【漫画】マタしてもクロでした分冊版6【感想・ネタバレ】離婚後のお金と貧困…厳しい現実に悩むところにムスメが意外なことを言い出し…

マタしてもクロでした6

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何度も浮気・不倫を繰り返す夫に嫌気がさしたうえみあゆみは遂に離婚の準備を始める。しかし大学受験を控えたムスメ、中学生になったばかりのムスコを抱えての生活にはお金が必要で、離婚後に必要なお金の計算をしたうえみは愕然とするのであった…。

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【漫画】マタしてもクロでした分冊版5【感想・ネタバレ】離婚を決意するも必要なお金は膨大で…

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Contents

各話あらすじ・感想(ネタバレあり)

第16話 きっと許せない~無料塾で子どもの貧困のリアルを知ったうえみは子供を貧しくする可能性に迷い始める

別名義で子どもの貧困をテーマにした連載を始めたうえみあゆみは貧困の理由や格差のメカニズム、貧しい子どもを支援するサービス、果ては大卒と高卒の生涯賃金の差について等猛勉強していた。

にも関わらず編集からは『貧困のエピソードが足りない』と言われてしまい、大混乱。2本の連載を掛け持ちして忙しく余裕の無いうえみに代わって長女が夕飯を作ってくれるなど手助けをしてくれるようになったが、自身が子供達をサポートできていない現状にうえみは罪悪感を抱くのであった。

そんな中、うえみは漫画の参考にするべく、貧しい子ども達のための”無料塾”の取材に行く。塾の子供達を見て『うちの子達と全然変わらない』と感じるうえみだったが、塾の代表者はこう言うのであった。

「困ってない様に見えるのは表面だけです」

マタしてもクロでした分冊版6 うえみあゆみ 9/34

真面目に勉強している子供達だが、実は中学生になって分数の掛け算をしていたり、高校受験が近いのにアルファベットが完璧じゃなかったりするのだと言う。

そして、驚くうえみに代表者は『ここにいる生徒のほとんどが”シングル家庭”です』と現状について説明する。シングル家庭の8割が養育費を受け取っていないというのが現実で、養育費の取り立てや差し押さえは現実的にまだまだ難しい。そうなると、”子供としてあるべき当たり前の経験”をすることが難しくなってしまうというのだ。

例えば、黒板が見えないのに眼鏡が足りない、部活で使う道具を購入することが出来ずに入部を諦める…。更に、親が生活のために仕事を掛け持ちしたりするために子供と過ごす時間が少なくなる。そうなってしまうと家で一人で過ごすことが多くなる子供は勉強する習慣を身につけることができなくなってしまうのだ。

そして、高校生になると子供達はアルバイトが出来る様になる上、遊び自体も派手になる。そうなると女子の場合は体を売ることを覚えてしまうことも少なくなく、そうなってしまうと抜け出せなくなってしまうというのだ。

それを聞いたうえみは愕然として代表にこう言う。

「払わない人沢山いるけど養育費の未払いって…」
「実際ネグレクトと同じじゃないですか?」

マタしてもクロでした分冊版6 うえみあゆみ 13/34

月々ちゃんと養育費さえ支払われれば子供を引き取った親は仕事を減らすことができ、子供達の境遇は改善する…しかし、その養育費がちゃんと支払われることは稀で、受け取る側も『元配偶者と連絡を取りたくないから』『手続きが面倒くさいから』と言うことも少なくないという。そんな現実を知ったうえみは何とも言えない気持ちになるのであった。

その後、ムスメがうえみにバイトをしたいと言い出す。しかし、うえみは『学生は勉強が本分だから』と反対する。ムスメが離婚した後のお金について気にしている様で『片親の子はバイトを結構していて、学費を親に借りて返している子もいる』と語るが、うえみは『今あなたは家事を手伝ってくれるだけで十分なの』と返す。だが、ムスメはそんなうえみにこう言うのだ。

「ママさ私の事可哀想だって思ってない?」
「子供って可哀想って思われがちだけどそれって偏見だよ」

マタしてもクロでした分冊版6 うえみあゆみ 17/34

その言葉に驚いたうえみは『そんなこと思ってない』と伝えるも複雑な気持ちになる。

うえみが本当に心配している事…それは離婚することで否応なくムスメとムスコを貧困へ道連れにしてしまうこと、そして、そんな自分自身を許せなくなってしまうことなのだ…。

…子供の貧困のリアルが辛い。よく”子供の貧困”が取り上げられると『スマホ持ってるじゃないか』みたいな些細な揚げ足取りをして叩く人がいたりして、『貧乏=明日食べるものに困っている。だからコンビニご飯を食べる人は貧乏じゃない!!』みたいにまだまだ”相対的貧困”への理解が足りていないのが現状。

そして、『養育費を支払わないのはネグレクト!』と言うのは名言だと思う。支払う能力があるのに養育費を支払わないのも児童虐待の定義に入れてもいいと思う。

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第17話 幸せになるために~離婚のために子供達に我慢させたくない…そう思ううえみにムスメはある夢を打ち明ける

その日うえみは喫茶店で友人にムスメがアルバイトをしたがっていることについて相談していた。

『アルバイトはいい経験になるんじゃない?』と肯定的な友人にうえみは『ムスメはバイトを始めたら自分や家のために一生懸命になり過ぎてしまうのではないか』と心配していることを打ち明ける。

数日前、卓球部のムスコが部活を休んで帰って来た。その理由は転んだ際にラケットを踏んでしまいラバーを剥がしてしまったことだった。落ち込みながら謝るムスコ。ラケットは先月買ったばかりでラバーの貼り換えもそれなりにお金が掛かる。

すると、通りがかったムスメは『私のお年玉を崩して買おうか』と言い出したのだ。うえみは『お年玉は自分のために使いなさい』と言うが、ムスメは『離婚したらお金が大変になるし、足りない分は私がバイトする』と主張するのだ。

小さい頃から健気で優しかったムスメはとても良い子に育った。だからこそ、うえみは心配なのだ。

だが、そう話すうえみに友人は『離婚したいのなら仕方がないのでは』と答える。

「逆にそれが原因で離婚しなかったら子供達は…自分のせいって思わない?」

マタしてもクロでした分冊版6 うえみあゆみ 23/34

友人の言葉に驚くうえみ。友人は元夫と離婚した時とても晴れやかな気持ちになり、むしろ結婚したときより幸せだったとさえ言う。『さっさと旦那に天罰を食らわせて皆で頑張ればいい』…友人はそうアドバイスする。

しかし、そんな友人の携帯に友人の元夫から電話が掛かって来る。子どものことについて和やかに話し合い、何やらお礼を言って電話を切った友人。うえみが別れた後の方が雰囲気が良いことを指摘すると顔をしかめてこう答えた。

「養育費って相手に払う気にさせるのがコツなんだってさ」
「だからなるべく機嫌取ってる お金のためって分かっててもモヤッとするけど…」

マタしてもクロでした分冊版6 うえみあゆみ 27/34

元夫は連絡をしないと養育費の振込を忘れたフリをしてくるのだ。

そんな友人の現状を目の当たりにしたうえみは無料塾の代表の言葉を思い出しながら、『どうして浮気したのは向こうなのに、しわ寄せが私達に来るのだ』という強い苛立ちと怒りを感じる。

帰宅後、離婚した場合の生活について公的な補助を調べ色々と試算してみるうえみ。その結果、母子家庭になった場合、様々なありがたい助成・支援があるものの、それでも子供達には部活の道具などを我慢させる生活になるという現実を突きつけられる。

離婚後の生活を見据えたうえみはムスコに『今月は家計が厳しくてラケットを修繕することは出来ない』と伝えた。しかし、ムスコは素直に『僕のせいだし』と受け入れる。うえみは、そんなムスコを見ながら『自身が離婚して幸せになるために子供達を踏ん張らせ頑張らせる姿を見てなおも幸せと感じられるのか』と悩むのであった…。

その後、折を見てうえみはムスメにバイトのことについて話す。『あなたはきっと今バイトを始めてもそれを自分のためにではなく、ママのためにと頑張ってしまう』『そして、離婚のためにあなた達に何かを諦めさせたり、一緒に過ごす時間が減るのはイヤ』と正直な気持ちを打ち明けたうえみ。

『今は自分のためにやりたい事を一生懸命やって、諦めないで』…そう伝えたのだ。

するとムスメは納得したように頷くと同時に『本当はやりたいことがあるの…』と言い出す。それを聞いたうえみは居住まいを正して『そうなの、なんだい?』と尋ねる。しかし、ムスメの答えは思ってもいないことであった。

「芸能事務所のオーディションを受けたいの」

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大学受験が迫る中、突然そう告白したムスメにうえみはただ驚くことしか出来ないのであった…。

…オーディションって意外過ぎる。そして、養育費を振り込ませるために元夫の機嫌を取る友人の描写が何とも言えない。

以下、感想と考察

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シングル家庭と子供の貧困について…改正民事執行法の施行で養育費未払いは減るか

今回は16話17話ともに子供の貧困について…シングル家庭(主に母子家庭)が相手(主に父親…元夫)から養育費を受け取れないことで貧困に陥り、そのしわ寄せが子供に向かう様子が描かれていた。連載漫画の取材によってこの問題を目の当たりにしたうえみは今までとは違った理由で離婚を迷う様になった。

それにしても『養育費未払いはネグレクトと同じ』というのは名言。この認識は世間に浸透してもらいたいな…。というより児童虐待防止法のネグレクトの定義に養育費未払いを明文化して入れてほしい。本当に。

作中でも触れられていたけど、養育費未払いをする相手方に対しては令和2年4月から『改正民事執行法』が施行されたので、取り立てが以前より容易になった。以前は裁判所を通じての取り立て請求…『財産開示手続き』というものを無視したり、『金がない』と嘘をついても30万以下の過料(行政罰扱い)が課せられるだけで、ハッキリ言って逃げ得状態だったけれど、今回の改正で6月以下の懲役または50万円以下の罰金の刑事罰となった。つまり、逃げ得どころか前科が付くのだ。

さらに、今までは養育費を差し押さえする場合は自力で相手の勤め先や口座のある銀行と支店を突き止めなくてはならなかったのだが、裁判所が職権で銀行に照会できるようになる等、格段に差し押さえの手間が省ける様になったのだ。

…とはいえ、本当に追い詰められている人は裁判所に訴える時間的金銭的体力的精神的な余裕が無かったりするわけで。その上、離婚に際して子供の養育費について公正証書や調停等で決めていない人も多い。

『養育費をもらうのは子供の権利』『養育費を支払うのは子供のため、義務』という意識がもっと浸透してほしいと心の底から思うのだ。

子供に我慢をさせたくない…悩むうえみが選ぶ道は?

一応、ここに出て来るクズ夫は子供達のことは可愛いらしいが、離婚したとして、きちんと養育費を払うのだろうか?…人様の夫に対して失礼かもしれないが、何か怪しいと思ってしまう。目の前にいない人=どうでもいいと考えるタイプの人間って多いから。

そして、仮に養育費をもらったところで別居や離婚をしたら生活レベルを落さなければならないのは確実で…うえみは離婚した方が自身が生き生きとする姿を子ども達に見せられると分かってはいるものの、『離婚をすると金銭的に子ども達に色々と我慢をさせてしまうかもしれない』と二の足を踏む。

そんな中、娘が『オーディションを受けたい』と言い出す等、思ってもない出来事が起こる。

果たしてどうなるのか…??

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