【漫画】あなたがしてくれなくても46話【感想・ネタバレ・考察】毅然とした態度で三島の誘いを断った陽一。一方、ついにみちと楓が接触し・・・!?

あなたがしてくれなくても 7巻表紙

新名が浮気をしていたことに勘付いた楓は新名に問い質した。新名は相手がみちであることは隠したものの、精神的な浮気をしていたことを認め、楓は深く傷付く。そして、新名はけじめをつけるために転職活動を始めた。

一方、みちは昇進試験をきっかけに勉強やお洒落、スポーツなど新しいことに挑戦する様になり生き生きと毎日を送る様になった。陽一はみちがレス問題に執着しなくなったことを嬉しく思いながらも『自分から離れていってしまうのでは』という不安を持つようになった。

そんな中、三島はかつての不倫相手の妻から訴えられ動揺する。三島の異変に気付いた陽一は酒を飲みながら彼女の話を聞き、泥酔した彼女を家まで送り届けた。しかし、陽一の優しい態度に彼への恋心を再燃させた三島は『好き』と言って抱き付いてしまい…。

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Contents

以下、あらすじとネタバレ

『妻が大事だから三島さんの気持ちには応えられない』…そうハッキリと告げた陽一に三島は…

弱っているところに優しい言葉を掛けられたことで陽一への想いが再燃した三島。帰ろうとした陽一に衝動的に『好き』と言って抱き付いてしまった。

だが、振り向いた陽一は三島の肩に手を置くと自身から引き離した。

「三島さん…すいません」
「三島さんの気持ちには応えられないっす」

あなたがしてくれなくても46 ハルノ晴

陽一は申し訳なさそうにしながらもハッキリと言う。

「俺…妻がいないとダメなんです…」

あなたがしてくれなくても46 ハルノ晴

そう言われた三島は一瞬黙り込むも、『分かった』と答え、『どうしても言わずにいれなかった』と泣きながら謝罪する。そして、『行っていいから!』と心配そうにする陽一を強引に部屋から押し出した。

陽一が去ったあと、ドアを見つめる三島の目からは大粒の涙が溢れ出ていた。しかし、同時に三島はどこかスッキリした様な笑みを浮かべているのであった…。

その後、一人家路を辿る陽一は自身とみちとの関係に思いを巡らせる。面倒臭がりの自分が、喧嘩を繰り返し苦しみながらもみちと別れずにいるその訳を。もし、みちではなく他の人だったらとっくに逃げ出していたはずだと。

帰宅し、寝室に入るとすでにみちはベッドで眠っていた。無防備なみちの寝顔をみた陽一はベッドに横になり、そっと彼女を抱き締めるのであった。

絶対にみちを離したくない…!

あなたがしてくれなくても46 ハルノ晴

そう強く思う陽一。深い眠りに落ちているみちは陽一に抱き締められていることに気付くことなく、すやすやと眠り続けるのであった…。

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新名の浮気を知って以降、不安定な楓。思わず新名の携帯を盗み見ようとしてしまい…

そして夜が明けた。よく眠れたみちとは対照的に、新名の妻、楓は一睡も出来ないまま朝を迎えた。疲れていて眠いのに、仕事に行かなくてはいけないのに…そう焦るものの楓の心は新名の浮気の件で掻き乱されていた。

寝室から出た楓。リビングには既に新名の姿は無く、ソファーに寝巻きが畳んであった。新名が寝室ではなくソファーで眠り、そしてとっくに会社に行ってしまったことを悟った瞬間、楓の瞳から自然と涙がこぼれ落ちた。

まただ
勝手に涙があふれてくる…

あなたがしてくれなくても46 ハルノ晴

新名の口から浮気の事実を聞いて以降、楓の心はずっと不安定なままであった。

すると、その時どこかから振動音が響いて来る。楓の音の方向を見ると、リビングのテーブルの上で新名のスマートホンが鳴っていた。新名はスマートホンを忘れていってしまっていたのだ。

何気なく手に取った楓だったが、涙を流したまま必死の形相で4桁のパスコードを入力し始める。しかし、思い当たる番号を手当たり次第入力してもパスコードを解除することは出来ず、ついにロックが掛かってしまった。

そこで楓は我に帰って新名のスマホから手を離すのであった。

…私 何やってるの…!?

あなたがしてくれなくても46 ハルノ晴

楓は自身が取ってしまった行動に呆然とするのであった…。

一方、みちは充実した日々を送っており、波なから『いい女になった』と評価される

一方、その頃みちは会社で華に『日商簿記の勉強をするため、学校に通おうと考えている』と話していた。

そんなみちに華は『先輩、変わりましたね』と言う。みちが『そう?』と尋ねると華は笑顔でこう答える。

「はい!イイ女になってます!」

あなたがしてくれなくても46 ハルノ晴

近頃のみちは仕事や勉強に熱心になっただけではなく、お洒落にも気を遣うようになっていた。以前は下ろしたままにしていた髪も小綺麗にアップにし、高いヒールを履くようになったのだ。

華の言葉にみちは照れて『そんなことないよ』と謙遜しようとする。だが、そんなみちに華は『“イイ女”は褒め言葉を素直に受け取るものです』と教える。そう言われたみちは素直に『ありがとう』と言って微笑むのであった。

その後、みちは一人廊下を歩きながら自身の変化について考えていた。いつもと変わらないはずなのに明るく輝いて見える景色。しかし、みちは決して浮き足だっているわけではなく、その気持ちはどこまでも穏やかだった。

なぜだろう
ヒールの音が心地いい

あなたがしてくれなくても46 ハルノ晴

『以前の自分が今の自分を見たら驚くだろうな』…そんな事を考えながら歩くみちの表情は自身に溢れ明るかった。

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みちに話しかけてきた見知らぬ美しい女性…それは新名の携帯を届けに来た楓であった。楓が新名の妻だと聞いたみちは一気に血の気が引く

その時だった。みちは突然見知らぬ女性に『営業部はどちらでしょうか?』と尋ねられた。社員ではない様子のその女性は、洒落たオフィスカジュアルにみちよりも高いヒールを履きこなしていた。スタイルが良くウェーブの掛かった長い髪の彼女を見たみちは純粋に『キレイな人』と見惚れる。しかし、彼女の次の言葉を聞いた途端、みちは凍り付く。

「主人の忘れ物を届けにきました」
「営業部 新名の妻です」

あなたがしてくれなくても46 ハルノ晴

その女性は楓であった。

楓を見たまま呆然とするみち。途端に激しい動悸に襲われた。だが、楓に『?あの…』と言われ、『すみません、こちらへ…』と慌てて新名のいる営業部へ楓を案内する。楓の前を歩くみちの顔は青ざめており、つい先ほどまでの明るい気分は完全に吹き飛んでいた。

急にヒールの音が鈍くなる
いつもの廊下がかすんで見える

あなたがしてくれなくても46 ハルノ晴

廊下にはみちと楓のヒールの音が響いていたが、みちの耳にはそれすら遠のいて聞こえるのであった。

今はただ冷静を装うので精一杯だ

あなたがしてくれなくても46 ハルノ晴

以下、感想と考察

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三島の告白をキッパリ断った陽一とそのことで逆に救われた三島

抱きついて来た三島の誘いをちゃんと断った陽一。最近、みちとの関係に不安を抱いていたからこのまま流されちゃったらどうしようかと心配していたけどそうはならなかった。良かった。陽一、最初は大概なやつだったけど、どんどん成長していっている。今まで何でもかんでも面倒くさがって、特に人の気持ちに無頓着だったのが、みちを大切にするようになったし、三島が弱っているのにちゃんと気付いて励ますことが出来た。そして、弱っている三島から言い寄られても毅然とそれを断ることが出来た。偉い。

三島さんも陽一にキッパリ断ってもらったことで逆に救われたと言えるだろう。ここで陽一に抱かれたり甘えさせてもらったりしたら、その場は安心し満足できるかもしれないけど、結局不倫の負の連載にまた足を突っ込むことになり、今以上に苦しむことになっだろう。三島はそれを分かっていながらも陽一への恋心が止められなかった。だからこそ、陽一の方からハッキリと振ってもらえてどこかほっとして、泣きながらも笑顔になれたのだろう。

ついに楓とみちが接触…いつかやって来る展開だったと分かっていてもしんどい

そして、ついにみちと楓が接触してしまう。同じくらいの高さのヒールを履いているのに、みちと楓は結構な身長差があるんだな…。楓が異様にスタイルがいい。足が長いんだな。

新名が自宅に携帯電話を忘れてしまい、それを会社まで届けにきた楓(とはいえ、今のご時世、財布や定期よりも忘れると困るのが携帯電話。新名、さっさと気付いて取りに帰れよ…。社用携帯がある会社なのか?)。

そこで声を掛けた相手がよりによってみち…。ここ最近私生活が上手く行っていたはずのみちの気持ちが凍り付く描写がリアル。

きっといつかはこんな展開が来るだろうとは思っていたが、やはりしんどい。みちが新名とキャッキャウフフしてた時に来たなら自業自得感があるのだけど、もうとっくに新名との関係が終わっているからな…。新名と付き合っている最中だったら『別れる』ということで自身の罪悪感を消すことが出来ただろうけど、とっくに別れてしまった今はそれが出来ない。

しかも、みちからしてみれば、楓が新名の浮気を知っているかどうかも分からないので迂闊に謝罪をすることもできない。楓の顔を知ったことで過去の浮気についての罪悪感がぶり返すどころか、以前より増大し、さらに『バレるんじゃないか、バレたんじゃないか』という不安にこの先晒されることになるのだ。

もし、この先楓が新名の浮気相手を本気で探ろうとすればすぐにみちにたどり着きそうだし(スマホでのみちとのやり取りを新名が完全に消していない可能性がある)、新名はみちを庇い名前を明かさないだろうけど、みちの方が耐えられなくて名乗り出てしまうかもしれない。

果たしてどうなる…。

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