【漫画】BEASTARS(ビースターズ)15巻・最新刊【感想・考察(ネタバレあり)】メロンと対面するレゴシ…そして、明らかになる母、レアノの過去と自死の理由

BEASTARS 15表紙

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【アニメ】BEASTARS(ビースターズ)1話【ネタバレあり感想】テンポは速いがアニオリ演出と作画が良い

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以下、あらすじとネタバレ

第125話~ハルの家族と食事をすることになったレゴシ…ハルの父親がレゴシに言ったことは…

『異種族間の結婚が年々増加』という新聞記事を読んで他人事の様に思っていたのでハルのパパ。しかし、家の外で親しげにハイイロオオカミのレゴシと会話するハルを見て仰天する。見られたハルとレゴシも動揺するが、ハルのパパはパニックになりながらレゴシを夕食に招き、ハルはそれが社交辞令であることを見抜くが、馬鹿正直なレゴシはそれを理解せず、『お邪魔いたします』と誘いに乗ってしまう。

小ぢんまりとしたハルの家や食器に馴染めないレゴシ。一見するとハルの兄、姉は『明らかに無理ないっすか』とレゴシを茶化す余裕もあるし、ハルのママは以前に一度会ったこともあるので落ち着いている。しかし、ハルのパパは当然、先程の親しそうな様子からレゴシがハルの“ただの高校の後輩”だなんて思っておらず、食卓の空気を察している。

誰も怖くて出来ない!!末っ子とオオカミの関係について深掘りすることなど 決して…!!

BEASTARS 板垣巴留15巻  13/202

そして、レゴシもまた、『夕食の誘いを断るのがマナーだったのでは?』『俺はウサギの一家に襲来したモンスター同然なのでは』と思い始め、気を使って場を盛り上げようとし、逆に場を凍り付かせかけてしまう(ハルの一家のフォローでなんとかなるけど)。…これ、リアルでもよくあるやつだ。

しかし、レゴシはハルの一家とその夕食の風景を見て、ハルが草食獣の結束や防衛本能を抜きに、家族に愛し愛されて育った事を痛感する。そして、そういった家庭を築くことのかけがえのなさと難しさを理解する。

孤独なまま自分の信念を貫くなんて簡単なことだったな

BEASTARS 板垣巴留15巻  18/202

自身の信念を貫いた結果、顔に傷跡を残したり、食肉の前科がついたり、チェリートン学園を退学したりとアウトローな生き方をしてきたレゴシだったが、それよりも『ハルと温かい家庭を築く』という夢の大切さと大変さを再確認するのであった。…原点回帰したな、レゴシ。

雨の中、夕飯の礼を言ってレゴシがハルの家を去ろうとすると、ハルのパパが笑顔で『雨が強いから駅まで車で送ろう』と言い出す。小動物用の車だったため、大柄なレゴシを乗せた車内はぎゅうぎゅう。そのためか、パトロールの警官達がやたら車内を覗き込み、ハルのパパがうっかり『オオカミとウサギが同じ車に乗ってるから、僕が脅迫されているように見えているのか…』と言ってしまったことで、車内の空気は凍り付きかける。ハルのパパ、言いながら途中で失言と気付いて語尾が消えかけるのがなんとも…。だが、そこでレゴシはしっかりとハルのパパの方を向いて言う。

「娘さんが好きなんです」

BEASTARS 板垣巴留15巻  22-23/202

驚き目を見開くハルのパパ。暫く沈黙しながら、夕食中のレゴシ態度…牙や爪を極力隠し、ハル達と目線をちゃんと合わせる等の礼儀の正しさを思い出す。そして、レゴシがそういう小さな努力を重ねた結果、ハルの笑顔を手に入れたことを理解する。

車は駅に着き、レゴシは礼を言って車を降りる。すると、ハルのパパは笑顔で言うのだった。

「また遊びにおいで。大きいお箸…用意しておくから」

BEASTARS 板垣巴留15巻  26/202

レゴシはハルのパパから認めてもらえたことを理解し、『一匹狼は卒業だ』と思うのであった。

…わりとアッサリとハルのお父さんから認めてもらったレゴシ。しかし、これはお父さんの懐が広かったことと、レゴシ自身の努力の賜物なのだと思う。ハルとちゃんと目線を合わせる…とかは初期の頃から意識して頑張ってたことだったし。努力が実って、そしてハルとの仲が一歩進展したのは嬉しい。

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第126話~メロンを捕まえるため、レゴシに協力を要請する”壮獣ビースター”ヤフヤ

警察では象殺し…象牙売買の黒幕のガゼルとヒョウのハーフ、“メロン”の大々的な捜査会議が行われていた。しかし、警察は前例の無い“ハーフの獣”の捜索の仕方に苦戦しており、さらに獣融和大臣は『肉食獣と草食獣が友好的になりつつある今の潮流に水を差すべきではない』と報道規制を求める。

その様子を見ていた壮獣ビースター、ウマのヤフヤは激怒。

「配慮配慮配慮のゴミの山に埋もれて、お前ら警察が本当の悪を見つけ出すのは一生無理だ!!」

BEASTARS 板垣巴留15巻  34/202

…このセリフが痛烈な風刺に聞こえるのは私だけか?とにかくヤフヤは警察に頼らず自身の力でメロンを探し出すことを決意。

だが、同時に51歳の自身の体の衰えを感じ、後継者がいないことにも焦っていた。(確かにチェリートンからは最近“青獣ビースター”を選出していないけど、他校は出しているはず。そこから“壮獣ビースター”が生まれていないのか、それとも純粋にヤフヤの眼鏡に叶う後継者がいないのか…そもそも“壮獣”の方は社会に1人しかいないの?)

そんなヤフヤさんが思い出すのは当然、レゴシの存在で、バイトでわかめうどんを宅配中のレゴシを”身体能力テスト”という名目でワイヤーにひっかけて転ばせようとする嫌がらせにでる。何てことするんだ、そしてわかめうどんが無事でよかった。相変わらず、レゴシに対して偏執的なヤフヤさん。しかし、大金をちらつかせて素直に『僕の仕事を手伝って欲しい』とレゴシに頼む。

だが、ハルとの温かい家庭を夢見るレゴシは『誰かに心配をかけたくないから、危ない仕事をしないと決めた』とキッパリ断る。この断り方はヤフヤのかつての相棒である、レゴシの祖父ゴーシャ(コモドオオトカゲ)が愛し合ったハイイロオオカミの雌(レゴシの祖母)と生きるため、『ヤフヤと共に正しい社会を作る』という夢を捨てた姿を彷彿させるもので、ヤフヤは『プライベート優先か』と内心激しく怒る。しかし、レゴシにゴーシャに対して感じていた妙な安心感と期待感を持ってしまうヤフヤはレゴシの肩を掴んで叫ぶ。

「レゴシくん」
「この社会で君がどこまで汚れないか僕に見せてくれ!!」

BEASTARS 板垣巴留15巻  44-45/202

そして、『協力すればハルとの結婚の妨げになる”食肉の前科”をもみ消す』と言って、レゴシを説得するのであった。食肉の前科のもみ消しなんて…乗るしかないじゃないか。それにしても『どこまで汚れないか見せてくれ』…か。うん、ヤフヤさん、格好いいけどちょっと気持ち悪いぞ。

第127話~上流階級の獣人達が自らの種族を隠して楽しむ仮面夜行会…メロンを捜しにヤフヤとレゴシは潜入する

上流階級の獣人達の中で最近、”仮面夜行会”が流行っている。それは、獣人達が被りものをして、自らの種族を隠して、淫靡な交流を楽しむのだ。

そして、そこには周囲と同じく礼装して被り物を被ったヤフヤとレゴシが潜入していた。ヤフヤはこの仮面夜行会が象牙売買の組織が主催者として資金を出していることを掴み、メロンが現れると踏んでいたのだ。

潜入前に目的と作戦を手短にレゴシに伝えたヤフヤ。レゴシは対象であるヒョウとガゼル…肉食獣と草食獣のハーフであるというメロンに興味を持ち、『悪い奴なんですか?』と聞く。それに対してヤフヤはこう答える。

「…ウサギと恋仲にある君だからこのミッションを頼んでいる」
「肉食獣と草食獣が愛し合うとどんな生物が生まれるのか君は見ておけ」

BEASTARS 板垣巴留15巻  64/202

…ヤフヤのこの発言、レゴシの現状を調べ上げて言っている発言だけど、遠回しにレゴシとその家族をかなり否定…いわゆるディスってる発言だよな。ゴーシャへの可愛さ余って憎さ百倍な感じが半端ないな。

食肉衝動を抑えるためにアルコールをあえて大量に摂取している肉食獣と刺激を求める草食獣が性別を問わず乱れる背徳の仮面夜行会。ヤフヤはその空気に呑まれないようにとレゴシに忠告して、メロンの捜索を開始するのであった。

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第128話~ヤフヤはメロンを見つけるため、自身とレゴシの血を利用する

しかし、突然の潜入捜査にレゴシは困惑。ヤフヤから『女遊びばかりしている金持ちの甘やかされた大学生の一人息子』という設定を与えられていたが、全然演じきれず浮きまくってしまう。慌てて自分の元にレゴシを引き寄せ、演技力の無さをダメ出しするヤフヤ。しかし、ヤフヤは同時に『贅沢とは程遠い生活をしているのに、誘惑だらけのパーティーで落ち着けている事』を褒める。だが、レゴシはこともなげにこう言う。

「ヘンな話俺 明白な草食獣フェチなので…仮面で種族が分からない女性には身体も反応しないといいますか」
「食と性に関しては俺なりに全力で草食獣と向き合ってきたつもりなので正直このパーティーは全然余裕です!」

BEASTARS 板垣巴留15巻  75/202

…人って(獣人だけど)、自身の変態性を受け入れられるとここまで開き直れるもんなのか…!!さすがにその発言にはビビるヤフヤ。

だが、レゴシがいることで自身の350度の視界の死角…空白の、そして孤独の象徴でもあった10度が埋まった事に満足して得意の”目視スキャン”をして、怪しい人物を3匹にまで絞るのであった。そして、ヤフヤは周囲から浮かぬために、レゴシと同性愛のカップルに扮し、ダンスフロアで踊りながら3匹の様子を伺うことに。踊りながらレゴシはヤフヤが一瞬でターゲットを絞ったことに驚き、『前まではただ怖いおじさんという印象しか抱いていなかったのに』と尊敬する。しかし、言う。

「でもあなたの残酷さを知っている以上、俺があなたに協力できるのは今日限りです」
「もう流血沙汰はこりごりだ」

BEASTARS 板垣巴留15巻  85/202

こういうことを言えてしまうのがレゴシの良い所。ただの巻き込まれ系主人公や、お人良しキャラではない。

しかし、”流血沙汰”という言葉を聞いて閃くヤフヤ。突然レゴシを殴る。危ない人!周囲はただの同性愛者の痴話げんかだと思って特に気にする様子はない。

ヤフヤの狙いはレゴシの鼻血。レゴシの血と自身の血を傍にあったグラスに注ぎ混ぜ合わせる。獣人達は同族のニオイに反応する習性がある。肉食獣と草食獣の混ざり合った血が出来上がった瞬間、ヤフヤが絞っていたターゲットの一人が煙草の灰を灰皿から外れたところに落とした。

第129話~メロンをまだ見ぬハルと自身の子どもに重ね合わせるレゴシ…メロンともっと話したいと感じて…

草食獣と肉食獣の混じり合った血のニオイに一瞬動揺し、煙草の灰を落した男…彼こそがメロンだった。マスクの中を確認し、その男がメロンであることを確認したヤフヤはメロンの手をテーブルに手錠でつなぐ。そして、パーティ会場の電波が悪いため、地上に応援を要請しに行き、レゴシにメロンの見張りを命じ、メロンが所持していた銃を託すのであった。

草食獣と肉食獣の混血である、凶暴な獣、メロン…その存在に興味を隠し切れないレゴシ。メロンはレゴシの心を見透かし、またレゴシが純血のオオカミではないことを見抜き、話しかける。

いつの間にか、レゴシは自身の祖父がコモドオオトカゲであること等、メロンに身の上話を始めてしまう。そんなレゴシにメロンは『ハーフの生態は生きるのに向いていない』、『仲間がいない半端者、ただの異物』と語り、マスクをはぎ取る。ガゼルの頭にヒョウの口。その異様な相貌を見たレゴシは言葉が出なかった。それはまるで、自身とハルのまだ見ぬ子どもを目の当たりにした様な気持ちになったからだ。

ハルちゃん…もしも、俺と君の間に子どもが出来たら
その子も彼と同じようなことを言うのだろうか
自分を「ただの異物」だと…

BEASTARS 板垣巴留15巻  104/202

自分とハルが歩幅を合わせて乗り越えた先に、すべてが救われた世界があることを望むレゴシは『貴方ともっと話がしたいです』と言って、スペアキーを使ってメロンの手錠を解いてしまうのであった。

いや、アッサリ捕まるとは思っていなかったけど、レゴシが手錠外しちゃうんかい…!!しかし、確かにやっちゃうよね、レゴシはマイペースで、普通の正義感から少し外れているから。

すると、メロンは逃げ出すこともなく、『2匹で抜けちゃおうかこんなパーティー』と言ってレゴシを外に連れ出す。夜風に当たりながらレゴシは先ほどメロンが発した『ハーフの生態が生きるのに向いていない』という言葉の意味を尋ねる。言葉のままだと返すメロンに、レゴシはヤフヤが言っていた『肉を食べない代わりに狩猟本能だけが残った凶暴な性格』という分析を思い出す。しかし、メロンはそれに『ヘンだよね』とどこか寂し気に言う。

「肉食と草食が仲良くすることが良いとされてるはずなのに、そこから生まれた子供は結局異物扱いなんて」

BEASTARS 板垣巴留15巻  108/202

そんなメロンにレゴシは慌てて『異物だなんて感じない、もっと知りたい、悪い獣には見えない』と言うが、メロンはいつの間にかレゴシのポケットから銃を取り返しており、レゴシに発砲する。レゴシは腹部を撃たれ倒れる。そして、メロンはその場から悠々と立ち去るのであった…。

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第130話~ルイはイブキによく似た人物を見つけ、裏市に足を踏み入れてしまう

夜、自宅で大学のレポートを作成するルイ。すると、突然レゴシに食わせた右足、義足の付け根が痛む。実はレゴシに異変があるたびに失った右足が痛むようになっていたのだ。

…物凄い絆だ。ジャックが嫉妬しそう。そして、父のオグマ、割と普通にルイのこと溺愛しているよね。

翌日、大学の構内で昼食を取るルイはレゴシに何か異変があったのではと心配するが、気のせいだと自身に言い聞かせる。そして、食べようとした昼食(野菜のサラダ)を見て、かつてシシ組でイブキが同様の物を買ってきてくれたことを思い出し、思わず『イブキ…』と呟いてしまう。切ない気持ちになるルイ。

だが、そんなところに肉食獣のガラの悪い生徒達が絡んでくる(どんな偏差値の高い学校でも一定数不良が発生する不思議)。ホーンズ財閥の跡取り、義足、一時期裏市でシシ組のボスをやっていたという噂…等、『陰のあるイケメン』とからかわれるルイ。

しかし、ルイはシシ組時代、イブキから肉食獣への不意打ちの仕方(股の間から相手のしっぽを引っ張り倒す)を教わっており、不良学生の一人をその方法で引き倒し、

「五体不満足のシカがそんなに上手そうに見えたか」
「裏市の骨でもしゃぶって静かにしてろよ」

BEASTARS 板垣巴留15巻  126/202

と啖呵を切り颯爽と立ち去るのであった。最近、ルイがちょっと丸くなり過ぎじゃないかと思っていたので、尖ったルイを見られて満足。

だが、この事で自身に”肉食獣”が、まだ強く染み込んでいることを感じたルイは裏市の近くまで来てしまう。そして、イブキによく似た人物が裏市に入っていくのを見て、『イブキ』と呼びながら思わず裏市まで追いかけて行ってしまう。

すると、そこにいたのはシシ組の構成員達。ルイがイブキだと思った人物は、別の構成員(ドルフ)だった。その場にはフリーもおり、一瞬『ボス!?』と動揺するものの、『なんで現れた』『「次あんたを見かけたら食い殺す」と言う宅足を忘れてないはずだ』と言ってルイに向かって発砲するのであった。

私もイブキ好きだったから、一瞬『生きてたのか?』と期待してしまった…。そして、約束を覚えていながらも裏市に足を踏み入れてしまったルイ…。

第131話~シシ組の現在のボスはメロンであった

シシ組から足を洗い、『次に会ったら食い殺す』とフリーに言われたことを当然覚えていたルイは自身の置かれた状況を理解し受け入れ、銃口を向けられても堂々としていた。

そんなルイに銃口を向けるフリーは『再会を素直に喜びたかった』『やっぱりあんたは最高のボスだった』と思いながらも、”約束”を守るために拳銃を向けた。

しかし、その瞬間、ルイの角が突然落ち、ルイは頭から出血する。驚いたフリーの手元は狂い、銃弾は明後日の方向へ飛んでいった。

予期せぬタイミングでルイの角の生え代わりの時期がやって来たのだ。頭の出血を抑え、『ただのシカの事情だ。不用意に裏市へ近づいた俺に非があるから撃ってくれ』と言うルイ。しかし、フリーは『そんな姿(角の無い姿)のあんたは知らない』と言って、銃を捨てる。

そして、つい先ほどまで殺そうとしていたとは思えない親密さで『会いたかったぜボス!!』と熱く抱擁する。他のシシ組の構成員達も改めて『イブキの件は残念だったが、恨みっこ無しだ』とルイに言う。そして、『現在のボスが今夜は戻ってこないから』と角の出血の手当ても兼ねて夕食を御馳走する、シシ組のアジトに連れて行くのであった。

しかし、久しぶりのシシ組のアジトでルイは仰天する。何故か肉一筋のはずだったシシ組の構成員達の夕飯がメロンだけなのだ。新ルールで肉は月に2食、あとはひたすらメロンとなっていると語るフリー。毎食メロンって地味に贅沢な気がするが…。

『現在のボスとは一体何者なんだ!?』と尋ねるルイ。するとその時、新ボスが急に帰ってきたようで、シシ組の構成員達は慌て出す。フリーは急いで自身のマタタビ臭いジャケットをルイに着せて障子の向こうに隠した。

ライオンたちが脅える新ボスとは何者なのか…こっそり障子の向こうから覗くルイ。すると、そこにやって来たのはメロンだった。メロンの異様な面相から彼が肉食獣と草食獣のハーフであることをルイは理解する。 

昨夜の件(仮面夜行会にヤフヤとレゴシが潜入)で結果的にシシ組のビジネスの一つであった仮面夜行会が検挙されてしまい、怒ったメロンは門番に落とし前をつけさせた…殺して肉にしたのだと言う。

『俺の身体は全然肉を受け付けない』と言いながらメロンを食べるシシ組構成員達の前で大量の調味料をかけて『もはや何食ってんのかよく分かんねー』『そもそもこいつが何の種族だったかも知らねぇ』と言いながら肉を食べるメロン。最年少構成員アガタが『何の種族の肉か分かった上で味わうのが食肉の、裏市での最低限のマナーです』と咎めるが、メロンはそんなアガタの手の甲にフォークを突き刺し威圧して言うのだ。

「ここに1匹部外者が居るね」

BEASTARS 板垣巴留15巻 154/202

そして、フリーに今すぐ目の前に連れてこないとアガタを“月2のご馳走(肉)”にすると脅すのであった。

メロン、嗅覚鋭いな。というか自分と同じ名前のメロンを構成員に食べさせるって一体…。

第132話~誇りを失ったシシ組と生死の境を彷徨うレゴシは自殺した母、レアノと会う

部外者(ルイ)が紛れ込んでいることをニオイで察知したメロンは『今すぐ引きずり出せ』とフリーに命じる。手の甲にフォークを突き付けられたアガタや窮地に立たされるシシ組の面々を見たルイは、障子の向こうからメロンの所へ行こうとした。その時、構成員の一人であるミーゲルは『ボスが嗅ぎ当てたのはこれの匂いです』と先ほどルイの頭から抜け落ちた角を見せた。ファインプレイ過ぎる。

真新しい血が付いた角を見たメロンは確かにそこから嗅ぎ取ったニオイがすることを認めるも、『どこでそれを入手したか』と問い詰める。ミーゲルは『食肉は月2回だけという言いつけを破り、裏市で身売りされているシカを食った』と嘘を吐く。しかし、『肉食獣は愚かな生き物』『肉食草食のハーフである貴方は完全生物だ』『チャンスを与えてもらえれば自分の完全生物の貴方に近づけるよう邁進します』と自分達ライオンを卑下し、メロンを持ち上げた。このことでメロンは機嫌を直したのか、『”愚か”なりに頭を使ったな、次は無いぞ』とアガタにもミーゲルにも危害を加えることなく、立ち去るのであった。

メロンが立ち去ったのを確認したシシ組の構成員達はルイを裏市の外まで送った。道中、ルイはシシ組の構成員達からこうなった経緯を聞く。

「強いライオンの存在が許される時代は終わったんだ…裏社会でさえな」

BEASTARS 板垣巴留15巻  163/202

裏市でも”平等思想”が広まって、結果的に肉食獣の絶対的覇権が弱まり、ルイが去った後、肉食草食のハーフであるメロンをボスにすることでシシ組のイメージを良くしてビジネスを円滑にしているというのだ。

だが、ルイは『ライオンであるフリー達が抑圧されている現状は真の平等とは呼べない、肉食獣が肉を食うことだって責められることではない』と語り、そんなルイにフリー達は『また戻って来てほしい、あんたなら喜んで従う』とまで言う。

それは言わない約束だろうと驚いたルイは『自分がシシ組に戻るより、お前らがシシ組を抜ける方が現実的じゃないか』と尋ねる。だが、フリー達は『自分達の様な生まれのライオンはシシ組を抜けたら生きる術がない』と言う。

「…すっかり情けなくなっちまったんだよ俺たち。今日のことは…全部忘れてくれ」

BEASTARS 板垣巴留 15巻 165/202

そう、フリーは寂しそうに笑うのであった。

その後、駅で電車を待ちながらルイは考える。何度も命を救ってくれたフリー達を助けてやりたい気持ちはあるものの、自分に何ができるか分からなかった。そして、こういう時にとんでもない行動力を発揮するレゴシを思い出し、レゴシは今何をしているのかと思いを馳せるのであった。

…その頃、レゴシは気が付くと病院の様な場所にいた。メロンに銃で撃たれたことを思い出すレゴシ。意識が戻ったから誰かを呼びに行こうと思い、振り返って仰天する。

そこには、ベッドで機械に繋がれた瀕死状態のハイイロオオカミ…自分がいたのだ。呆然とするレゴシが点滴台に触れようとすると、手がすり抜けた。

仰天として尻もちをつくレゴシ。『俺、死んだの!?』と動揺するが、繋がれた機械が電子音を鳴らしていることから、まだ自分が死んではおらず、生死の狭間を彷徨っていると理解した。レゴシが横たわる自身を見つめ、『とうとう死ぬのか…』と神妙な顔をしたその時だった。

「諦めるの早すぎじゃない?」

BEASTARS 板垣巴留15巻  171/202

突然自身に投げかけられた言葉に振り返ったレゴシは驚く。

「お…お母…さん…?」

BEASTARS 板垣巴留15巻  172-173/202

そこには6年前に自殺した、レゴシの母、レアノが立っていたのであった。

…シシ組。草食獣をトップに据えて新体制を築くという方向に舵を切った直後にルイが去ってしまったからどうなったのだろうとずっと気になっていたのだけど…まさか、そこにメロンがやってきてボスになるとは。こんな風に繋がるとは思っていなかったのでびっくり。でも、仮面夜行会にメロンがいたことの説明にもなるから、上手いと思った。しかし、ルイの様な信頼関係をライオンたちを築いている訳ではなく、なんかイヤな威圧感で支配している。ミーゲルの嘘も見破ってる様に見えなくもない。

第133話~明かされる、母レアノの人生と自殺までの経緯

”幽霊”の母、レアノを見たレゴシ。小綺麗な母の姿に、レゴシは彼女が『幽霊になっても綺麗なオオカミでいようと心掛けている』と感じる。

レアノは早速、レゴシに対して『可愛げのない顔に育っちゃた』『でも男らしさが増したという点では悪く無いのかな』等と見た目を分析し始める。…幼少期のレゴシは神がかって可愛かったのでそう言いたくなる気持ちは分からんでもない。

そんな母の言動を見て、レゴシは『周りから容姿をどう評価されるかを異常に気にする母だった』と思い出す。

『私にもっと似ればよかったのに』と言うレアノはゴーシャ(レアノの父でレゴシの祖父であるコモドオオトカゲ)とレアノ、そして幼いレゴシと共に撮った家族写真を思い出す。

「不思議…あんたがここまでおじいちゃんに似るとは思わなかった」
「おじいちゃんのコモドオオトカゲの血を薄めたい一心であんたを産んだのに」

BEASTARS 板垣巴留15巻  178/202

コモドオオトカゲの血を嫌がりながらもゴーシャと親子仲は悪くなく、家族写真を撮ることを提案したのもレアノだ。そのことをレゴシが指摘すると、レアノは『そう単純な話でもない』と言い、ハイイロオオカミとコモドオオトカゲのハーフであった自身の人生について語り始めるのであった。

レアノが生まれる時、コモドオオトカゲとハイイロオオカミの間に子どもが生まれると産院中は騒然となった。誰もがどんな怪物じみた子どもが生まれるかと期待し、恐れる中、生まれたレアノは”神様が悪戯心を起こしたか”という程、美しいオオカミの女の子であった。前例のないハーフであることから受けていた定期検診の担当医も『血統種のハイイロオオカミに見えるのは恵まれている』と語るのであった。…少女のレアノさん、神がかった可愛さだ。

だが、その”神様の悪戯心”に親子関係も翻弄されることになった。母亡き後、父であるゴーシャと二人暮らしをしていたレアノは中学生になるタイミングで、ゴーシャにこう告げる。

「私 これからはお父さんがコモドオオトカゲだってこと隠して生きようと思う」

BEASTARS 板垣巴留15巻  183/202

父であるゴーシャの事は好きだ。しかし、好奇の目に晒され続けてきたレアノは『みんな、何でもシンプルで美しいものが好きなのだ』と理解し、シンプルで美しくありたいと願っていたのだ。ゴーシャはそんな娘の願いを理解し、受け入れるのであった。

それからのレアノは吹っ切れた様に『お人好しで真面目でちょっぴりドジ。そしてお喋りが大好きで明朗快活で愛らしいという典型的なイヌ科の性格の、誰からも愛されるハイイロオオカミの少女』を演じながら暮らしていった。本当は口数が少なく、ポーカーフェイスなのだが、そんな素の自分は隠し通した。

より分かりやすく美しい存在でいれば周りは簡単に愛してくれる

BEASTARS 板垣巴留15巻  187/202

しかし、19歳になったとき転機が訪れる。背中に痒みを感じたレアノが鏡を見ると、背中の一部の毛が抜け落ち、鱗が生えていたのだ。悲鳴を上げたレアノはすぐに、かつて定期検診をしてくれていた医師の元に駆け込む。

医師は『母似だった子が歳を取って父親に似てくることがあるように、時間差でコモドオオトカゲの遺伝が身体に現れたのだ』と分析した。医師は『全身に鱗が広まるとは限らない』と言うが、レアノは焦り、あることを画策する。

それは、美しいハイイロオオカミであるうちに、『血統に近いハイイロオオカミの子どもを産むこと』であった。

レゴシの父は雑誌で見つけたハイイロオオカミの俳優志望のイケメンのオスで、名前すら憶えていないとあっけらかんと語り、笑うレアノ。絶句するレゴシ。

だが、レアノは『褒められた母親じゃないけど、レゴシが生まれたときは本当に嬉しかった』と語った。だからこそ、家族写真を撮ったのだと言う。

幸せそうに微笑み、写真館で撮ってもらう、レアノ、幼いレゴシ、ゴーシャ。だが、その時すでにレアノの背中はほとんど毛が抜け落ち、鱗で覆われていたのであった…。

「あの時 すでに背中一面に剥き出しになってた鱗の痒みさえ私には誇らしかった」
「私の人生に決着がついた瞬間だったの」

BEASTARS 板垣巴留15巻  194/202

レアノはそう、静かに言うのであった…。

レアノさん、美人。誰もが望む、理想の美しいオオカミの女性であることが人生の全てだったんだな。でも、『皆、シンプルで美しいものが好き』という言葉には説得力ある。そして、本人もそれを生きる目標、信念としていた。だからこそ自ら死を選んだのに、どこかあっけらかんとしているのかな。
それにしても、オオカミの体にトカゲの鱗は確かにゾッとするものがある。15巻はここでおしまいだけど、この後、ウサギのハルとの未来を望むレゴシに何と言うのか非常に気になる…。

以下、感想~久々のシシ組とレアノの登場に満足

久しぶりにシシ組が登場して嬉しい。そして、レゴシの母、レアノの話が印象深い。正直、最初に『レゴシは純血のハイイロオオカミではなく、コモドオオトカゲの血が入っている』と分かった時、「は?なんだそれ?無理あり過ぎだろ」とか思ってしまったのだけど、ハルとの将来をにあたって複雑な”ハーフ”という存在が生まれてくる…という事を考えると、結構効いて来る設定だな…なんて今さらながら思ったりする。メロンも中々不気味な存在感がある。

次の巻、久々にジュノが出て来るみたいなので嬉しい。というか、チェリートン学園が遠ざかってしまっていて寂しい。皆元気にしてる?普通にジュノとピナバージョンの『アドラー』が気になるのだけど、その辺りオマケとかで描いてくれないかなー。

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