偶然楓と出会ってしまったみちは、今になって新名誠と付き合ったことを後悔し、絶対に陽一にバレないようにしようと決意した。しかし、その一方で陽一に迫られた際、反射的に悲鳴を上げて拒否してしまう。陽一はそのことで、みちの心が自分から離れていることに気付きショックを受けるが、何もなかったことにしていつも通り振舞うのであった。
一方、誠もみちとの交際で楓を傷つけたことを自覚し、けじめをつけるために転職活動を始めた。楓は誠の浮気相手がみちであることに気付くものの、誠に浮気の件を問いただす勇気がなく悩み苦しむのであった…。
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Contents
以下、あらすじとネタバレ
みちと陽一が住む賃貸マンションの契約更新期が近づく。特に不満がないみちと陽一はそのまま更新しようと考えていたが…
朝、先に家を出ようとした陽一は『あ、そうだ』とみちを振り返りこう言った。
「この家更新らしくてさ またこのまま更新でいい?」
あなたがしてくれなくても52 ハルノ晴
みちと陽一の暮らしている賃貸マンションの契約の更新期が来たのだ。みちが『いいんじゃない』と答えると陽一は『分かった』といい、『今日は早く帰れそうだから』と言って仕事に向かった。
陽一の背中を見送ったみちは『本当にいつも通りだ』と感心する。みちが陽一を“拒否”してしまったあの夜を一切無かったかの様に振る舞う陽一。蒸し返してギクシャクしたくないのだろう…陽一の性格をよく理解しているみちはそう考える。密かに新名誠との過去の浮気の件で心を悩ませているみちはそれをありがたく感じてはいるものの複雑な気持ちになるのであった。
会社でみちが仕事をしていると、突然隣にいた華が『迷う~』と叫んだ。今住んでいるマンションの契約が更新期を迎えるため引っ越し先を探しているのだというのだ。みちが『今の家に不満があるの?』と尋ねると華はこう答える。
「いえ~別に 私 絶対に更新のたびに引っ越しするんで」
あなたがしてくれなくても52 ハルノ晴
みちは『何で?面倒くさくない?』と驚くが、華は『同じ場所にずっといる方が苦手』と言う
「リセットできていいですよ~」
あなたがしてくれなくても52 ハルノ晴
それを聞いたみちは思わず『リセットか…』と呟く。しかし、華に『先輩もリセットしちゃいます?』と聞かれると、みちは『私はリセットしないよ』と笑って答えるのであった。
一方、その頃陽一は会社の喫煙室で煙草を吸っていた。すると、そこに同僚の原田がやって来る。
先日は不機嫌でキツイ態度を取っていた陽一に原田は『機嫌直った?』と聞くが、当の陽一はそんなことすっかり忘れていた。そんな陽一に原田は『お前のそういう引きずらないとこが好きだ』と言い、『それに比べて女はいつまでも同じことをグチグチと言う』と吐き捨てた。
「なんと マイホーム買わされました」
あなたがしてくれなくても52 ハルノ晴
以前浮気をしていたことがバレた原田は、その贖罪のために妻に家を購入させられたと言うのだ。陽一が『おめでとう、夢のマイホーム』と適当に返事をすると、原田は『良くない!』と叫ぶ。妻や子供達は新しい家に大喜びだが、原田自身は35年ローンを背負ってしまったことで、『もう絶対に仕事を辞められない、もしローンが払えなくなってしまったらどうしよう』と不安で不安で仕方がないのだという。
妻が専業主婦の原田は陽一に『お前の家は共働きでいいな、羨ましいな』と恨めしそうにいい、頭を抱えて叫んだ。
「あーもう逃げられない!!ローンからも家からも…!!」
あなたがしてくれなくても52 ハルノ晴
特に原田の話に興味を持っていなかった陽一。しかし、原田のその言葉を聞いた瞬間、ハッとした顔をするのであった…。
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突然、分譲マンションの購入を提案しだした陽一。みちは一瞬喜んだものの、部屋の間取りが将来の子供の可能性を考慮していないものだと気付き、二人の間に気まずい空気が流れる
その晩、先に帰宅し夕飯の準備をしていたみちの元に華からラインが来る。引っ越し先の部屋の候補が二つに絞れ、みちにどちらがいいか意見を求めてきたのだ。
いつの間にか集中して部屋の間取りを眺め、会社への路線や家賃について考えていたみち。『この部屋ならいい、やっていけそう』と思った瞬間、『つい自分目線で考えてしまった、もう一人暮らしするわけではないのに』我に返る。
すると、そこに陽一が帰ってきた。そして、『ちょっといい?』と言うな否やカバンからチラシを取り出しみちに見せた。
「今朝 家の更新の話したじゃん」
あなたがしてくれなくても52 ハルノ晴
「思ったんだけどさ マンション買うのもありかな~って」
『えー!』と叫ぶみち。そのマンションは来年完成予定だという。面倒くさがりで変化を嫌う陽一が突然こんなことを言い出したことにみちは『なんで急に?』と驚くが、陽一は淡々と『更新料や賃貸料がもったいねーかなって思った』と答える。
「俺もう35だけどローン組むのも今ならまだ間に合うし」
あなたがしてくれなくても52 ハルノ晴
「Wローン組めばそんなキツくないし」
みちは『急すぎて…』と言いながらもどこかワクワクした面持ちでチラシを眺めていた。が、次の瞬間表情を曇らせて陽一にこう尋ねた。
「…陽ちゃん なんでこれ選んだの?」
あなたがしてくれなくても52 ハルノ晴
陽一の持ってきたチラシには『2LDK+WIC』と書かれていた。『この間取りの部屋しか残ってなかった?』と聞くみちに陽一は『いや』と答え、以前みちが個室が欲しいと言っていたことを持ち出して、『これならみちと俺の部屋それぞれ作れるから十分じゃん?』と言う。
すると、みちは切実な面持ちに陽一に言った。
「…子供は?」
あなたがしてくれなくても52 ハルノ晴
「子供産まれたら部屋足りないよ?」
陽一は以前『いつかは子供がほしい』と言っていたくせに、マンションの購入にあたって将来子供が生まれる可能性を全く考慮に入れていなかったのだ。
そのことを指摘された陽一は『え?』と声を上げたが…
「ああ…」
あなたがしてくれなくても52 ハルノ晴
ただ曖昧な表情でそう答えると黙り込んでしまった。
みちは陽一のその態度にショックを受けるのであった…。
そして、転職を考えていることを告げた誠に楓はついに『あなたが浮気をしていた相手は吉野さんなの?』と問い質す
丁度その頃、誠と楓のマンションでは…。
ソファに座っていた楓に『ちょっといいかな、話がある』と言って横に腰かけた誠。例の浮気の件だと思った楓は内心緊張しながらも『うん』と答えたが、誠の話は意外なものだった。
「実は俺 転職しようと思ってて…」
あなたがしてくれなくても52 ハルノ晴
驚いた楓は『何かあったの?どうして』と尋ねた。誠が『キャリアアップしたくて』『次が決まるかわからないけど』言うと、楓は『誠なら大丈夫よ』と微笑んだ。浮気の件ではなかったことにホッとしたのだ。
しかし、すぐに楓は疑問を感じる。
今…?この時期に…?それって…
あなたがしてくれなくても52 ハルノ晴
『邪魔して悪かった』と言ってすぐに立ち去ろうとした誠。すると、楓は『待って』と呼び止め、『聞きたいことがあるの』を切り出した。
「ちゃんと正直に答えてほしい」
あなたがしてくれなくても52 ハルノ晴
「誠があの日…あの雨の日言ってた女性とは 今も続いてるの?」
誠は楓の言葉に驚いたようだったが、真剣な表情で答えた。
「…続いてないよ」
あなたがしてくれなくても52 ハルノ晴
「あれから一度も会ってない」
すると、楓は続けてこう尋ねた。
「…じゃあ彼女のことまだ想ってる?」
あなたがしてくれなくても52 ハルノ晴
その問いかけに誠はどこか寂しそうに言った。
「いや…」
あなたがしてくれなくても52 ハルノ晴
そのまま黙ってしまった誠。楓は誠のその返答に傷つく。もっとハッキリと『浮気相手のことをもう想っていない、好きじゃない』と言ってほしかったのだ。
煮え切らない誠の態度に業を煮やした楓は更に誠に言うのであった。
「その人って…吉野さんなんでしょ?」
あなたがしてくれなくても52 ハルノ晴
楓の口からみちの名が出たことに、誠は驚愕するのであった…。
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以下、感想と考察
みちを縛り付けたいがためだけにマンションの購入を提案した陽一のクソさ
賃貸マンションの契約の更新を控えたみちと陽一夫妻。互いに今の住処に大きな不満がなかったため、このまま更新しようと考えていたが、陽一は同僚の原田が一軒家を購入したことを聞いて、みちに分譲マンションの購入を提案する。
…これだけ聞くと、いい話に聞こえるけど、陽一の動機が不純すぎる。というかクソ過ぎる。
このタイミングで家を買うのを提案したのは原田の様に妻に贖罪したかったとか、喜ばせたい、環境を変えてやり直したかった…というよりは、単にローンでみちを(そして自身をも)縛り付けたかったからに過ぎないだろう。Wローンなんか組んだらすんなり離婚しづらくなるしな。姑息だな。しかし、深いことを考えないで適当な安い部屋を選んだだけで、部屋数とか将来子供ができたらとか一切考えておらず、みちからそのことを指摘されて却って気まずくなってしまうという。本当にどうしようもないな。最近、陽一は少し成長してきたと思っていたけど、結局嫌なことがあると逃げて思考停止に陥ってしまう。そこが改善されない限り、もうみちと陽一の関係は破綻するしかないと思う。もうみちの気持ちが完全に冷めてしまっているのだから。
みちも大概だと思うが、今回の陽一の行動もなかなかにクソなので、みちには是非、このマンション購入&ローンからは逃げ切ってほしい。まあ、華ちゃんとのやりとりは別居フラグだろうけど…。
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ついに楓は誠に『浮気相手は吉野さん(みち)か?』と尋ねる
そして、ついに楓は誠にみちが浮気相手であるか尋ねた。演技力&誤魔化し力0の誠のことだから、バレてしまうのだろうけど、この後楓はどういう行動を取るのだろうか?プライドが高いから誠やみちの会社で騒ぎ立てることも出来ないだろうし、実際みちと誠は肉体関係も持っていないし…。
せいぜい、みちと陽一の元に赴くか、またはみち単体と対話する機会を設けるか、それ位で終わるのだろうか?
果たしてどうなるのか…?
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