コロナの影響もあって約1カ月遅れで刊行された32巻。
“始祖の力”を完全に掌握したエレンは『パラディ島の外の全人類を駆逐する』と表明し“地鳴らし”を発動。これによりパラディ島の壁の中に眠っていた全ての巨人が外の世界に向かって歩みだした。
壁の中の大半のエルディア人達は『エレンが壁内人類に自由と平和をもたらす』と祝福をするが、ミカサ、アルミン、ジャン、コニー達はこれを阻止すべく立ち上がる。そして、そこに4年間の眠りから目覚めたアニ、ガビやライナー達マーレ兵、生き延びていたハンジとリヴァイも加わる。彼らはまずフロッグ達イェーガー派に処刑される寸前であったイェレナとオニャンコポンを協力して救い出し逃げるのであった…。
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→【漫画】進撃の巨人31巻【感想・考察(ネタバレあり)】世界崩壊までのカウントダウン…そして遂にアニが目覚めて…!?
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Contents
以下、ネタバレ(感想交じり)
第127話 終末の夜~実はハンジに協力すべきか迷っていたジャン…しかし、ハンジの言葉に突き動かされる
話はジャンやアルミン達がマガトやピーク達マーレ残党と合流した前日の夜に遡る。
フロックにイェーガー派に引き入れられたジャン。このままイェーガー派の中枢に入ればセントラルの一等地で朝から好きなだけ高い酒を飲める…そんな生活を手に入れることが出来るだろう。そして、これからできるであろう嫁も子供も孫も幸せに暮らせる。自分達が命懸けで戦った対価としてこの島に未来がもたらされる…それはこの上なく幸せな結末だろう…そうジャンは夢想する。
だからこそ、夜寝ていたところに突然窓の外にハンジが現れ『外で待っている』と言ってきたときは一瞬本気で気付かなかったふりをしようと思ったのだ。しかし、結局ジャンは外に出てミカサと共にハンジの話を聞くのであった。
誰もいない建物に入ったハンジ、ジャン、ミカサ。ハンジから『車力の巨人達マーレ残党と手を組んだ』と聞かされたジャンとミカサはただただ驚愕する。そんな二人にハンジは『エレンを止めるためだ、皆殺しは間違っている』と力強く言う。
しかし、イェーガー派が幅を効かす兵団組織の中、もはやハンジは団長としての指揮権を失っており、リヴァイも命こそあるもののとても動ける状態ではない。協力者もほとんどいない。厳しい状況であることを正直に告げるハンジ。だが、ミカサはすぐに『エレンにこれ以上虐殺をさせたくありません。エレンを止めたいです』と協力することを表明した。
一方、ジャンは『エレンを止められたとしてどうするつもりですか?』と淡々と尋ねる。仮にエレンがこの先も始祖の力を維持できたとしてもエレンの命は後4年しかない。その後もずっとパラディ島は世界から憎悪を向けられることになる。自分達がエレンを止めるればそれは島を滅ぼすことに繋がるのではないかと考えているのだ。
そのジャンの問いかけに対してハンジは『マーレも島に奇襲を掛けたら”地鳴らし”を発動されると考え、しばらくは手を出して来ないだろう』と答えるが、ジャンは『それは結局「やはりパラディ島を滅ぼさないといつ世界が滅ぼされるか分からない」とヴィリー・ダイバーの演説以上に世界の憎悪を焚き付けるだけで何の解決にもならない。だからエレンは世界を消そうとしている』と言い返す。
すると、突然ハンジは机を殴り叫ぶのだ。
「虐殺はダメだ!!」
進撃の巨人 32巻 諌山創 13/196
「これを肯定する理由があってたまるか!!」
ハンジの気迫に黙ったジャン。ハンジは『大きな音を出してごめん』と謝り、エレンがこうなってしまった一因が自身の不甲斐なさにあることを認め項垂れる。しかし、その上で『私はまだ調査兵団の14代団長だ』と言い、『人類の自由のために心臓を捧げ死んでいった仲間達が見ている気がする』と語る。
「大半は壁の外に人類がいるだなんて知らずに死んでいった」
進撃の巨人 32巻 諌山創 16-17/196
「だけど…」
「この島だけに自由をもたらせばそれでいい」
「そんなケチなこと言う仲間はいないだろう」
ハンジのその言葉に失った仲間達…マルコの姿を思い浮かべたジャンは『俺はまだ調査兵団です』と答え、ハンジに協力することを決意するのであった…。
…ハンジの言葉一つ一つが非常に重い。『虐殺を肯定する理由があってたまるか』…その通り、理屈以前の問題だといえよう。そして、死んでいった調査兵団たちへの言葉も。自由と命を簡単に奪われ続けてきたからこそ、その重さを知っているハンジと死んでいった。これにはジャンも言い訳、無視は出来なくなるよな…。
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集まった104期生、リヴァイとハンジ、マーレ残党、イェレナ達…しかし、互いの憎悪とわだかまりが消えるはずもなく緊張状態が続く
その後、マーレ残党と手を組んだハンジとジャン、アルミン、ミカサ、コニーそしてアニは処刑される寸前だったイェレナとオニャンコポンを協力して救い出し、フロック達イェーガー派から逃げ出したのだ。
そして、夜になった今、森の中で一同は共に火を囲んでいた。パラディ島側はアルミン、ジャン、ミカサ、コニー、ハンジ、リヴァイ(台車に寝かされている)、マーレ勢はライナー、アニ、マガト元帥、ピーク、ガビ、ファルコ。そして、処刑場から助けられたイェレナとオニャンコポン。しかし、当然のことながら友好的な雰囲気になるはずもなく互いに睨み合いが続いている。
気まずさから一人シチューを作っていたハンジが『誰か手伝って』と言って場を和ませようとするがマーレのマガト元帥は『散々殺し合って来た者同士で飯を囲むか…』と鼻で笑い、パラディ島勢に対して『どうして気が変わったんだ?エレン・イェーガーを放っておけばお前らの望む世界が手に入るのに』と改めて尋ねる。ハンジが『説明している通り虐殺を望んでいないだけだ』と答えても『突然正義に目覚めたのか』と皮肉気に言うだけであった。
その態度にジャンが『あんた達が正義を語るのか?』と憤慨する。自分達はマーレから送り続けられた巨人達から殺されないように抵抗していただけに過ぎないのにまるで悪者の様に言われるのが許せなかった。『今はパラディ島脅威論は現実になりエレンが世界を滅ぼそうとしている』というマガトにジャンは『お前達が追い詰めた結果だ』と言い返すが、マガトは『2000年前に先にマーレを蹂躙したのはエルディアだ』と歴史を持ち出し不毛な水掛け論となってしまう。
どんどん空気が悪くなる中、ハンジが『見たこともない2000年前の話なんてやめよう』と間に入り、『このままいけば平和が手に入るはずの自分達が今さら敵に手を貸そうとしている事にマガト元帥達が困惑しても仕方がない』とジャンを諭す。そして、『私たちは数か月間外の世界で暮らしてしまったため、もう何も知らない”島の悪魔”には戻れない』と語り、改めて壁の外の人達を救いたいと思っている事を訴え理解を求めた。
それによってマガトは黙るが、今度はずっと黙っていたアニが口を開いた。
「それで…あんた達に殺せるの?」
進撃の巨人 32巻 諌山創 22-23/196
「エレンを殺せるの?」
そうミカサ、アルミン、ジャン、コニーに尋ねたアニ。ミカサは動揺しながらも『エレンを止める方法は殺すだけじゃないはず』と答えるが、アニは冷たく『説得位で考え直すならそもそも人類大虐殺なんてしない』と言う。助け舟を出す様にアルミンが『話してみないと分からない』と口を挟むも、アニに『対話してもやめてくれなかった時はどうするの?』と問われると黙るしかなかった。
『やっぱりね』とうんざりした様に言うアニ。アニは仮に途中までは協力できたとしてもエレンと親しい104期生達は自分達マーレ勢がエレンを殺そうとしたら、結局エレンを守ろうとして対立することになると考えているのだ。…特に、ミカサは。アニはミカサに『あんたにとってエレンより大事なものなんてないでしょう』と問う。
そう言われたミカサは顔を強張らせて『私を殺すべきだと?』と言ってアニに歩み寄る。するとアニも仕掛け指輪を使っていつでも巨人化できる体勢を取り始める。
突然ミカサとアニが臨戦状態になったことに皆慌てて身体を強張らせる(リヴァイは気付かずに寝続けている…)。
だが、意外にもアニが『あんたの気持ちはわかる』と下手に出てミカサを制止する。『私はマーレにいる父親をエレンに殺されたくないだけ、だからあんたの助けがいる』『説得してエレンを止められるならそれでいい、少なくともその時まで私達は争うべきではない』…そう言って争うつもりがないことを告げる。
ミカサは複雑な気持ちになりながらもこの議論について先送りにすることに同意し、ハンジも『シチューできたよ、食べよう』と皆に呼びかけお茶を濁すのであった。
…いきなり『さあ、皆手を取って協力しよう!』なんて都合の良い展開になるわけもなく、当然互いに不信感や憎しみといったわだかまりを抱いているパラディ島側の人間とマーレ勢。特にアニが突きつけた『ミカサ達にエレンを殺せるのか』という問いはかなり重要なのに、今ここで話し合ってしまうと全てが瓦解してしまうという難問。この場では先送りになったけど、後に大問題になるのは必須だしな…。
意外なイェレナの出自が明らかに…そしてイェレナが皆の罪と遺恨をほじくり返したことで再び場は荒れてしまう
皆で焚火を囲みシチューを食べる最中、ハンジは『頼りはアズマビト家だ』と皆に説明する。アズマビト家のキヨミは”地鳴らし”の視察のために飛行艇を港に用意していると以前語っていた。飛行艇を使えば”始祖の巨人”と化したエレンに接近することが可能だとハンジは考えたのだ。
しかし、肝心な”始祖の巨人”…エレンの進路が分からない。だからこそ、処刑寸前のイェレナを救ったのだ。最終的にエレンから裏切られたとはいえ、大陸の事をほとんど知らないエレンに知恵を貸したのはイェレナだ。イェレナだったらエレンがどう進むか予測できるのではないか…そうマガト元帥は言う。
しかし、イェレナはマガト元帥に『何故私がマーレ人のクソ野郎に協力しなくてはいけない』と悪態を吐く。ジークの”エルディア人安楽死計画”が失敗してしまったことで絶望しているイェレナは死も恐れていないのだ。
そんなイェレナの態度にコニーが『でも自分の故郷が踏み潰されてもいいのかよ?』と疑問を呈する。イェレナは自身がマーレに併合された小国の出身で、故郷のために戦っていると語っていたからだ。
すると、マガトとピークが意外なイェレナの出自を語る。なんと小国出身というイェレナの身の上話は全て嘘で、本当はマーレのごく一般的な家庭で生まれ育ったと言うのだ。イェレナの過去を洗いざらい調べたというピークは『マーレに失望していたからジークと出会った時から”王子様と自分が世界を救う奇跡の物語”を作り出したに過ぎない』とイェレナについて分析するのであった。
だが、そんなピークの辛辣な指摘をイェレナは鼻で笑い『世界を救うと言う甘美な言葉に惹かれているのは皆同じ』と言う。
「何億もの命を救うという崇高な胸の高鳴りに身を任せ」
進撃の巨人 32巻 諌山創 31/196
「これまでの遺恨などなきもののように喉へと流し込む」
「それが今私の目に映るあなた方の姿です」
そして、それぞれが犯した罪と互いの遺恨を改めてほじくり返すイェレナ。
ライナーはパラディ島の壁に穴を開けたことで多くのエルディア人を殺し、アニも多くの調査兵団を殺してきた。そして、アルミンは普段は良識人ぶっているのにマーレではベルトルトから奪った”超大型巨人”の能力を使って派手に破壊し民間人も含めて多くの人を殺害した。他のパラディ島勢もレベリオで沢山のマーレ兵を殺したのだ。特にジャンは”車力の巨人”であるピークを撃とうとしてファルコめがけて雷槍を撃ち込もうとし、一歩間違えればファルコは死んでいたのだ。
そして、ガビはサシャを撃ち殺した。家族同然だったサシャを殺された104期生の悲しみと憎しみははかり知れないだろう…イェレナはそう語り再び空気が張り詰める(読者としては今までの経緯をすごく分かりやすくまとめてくれてありがたい)。
だが、ジャンは『お互いのわだかまりを打ち明けて整理させてくれてありがとう』『お前の幻想的な夢が無意味に終わったのに気を遣わせてしまった』と皮肉気に答えて流そうとする。
するとイェレナはワザとらしく『そういえば、あなたの親友のマルコ…』と言い出し、ジャンにこう尋ねる。
「もうアニから聞いたんですか?マルコの死の真相を」
進撃の巨人 32巻 諌山創 35/196
その言葉に固まるジャン。アニは暗い表情で『私がマルコから立体起動装置を取り上げた』と告げるが、ライナーが慌てて『アニは俺の命令に従っただけだ』と庇い、トロスト区での巨人との攻防の際に自身とベルトルトの聞かれては困る会話を聞かれてしまったため口封じするため立体起動装置を取り上げ巨人に食わせたことを正直に語る。
ショックを受けながらもジャンはライナーにマルコの“最期の言葉”を尋ねる。ライナーはマルコの言葉が『まだ話し合っていない』であったことを告げる。
すると、ジャンは冷静に『マルコの言うとおり、俺達はロクに話し合ってないから殺し合いになってしまったんだ。最初から話し合っていればここまでの殺し合いにならなかった』と言う。そのジャンの言葉にハンジが『今からでも遅くない』『実際に今、私達は殺し合わず共に火を囲んで食事をしている』と同意する。そして、ライナーも『俺は本当にどうしようもない、すまない』と心から謝罪し、ジャンも『いいって』と許した…ように見えた。
しかし、次の瞬間ジャンは突然ライナーの元に駆け出し、強く殴り倒した。そして、叫びながら何度も何度も顔面を殴打する。
慌ててアルミンとコニーが止めようとするもジャンは血塗れで倒れ込むライナーを思い切り蹴りつけようとする。だが、その蹴りは咄嗟にライナーを庇ったガビの背中に入ってしまう。
痛みに呻くガビに駆け寄るファルコ。その様子に流石にジャンも我に帰る。そんなジャンにガビは脂汗を流しながら『ごめんなさい』と謝罪する。『自分達マーレに住むエルディア人にとってパラディ島の人々を皆殺しにすることが希望だった』『世界から許され認めてもらうためだった』と。しかし、その結果、レベリオにいる家族達が危機に晒されている。
「すごく…図々しいことはわかってますが…」
進撃の巨人 32巻 諌山創 45/196
「皆さんの助けが必要です…」
「どうか…私達に力を貸して下さい!」
そう、這いつくばってジャン達に懇願するガビ。ファルコもそんなガビを抱き抱えるようにしながら『地鳴らしを一緒に止めてください』と頭を下げる。
するとジャンは複雑な顔をして一人森の奥に行ってしまう。ガビは『行っちゃった…』と落胆し泣き出す。マガトはそんなガビを慰めたいと思いながらも触れることを躊躇ってしまい、リヴァイは今更になって『うるせえな』と目覚めた。
森に入ったジャンはガビの泣き声から逃れるように耳を塞ぐも、ジャンもまた泣きべそをかくのであった…。
しかし、翌朝眠っていたガビを『出発の時間だ』と言って起こしたのは他でもないジャンだった。驚き『協力してくれるの?』と尋ねたガビに淡々と『ああ』と返事したジャンはその後、いつもの様な憎まれ口を叩きながらライナーのことも起こした。
その後、馬車で移動する一同。ジャンはガビに蹴ってしまったことを謝罪するも、ライナーには静かに『お前には謝らない』と告げる。ライナーも『分かっている』とだけ言ってジャンの意思を受け止めるのであった。
だが、その時先に“車力の巨人”で港を偵察しに行っていたピークが慌てて戻ってくる。
何と港と港にあったアズマビト家の屋敷がすでにイェーガー派に占拠されていると言うのだ。フロックは既にアルミンやジャン達がマーレ残党と手を組んで“地鳴らし”を阻止しようとしている可能性を考えて手を回していたのだ…。
…イェレナの闇が深すぎる…。一体どんな境遇で育ってそんな妄想を始めたのだろう…。ずっと行動を共にしてきたオニャンコポンも全然知らなかったみたいだし。そして、皆の遺恨をほじくりかえしまくる。読者としては整理できてありがたかったけど。
そして…そうか、ジャンはまだマルコの死の真相を知らないんだったな。そりゃ殴るよね。あと、意外とフロック有能だった。もっと権威を笠に着るバカなタイプだと思ってた…。
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第128話 裏切り者~イェーガー派達に占拠されてしまったアズマビトの館と港…アルミン達はかつての仲間と戦うことに躊躇うが…
アズマビト家の飛行艇がある港の近くの岩場までたどり着いた一同。しかし、既にアルミン達がマーレ残党と手を組んだことを察知したフロックは機関車で先回りして港とアズマビト家を占拠していた。
しかし、フロックはまだ飛行艇を破壊してはいないようだった。『何故だ?』と問うマガトにハンジは『エレンを止めようとする私達の存在に確証を持てないからだろう』と答える。車力に加えられて連れていかれたジャンと同時に姿を消したアルミン、ミカサ、コニーが裏切ったという明確な証拠がない上、この先島の外の世界が滅んでしまうのならば技術が遅れているパラディ島にとって飛行艇やアズマビトの技術者は失いたくないものなのだ。
しかし、それでももし自分達が今ここにいることが分かったらフロック達はすぐにでも飛行艇を破壊するだろう…ハンジはそう考え悩むが、ふと海の向こうにあるものを見て愕然とする。
そして、アニは皆に『飛行艇を確保するにはイェーガー派を一瞬で皆殺しにしかない』と主張するが、ミカサとピークが『アズマビトを巻き込むわけにはいかない』と反対する。それは単に倫理的な理由だけでなく、現在飛行艇は海で牽引しやすいように羽を畳まれていて、それを飛べるように整備するのはアズマビトの技術者無しには出来ないのだ。だが、飛行艇が飛べるように整備するのに実際どれからい時間を要すのかは検討がつかなかった。
更に、アルミン、ミカサ、ジャン、コニーはイェーガー派と戦うことにも躊躇していた。イェーガーには訓練兵時代からの同期が沢山いるからだ。
ためらうアルミンをアニは『襲いかかってくるイェーガー派から死傷者を出さずにアズマビトと飛行艇を守りながら時間を稼ぐ方法を教えて』『私を追い詰めた時みたいに』と冷たくなじる。
すると、コニーが耐えられなくなってこう叫んだ。
「俺達は人を助けるためにここにいるんだぞ!?」
進撃の巨人 32巻 諌山創 60/196
「なのに…まずやることが島の連中の皆殺しかよ!!」
「どうしてこうなるんだよ!?」
他の皆の気持ちを代弁するコニー。それを聞いたアニは『そうね、あんた達にはこんなことを付き合う義理はないし、あんた達なら私達と同じ立場だったとしても壁を壊すことは選ばなかっただろうね』と悲しそうに言う。マーレの戦士として命令があれば平然と人を殺せる自分達とコニー、アルミン、ジャン、ミカサは違う…そう言うのだ。
その言葉にライナーはマーレで再会した時にエレンが『オレはお前と同じだ』と言ってきたときのことを思い出し、今さらながらエレンが言わんとしたことを理解する。
ライナーは躊躇うコニー、ジャン、アルミン、ミカサに『お前達4人は戦わなくていい、ガビとファルコと安全なところにいてくれ。その代わり何も手出しするな』と言う。
だが、それを崖の上から聞いていたハンジは『自分は既にイェーガー派を殺しているし、観客になる気はない』と言い、更に『人類にはもう時間が残されていない』と言い出す。
ハンジが先ほど海の向こうで見たのは大量の蒸気を上げながら海を進む巨人達であった。冷静に速度を測ったハンジは『既にマーレ大陸に巨人は上陸しており、ここから近い北東の都市は壊滅しているだろう』と言うのだ。
ハンジの話を聞いた一同は愕然とする。すると、突然マガトは平然と座っていたイェレナの口元を押さえ、拘束して左腕を踏み折って『エレンの行き先を言え』と迫る。今は拷問なんてしている時間は無いと皆が止めるが、意外にもイェレナは痛みに涙を流しながらも『気が変わった、この成り行きを見届けたい。連れていってくれればエレンの行き先を言うかもしれない』と笑うのであった。
我に帰ったマガトはコニー、ジャン、アルミン、ミカサに向き直ると昨晩の態度を謝罪する。軽々しく正義を語りマーレや自身の行為を正当化していたと語り、パラディ島の人々には責任はなく、またピークやガビ達部下にも『お前達も世界の憎しみを背負ういわれは無い』と言う。
しかし、エレンのしようとしている行為について『血に塗れた愚かな歴史を直視せず消し去ろうとする限り地獄は続く』と批判し、コニー達に自分達がイェーガー派と戦うことについて目を瞑ってほしいと頭を下げる。
それに対しアルミンが『断ります』と答え、マガトは一瞬落胆する。だが、その後のアルミンの言葉は意外なものであった。
「手も汚さずに正しくあろうとするなんて…」
進撃の巨人 32巻 諌山創 69/196
アルミン達はマーレ残党達に任せるのではなく、自分達も戦う事を決意したのであった…。
キヨミに銃口を向けるフロック達イェーガー派…そんな彼らをアルミンは騙して争いを避けようとするが…
その頃、港のアズマビトの館の中で、フロックが上機嫌で『今日ほど歴史が劇的に変わる日は無い』とキヨミに語りかけていた。港とキヨミ達を拘束したフロック達イェーガー派は『ヒィルズ国は滅ぶが、パラディ島に貢献するならば生かすてやる』と服従することを迫り、逆らったキヨミの部下を既に二人殺害していた。
目を瞑って黙ってフロックの話を聞いていたキヨミだったが、突然『何が変わったと喜んでいるのですか?』と問い、こう言うのであった。
「これでパラディ島が安泰だとお考えのようでしたら…お気の毒に…」
進撃の巨人 32巻 諌山創 71/196
「ただ世間が狭くなるだけのことです」
「相も変わらず同様の殺し合いを繰り返すことでしょう…」
キヨミの言葉に何も言い返すことが出来な買ったフロックは『大事なのは身の程を弁えることだ。ヒィルズの技術や飛行艇も身の丈に合わない代物だと考えて諦めれば良い』と言ってキヨミのこめかみに銃口を突きつけるのであった。
その時であった。突然、館の窓の外から『フロック!』というアルミンの呼び声が聞こえたのだ。驚いて窓に駆け寄ったフロック。窓の外では慌てた様子のアルミンとコニーが馬にまたがっていた。
アルミンやコニー達はとっくに裏切ったものだと判断していたフロックは二人が堂々と現れた事に驚く。そんなフロックにアルミンは『車力の巨人がジャンとオニャンコポンを殺して南に逃げた。自分達はずっとそれを追いかけていた。このままだと逃げられてしまうから急いで飛行艇をアズマビトに飛べるようにさせろ!』と必死の形相で叫んだ。
アルミンの考えた作戦はこうだった。フロック達はアルミンやジャン達が裏切ってマーレ残党と共に逃げ出しエレンの邪魔をしようとしていると判断しているが(そして実際その通りであるが)、アルミン達が裏切ったという明確な証拠は持っていない。そのため、混乱している現在の状況を利用して『自分達は裏切っておらず、ずっとマーレ残党を追っていて、そのために飛行艇が必要である』と騙して、争うことなく飛行艇を手に入れようと考えたのだ。
アルミンの言葉を信じるべきか否か屋敷の中で悩むフロック。すると、外にいるアルミンとコニーの元に訓練兵時代からの仲間であるダズ(よく弱音を吐く奴)とサムエル(1巻からいる)がやって来た。
二人はアルミンとコニーに『お前達がマーレとグルになっているという疑いが掛かっている』と語り、輸送船に繋がれている飛行艇に爆弾が取り付けられていることを説明する。
内心ドキドキしながら『自分達がこの島を裏切るわけないだろう』と嘘をつくアルミンとコニー。すると、ダズとサムエルは『そうだよな、お前らが島を危険に晒すわけないよな』と謝罪し、飛行艇から起爆装置を取り外してくれた。だが、ダズは『でもお前らなら敵国の人々を守るためにエレンを止めようとする気もしたんだ』と言い、アルミンとコニーは胸を痛めるのであった。
無事にダズとサムエルを騙して飛行艇の爆弾を取り外させることは出来たアルミン。あとはフロックがアズマビトの整備士を渡してさえくれれば飛行艇を完成させてどうにか皆でここを去ればいいだけ。無用な血は流れずに済む。アルミンは必死な形相で屋敷の方を見つめるのであった。
一方、屋敷の中でフロックはアルミンの言葉を信じるべきか悩んでいた。一見すると筋が通っているように思えるアルミンの言い分。しかし、鉄道があるはずなのにそれを使わずにまるで隠れるかのように馬でやって来た事等に疑念を拭えず、『やはり不安の種は積んでおくべきか』と言ってアズマビトの技術者達に銃口を向けた。
が、その刹那、ずっと静かに座っていたキヨミが突然フロックに飛び掛かった。そして、次の瞬間銃声が鳴り響き、外でそれを聞いたアルミンとコニーは『失敗した』と絶望するのであった…。
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作戦は失敗し港は交戦状態に…かつての仲間達と殺し合うことになってしまったアルミン達
銃声が鳴り響いたアズマビトの館。しかし、死者はいなかった。何とアズマビトの整備士を撃とうとしたフロックをキヨミが制圧したのだ。『タダで死んでなるものか』と叫ぶキヨミ。フロックはイェーガー達に『殺せ』と命じた。
その次の瞬間、窓からガラスを突き破ってミカサが侵入しイェーガー派達を制圧してキヨミを助け出す。だが、フロックが隙を見て立体起動装置を使って窓の外に逃走。そして、大きな声で外にいるイェーガー派の兵達にこう叫んだ。
「敵襲!!ミカサ!!アルミン!!コニー!!エルディアを裏切った!!殺せ!!」
進撃の巨人 32巻 諌山創 84/196
ミカサとキヨミ達がいた部屋には一気に雷槍が撃ち込まれ、ミカサは下のフロアに侵入していたマガト、ハンジ、ジャンと合流しイェーガー派達を殲滅しながらキヨミ達を引き連れ地下に逃げ込む。
一方、アルミンとコニーは輸送船の前でサムエルとダズと共に茫然と立ち尽くしていた。だが、我に帰ったダズが無言で飛行艇を爆破する準備を始める。慌ててダズを止めようとするアルミン。だが、そんなアルミンの喉元をサムエルがいきなり撃ち、アルミンは倒れてしまう。
唖然とするコニーにサムエルは泣きながら銃口を向けて『裏切ったんだろ、一緒に土地を増やして肉を食おうと言ったのに』と言う。訓練兵時代同じ班で、サシャやエレンも一緒の時にそう約束していたコニーとサムエル。その事を思い出したコニーはサムエルに銃口を向けられても何も出来ず固まってしまうのであった…。
その頃、キヨミ達アズマビトを連れてマガトやミカサ達は屋敷の地下に逃げ込んだ。それを追いかけるフロックが彼等が逃げ場がないはずの地下を選んだことに違和感を抱いたその時…港の方から2つ大きな光が現れた。それは密かに軍港に潜んだライナーとアニが巨人化する際に発生する光であった。
マガトやミカサがあえて地下に逃げ込んだその理由…それは巨人化したライナーとアニの攻撃の巻き添えを喰らわない様にするためだったのだ。
遠くから港の様子を見守っていた車力の巨人(ピーク)、オニャンコポン、ガビ、ファルコは結局交戦状態になってしまったことを悟り愕然としていた。イェレナは皮肉げにリヴァイに『人から暴力を奪うことはできない』と語りかけ、リヴァイも哀しそうに港の方を見つめるのであった…。
鎧の巨人、女型の巨人となったライナーとアニは凄まじい形相でイェーガー派の兵士達を叩き潰していく。
そんな中、巨人の襲来に驚いたサムエルにコニーが体当たりし、銃を奪おうと取っ組み合いになる。サムエルはコニーと揉み合いになりながらもダズに『爆破しろ!』と命じる。だが、ダズを撃たれて倒れ込んでいたものの巨人の力で回復しかけたアルミンが飛び掛かり止めようとする。
「裏切り者!!何でだよ!?俺達は仲間じゃないのかよ!?」
進撃の巨人 32巻 諌山創 97/196
そう泣きながら叫ぶサムエルにコニーは『お前達は仲間だよ…でも』とどう言って良いか分からなくなり、叫ぶ。そして、サムエルの銃を奪うと、アルミンの頭を撃とうとしたダズの頭を撃ち抜き、泣き叫びながらサムエルの顔に何発も打ち込んで殺すのであった…。
…『タダで死んでなるものか!』と叫ぶキヨミさん格好良いのだけど、”タダ”が”無料”になっているあたりから、ここにも守銭奴臭が…。緊迫したシーンなのに小ネタを入れるのは忘れないんだな…。
そして、自らの手でかつての仲間二人を殺したコニー。あまりに辛いシーンでなんというか、もう…。
第129話 懐古~ひとまず船で大陸まで逃げ、そこで飛行艇を完成させることを決めるハンジ…しかし、イェーガー派の攻撃に苦戦を強いられる
同期の仲間であったダズとサムエルを殺してしまい涙を流して放心するコニーと、それを同じく涙を浮かべて見ることしか出来ないアルミン。二人の背後では巨人化したライナーとアニがイェーガー派の兵達を殲滅すべく暴れまわっていた。
一方、屋敷の地下でマガト、ハンジ、ジャンはアズマビトの整備士から『飛行艇を飛ばせるようになるためには半日かかる』と説明され唖然としていた。これからどんどん増援が来るであろうイェーガー派の攻撃を半日も耐えきるなんてとてもじゃないができそうにないのだ。
さらに崖の上から海を進む巨人を目撃した際、巨人のおおよその進行速度を計算したというハンジはこう語る。
「巨人が上陸した海岸から およそ600㎞は…被害に…」
進撃の巨人 32巻 諌山創 104/196
「すべての大陸を踏み潰すまでには4日…掛かるだろう」
なんとこのままだとエレンは4日で世界を滅ぼしてしまうという。さらにハンジは残酷な現実を告げる。
「最善の手でエレンを止められたとしても…レベリオは既に…間に合わない」
進撃の巨人 32巻 諌山創 105/196
ライナー、アニ、ガビ、ファルコの家族がおり、ジャン達が偵察の際に仲良くなった移民達がいるレベリオはもう助からないと言うのだ。ハンジの話に愕然とする一同。特にマガトは『そもそもここで半日持ちこたえることも不可能だ』と弱気になってしまう。だが、キヨミが考えがあると言い出す。
「ここより南のマーレ海岸都市オディハにアズマビトが所有する格納庫があります」
進撃の巨人 32巻 諌山創 106/196
「そこでも飛行艇の整備は可能です」
既に輸送船に繋がれている飛行艇。このまま輸送船を奪い飛行艇を牽引したまま出向しオディハまで逃げればそこで飛行整備を完了できると言うのだ。そのうえ、オディハはエレンの”地鳴らし”よりも先回りできる距離にあるという。マガト、ハンジはキヨミの案を採用し急ぎ出航をすることを決定するのであった。
一方、巨人化して闘うライナーとアニであったが、立体起動装置と剣だけであったかつてと違い雷槍を大量に装備している兵達に苦戦を強いられていた。さらに、ミカサから『船で離脱し大陸で飛行艇を整備するため乗船の援護をしてほしい』と指示を受けたライナーとアニはイェーガー派と戦いながら輸送船に向かうアズマビト達を守る必要も生じたため、ますます厳しい戦いを強いられボロボロになっていく。そんな二人をハンジ、ミカサ、マガト達が援護しアズマビト達を輸送船に乗せるもののとても出航できるような状況ではない。
さらに、最初はハンジ達がどこに向かおうとしているのか分からずにいたフロックであったが、彼らが輸送船で飛行艇を持って逃げ、大陸のどこかで飛行艇を完成させてエレンを止めようとしていることに気付く。フロックは『船を破壊しろ、さもなくばパラディ島は血の海に沈む!心臓を捧げよ!!』と叫び兵士達を脅し鼓舞する。フロックの指揮の元イェーガー派達は船めがけて雷槍を打ち込み、ライナーとアニは身体でそれを受け止め必死に輸送船を守る。
建物の陰からその様子を窺っていた車力の巨人(ピーク)、ファルコ、ガビ、オニャンコポン、イェレナ、リヴァイ。もうライナーとアニはこれ以上持ちそうにない。
この状況にファルコが『オレも”顎の巨人”の力を使って戦う』と言い出すがピークが『初めての巨人化は上手くいかない』『あなた達を船に運んだ後に私も戦闘に加わる』と諭す。だが、ファルコは『ガリアードさんだったらこんなところで悩まない』と言って飛び出してしまうのであった。
仕方なく他の者達を輸送船の元まで運んだピーク。そして、コニーが銃に撃たれてまだぐったりとしているアルミンを船まで連れて来てマガトに託す。そして、決意した様に『船を守る』と言ってライナー達を攻撃するイェーガー派達と戦いに行くのであった…。
…もう乱れに乱れた混戦状態。かつては ”九つの巨人”が2体もいたら兵士は全然歯も立たなかっただろうものが、雷槍が大量生産されるようになってずいぶんと戦い方が変わったからな…。まさかモブの兵士たちにライナーやアニがここまでボコボコにされる日が来るとは…。
誰かが増援の車両を足止めした…!?初の巨人化で仲間を助けるファルコとまさかの活躍をするガビ。船は無事に出航したものの…
厳しい戦況の中、今度は遠方から増援の汽車が近づいて来る。慌てて止めに向かおうとするハンジとミカサ。だが、突然汽車が脱線、横転。ハンジ達もフロック達も『一体誰が!?』と驚くのであった。
一方、ピーク達の元から駆け出したファルコとそれを追うジャン。ファルコは物陰に隠れて巨人化しようとするが上手くいかない。ライナーとアニは既にボロボロで首がもがれ立ち上がることも出来ない。そんな二人にイェーガー派が多勢で襲い掛かったそのとき。コニーがライナー達の前に踊り出しイェーガー派の兵士を次々と切り捨てていく。それにハンジ、ミカサ、ジャンも加勢する。『裏切り者!』と罵倒されるミカサ達。しかし、ここで躊躇ってしまえば自分も仲間達も死ぬ…必死にかつての仲間達を斬り捨てて行くのであった。
そして、そこにピークも参戦し戦線はより乱れていく。フロックはイェーガー派に『俺たちの国を死守せよ!』と叫び一斉攻撃を仕掛ける。
その時だった。突然大きな光が当たりを包んだ。そして、突然巨大な巨人が海から姿を現しライナーやアニを攻撃していた兵士達を薙ぎ払う。その正体は”顎の巨人”と化したファルコであった。突然現れた”顎の巨人”にイェーガー派の連携が崩れた。『今しかない…』そう、そこを畳みかける様にミカサ達が一気にイェーガー派を殲滅していく。
だが、そこをフロックが一人戦線を立体起動装置で抜けていき、船に向って行く。雷槍を構えているフロックは『この一発で船底に穴を開けられれば…』と船を沈めるつもりなのだ。
「エルディアを救うのは!!俺だ!!」
進撃の巨人 32巻 諌山創 131/196
そう叫び雷槍を船めがけて発射しようとしたフロック。
しかし、次の瞬間…雷槍は暴発しフロックは真後ろに吹っ飛んでいく。輸送船の上からガビがフロックの雷装を狙撃したのだ。絶望の表情を浮かべながら海に落ちて行ったフロック。そして、フロックを失ったことで愕然とするイェーガー派達を殲滅するのであった…。
感傷に浸る暇もなく、急ぎ出航しようとする一同。だが、そこに今度顎の巨人化したままのファルコが襲い掛かる。初めての巨人化で完全に我を失ってしまっているファルコには『もう敵はいない、出て来て』というピークの声は届かず、車力の巨人化しているピークの首元に噛みつく。ピークは噛まれながらも必死にファルコを押さえ、その隙にマガトが顎の巨人のうなじを切り取りファルコを助け出す。意識が朦朧としたままのファルコにマガトは『お前はよくやった』とねぎらいの言葉を掛けるのであった…。
先に輸送船に乗っていたオニャンコポンが皆に『早く乗れ』と声を掛けた。しかし、イェーガー派との戦いを終えた皆は心身ともにボロボロでオニャンコポンは『これから大丈夫なのか』と不安を抱く。
さらにそんなオニャンコポンにマガトが『自分が殿(しんがり)を務めるから早く船を出せ』と言い出す。自分ひとりだけ港に残り、イェーガー派を食い止めると言うのだ…。
…フロック、これは死んでしまったのかな?禍福は糾える縄の如しと言うけれども、幸と不幸が交互にやってきたフロックの人生。せっかく格好いいセリフを決めたと思えば不発…。一方、コニーは覚悟を決めて容赦なくかつての仲間達を殺す。”仲間”って何だろう…そう考えてしまう展開。
そして、”顎の巨人”って小柄なイメージがあったけどファルコの”顎の巨人”はユミル、ポルコよりも明らかに巨大な気がする。強そう。
増援を食い止めたのはなんとシャーディス教官であった。殿(しんがり)を務めたマガトとシャーディスはイェーガー派の足止めをするため巡洋艦を爆破し共に散るのであった…
マガトを置いて飛行艇を繋いだ輸送船を出向させた一同。一人港に残ったマガトにまだ生き延びていたイェーガー派の兵士が襲い掛かる。
しかし、そのイェーガー派の兵士をある人物が背後から切り捨てた。それはシャーディス教官であった。増援の列車を食い止めたのもシャーディス教官だったのだ。
初めて会ったマガトとシャーディス。シャーディスはマガトに何故他の者達と共に船に乗らなかったか尋ねる。すると、マガトは港に停まっているある船を指さす。それはマーレ軍から鹵獲した巡洋艦で、イェーガー派がそれに乗り込んでしまえば飛行艇を牽引する輸送船など簡単に追いつかれ撃沈されてしまう。マガトはその事に気付き、巡洋艦を破壊するために残ったのだ。
それを聞いたシャーディスは『手を貸そう』と言う。初対面の上、国も立場も違い互いに名前も知らない二人。しかし、マガトはシャーディスを信用し共に巡洋艦に侵入した。
案の定、そこにイェーガー派の生き残り達がやって来て『マーレの残党が逃げ込んだ、突入する。そしてそのまま輸送船を追いかけて沈めてやる』と迫って来る。
しかし、弾薬庫に立てこもったマガトとシャーディスは至って冷静に爆破の準備をする。巡洋艦もろとも吹き飛ぶつもりでいるマガトはシャーディスに『海に飛び込むなら今だ』と声を掛ける。だが、シャーディスは『死に場所を探していたところだ』と答える。シャーディスもまたここで死ぬつもりなのだ。
そんなシャーディスにマガトは改めて『何故我々の味方をした?』と尋ねた。シャーディスのしたことは島を滅ぼすことに繋がりかねないのだ。
すると、シャーディスは『教え子達の成長に胸が震えたからだ』と答える。シャーディスはシガンシナの砦でアニを連れて逃げるアルミン達を見て、彼らが世界を救うために動こうとしている事に気付き、秘かに後を追い助けていたのだ。
シャーディスが増援の列車を食い止めば一同は港で終わっていた…そう感謝するマガトはシャーディスに『あんたは後に世界を救った一人になる』と言うが、シャーディスはどこか浮かない顔で『じゃああんたと一緒だ』と答える。
すると、マガトも寂しい表情を浮かべながら弾薬の中の火薬を床に巻きながら今までの人生への後悔を口にする。マガトはずっと子供達を国にとって都合良く指導し、戦場へを送り出したことに胸を痛めていたのだ。
「ようやく気付いた…あの子達がただ普通に生きることができたら俺は…どんなに嬉しかったか」
進撃の巨人 32巻 諌山創 142/196
そう哀しい笑みを浮かべたマガト。その気持ちを理解できるシャーディスは『あんたに出来なくても俺はあんたを誇りに思う、その子達もあんたを誇りに思っている』と優しい言葉を掛ける。すると、弾薬庫の外にイェーガー派の残党が迫って来て『開けろ!!』とドアを殴ってくる。
そんな外の様子に構うことなく、マガトはシャーディスに礼を言い、名前を尋ねる。
「キース・シャーディス」
進撃の巨人 32巻 諌山創 143/196
「あんたは?」
そう言って微かに微笑みながらマガトに銃を渡すシャーディス。
「テオ・マガト」
進撃の巨人 32巻 諌山創 143/196
マガトはそう名乗って笑顔を見せた。そして、次の瞬間受け取った銃で弾薬庫内にまいた火薬に火をつけた。
かくして港にあった巡洋艦はマガト、シャーディス諸共爆発した。その様子を輸送船から見ていたガビは泣き叫び、ピークもまた涙を流しながらガビを抱きしめる。ハンジ達も港から上がる黒煙を呆然と見つめるのであった…。
…やはり前巻でアルミンがアニを連れ出すところを見ていた人影はシャーディス教官だったか。殿として巡洋艦を爆発させるため自ら命を絶ったマガト。自爆するのが確実だったし、仮に海に飛び込んだとしても一人であの場から生き延びるのは難しかっただろうしな…。
そこに合流してきたシャーディス。エレンを止めようとするアルミン、ミカサ達の力になると決めてイェーガー派と戦ったようだけど、絶対その中にはかつての教え子たちもいたはず。教え子達を切り捨てたのだとしたら辛すぎる。だからこそ『死に場所を探していた』という言葉が出てくるのだろう。しかし、シャーディスが誰かに行先や目的を言って出て来たとは思えないから、彼がどういう風に死んだのかを知る人はいなさそう。それはとても寂しいことだと思う。
それにしてもマガトとシャーディスのやり取りいいな。初対面なのに息ピッタリな関係とか。二人とも子供達のことを思っていたのに子ども達を争いや危険に巻き込むという葛藤を抱えている等共通項が多いしな。特にマガトは強面だけど、ガビ達エルディア人達を差別していなかったし本当に良い上司だった…。
第130話 人類の夜明け~故郷であるレベリオを救えないことを知り愕然とするアニ達…アニは意外な本音をミカサに明かす
マガト元帥が巡洋艦を止めるため自らの命を犠牲にしたことに加え、ハンジから『もうレベリオを巨人の侵攻から助けることはできない』と聞かされたマーレ勢はショックを受け打ちひしがれる。
アニはハンジに掴み掛かろうとしてミカサに取り押さえられ、ライナーは立ち尽くし、ガビは呆然と座り込む。ピークはガビを慰める様に寄り添い続けていたが、彼女もまた魂の抜けた様な顔をしていた。
『レベリオにいる父親を救う術がないなら、もう自分が戦う理由はない』…そう言って崩れ落ちてしまうアニ。船を降りるとさえ言い出した。
そんなアニ達をハンジは『マガトがレベリオを救えずマーレが壊滅状態になってしまう事が避けられない分かっていながら命を賭して私達を先に進めたのは「名も知らぬ人々を一人でも多く救え」という思いを託すためだ』と諭す。
それを聞いてハッとし我に帰るガビとピーク。しかし、アニは『だったらあんたにエレンを殺せるの?私がエレンを殺そうとするのを黙ってみていられるの?』という昨夜の問いを再びミカサに投げかける。相変わらず答えられないでいるミカサ。すると、アニが意外なことを言う。
「もう…戦いたくない」
進撃の巨人 32巻 諌山創 149/196
「あんたと…殺し合いたくない」
「あんた達とも…エレンとも…」
そう言って涙を浮かべて本音を打ち明けたアニにミカサは驚き何も言えないのであった…。
世界を滅ぼすことを決意した経緯を思い返すエレン…世界連合艦隊の前に現れたエレンはまさに”島の悪魔”とでもいうべき風貌と化していた…
そんなミカサやアニ達を載せた輸送船の上を軽やかに飛んでいくカモメ。
一方その頃、エレンは一人思いを巡らせていた。
『一体どこからが始まりだったのか』…過去に関わった人々、起った出来事…様々な場面がエレンの胸に去来する。
あそこか?いや…どこでもいい
進撃の巨人 32巻 諌山創 152/196
すべてが最初から決まっていたとしてもすべてはオレが望んだこと
すべては…この先にある
そして、世界を滅ぼすことを決意した経緯を振り返る。
イェレナからジークの”安楽死計画”を聞かされたエレン。そして、その話を偶然立ち聞きしていたフロック。その後、エレンはフロックと二人きりになると彼に『オレはジークの計画に従うふりをするからお前もそうしろ』と指示した。しかし、フロックから『従うフリをしてどうする?』と言われてしまうのであった。
そして、エレンはヒストリア(クリスタ)にも相談する。憲兵団達は”座標”の力欲しさに島にやって来たジークを捕え、巨人化したヒストリア(クリスタ)に食わせようという計画を進めているのだ。それを避けるには憲兵団と争うか逃げるかしかない…そうヒストリア(クリスタ)に告げるエレン。しかし、ヒストリア(クリスタ)は『憲兵団と争う必要も逃げる必要もない』『この島が生き残る一番堅実な方法があればそれに従う』とパラディ島の女王として自己犠牲を厭わない意思を表明する。かつてエレンや皆が自身を助けるために動いてくれたことで十分だと言って笑うのだ。
だが、エレンはそんなヒストリア(クリスタ)に『お前が良くてもオレは違う』と言い、『島の皆を守るために世界を滅ぼす』という決意を固めた。
それを聞いたヒストリア(クリスタ)は当然『そんなのは間違っている』『あなたのお母さんみたいに何で殺されるのか分からない人が殆どなんだよ!』と止める。だが、エレンは『憎しみの連鎖を完全に終結させるには憎しみの歴史を文明ごと葬り去るしかない』と答える。
「お前に島の生贄になるためだけに生まれる子を産ませ親子同士を食わせ続けるようなマネはオレがさせない」
進撃の巨人 32巻 諌山創 158/196
エレンが自身のために世界を滅ぼそうとしていることに愕然としたヒストリア(クリスタ)は『あなたを止めないと二度と胸を張って生きていけない』と必死の形相で言うが、エレンは平然と『耐えがたいなら始祖の力で記憶を操作する』と言ってのける。そして、かつて父親であるロッドではなくエレンを選んだヒストリア(クリスタ)に『あの時オレを救ってくれた”世界一悪い子”なんだからオレの計画を黙っていられるはず』と言う。
エレンの決意の固さを知ったヒストリア(クリスタ)は自身もそれを黙認することを決意し、憲兵団の計画を阻害するため『私が子供を作るのはどう?』と提案し、後に妊娠するのであった…。
そして、ヒストリア(クリスタ)とのやりとりの直後、夜に再びフロックを呼び出したエレンは『世界を滅ぼす』という計画をフロックに打ち明けるのであった…。
その後、ミカサ達と共にマーレに偵察にやって来たエレンは一人姿を消し、負傷兵のフリをしてレベリオ収容区に潜伏した。負傷兵を装うために自ら左足を切り落とし左目を潰したエレン。それは非情な苦痛を伴ったが大願のために布を噛みながらやってのけるのであった。
収容所で秘かにジークと接触していたエレンはそこでミカサの事について質問していた。エレンに対して非常に献身的で彼を守るために人間離れした力を発揮するミカサ。エレンはジークに『アッカーマン一族には”宿主”と決めた相手を守ろうとする”習性”や”疾患”があるのではないか』と問う。だが、ジークは『そんなものは無いと思う』と答え『その女の子の向ける好意には正体も習性もなく、ただお前のためになら巨人をひねり殺せるくらいお前が好きなだけだ』と答え、逆に『お前はその子にどう応える?』と問う。
しかし、エレンは憂鬱な顔で『何言ってるんだ。オレは長くてもあと4年しか無いんだぞ』と言うのであった…。
「オレが死んだ後もずっとあいつらの人生は続く…」
進撃の巨人 32巻 諌山創 162/196
「続いてほしい」
「ずっと…幸せに生きていけるように」
エレンの思いはただそれだけだった。ただ、ミカサやアルミン、他の104期生の仲間、そして島の人々…彼らの笑顔を守りたいだけなのだ…。
…
カモメが向かった先には無数の艦隊が並んでいた。それは”世界連合艦隊”であった。争っていた各国が世界の危機の前に手を取り合い、この地球上に存在しうる最も巨大な大砲のほぼすべてがこの海上に集結しているのだ。
『この奇跡の艦隊でも”地鳴らし”を阻止できないのであれば、もう人類は滅ぶしかない』…そう緊張した面持ちで語る兵士達。
そして、ついに巨人達が迫って来た。海に潜水して凄まじいスピードで近づいて来る大型巨人達。世界連合艦隊が次々と大砲を放つがビクともせず、船の下までやってくるとその身から放つ熱気で船諸共兵士達を焼き尽くしていく。
世界連合艦隊はアッサリと壊滅させられ、巨人達は大陸に上がって来る。大陸で待ち構えていた兵達はその姿に恐れをなし、次々と逃げ出してしまった。
そして、高地に上った兵達が振り返るとそこには世にも恐ろしい光景が広がっていた。
群れを成してやってくる巨人達の背後には四つん這いになった巨大な骸骨の姿があった。しかし、その骸骨にはしっかりと顔があり、それは長い黒髪で口が裂け、耳がとがった悪魔の様な形相をしていた。
「…あれは」
進撃の巨人 32巻 諌山創 184-186/196
「…あ……」
「…ヤツだ……」
「進撃の巨人だ」
その恐ろしい姿に恐怖し絶望する兵士達を凄まじい表情で睥睨するエレン。エレンの脳裏には母親が無残に巨人に捕食された時の様子がありありと浮かんでいた。
駆逐してやる
進撃の巨人 32巻 諌山創 188-190/196
この世から一匹残らず
そう念じながら”人類”を駆逐するためにエレンは進んでいくのであった…。
以下、感想と考察
嵐前の静けさとでも言った感じであった前巻と比べて今回は非常にハードだった…。
島の安泰と世界の人々の命…そして、キヨミの言葉が突いた本質を考える
島の人々のために心身ともに悪魔と化して世界を滅ぼすことを決めたエレン。調査兵団のおなじみのメンバーはエレンを止めるためにマーレの残党たちと手を組むことにしたのだけど、ジャンは一瞬かなり迷った。…調査兵団に入る時もかなり迷っていたジャン。なんだかその時のことを彷彿とさせる展開だった。頭ではこのままエレンを放っておけば当面の島の平和が確約される上に、約束された人生が手に入る。でも心の奥底では『間違っている』という思いが沸き上がっていて、調査兵団入団のとき同様、心の奥底の思いを選んでエレンを止めに行くことを決意した。
元々、”人間味”や”迷い”担当キャラクターであるジャン。特に今回のジャンの迷いは色々と考えさせられる。
私がもし壁内人類だったらどう考えるのだろう。倫理的にハンジが言うとおり『虐殺が肯定されていいわけはない』と思いもするだろうが、それ以上に当面の大きな脅威…自分達の死を願う誰かがいなくなるということには大きな魅力を感じるのだろうな。しかし、アズマビトのキヨミの『島の外の人間を殺してもただ世間が狭くなるだけ。結局殺し合いを繰り返す』という言葉の鋭さといったら…。現に壁内の中でも殺しあっている人類。人種や国家という大きな違い、大きな対立が無くなったとしてもいずれまた争いの種は生まれて殺し合う。仮に本当に壁の中のエルディア人しか世界に存在しなくなっても、やはり巨人の力や実権を巡る争いは不可避だし。
でも、巨人と言う共通の敵がいた狭い壁内で育ち、外の世界をほとんど知らないフロックはキヨミの言葉が本気で理解できないのかもしれない。フロックがキヨミの頭に銃を突きつけたのは言い返せなくてムッとしたからというより、『何言ってるか分からないけど、反抗してきててウゼえ』位の感覚だったのかもしれないな。
虐殺を止めるために、かつての仲間を殺すことになるミカサ、アルミン、ジャン、コニー…果たして”正義”とはなんなのか
とにもかくにも、エレンを止めるために力を合わせることになった調査兵団のメンバーとマーレ残党達。しかし、イェレナが皮肉った通り『世界を救うため』と言うと格好いいけど、その実態はただの殺しだ。
世界…顔も知らない誰かを助けることを決意したアルミン、コニーは今まで一緒に死線を切り抜けてきた訓練兵時代からの仲間達を自らの手で殺さなくてはならなかった。革命編でも『何故自分達は巨人ではなく人間と戦わねばならないのだ!?』といった感じに皆が苦悩する様子が描かれていたけど、今回はその時の比ではない凄まじさと残虐さだ。革命編で戦った相手は中央憲兵団でほとんど面識のない相手で、既得権益にしがみつく旧勢力を排して新しい時代を築く…という感じの分かりやすい大義名分があった。
しかし、今回の相手は訓練生時代の同期を含んだ昔からの仲間達。彼らは島の未来のために戦っており、アルミンやコニーは彼らを”裏切った”形になるのだ。
本当に辛い。特にサムエルとダズなんてモブとして最初からずっといたキャラなんだから…。ちなみにサムエルは1巻の巨人襲撃の前からエレン、コニー、サシャと同じ班にいて、ダズはトロスト区奪還作戦の際に弱音を吐いていたキャラ。更に、雪中行軍の訓練でクリスタに背負われていたキャラ。
このマンガの凄いところは、人を殺す、戦闘するという行為を徹底して美化しないことだ。大義名分があろうが、強い想いがあろうが殺しは殺し。
『俺達は仲間じゃなかったのかよ!?』と泣き叫びながら撃とうとしてくるサムエルとダズを『お前達は仲間だよ、でも…』と言いながら撃ち殺してしまったコニー。そこには格好良さなんて微塵もない。前巻で『母ちゃんに誇れる兵士になりたい』と語っていたばっかりだけど、”誇れる兵士”って一体何なんだろう…。前巻の流れからのこれは流石に気の毒であった。
エレンの回想の謎、クリスタのお腹の子の父はエレン?ジークの兄らしさを感じるコマも
そして、エレンの回想が中心の第130話は何と言うか…凄まじかった。
『あそこか?いや、どこでもいい』のコマで出て来る男性は若い頃のグリシャでいいのかな?この辺、元々ループ説が有力な事もあって色々と気になってしまう。
さらに、島の外を滅ぼす計画についてエレンから予めヒストリア(クリスタ)とフロックだけは聞かされていたことが判明。てっきりフロックはただ粋がっているだけだと思っていた。ごめんよ、フロック…。
しかし、それ以上に気になるのがエレンとヒストリアの関係。革命編で急速に近づいた二人だったけど、ヒストリアが女王になってからもかなり親しそう。そして、どうしても疑ってしまうのはヒストリアのお腹の子の父親。一応ヒストリアのお腹の子の父親は”幼馴染の青年”というぽっと出のキャラということになってるけど、そんなキャラが父親というのには元々違和感があった。顔すら満足に描かれていないし。
…やっぱりエレンの子だよね…そう疑ってしまう。今回の回想でヒストリアが『私が子供を作る』と言い出したコマがエレンがミカサから向けられる好意について『オレはあと4年しかない』と答えているコマの直後なのも引っかかる。既に公開されているラスト1コマでエレンが赤ちゃんを抱っこしているところからしてもやはり”幼馴染の青年”はカモフラージュで、本当の父親はエレンなんじゃないかな?
そして、ミカサから向けられる好意についてエレンから相談されたジークの様子が本当に”弟思いのお兄ちゃん”っていう感じでなんか切ない。ジークも一個人としては色々と拗らせてるけど決して悪い人じゃないんだよな…。ミカサに対して『俺への思いはアッカーマン特有の疾患だ』と言い放ったエレンだけどそれはエレンの出任せだったわけだ。ミカサの好意を受け取れない理由に『あと4年しかないから』と言っているエレンだけど、そもそもミカサの事を恋愛対象として見れていない感じがするのだけどどうなのだろうか…。
進撃の巨人33巻は1月8日発売予定
それにしてもラストのエレンの姿の恐ろしさと言ったら…まさに”島の悪魔”。
次の33巻は1月8日発売予定。果たしてミカサ、アルミン達はエレンを止めることが出来るのか…。