夏オススメ・ホラー【小説】ぼっけえ、きょうてえ【ネタバレあり感想・考察】岩井志麻子が紡ぐ、恐ろしく奇妙で淫靡な世界

ぼっけえきょうてえ 表紙

行ったことも無いくせに偏見を持っている土地がある。岡山だ。 私の中の岡山県は桃太郎の生まれた晴れの国ではなく、閉鎖的で因習渦巻く、物悲しくもどこか淫靡な土地なのだ。そして、それは全部、岩井志麻子のせいだ。岩井志麻子の書く…

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夏オススメ・ホラー【小説】向日葵の咲かない夏【感想・ネタバレ】『僕』と共に体験する絶望の夏休み

向日葵の咲かない夏 表紙

夏…社会人になってしまうと、四季の一つになってしまうそれは、子どもの頃は違った輝きを持っていたのではないか。そう、何故なら『夏休み』があるからだ。学校生活から解き放たれた自由度の高い日々が無限と思えるほど長く続き(そうや…

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【小説】坂の途中の家(後編)【感想・ネタバレ・考察】被告人水穂を自身と重ね合わせていく里沙子~ラスト・結末後の里沙子の行く末を考える

坂の途中の家 表紙

33歳の専業主婦の山咲里沙子はサラリーマンの夫、陽一郎と2歳の娘、文香(あやか)との生活に、これといって大きな不満を持つことなく、平穏に暮らしていた。しかし、ある日突然、生後8か月の娘を浴槽の中に沈めて殺害した安藤水穂の…

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【小説】坂の途中の家(前編)【感想・ネタバレ・考察】角田光代が描く裁判員裁判×育児の闇~補充裁判員に選ばれた専業主婦が覗く深淵

坂の途中の家 表紙

平成21年5月21日…この日付を聞いて何のことだかピンとくる人はまず、いないだろう。これは日本において裁判員制度がスタートした日である。この制度の成立ち、経緯には色々と能書きがあるものの、要約すると『判例ばかり重視して、…

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【小説】彼女は頭が悪いから【感想・ネタバレ】後編~作者姫野カオルコ氏の怒りと作品の抱える矛盾~実在の事件をモデルにする難しさを考える

彼女は頭が悪いから表紙

この前編の記事ではこの小説のあらすじと、実際の事件との相違、登場人物について書いていった。前編の記事→【小説】彼女は頭が悪いから【あらすじ・ネタバレ】前編~実在の事件と小説の相違について検証する【登場人物・キャラクター】…

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【小説】彼女は頭が悪いから【あらすじ・ネタバレ】前編~実在の事件と小説の相違について検証する【登場人物・キャラクター】

彼女は頭が悪いから表紙

諸事情あって昨年の秋、しばらく東京大学の敷地内で過ごすことがあった。この場所で読むのに適した本は無いか…そう考えて手に取ったのが、この『彼女は頭が悪いから』(姫野カオルコ著)であった。…はい、悪趣味ですね、ごめんなさい。…

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【小説】地球星人【感想・ネタバレ】社会は斯くも不寛容か?子供の虚構が社会に牙をむくラスト

2016年、『コンビニ人間』で芥川賞を受賞した、村田沙耶香氏の受賞後長編第一作である。宣伝文句に『衝撃』『驚愕』といった言葉が使われているが、本当にその通りの作品である。読むのなら覚悟をした方がいい。以下、あらすじ・ネタ…

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【小説】十二人の死にたい子どもたち【感想】タイトルに反してライトな読後感

諸事情あってしばらく入院してました。入院中、身動きが取れず出来ることと言えば、スマホをいじるか本を読むかくらい。 そんな中で、読んだ一冊が、この『十二人の死にたい子どもたち』(冲方丁)。どうやら2019年1月に実写映画化…

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