく想像できるようになったみちはついに陽一に今後の話を切り出す。

…とはいえ、陽一がすんなり認めるわけもないだろう。

果たしてどうなるのか…。

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