原作厨が評価する、アニオリが良かったアニメ5選(私の独断と偏見で、すぐに思いついたもの)

注意…今回は何かの作品のネタバレや感想ではなく、ブログ主の独断と偏見に満ちた、つまらない、ただの駄文です。

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Contents

原作厨とは何か

私は自他共に認める『原作厨』である。原作厨とは何ぞやと思う人もいるかもしれないのでざっくりと説明したい。
原作厨…それは、分かりやすく説明すると、漫画、小説等がアニメ化や映画化等、別のメディア展開した際に、原作と違う話や展開になるのが許せない人間。もっと簡単に言えば、漫画のアニメ化に際して、原作部分からの変更や、いわゆる『アニオリ(アニメオリジナル)』が嫌いな人間である。原作原理主義者とも言える。

原作厨は生きづらい人種である。というのは、ほぼ全てのアニメが尺の問題や監督や脚本家の好みで多かれ少なかれ『原作エピソードを削る、変える』『アニオリ展開を入れる』をやるからだ。
我ながら小中学生位のときが最も原作厨をこじらせていた。無駄に漫画のセリフだったり、細かい部分を覚えているが故に、頻繁に『あのセリフが削られた!』だの、『漫画と服装が違うぞ』と騒いでいた。そして、アニオリ回が放送される度に『こんなん認めねー』と叫び、アニメオリジナルキャラクターに対しては『誰だよおめぇはっ!?』と逐一キレていたのである。

メインストーリーの間にちょいちょいアニオリ回を挟むのは何とか耐えられたが、『完全なアニメオリジナル路線』に進んでしまったアニメは嫌になって見なくなることも珍しくなかった(るろうに剣心の島原編以降の流れに亡き父と一緒に発狂しそうになったのは良い思い出。途中で見れなくなった。今思うと父もかなりの原作厨)。

もちろん、小説→アニメ化、漫画→実写化に対しても原作厨として同様のストレスを感じないわけではなかった。しかし、小説は元々挿し絵位しか絵が無いし、実写化まで言ってしまうと全くの別物としてまだ諦めがつかなくもなかったのである。漫画→アニメ化の場合はなまじ絵が同じである分、違いが際立つため尚更腹が立って仕方がなかったのだ
仮にアニメ→漫画の順で入って行ったとしても、生粋の原作厨である私はどうしても漫画の方を『正史』扱いするように脳みそが出来上がっているので見る順番を変えても意味がない。

今のアニメと違って昔は長いスパンで放送することが多かったため、どうしても原作に追い付く→アニオリで時間稼ぎするという法則があったので、アニオリ回が作られることは仕方がないと思うのだ。
そして、最近のアニメ(主に深夜)は今度は逆に尺の短さゆえに、エピソードを削り、色々とオリジナルな形で構成し直さざるをえないがために、アニオリ展開に至ることが多い。
…しかし、偏見かもしれないが、アニオリ回が面白いことは少なく、アニオリ路線のものはぐちゃぐちゃになってしまうことが少ない(長寿アニメで最早アニメの方が正史扱いになっているものは除く)。

こんなに文句ばかり言っていると『嫌なら見るな!』と言われてしまいそうだが、アニメが好きな私は原作を知っていると、どうしても見ずにはいられず、『愛しているからこそ、憎い!』と可愛さ余って憎さ百倍を地で行ってしまうのである。我ながらうざいことこの上ない。

アラサーになった今は、この『原作厨』はかなり落ち着き、大体の『アニオリ』に対して目を瞑れる様になった…が、内心はどうしても苛立つ。特に私の場合は夫と一緒にアニメを見ることが多く、そして夫は原作を知らないことが多い。そのため、夫は原作通りの部分とアニオリの部分の区別がつかないため、アニオリの部分がかなり酷いと、当然作品そのものを酷評する。そして、それに対して私が反論する。

例えば、
夫『何、このガキ馬鹿じゃん?こいつが母親の言うこと聞かないでワガママばっかり言った挙げ句、母親の制止聞かないで突っ走ってったせいで敵の罠にはまって母親死んだんじゃん。このガキ嫌いだわ。展開も酷いわー。ないわー。』
私『待って!原作では違うの!原作ではこの子めちゃくちゃいい子なの。母親にワガママなんて言わないし、 むしろ母親より先に敵の罠を察知して母親を連れて逃げようとする位に賢いのよ!アニオリを信じるなぁっ!!』
(分かる人には何の作品か分かると思う)
…という具合で、アニメ基準で作品全体を酷評する夫と、聞かれてもいないのにしつこく原作語りを始める妻(私)で、地獄絵図の様な夫婦喧嘩に発展することも珍しくないのだ。『何を大げさな』と言われるかもしれないが、本当のことである。

『アニオリ展開』や『エピソードカット・変更』を評価できたアニメ5作品(パッと思いついたもの)

しかし、こんな私でも『アニオリ』部分や『エピソードのカット、変更』を評価出来る作品もある。需要があるかどうかは分からないが、とりあえず5作品紹介したい(思いついたものである。他にもあると思うが)。これといった評価基準を設けているわけではないのだが、ざっくりと言って『アニメが原作と同等、あるいはそれ以上に良かった』と感じられたものを挙げている。

1、バジリスク 〜甲賀忍法帖〜
2、最遊記RELOAD BLAST
3、賭ケグルイ(1期2期)
4、約束のネバーランド(1期)
5、どろろ

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1、『バジリスク 〜甲賀忍法帖〜』…漫画で描かれなかった部分を丹念に描き、深みを加える

バジリスク

(今回、原作はせがわまさきの漫画『バジリスク 〜甲賀忍法帖〜』であるとみなします。実はこの漫画自体にも原作があり、それは山田風太郎の1959年発行の小説『甲賀忍法帖』です。)

甲賀卍谷と伊賀鍔隠れ、この二つの忍者群は長年に渡り対立し憎み合う関係にあった。しかし、甲賀卍谷の次期首領の甲賀弦之介と伊賀組の頭目孫娘の朧は恋仲にあり、長きにわたった確執は解けようとしていた。しかし、徳川幕府は三代目将軍を巡る後継者争い悩み、その選定を甲賀対伊賀の忍法争いによって決めることにしたのだ。かくして、弦之介、朧を含んだ甲賀・伊賀の選ばれた10人の忍同士の殺し合いが始まるのであった…

対立する忍の一族が10対10で殺し合うというシンプルな設定のこの原作は、アクション、駆け引きが非常に凝っていてかつ勢いがあり、充分に面白い(それなりにエログロありだが)。『パチンコ』で知ったという人も多いのではないだろうか。
そしてアニメ版は尺が2クールと、余裕があったこともあり、各々のキャラの過去や、他のキャラクターとの関係性を描くエピソードを大幅に追加。テンポを落とすことなく、作品全体に深みをもたらせることに大成功。曲もかなり良いのだ(特にOPは担当したバンド、陰陽座のリーダーが甲賀忍法帖の大ファンであったことから、世界観にぴったりな楽曲になっている)。

そのため、逆にアニメ→漫画の順で見てしまうと物足りなさを感じてしまうかもしれない。
…え?実写映画?『SHINOBI』?オダギリジョー?仲間由紀恵?…そんなのあったっけ?
…ん?続編?桜花忍法帖?…そんなもの無かったよ…。…そんなアニメは無かったんだよ…。

2、 『最遊記RELOAD BLAST』~アニメ製作スタッフの原作漫画への愛と敬意が詰まっているアニオリ展開

西遊記を下敷きにした、ファンタジーアドベンチャー作品。作者である峰倉かずや氏が途中で大病を患ったこともあり、既に20年を越える長期作品になってしまっている。
この最遊記シリーズは過去何度もテレビアニメ化されているが、毎回後半はアニオリ展開する(そして、それが次のアニメでは無かったことになる)ため、原作厨の自分はそこが大いに不満であった。

今回アニメ化された『RELOAD BLAST』はシリーズの中でも最終章と銘打たれている。しかし、上述の様に原作は長期連載の上、テレビアニメ化も前回のテレビアニメ放映からなんと13年も経っているのだ。そういった作品を、それもストーリーの終盤からアニメ化。下手なことをせず淡々と原作通りにやって欲しいと祈りながら視聴したのだが、これが期待以上のクオリティでかなり驚かされたのである。
上手く内容を改変することによって、『初見の人達でも理解でき、既存のファンが懐かしめる』つまり『既存のファンを満足させつつ、新規のファンを獲得できる』そんな作品に仕上げたのだ。
具体的には以前OVA等でやっている『主人公達の前世』(最遊記外伝)を簡略化して描いた。何故なら初見の人は、ここを知らないと、先のエピソードを理解出来ないからだ。そして、この部分は既存のファンが好む下りでもある。また、原作では出てこないタイミングで既存の『幻覚系』の敵キャラを出してきて、上手いことキャラクターの過去をまとめ、キャラクター同士の関係を再確認出来る作りにしたのだ。
これって今までの原作の経緯をキチンと理解して、計算しないと出来ないことだ。そして、原作に対する愛と敬意がないと出来ない(原作読んでんのか、コラ…と言いたくなるようなアニメは意外と多いのだ)。

また、原作者の峰倉かずや氏の絵は美しく繊細である一方でかなり癖があるためか、歴代のアニメは作画崩壊、紙芝居化することも多かった。しかし、今回の 『RELOAD BLAST』は原作の絵にかなり忠実で戦闘シーンも割と動いたため、感動(ただし、定期的に画面上に血飛沫が舞う謎の演出あり)。
最遊記というコンテンツ自体、2.5次元劇等を通して新規のファンを取り入れ、老朽化しないように努力している。アニメスタッフもその背景を理解して努力したのだろう。感服である。

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3、 『賭ケグルイ』(1期2期)~アニオリでまさに『賭け』に出た作品

賭ケグルイ

ギャンブルの勝敗が全てを決める学園で、『賭けグルイ』のヒロイン、蛇喰夢子が戦い抜く様を描いた本作。

原作からして中々ぶっ飛んだ内容であり、美少女たちの変顔が売り等、アニメ化には元々向いていたと言えるだろう。それゆえ、エピソード自体、漫画の通りにやっていっても決して外すことはなかったのだが、1期最終話、最後の賭けはアニオリで、しかも主人公夢子とラスボスである生徒会長に賭けをさせてしまうという、まさに賭けとも言えるアニオリ展開をぶちこんで来たのだ。最終話付近でラスボスと戦わせるということ自体はアニオリ展開ではそれなりに見る手法、かつ台無しになりやすいパターンなのだが、『賭けグルイ』の最終話については、賭けの内容が絶妙だったのだ。『原作のことや、2期目製作のことを考えて、引き分けに持っていくのだろう』と容易に想像出来ていたのだが、そこに『狂言回しキャラ、鈴井の成長』という描写を織り込み、緊張感と盛り上がりがある内容に仕上げることが出来たのだ。

そして、アニメ2期目では、ちゃんとそのアニオリ最終回を無かったことにせず、むしろそれを上手いこと利用して1期目に描けなかった賭けを自然に2期目に持ってくることに成功。上手い。
更に2期目ではストーリーの中心にアニオリキャラを持ってくるという、これまたギャンブルに出た。もはやスタッフが賭けグルイ。原作の流れは変えずに、でも上手いこと絡ませて行く。そして、ラスト2話で活躍させて、退場させる。
何が凄いって、このアニオリキャラクターの雰囲気が作風に合っているので不自然さがないのだ(原作者たちが完全監修していることも大きいのだろうが)。
なお、本作は実写ドラマ化もされているが、その再現率は高く、ドラマオリジナル要素も多いが完成度は高い。実際に評判も良く、なんと映画化まで果たす(なお、映画のストーリーは完全にオリジナルの模様)。

4、『約束のネバーランド』~尺の短さを緊張感に変え、サブエピソードを上手に取り込む

孤児院で幸せに暮らしていた少年少女達が、孤児院の正体を知り、孤児院と養母の元からの脱走を図る…というお話。

前述した通り、原作厨の私は『アニオリ展開』や『エピソードの変更』だけでなく、『エピソードのカット・省略』等も文句をつけてしまいがちである。尺が少ないのだから仕方が無いと分かっていても。『あー、あのエピソード、描写、セリフ、カットしちゃったのね、あれ結構重要だと思うんだけどなー、あー、あー』とうざい小姑みたいにいつもぶつぶつ言っている。
しかし、アニメによってはそれが功をなす場合もあるのだ。

この、『約束のネバーランド』の原作の漫画は登場人物が多いこともあり、展開のペースはそこまで早くなかった。そして設定は練られていて、真面目に考察のしがいがある作品なのだが、度々ギャグ描写が入ることもあってか緊張感は度々途切れる印象がある(ここは好みの分かれ所だろう)。

アニメ化に際して、特別なアニオリ回や独自路線はない。むしろ尺が少ない分、省ける部分は省いている。が、しかし、それが非常に効果的で、アニメには原作に無い緊張感が漂っていて、先が気になる作りになっているのだ。
言ってしまえば引き算が上手いのだろう。

また細かな演出やセリフの変更、追加をすることで、尺を取ることなく、各キャラクターの設定や関係性を視聴者に伝えたり、ふとした仕草を加えることでキャラクターの心情を深く描けている。
例えば、主人公エマとノーマンの糸電話の下り等、マンガでオマケの笑い話として描かれていたエピソードを本筋に非常に効果的に入れる等、とにかく構成が上手いのだ。2020年に2期目が放送される。2期目の原作部分は1期以上に登場人物が半端なく増え、話がかなり複雑になるので、上手いこと捌いて欲しいと心の底から願うのだ。

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5、 『どろろ』~過去の名作を大胆に渋くリメイク

戦国時代の日本を舞台に、妖怪から自分の身体を取り返すべく戦いながら旅する少年・百鬼丸と彼に着いて行く子供・どろろの旅路を描いた手塚治虫の名作。

ストーリーの大筋は一緒、倒す妖怪、鬼神も原作を元にしているが、キャラクターの生死や結末が違っていたりする。アニメオリジナルのキャラクターも多い。キャラデザも マンガ『テガミバチ』の作者である 浅田弘幸 がキャラクター原案であることもあり、手塚治虫のそれとだいぶ変わっている。

また、百鬼丸から体を奪った鬼神の数、及び奪われた身体の部位の数が 48から12(13) と2クールでまとまる様に変更されているほか、根本的に主人公、百鬼丸の設定がかなり変更されている。例えば原作では声帯が無いにも関わらず百鬼丸は普通に会話できている(テレパシーという設定)等、『体を奪われている』という設定の割には外観も行動も普通の人間と大差ない。しかし、今回のこのアニメでは、百鬼丸は当初耳も聞こえず喋れず、序盤はまともに他者とコミュニケーションが取れない。一話目は皮膚すらなく、仮面をかぶっている等、その姿は異形。話が進むにつれて五感を取り戻していき、少しずつ周囲とコミュニケーションを取れるようになり、出来ることが増えていく描写がかなり細かい。

また舞台が戦国時代ということもあり、原作もしゃれこうべが転がっているような荒廃した世界観であったのだが、今アニメではその陰惨さが増している。百鬼丸に大きな影響を与える少女みおの生業をものごいから娼婦に変更し、百鬼丸が体を一つ取り戻すたびに実父の治める国が崩壊に向かうなどハードな設定が加わっており、『業』というものについて考えさせられる かなり渋く独特の雰囲気がある作品に仕上がっているのだ。

…まあ、今更手塚治虫の絵柄をそのまま、かつあの独特のギャグ描写や言いまわしのある原作通りにアニメ化したら確実に売れなかったと思うので、これ位の改変は必要だったと考える。全体的に『海外受け』を狙っている感はあるが、普通に楽しめるアニメだと私は評価したい。

…え?実写映画はどうだって?妻夫木聡?柴咲コウ?…そんなもの、無いよ、存在しないよ…

以上が個人的にアニオリが良かった(アニメが原作と同等あるいはそれ以上に良かった)と感じられたアニメである。
たぶん、今まで見たアニメでもアニオリ展開が良かったものはもっとあるのだろうけど、残念ながら私の記憶力は鶏並なので、とりあえず思いつくものはこれ位しかなかった(比較的最近見たものばっかりしか挙げられていないな…)。これから見たアニメで良いものがあったり、何か思い出したりしたらまた挙げていきたいと思っています。

2件のコメント

  1. 自分から原作厨と蔑称を自称して予防線ですか?早く反省してファンになりなよ。

    1. いやあ、自分でも思いますよ。子供じみたこだわり捨てたい。
      反省せねば、大人になりたいです…。

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