みちはついに誠との一件について楓から呼び出された。問い質されるままに誠との関係について正直に答え謝罪するみちに、辛辣な言葉を浴びせ責める楓。しかし、楓から『たかがセックスレスごときで』と言われたみちは、反論し、セックスレスの苦悩について訴える。みちの言葉を聞いた楓は初めて誠が抱えていた苦しみを理解し、それ以上みちを責められなくなってしまうのであった。
楓との対決で意外な自分の強さを知ったみちは、ついに陽一と別れる決意を固め、そのうえで陽一に対して『今後の話をしたい』と切り出した。
一方、自身の意外な弱さを突きつけられた楓の方は…。
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Contents
以下、あらすじとネタバレ
みちとの対決の後、今までの誠を傷つけてきたことに気付き反省する楓。そして母からの電話で祖父の法事があることを思い出し、誠に連絡することを決意する
ホテルの一室でワイングラスを手にしたままいつの間にか眠ってしまっていた楓。目を覚ますと激しい頭痛と共に、みちのセックスレスの辛さを訴える声が脳裏に蘇ってきた。
みちとの対決の後、ホテルみてたに戻った楓は一人でワインを空け、そのまま寝落ちしてしまっていたのだ。
私 自分の傷ばかり見てた…
あなたがしてくれなくても60 ハルノ晴
まさか彼女に思い知らされるなんてね…
誠の浮気相手であったみちを問質し責めるつもりで呼び出した楓。しかし、結果的にみちからセックスレスの苦悩を語られ、いかに楓が誠を傷つけてきたのかを突きつけられる様な結果になった。憂鬱な気持ちでワインボトルとグラスが転がったベッドにもたれかかる楓。
すると、楓のスマートホンが鳴った。楓の母が電話を掛けて来たのだ。
気怠い態度で電話に出た楓に母は『寝てた?ごめんね』と言いながらもこう続けた。
「明日おじいちゃんの三回忌大丈夫よね?」
「10時半からお寺」
あなたがしてくれなくても60 ハルノ晴
ハッとする楓。多忙さと誠の浮気の件に気を取られていたことで完全に失念していたのだ。慌てて『うん』と答えた楓に母は『良かった』と言い、更に尋ねるのであった。
「誠君も大丈夫なのよね?」
あなたがしてくれなくても60 ハルノ晴
一瞬考えたものの、力なく『うん』と答えた楓。
電話を終えた楓はスマートホンで誠とのメッセージのやり取りを眺めた。誠とのメッセージは夜の公園に呼び出したのを最後に途切れており、それ以降誠から連絡はなかった。
流石にこのまま話をしないのはおかしいと考えた楓は『来てくれるだろうか』と不安に思いながら誠に連絡することに決めたのであった…。
一方その頃。誠は会社で仕事をしながら、夜の公園で楓『に家出をされたなら帰って来てくれと懇願するものではないのか、何度もホテルまで来るものではないのか』と言われたときのことを思い返していた。
どうして俺は
あなたがしてくれなくても60 ハルノ晴
楓を追いかけられなかったんだろう…
楓の言う通り、自分が浮気して妻が出ていたたのだから追いすがるのが当然だとは理解していた。しかし、誠にはそれができなかったのだ。
すると、その時誠のスマートホンに楓からのメッセージが届いた。明日法事なのを伝え忘れていたことを謝罪し、『ごめんなさい』『来れる…?』と遠慮がちに尋ねて来た楓。
誠は困惑しながらも『行かないと楓の親達に変に思われるだろう』と考える。にこやかに微笑む楓の両親を脳裏に浮かぶ。楓の両親は誠のことを気に入ってくれているのだ。誠は『どんな顔をして会えばいいのか』と思いながらも法事に行くことを決意するのであった。
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気まずいまま、法事に向かった楓と誠。誠は楓の家族に歓迎されるが、その様子を楓は複雑な気持ちで眺める
翌日の朝、ブラックフォーマルに身を包んだ楓は緊張した面持ちで駅で誠を待っていた。
すると、誠がやって来た。楓は素直に『昨日の今日でごめんね』と謝り、誠は穏やかに連盟の香典とお供え物を用意していることを告げる。今まで通り、忙しい楓に代わって細かい気配りをしてくれる誠の様子に楓は『いつもの誠で良かった』とホッとする。両親に会うのにギクシャクはしたくなかった。
電車の座席に並んで座った楓と誠。二人の間には少し空間が出来ていた。
沈黙が続く中、先に口を開いたのは誠だった。
「実はさ…」
あなたがしてくれなくても60 ハルノ晴
「転職先三輪商事に決まったんだ」
浮気をしたことのケジメとして転職することを表明していた誠。その結果、今働いているフタバ商事よりも大手の三輪商事に転職が決まったのだ。
『すごいじゃない』と驚く楓。そして、楓の両親が聞いたら喜び、さらにま頃の株が上がるだろうという。だが、それを聞いた誠は複雑な気持ちになるのであった。
その後、寺に着いた楓と誠は楓の両親と兄と合流した。
誠が挨拶をすると、楓の母は『来てくれてありがとう』と喜び、兄が『仕事は順調か』と尋ねて来た。誠が正直に三輪商事への転職が決まったことを言うと、楓の兄は『マジで』と驚き、両親にそのことを告げる。楓の母は『凄い、おじいちゃんも喜ぶ』と喜び、楓の兄は『流石我が弟』と言って誠の肩を抱いた。
自分の家族が本当に誠を気に入っていることを改めて感じた楓は思わずその光景から目を逸らしてしまう。
そして、その後先を歩く父と母が腕を組みながら歩く様子に思い出すのであった。
父と母は昔から外でも腕を組んで歩き、思春期の頃楓は『恥ずかしいから外で腕を組むのやめてよ』と言ったことがあったのだ。だが、父は照れ話様子もなく、『父さんと母さんは死ぬまで腕を組む』と答えた。
夫婦がいつまでも仲良く腕を組む…それは決して当たり前のことではなかっということに今になって気付いた楓。
楓は横を歩く誠を見た。視線に気付いた誠は楓を見返すが、楓は慌てて目を逸らし、『今ここにいる誠はどんな思いなのか』と考えるのであった…。
誠を失いたくない…法事の後、自分の気持ちを自覚した楓は誠に対して『今までごめんなさい』と素直に謝った
住職の説法を聞きながらも、楓は食事会の時間などについて考えていた。
だが、住職の『今ある命はご先祖様のおかげです』という言葉に耳がとまった。
今ここにいる一人ひとりに両親がいる様に、その両親にもそれぞれ両親がいた。そういう途方もない命が積み重なって今自分達はここにいる。今生きていることは当たり前ではない…そう説いた住職。
『今日という日を大切にしてほしい』…そう穏やかに笑った住職の言葉にいつの間にか楓は聞き入っているのであった。
その後、食事会を終えて楓の家族と別れた楓と誠は会話もなくで駅に向かって歩いていた。
すると、楓の足に痛みが走る。靴擦れしてしまったのだ。しかし、時計を見ると電車の時間が迫っており、立ち止まるわけにもいかない。どうするべきか楓が内心困っていたその時。
「楓 もしかして足痛い?」
あなたがしてくれなくても60 ハルノ晴
「これ前も痛いって言ってなかった?」
そう尋ねてきた誠に驚く楓。そんな楓に更に誠は『格好悪いかな?』と言いながらもスリッパを差し出す。
以前と変わらず、自分のことをよく理解してくれて気遣ってくれる誠。そんな誠を見て楓の心は大きく揺れ動く。
本当はずっと夫婦でいたかった…
あなたがしてくれなくても60 ハルノ晴
このまま誠を失ってしまって本当にいいの…?
誠はもう愛してはくれていないのかもしれないが、自分自身の気持ちはどうなのかと自問する楓。黙ってしまった楓の様子に誠は自分がスリッパを差し出したせいだと勘違いして『やっぱり格好悪いよね』と困った表情を浮かべた。
そんな誠を真っすぐ見据えて楓は言うのであった。
「…誠」
あなたがしてくれなくても60 ハルノ晴
「今までごめんなさい」
思ってもみなかった楓の言葉に誠は固まる。
誠を失いたくない…楓はそう強く思うのであった。
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以下、感想と考察
ここに来て楓と誠夫婦の話かい!みちと陽一の話し合いはどうなってんねん!と叫びそうになったけど、今回の話も割と重要だった。面白ければいいのだ。
みちとの対決で自身の弱さを認めたからこそ、誠に素直に謝罪できた楓
お坊さんの説法が地味に効いたのか、素直に誠に謝罪した楓。
そもそも楓は今までちゃんと謝ったことはなかったんだよね。誠が自分への愛情を失っていることに気付いて家事を頑張ったりして修復しようとはしても、ちゃんと言葉で謝ることはしていなくて。その後、対話する機会があっても基本的に自分の優位を崩さないように常にどこか上から目線だった。まあ、楓からしてみれば”浮気をされた”という立場であるから、怒りもあってそういう態度しか取れなかったのかもしれないけど。
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お坊さんの説法もそうだけど、直前のみちとの対決で自分にある弱さを自覚したからこそできた行動だと言えるだろう。
気遣いの鬼?誠は何故女性もののスリッパを持っていたのか
そして相変わらず誠は気遣いの鬼だな。差し出したスリッパがつま先にリボンがついていたりと明らかに女性ものなのだけど、楓が靴擦れ起こすことを見抜いて持ってきていたということ?
これが出来るということは、『楓が法事の時は必ずこの靴を履く』、『この靴を履いていた時に楓は靴擦れを起こしていた』というのを全て覚えていなくてはいけない。妻がどの靴を履くか、なおかつどの靴を履いた時に靴擦れを起こしたかを正確に覚えていられる夫ってかなり希少な気がする…。その上、ちゃんとスリッパを持ってきてくれるって。会社で上司に気に入られるのも納得である。
果たして、そんな気遣いの鬼の誠は楓の素直な謝罪にどう反応するのであろうか…。