『毒親』という言葉が浸透して久しい。
まだご存知でない人に説明するのであれば、定義はやや難しく曖昧なところがあるが、簡潔に言うなら、子供の成長や人生を阻害し、『毒』とも言えるような悪影響を与える親とでも言えばいいだろうか。
『虐待』や『虐待をする親』と重複する部分もあるのだが、分かりやすい暴力や暴言、ネグレクトといったものを伴わず、巧妙に自尊心や自己肯定力を破壊することが多く、第三者から見ると正常な家庭、親に見えることが多い。
詳しく知りたい人には田房永子氏の『母がしんどい』が非常に分かりやすいので、お勧めしたい。
『母がしんどい』の記事はこちら
【マンガ】母がしんどい【感想・ネタバレ】『毒親』ブームの火付け役、田房永子が描く毒親持ちのバイブル
一方で毒親ものは、純粋なジャンルとしてはやや食傷気味なのも事実。
しかし、今回紹介する『血の轍』は作者がなんといっても押見修造である。「惡の華」「ぼくは麻理の中」「ハピネス」等名作を数多く生み出している押見氏は、繊細かつダークな感情表現が得意だ。
そして、帯には「究極の毒親」「この母親は解毒できない」と書かれている。これは期待しないわけにはいかない。
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→【漫画】血の轍10巻・最新刊【感想・ネタバレ・考察】静子と決別することを誓った静一は再び吹石と交際し、未来へ向かって歩み出そうとするが…。
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Contents
登場人物紹介
長部静一(おさべせいいち)
本作の主人公。中学2年生。母、静子に似た穏やかで整った顔立ちをした少年。静子の愛情を一身に受けて育ち、学校では友人にも恵まれ、平穏で幸せな日々を送っている。密かに同じクラスの少女、吹石に想いを寄せる。
長部静子(おさべせいこ)
静一の母親。若々しく美しい容姿をしている。一人息子の静一に愛情を注ぐ。心配性でスキンシップが多い。夫、一郎の親族に対しては不満を言うこと無く笑顔で丁寧に接している。
長部一郎(おさべいちろう)
静一の父親。眼鏡をかけており、穏やかで優しい性格をしている。
伯母
静一の父の姉。息子のしげると共に、頻繁に静一の家を訪れる。明るく陽気な性格で笑顔が多い。
しげる
静一と同年代の従兄弟。母親である伯母と共に頻繁に静一の家を訪れる。明るく陽気だが、やや言動が幼い。
祖父母
静一の父方の祖父母。明るく笑顔が多い。
吹石由衣子(ふきいしゆいこ)
静一と同じクラスに所属する、ショートカットの美少女。静一が密かに想いを寄せる相手。彼女自身も静一に対して好意的な態度を取る。
小倉、その他友人達
静一と同じ中学校の友人達。小倉は眼鏡をかけたひょうきんな少年。
普段から静一に声を掛け、構ったりいじったりする。頻繁に遊びに誘う。
あらすじ・ネタバレ
90年代半ば、中学2年生の長部静一(おさべせいいち)は若々しく美しい母、静子(せいこ)の愛情を受けながら平穏で幸せな毎日を送っていた。
しかし、頻繁に家を訪れる伯母やいとこから『静子が過保護である』と笑われ、驚き戸惑う。
そんな中、静子が起こしたある事件がきっかけで、静一の平穏な日々は狂っていくのであった…。
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中学2年生の長部静一の日常
夢を見る静一。それは幼き日の記憶。母、静子に手を引かれ道を歩いていた静一は白い猫を見つける。近づき触れてみると猫は死んでいた。「どうして死んじゃってるの?」静一が尋ねると、母は答えず、ただ艶然と微笑むのであった…。
90年代半ば。眠っていた静一は母、静子のくすぐりによって目を覚ます。そして、静子から朝食について「肉まんとあんまんのどっちがいいん?」と尋ねられ、「肉まん」と答える。
母、静子は若々しく美しく、優しい。父も物静かで穏やかだ。家庭内で彼は静子からの愛情を一身に受けている。
中学校でも静一は、平和な学校生活を送っている。小倉をはじめとする友人達に囲まれ、気になる女子吹石がいてちょっかいを出したりする。母静子に似て可愛らしい整った顔立ちをしている静一。吹石もまんざらでもない態度を見せる。翌日の土曜日には小倉ら友人達とラーメンを食べに行く約束もする。
彼の送る日常は一見するとごく普通で平和であった。
不穏な影を落とす伯母といとこの存在、そして夢の内容についてのやり取り
しかし、帰宅後、静一は静子から
「おばちゃんとしげちゃん、また明日遊びに来るって」と告げられ、友達と約束とかしていないか尋ねられる。
おばちゃんとは、父の姉で、しげちゃんとはその息子で静一のいとこの「しげる」のことである。
心配する様子の静子に、静一は、小倉達との約束を断るから大丈夫であると答えるのであった。
その晩、静一は朝見た夢について静子に話す。驚く静子。それは静一が三歳の時の出来事だったのだ。
「おぼえてるん!?」驚くとともに喜ぶ静子。そして、恍惚とした表情で静一の頬に触れ、「ママに抱きしめさせて」という。恥ずかしがり、静子の腕を振り払う静一。立ち去る彼に静子は問う。何故あの猫は死んでいたのだろうかと。適当に車にひかれたのだろうと返す静一に、静子は微笑むのであった。
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伯母といとこ、しげるの来訪
翌日の昼間、伯母としげるがやって来る。静子は伯母を笑顔でもてなし、しげるは二階の静一の部屋に上がり、自分のペースで静一のゲーム機で遊びはしゃぐ。静一はそんなしげるに押され気味なものの、笑顔で共にゲームに興じる。
しかし、唐突にしげるが発したある一言で空気が一変する。
「静ちゃんちってさ、カホゴだいね」
しげるから出た『過保護』という言葉、より密着してくる伯母としげる
驚く静一にしげるは、
『静子が静一に無駄にべたべたすること』
『静子が静一が幼稚園児の時、毎日教室の後ろに立っていたこと』を挙げる。笑顔でそれらがおかしいと言うしげるに対して、静一は真顔で「お母さんのこと悪く言わないでよ」と言い返した。しげるはそんな彼に対して冗談だと笑いその場は収まった。
その後、一階の居間で、静一の家族、叔母、しげるの皆で出前のうどんを食べ、談笑する。
そして、しげるは静一に『明日も遊ぼう 』 と言い出す。
それに静一が答える前に静子が笑顔で「いいですよ」と応じてしまう。それに気を良くした伯母は 、夏休み祖父母と双方の家族で登山と温泉に行くことを提案する。旅行の話で盛り上がる皆を、静一はうどんを啜りながら黙って見つめるのであった。彼の目線の先には、愛想笑いで皆をもてなす静子がいた。
夕方、車で帰っていく伯母としげるを見送った静一と静子。静一は静子に「いつも、ありがとう」と告げる。すると静子は静一の頬にキスをする。驚き逃げる静一。
しかし、その後、土日は必ず伯母としげるがやってくるようになり、そして静子はいつも楽しそうに笑っているのであった。
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一学期の終業式、吹石と距離を縮める静一
一学期の終業式になった。静一は友人達から遊びに誘われるが、この日も伯母としげるがやってくるため、断らざるをえない。寂しさを感じつつ一人帰宅する静一に女子が声を掛けてくる。吹石が一緒に帰りたいと言っているというのだ。
気まずさと照れを感じながら吹石と共に帰る静一。そして吹石から『家に遊びに行っていいか』聞かれる。
動揺しながらも都合が付いたら連絡すると吹石と約束する静一。
約束だよ…と微笑む吹石にときめくのであった。
帰宅後、静子に通知表を見せる静一。成績を褒める静子に、静一は相手が女子の吹石であることを伏せて、友達を家に呼びたいと言う。少し悩みながらもみんなとの旅行が終わって落ち着いてからならば良いと答える静子。そして、静一に何かすごくうれしそうだが何があったのかと尋ねる。平静を装いながら自室に向かう静一。そんな彼を不思議そうに静子は見つめるのであった。
親族皆での登山、再び『過保護』と言われ動揺する静一
夏休み。車を降りた静一家族。そこには既に祖父母と伯母一家が揃っていた。にこやかに談笑し、出発する一同。キツイ山道に難儀しながらも逞しく、しげると協力しながら登っていく静一。そんな息子の様子を静子はずっと見守っていた。
三分の一まで差し掛かり、途中で休憩を取ったときであった。景観の良い、切り立った場所で、突然しげるが静一を突き飛ばす真似をする。その瞬間、静子は必死の表情で静一を抱き止める。
「何してるん静子さん!?本当に過保護ねぇ!!」
その様子を見て伯母が笑い声をあげる。そして次々笑う祖父母達。父もその様子を笑いながら黙って見ている。笑いながらすみません…と謝る静子。そして、何事も無かったかのように一同は山を登り始めるのであった。
その後、昼食を取り皆で談笑をするも、静一の頭には伯母の言った『過保護』という言葉がうずまいていた。そんな彼をしげるが小便に誘い、戻る途中で探検しようと言い出す。
そして、静一としげるの二人は蝶が無数に舞う眺望の良い崖にたどり着いたのであった。
崖からしげるを突き落とす、静子
崖の先端に行き、静一を誘うしげる。しかし、先程突き飛ばされたこともあり、警戒して近づこうとしない静一。二人は険悪な雰囲気になる。
そこに心配した静子が駆けつける。危ないから崖から離れるようにと諭す静子を再び『過保護』と馬鹿にし、ふざけてみるしげる。すると彼はバランスを崩し、後ろ向きに崖から落ちそうになる。
その刹那、静子は駆け寄りしげるを抱きしめ、支えた。間一髪のところで難を逃れたしげる。抱きしめたしげるを静子は優しく諭す。ところが、しげるは気恥ずかしさからか、そんな彼女に悪態をつく。
すると、静子は黙ったまま動かなくなる。彼女の表情は静一からは見えない。が相対しているしげるは静子の顔を見て、おばちゃん…?と困惑し怯えていた。
そして、次の瞬間、静子はしげるのことを、崖から突き落とすのであった。
突然の出来事に立ち尽くすしかない静一。静子はゆっくりと振り返り、彼に向かって微笑みかける。それは夢にみた、あの猫の死骸を前で見せた笑顔と一緒であった。
その後、打って変わる静子の様子
静子のその笑顔を見た静一は戦慄し、震え上がる。視界も歪み始める。が、静子が上げた悲鳴で我に帰る。腰を抜かし、動転した様子の静子。『しげちゃんが落ちた』『みんなを呼んできて』『早く』と静一に要請する。弾かれた様に他の皆の元へ走る静一。頭からは静子のあの笑みが離れなかった。
すると、父、伯父伯母、祖父母がやってくる。皆、静子の悲鳴を聞いて駆け付けたのだ。皆と目を合わせないようにして、静一は、しげちゃんが…崖から落ちた…と告げる。
うそ…、そう呟くと次の瞬間から、しげるの名を叫び走り出す伯母。伯母の後に続くように、皆崖に向かい走った。
崖の先端では静子が変わらず座り込んでいた。静子は駆け付けた皆に、『しげるがここでふざけていたこと』、『よろけて落ちたこと』、『助けようとしたが間に合わなかったこと』を告げる。そして伯母に向かって謝るのであった。それを聞くや否や、しげるの名を叫び崖を覗き込む伯母。伯父が崖の下にしげるの帽子を発見する。各自、救助を呼ぶため下山し始める。父は静子に、しげるはきっと無事だから…と語って宥め、静一に動けない静子を頼むと言い走り去っていった。
崖に取り残される静一と静子。戸惑いながら母に近づく静一。静子はぼんやりした表情で、とりとめのないうわ言の様なことを呟き続けていた。思わず「ママ!」と叫ぶ静一。そんな息子にやっと我に返った様子の静子。そして、どこか恍惚した様子で静一に言うのであった。
「ぎゅっとして…」
以下、感想と考察
今回の1巻は不穏な展開を予想させるものの、嵐前の静けさとでもいうべき丁寧さを持ってゆっくりと話が進む。しかし、物語はラスト、静子がしげるを崖から突き落としたことで急激に動き出す。
スクリーントーン等を一切使わず、細かな線で描かれる情景は美しく、そして主人公静一の心の揺れを反映している。
母、静子より目立つ、古くて歪な親戚関係
この一巻では静一の家になにかと入り浸る伯母といとこのしげるや、密着して無意識に静子と静一を疎外する父方親族の様子がありありと描かれており、静子のブラコン性、異常性よりも目立っている印象がある。『正直、母静子よりこっちの方がよっぽど毒なのでは?』と感じる読者も多いのではないだろうか。
異様に密着してくる伯母とその息子、しげる
元々頻繁に静一の家を訪れている様子の伯母としげる。確かに実際に静一としげるは同年代で、それなりに仲は良いように思える。しかし、ここまで我が物顔で弟一家にやってくるのは如何なものなのだろうか…。
作中の舞台は90年代半ばの地方(方言からして恐らく群馬の方。2巻では高崎南…という単語が出てくる)。現代と価値観も違っており、親戚付合いは密なのだろうが、限度を超えているような気がしないではない。
(伯母の口振りからして、頻繁にうどんの出前を取ってることも察せられるが、ちゃんと自分達の分の代金支払ってくれるんだよね!?とそんな細かいところも心配になってしまった)
そして更に、作中でしげるが『 明日も遊ぼう 』 と言い出したことで、休日毎回訪問するようにエスカレートしてしまう。しげるが何故このような発言をしたのかははっきりしていない。静一のゲーム目当てなのか、それとも友達がいないのか。明るく、陽気であるが、やや幼稚で強引なところがある彼の性格を考えると後者の様な気がしてならない。
なんにせよ、こんな頻度でやってこられては静子もストレスが溜まって当然だろう。しげるを突き落とした後の静子のうわ言からもそれを窺い知ることが出来る。
親族間で孤立する静子と静一
そして、父方親族皆と行く登山のシーンでは、読者は親族間で静子と静一が感じている居心地の悪さを追体験できる。あからさまに邪険にされている訳ではないが、二人が疎外されており、一段低い立場にあることがひしひしと伝わってくる。しげるが静一を突き飛ばすふりをして、静子が思わず静一を抱きとめてしまった際、危険なことをしたしげるは全く叱られず、何故か静子が謝らなくてはならない雰囲気になる(確かに静子は過剰反応してしまったかもしれないが、これはさすがにおかしい…)。その後、ビニールシート上で昼食を取るシーンも二人だけ輪から外れている。
そして静一の父親。
伯母としげるが入り浸る状況を「静一は、ほんとにしげると仲良いんなあ」で片付け、登山中『過保護』と静子と静一が笑い者になったとき、何も言わず他の親族達とただ笑う。昼食時も二人がアウェイなことに気を留めず、輪の中で盛り上がる。
これらのシーンから彼にとっての家族は妻と息子ではなく、自分の実家なのだとさりげなく、かつはっきりと分かるのだ。これでは静子も静一も疎外されたままだろう。
静子は笑顔で夫の親族に付き合い、気を遣っている、が決して馴染めてはおらず内心不満を抱えているのは簡単に察せられる。
この時代では良くあることなのかもしれないが、読んでいる側としてはこの親族たちの関係性に何とも言えない不快さを覚え、静子に少し同情してしまうのである。
1巻で窺える母、静子の異常性は
上記の様に、序盤は親戚関係の方に目が行きがちだが、宣伝文句にあるような静子の異常性についてもしっかりと伏線が張ってある。
一見すると普通の母親に見える静子
前半の印象としては、静子は、 一人息子である静一に対して、心配性でややスキンシップが多い母親…といった程度に見える。現実でも、中学生くらいの息子に対してこういう接し方する母親って割といるよな…と思わなくもない。静一も分かりやすいマザコンかというとそこまででもなく、反抗期も迎えておらず、母と非常に仲が良く、『ママ』呼びをしているものの、抱きしめようとする母から恥ずかしがって逃げる等、年相応の反応をしている。
一見すると普通の母子関係に見える。
しかし、しげるが語った幼稚園でのエピソード、静一の父実家との関わり方等、細かなところから、静子の持つ歪さ、そして母子の関係の異様さが垣間見えるのである。
静一の眼が語るもの
この作品では、静一の目のアップが頻繁に描かれる。そして、その眼差しは母、静子に向けられている。彼は母、静子の様子を観察し、常に気遣っている。そして彼女の望む回答、行動を先読みしているのである。
小倉や他の友人達とラーメン屋に行く約束としげるの来訪がバッティングした際のやりとりが非常に分かりやす例だ。
静子は『無理をしないで友人達と遊びに行ってもよい』と優しく言う。しかし、口ではそう言いながらも、内心では静一が共にいてくれることを望んでいる。そして、静一はそれを分かっているからこそ『大丈夫』と答え、楽しみにしていた友人達との約束の方を取り消すのだ。そして、そんな静一に対して安心する静子。親子であるとはいえ、言外に強い支配関係・依存関係があることが伺える。
( ちなみにこの一連のやりとりや、静一が家に友人を呼びたいと言った時の静子の言動については、更に裏があると私は考察する。詳しくは次巻の記事で述べたい。 )
静子は何故しげるを崖から突き落としたのか
何故静子は突然しげるを崖から突き落としたのか。色々と推測することはできるが、明確な理由は分からない。以前からしげる母子が家に入り浸ることを快く思っていないであろうし、しげるの静一への態度に怒るのももっともだろう。直前に彼は、冗談とはいえ、静一を突き落とす真似をしている。
しかし、彼女は一度はふざけて崖から落ちそうになったしげるを助けている。
それは「一人の母親」として、「子ども」を守るために本能的に出た行動の様で、そこに他意はないように思える。 実際にここで静子が助けていなかったら、本当に足を滑らせて転落してた可能性が高いだろう。
恐らく直後にしげるが悪態をついたことが何らかの引き金になったと考えられるが、そこから突き落とすまでに至る彼女の心理には相当複雑で深く暗い何かがあるのだろう。静一と同じくその時の彼女の表情を見ていない我々読者は恐怖と共にひたすら想像を膨らませるしかない。
最後に…肉まん・あんまん問題
冒頭で静子は静一に朝食について「肉まんとあんまんのどっちがいいん?」と尋ねる。どうやら普段から静一の朝食は肉まんかあんまんであるらしい。
正直、中学生の朝食としては幼い気もするし、肉まんか餡まんの二択なの?と突っ込みたくなるが…まあ、朝はあまり食べられない人も多いし、冷凍、冷蔵の肉まん餡まんは結構便利。どこの家庭にも謎の慣習、謎のルールはあるものだから、ある意味リアルとも言える。昼食のメニューやしげるを崖から突き落とした後のつぶやきからしても、静子はあまり家事が好きではないのかもしれない。しかし、この二択の問いが後に意味を持ってくるのだ。
ラストで急展開を見せた1巻。更なる絶望へ突き進む2巻についての記事については追って書いていきます。