【漫画】夏目アラタの結婚 最新話・61話【感想・ネタバレ・考察】本能の声と継子殺し…父親の様に心配してくれる所長にアラタは…

夏目アラタの結婚 7巻表紙

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真珠の正体は幼くして亡くなった品川真珠の妹、そして真珠は犯行時未成年だった可能性が高い。このことから次回の公判で真珠の死刑判決が破棄されることがほぼ確実となった。

だが真珠は喜ぶどころか希死念慮を強め、アラタに対して『次の法廷で助けを呼んだら必ず来て』という不可解な発言をし、真珠の真意を掴めないアラタはただ困惑するのであった…。

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Contents

以下、あらすじとネタバレ

真珠と面会できなくなってしまったアラタは、仕事に没頭することで気を紛らわす日々を送っていた

その日の夕方、アラタは熱心に児童相談所で働いていた。『桃ちゃんは帰っていいよ』と言って桃山の仕事まで引き受けようとするアラタを大高所長が『最近働きすぎじゃないか?』と咎めるが、アラタは『桃ちゃんにはいつもお世話になってるから』と言って笑って受け流す。

アラタが仕事に没頭しようとする理由…それは余計な事…真珠のことを考えないようにするためだった。

本物の品川真珠の嬰児の死体の発見者になってしまったアラタは事後共犯の疑い(本物の品川真珠の死体遺棄罪、または証拠隠滅や変造についてだと思われる)を掛けられてしまったため、もう裁判が決着するまで真珠と面会することは恐らく出来ない。あの15分間の面会の時間を失ってしまったアラタはふとした瞬間に真珠を思い浮かべて『今、何をして何を考えているのか』と考えてしまうのだ。

独りになった執務室で、これも遠距離恋愛の一つなのかと思いにふけるアラタ。これから会えない時期が2、3年なのか10年になるのかも見当がつかなかったが、それは互いを変えてしまうには十分な時間なのではないかと思えてしまうのであった。

そんなアラタの携帯に沙菜からメッセージが届く。食事に誘うメッセージを見たアラタはウンザリする。前に葛西の海に一緒に行ってからしつこくメッセージが届くようになり、アラタが既読無視をしているにも関わらず、止むことがないのだ。

そもそもアラタは事件の被害者遺族から少し距離を置きたいと考えていた。真珠が未成年だったという、真珠に有利な証拠を見つけてしまった自分は被害者遺族から見て裏切り者だから…と。

だが、山下卓斗の顔を思い浮かべたアラタは『お前の親父の首だけは捜し出す』と改めて決意した。卓斗の父親、山下良介の見つかっていない首を見つけること…それが全ての始まりだったのだから。

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執務室に戻ってきた大高所長はアラタに『児童相談所を辞めるつもりか?』と尋ねる。所長は自分やアラタの母、綾子がアラタの将来を心配していることを語る

すると、執務室に二人分のコーヒーを持った大高所長が戻って来る。所長が帰ったものだと思っていたアラタは驚く。所長はアラタにコーヒーを手渡しながらいきなり尋ねた。

「ひょっとしてお前さあ、」
「児相、辞めるんか?」

夏目アラタの結婚61 乃木坂太郎 11/27

『何で?』と驚くアラタに所長は最近のアラタの働き方はまるで”辞める前の”最後の御奉公”に見えるのだと言う。アラタは慌てて、最近は面会がなくなり、桃山に恩返しをするためだと言い訳するが内心は焦る。以前、桃山に『真珠と生きるために児相を辞めてもいいのではないか』と言われたときに一瞬心が揺れたのだ。

アラタの言い訳に一応納得した様子の大高所長は自分がアラタに期待していること、そして、アラタの母親である綾子が少し前に尋ねてきたことを明かす。

『アラタがヤバい女と籍を入れたから心配している。くれぐれも頼みます』…綾子はそう所長に頼んでいったのだという。

全く知らなかったアラタは少し驚くものの、『別に嫌なら縁を切ってもいいし、迷惑もかけるつもりもない』とうんざりした様に言う。良い所の後妻になった綾子は自分に累が及ぶことを恐れているのだろうと思ったのだ。

だが、そんなアラタを所長は『お前の心配をしてたんだよ』と叱った。

綾子は自分の心配ではなく、純粋にアラタの心配をしていたのだ。そして、それは所長自身も同じだと語る。

綾子と違って、真珠が実は未成年だったため死刑を免れることを知っている所長は、真珠が出所した後のアラタの生活、そして子供が出来る可能性を考えてしまうのだと言う。

それを聞いたアラタは『子供なんて作るわけない』と所長を睨みつける。だが、所長は『結婚する気もなかったくせに、今のザマじゃねえか』と辛辣な指摘をする。反論できなくなってしまったアラタはそのまま黙り込んでしまうのであった。

”本能の声”について語る大高所長。そして『俺を親父だと思って隠さず話してほしい』という大高所長の言葉にアラタは…

黙って顔を逸らしてしまったアラタに所長は慌てて『スマン』と謝る。何も所長はアラタにケンカを売りたいわけでも、責めたいわけでもなかった。

ただ、『人間は頭で考えた通りには生きていけない』…そういうことを伝えたかったのだと言う。そして、虐待を例に挙げて語るのであった。

そもそも、虐待をする親だって、最初から『生まれてきたらいじめてやるぞ』と身構えているわけではないのにそうなってしまうのだ。

そして、児童相談所の所長という立場で子供への暴力を抑止する立場である所長自身もプライベートでは言うことを聞かない息子に手を挙げてしまったことがあることを打ち明ける。何でそうなってしまうのか分からないけれど…そう言って悲しそうに俯きながら笑う所長。

しかし、ふと顔を上げて言うのであった。

「いや、一つだけわかるな!」
「継子をいじめ殺す父親な!」
「―あれは、」
「本能が命じてるんだろうな。」

夏目アラタの結婚61 乃木坂太郎 17-18/27

ライオンなどは自分の種ではない子供を殺す。もちろん人としては認められない行動であるが継子を殺す父親はある意味、生き物としては正しいことをしていると所長は語った。

所長の言葉に一瞬唖然としたアラタだったが、『俺が継子を殺すタイプだと言いたいのか?』と反発する。所長が何を言いたいのか今一つ理解できなかったのだ。

すると所長は『そうじゃなくて、人間はどこかでそういった”生き物の声”が聞こえてくるんだよ』と言う。

例えば、子供嫌いの女性が実際に産んでみたら自分の子供だけは可愛がることができたり、逆に待ち望んで産んだ子を愛せなくて苦しむ女性もいる。そんな風に、理性では抑えられない本能のようなものがあるのだと。

「お前が結婚したのも、何かの声を聞いたからだと思うぜ。」

夏目アラタの結婚61 乃木坂太郎 20/27

そもそも、そう言った”声”が聞こえない人間は結婚なんてできないのではないかと言う所長。そして、いくら頭で子供がいらないと思っていても相手が側にいれば直に繋がりたいと感じ、子供ができてしまうことがあるのだと。

所長の言葉に気圧されながらも、『人をケダモノみたいに言うね』と睨んで言い返したアラタ。しかし、所長は冷静にアラタに『一線を越えてる連中と違ってお前は一線を踏んずけているタイプだ』『どちらに転ぶか分からないから危なっかしい』と言う、そして、それは良いか悪いかの話ではなく、ただ人は”声”を聴いてやらかしてしまうことがあるのだと諭す。

「その時は恥じず、隠さず、」
「俺に、話してくれよな。」
「親父だと思ってよ。」

夏目アラタの結婚61 乃木坂太郎 23-24/27

そう言って所長は温かい笑顔を浮かべた。

驚いたアラタが言葉を失ってしまうと、所長は自分の言葉に恥ずかしくなったのか、赤面しながら『前にお前が言っただろう』と指摘した。以前、アラタは真珠との婚姻届の証人になってもらうため、所長に『親父みたいに思ってた』と言って口説き落としたのだがアラタ自身はすっかり忘れていたのだ。

照れ臭さを誤魔化すように『話はそれだけだ』と言って立ち去った所長。

その背中を見つめながらアラタは昔のことを思い出す。

少年時代荒れていたアラタを母、綾子と共に叱り追いかけてきてくれたのは大高所長だった。警察に補導されたときに迎えに来てくれたのも所長だったのだ。そして児童相談所で働くことを決意したのも、『あのオヤジがいるなら児童相談所も面白いかもしれない』と思ったからだ。

『親父だと思っている』というのは婚姻届けの承認になってほしいがためのデタラメではなく、アラタの本心でもあったのだ。

誰もいなくなった夕暮れの執務室でアラタは一人呟くのであった。

「ありがとな、親父。」

夏目アラタの結婚61 乃木坂太郎 26/27

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以下、あらすじとネタバレ

一気に公判に行くかと思ったけど、そうではなかった。前回は沙菜の不穏さで色々と考察させられる回だったけど、今回は所長回だった。そして、アラタが想像した10年後のアラタと真珠がくたびれているけど同時にちょっと色っぽい。

所長の『継子をいじめ殺す父親は分かる』は伏線か

今回は大高所長の温かさを感じられる良い回だった。

…が、しかし、今までの経験からして、この作品においてこういう回は大体ただの『良い話だな~』では終わらず、大体何かの伏線が張られていることが多い。タム君回もそうだったし。

特に今回気になるのは大高所長の『一つだけ分かるのは継子をいじめ殺す父親』『本能が命じている』というものだ。

…これ、今後の展開のヒント、伏線である可能性が高いのではないか。

本作において継父、継母、継子関係に当てはまる、あるいは当てはまる可能性のあるキャラクター達は複数存在する。

①真珠と三島正吾

②本物の品川真珠(しんじゅ、スピカ)と真珠の実父

③周防英介の母と沙菜

④沙菜の実父と周防英介

⑤神波裁判長と娘の夏子

⑥(あくまで個人的な推測の域を出ないが)山下卓斗の母から見た真珠??

以上についてそれぞれ考察していきたい。

① 真珠と三島正吾

これは分かりやすい例なのではないか。とはいえ、現時点で真珠と三島正吾の間に具体的に何があったのかは明らかになっていない。真珠は三島正吾から金銭的を要求され、また肉体関係を迫られたと公判で主張しているが、これは具体的な嘘を吐くのが苦手な真珠が宮前と桃山の主張・推測に乗っかった可能性が高い。

しかし、裁判での稲葉由之の証言からしても三島正吾は何らかの理由から真珠が自身の娘である本当の品川真珠ではないと気付いていたと思われ、そうなると三島正吾と真珠の関係が良好なものになりえないだろうから、やはり真珠は三島正吾から何らかの攻撃を受けていたのは確かだろう。

②本物の品川真珠(しんじゅ、スピカ)と真珠の実父

現時点、本物の品川真珠(以下、スピカ)の死因については頸椎骨折としか分かっていない。作中の描写からしても環が虐待していた様子もなく、桜井検事も事故死であると推測している。

しかし、虐待等の暴力で死亡した可能性が無くなったわけではなく、例えばスピカが死亡した時期に既に環が真珠の父親となる男性と交際していた可能性もあり、彼から暴力を受けて死亡した可能性もあるのではないか。

③ 周防英介の母と沙菜

所長の例はあくまで継子を殺す父親という話だったので、母親である周防英介の母と沙菜はちょっと違うかもしれない。そして、夫や実子の英介が亡くなってしまった今、直接血縁がない沙菜と一緒に暮らしているが、特にこじれた感じはない。英介の母も沙菜を娘として深く愛している様に見える。…とはいえ、沙菜が英介に兄として慕う以上の感情を持っていたこと、そして英介を束縛したいがゆえに嫌がらせを自演していたこと等は気付いていないようだけどね…。

④沙菜の実父と周防英介

どちらも故人なので不明。しかし、英介の母と沙菜の今の関係を見てもさほど問題があったようには思えないが…。とはいえ、沙菜の実父の死因が気になる。

⑤裁判長と娘の夏子

所長が言うところ本能の声ではなく、人間としての理性が勝っていたであろう神波裁判長は、夏子が自分の娘ではないということを分かっていながら、妻の嘘を観察することに心血を注いで生きて来た。結果、裁判官としての観察眼が磨かれて、一見すると円満な家庭を築けている。本能の声を聞かず理性の声だけを聞き続けて生きて来たのだろう。

しかし、真珠と向かい合ったことで神波裁判官の心のバランスが崩れつつあるように思える。今後どうなるのだろうか…。やはり強い理性と自制心で今まで通りの生活を続けていくのだろうか。

⑥(あくまで個人的な推測の域を出ないが)山下卓斗の母から見た真珠??

個人的な推測だが、実は真珠の実父は山下良介で、真珠と卓斗は異母兄弟に当たるのではないかと考えている。真珠がかたくなに良介の首の在処だけを語らないのは、首が発見されることがきっかけで自身と良介の血縁関係が明らかになって、弟である卓斗に累が及ぶのを恐れているからではないだろうか。

あるいは、良介を殺したのは卓斗の母であり、その真相が明らかになるのを恐れているとか。

とにもかくにも、仮に良介が真珠の実父だとすると、卓斗の母から見て真珠は継子に当たることになる。

密かに週刊誌にアラタと真珠の関係をリークし、また夫の良介の首が見つかることを望んでいないかのような言動をする等、卓斗の母親の行動は他の被害者遺族のそれと異なっている。

以下は妄想の域を出ないが…

最後の被害者であった山下良介は真珠の実父であり、なんらかの形で知り合った真珠が自身の娘であることに気付き、三島正吾から助け、自分が引き取ることなどを考えたのではないか。そして、それを卓斗の母は快く思わなかったのではなだろうか。突然降ってわいたような継子の存在などそうそう受け入れることはできないから…。そして、そのことが何らかの形で良介の死に繋がったのではないか…。

まあ、以上は妄想の域を出ないけれども…。

さすがに次回は公判の話になるのだろうか。

夏目アラタの結婚 7巻表紙

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