【漫画】約束のネバーランド17巻・最新刊【感想・考察(ネタバレあり)】ついに女王、五摂家を襲撃するノーマン達食用児軍とギーラン卿軍…その結果は…!?

約束のネバーランド 17巻表紙

表紙はノーマンとラムダの食用児達。珍しく表紙にエマがいない(14巻もいなかったけど)。中表紙で鬼の女王、五摂家を挟んでエマとノーマンが睨み合ってるのが二人の対立を表していて悲しい。

前の記事はこちら
【漫画】約束のネバーランド16巻【感想・考察(ネタバレあり)】”七つの壁の向こう側”で鬼の頂点(あの方)と約束を結び直すエマ、ムジカとソンジュを捜索するドンとギルダ

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前巻までのあらすじ

『鬼を全滅させて食用児達が大人になれる社会を作る』と計画するノーマンに対して、エマとレイは『 “七つの壁”を越えて鬼の頂点(あの方)と“約束”を結び直し、鬼を絶滅させることなく平和的に皆で“人間の世界”に逃げよう』 と主張。 W.ミネルヴァとして食用児達を束ね、鬼殲滅の計画を立ててきたノーマンは今さら計画を変えることは出来ず、『自分達が鬼の王家・五摂家を殺す前に戻って来れたら考え直す』と言った。

エマとレイはノーマンを止めるために”七つの壁”の向こう側を目指し、結果、エマがある条件と引き換えに鬼の頂点(あの方) と『食用児全員で人間の世界に行きたい』と望みを叶えてもらうことが出来た。

しかし、すでにノーマン達は王都を襲撃する手筈を整えており、さらにドンとギルダを利用して計画を狂わせる可能性のある『人肉を食べずとも理性と姿を保てる鬼 』であるムジカとソンジュを捜索し、殺そうともしていた。
ノーマンの思惑を察していながらもムジカとソンジュと再会を果たしたドンとギルダ。案の定、ムジカとソンジュにノーマンの配下であるジンやハヤトが率いる大型食用児達が襲い掛かった…。

第144話 助けて~ギルダはムジカに協力を頼む、一方エマは”七つの壁の向こう側”からアジトに戻って来る

元々、ドンとギルダと再会する少し前から何者かに追われていると気付いていたムジカとソンジュ。ソンジュは圧倒的な力の差を見せつけながら大型食用児達を制圧し、ジンの背後を取って首に槍を突き付けて『退け』と凄む。

予想外のソンジュの強さにたじろぐジン。しかし、『このムジカとソンジュを始末するというボス(ノーマン)からの指令に全食用児達の未来が掛かっている』と責任と忠義を感じたジンは『俺ごとでいいからこいつらを殺せ』と大型食用児達に命じる。…ラムダ組のノーマンへの忠義が本当にすごい。支配しているというより、本当に”慕わせている”というのがノーマンのすごい所だよな。

慌ててアイシェが鬼の言葉で『そいつらはラムダのイレギュラーだから気をつけろ』とソンジュに叫ぶ。だが、大型食用児達の凄まじい勢いの攻撃もソンジュはあっさりと躱すのであった。

…これだけ数の差があってもソンジュに傷一つ付けられず、逆に殺されることもなく無力化(気絶)させられてしまうラムダの大型食用児達…。ソンジュが強すぎるのだろうけど、これだとラムダの戦力が大したことが無い、鬼に通用しないようにも見えてしまう…まあ、精鋭は王都に回したって感じなのだろうけど。

「ムジカに傷一つでもつけてみろ、お前ら全員肉団子にしてやる」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  13/200

圧倒的な力を持ちながらも、あくまでムジカを守るためだけに闘うソンジュ。そんなソンジュに襲い掛かり続ける大型食用児達。

しかし、その時であった。大型食用児達が次々に叫び声を上げて倒れ始めたのだ。”発作”が起こったのだ。慌てて大型食用児達に近寄り容態を確認するドン、ギルダ、ソンジュ。大型食用児達は息をしていなかった。

薬草を用意して治療をしようとするムジカをソンジュが『だめだ、近づくな』と制止しようとした。そんなソンジュにムジカは叫んだ。

「相手は人間よ!早く!急がなければ手遅れになるわ!」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  16/200

ムジカの言葉に舌打ちをしながらも従うことにしたソンジュ。殺しに来た相手を助けようとするムジカの姿に、それまで呆然していたハヤトが『これはΛ(ラムダ)の発作で薬を飲ませないとダメです』と叫んだ。そして、ジンに言うのであった。

「ジン!!俺達じゃムリだ」
「彼らに薬を!!降参しよう!ジン…!」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  17/200

ハヤトにそう言われたジンは苦悶の表情を浮かべたものの、負けを認め降参するのであった

大型食用児達の手当てを終えた後、ドンとギルダはムジカとソンジュに今までの事、これからノーマン達が王都を襲撃し、鬼を滅ぼそうとしている事を明かした。そして、話している最中、ギルダは実感する。

ノーマン本当に…
殺す気だったんだ

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  19/200

兄弟同然で育った自分達を騙して、ムジカとソンジュを捜しださせて殺そうとし、そして、エマを待つ気も更々なかった。『ノーマンは最初から鬼を絶滅する以外考えていなかった』…そう気付いたギルダは泣き出してしまった。…このギルダの涙は辛いな…最初から騙されていることに薄々気付いていたドンとギルダだけど、やっぱり本当に騙されていたと分かったらやっぱり辛いよな…。あと、ハヤトとジンが割と厳重にぐるぐる巻きにされているのがちょっと面白い。

ギルダは涙を流しながら『私は二人を殺そうとしたノーマンの妹だから』と謝罪したうえで、『このままじゃ取り返しがつかないことになる』と言ってムジカに懇願するのであった。

「私はノーマンを止めたい」
「お願いします、食用児を助けてください」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  22/200

一方その頃、アジトには鬼の頂点(あの方)と約束を結んだエマが戻ってきた。レイがアジトに戻されてしまった約3時間後の事だった。エマは待っていた仲間達に明るく言う。

「結べた!全員(みんな)逃げられる。誰も殺さず追われることもなく人間の世界へ!!」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  23/200

エマの言葉に歓喜する子ども達。レイが『”ごほうび”は何だったのか?』と鬼の頂点(あの方)から求められた代償を尋ねると、エマは『それも大丈夫だったから後で話す』と笑うのであった。
…これ、話さないってことはやっぱりヤバい代償を求められたのでは??エマが何らかの形で自分を犠牲にしそうで怖い。

すると、レイは『俺達も今から急いで王都に向かう』とエマに告げる。トーマとラニオンが”ヤバいもの”を見つけたというのだ。

「ノーマン…あいつ…今回の作戦で王・貴族を殺すだけじゃない」
「王都の鬼、全てを殺し尽くすつもりだ」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  25/200

それを聞いたエマは顔色を変える。

一方、森でギルダから全てを聞いたムジカは『私達も王都へ向かう』と言い出す。ムジカはエマやギルダの友達として自身も戦争を止めたいと言うのだ。ソンジュもまた『ここで王都も悪くない』と同意し、かくしてエマとレイ、そしてムジカとソンジュ達も王都へ向かうことになったのであった。

…同じ場所に集結って最終決戦感があるな。20巻くらいで終わるのだろうか??

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第145話 それぞれの~王都に急ぐエマとレイ…そしてノーマンにも寿命が迫っていた

『王都に急ぎ向かうが、デッドラインはノーマンが王・貴族を殺し尽くすまでだ』…そうエマに説明するレイ。ノーマンは3日後の儀祭(ティファリ)で王都に貴族達が集まるタイミングで鬼を虐殺する予定で進軍している。

王・貴族が殺されてしまうと交渉相手を失うことになり、和平の道は閉ざされ戦争と混乱が避けられなくなってしまう。しかし、王都までの道のりは危険な近道をしても3日は掛かり、儀祭(ティファリ)まであと実質2日半しかないことをアンナ達に指摘されたエマとレイは焦る。その時、

「乗れ!」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  33/200

なんとオリバー、ジリアン、ザック、ナイジェルが馬に乗ってやって来たのだ。四人はエマとレイが“七つの壁”に行っている間に、二人の役に立とうと乗馬の技術を付け焼き刃で身に付けたのだと言い、エマとレイを乗せて馬を走らせるのであった。

『鬼を救うのには反対』と言っていたジリアンが協力してくれることに驚くエマ。そんなエマにジリアンは『仲間に危害を加える鬼は殺すけど、友達(ノーマン)を助けようとする友達(エマ)を助けたいから』と言うのであった。

…オリバー達、最近あんまり活躍してなかったから、ここで役に立ってくれて嬉しい。

その頃、王都の近くの森に潜んでいたノーマン達。王都軍は”農園を荒らす賊徒”としてノーマンが用意した偽の拠点に向かっており、予定通り各領土から五摂家も儀祭当日に王都に到着することを確認する。そして、ヴィンセントはノーマンが命じた通り”例のアレ”が完成したことを告げる。バーバラは『計画は万事ぬかりなく進んでいる』と喜ぶ。そしてシスロがふいにノーマンに『ここまで連れてきてくれてありがとう』と言う。

Λ(ラムダ)で非人間的な実験対象となっていたヴィンセント、シスロ、バーバラ、ザジ。ノーマンがΛ(ラムダ)から脱走し、破壊してくれなければとっくに死んでいた。実験の後遺症でもう長くは生きられない4人であったが、ノーマンの元で世界を変えられることを心から喜んでいた。

「俺達はここで果てても新しい世界、その先へボスや他の食用児達が行ける」
「それが俺達の何よりの願いで希望なんだ」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  40/200

そう言って笑うシスロ達。だが、そんな彼らにノーマンは『馬鹿を言うな』と厳しく言い、そして『みんなで新しい世界をこの目で見るんだ』と笑う。

「僕達は自由だ!!今こそ1000年の苦しみを終わらせるぞ!!」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  42/200

ノーマンはそう言って食用児達と共に勝鬨を上げるのであった。

…しかし、その後一人になったノーマンはかつて”出荷”される前に『一緒に生きよう』と言ってくれたエマとレイを思い出し切ない表情を浮かべる。

すると、そんなノーマンを激しい頭痛が襲い、ノーマンは咳き込み吐血する。

誰にも明かしてはいないものの、実はノーマンにも寿命が迫っており、発作に苦しんでいたのであった。王都襲撃を急ぐのも自身に時間が残されていないからであった。

…頭痛がして吐血するって、具体的に身体のどこが悪いのか気になるけど、とにかくガタが来ているのだろう。ノーマンは頭の良さを実験されてる感じだったけど、何らかの投薬でもされていたのかな。エグい。まあ、それ言ったらヴィンセントなんて明らかに頭を切開された痕がある位だしね…。血の付いた手を見つめて『ごめんね』と哀しく笑うノーマン。果たしてその謝罪は誰に向けたものなのか…共に生きようと言ってくれたエマやレイ、そしてかつての自分、ノーマンに未来があると信じているラムダの面子、これから殺そうとしている鬼達、全てに向かっての言葉なのだろうか…。

そして、2047年11月10日、儀祭(ティファリ)当日、女王の元には五摂家が馳せ参じ、王都は祭りで浮かれる民衆で賑わっていた。

そんな中、ノーマンの合図と共に王都の外橋が爆破されるのであった…。

第146話 王都決戦~王都を孤立させ、ギーラン卿を城内に送り込んだノーマン

儀祭(ティファリ)の最中、王都の城内では五摂家、貴族達に見守られる中、女王が鬼の頂点に対して『最上の実り(食用児の死体が入った瓶3つ)』を捧げ『鬼の世界の繁栄を』祈っていた。

その時、王都各地から爆音が響き渡る。食用児軍が王都と外を繋ぐ橋を全て爆破し、侵入を開始したのだ。シスロとバーバラが率いる食用児軍は虚を突かれた鬼の見張りの兵をあっという間に殲滅した。そして、外橋が落とされた今、王都は孤立無援の状態となっている。

王都の兵を、事前に”農園を荒らす賊徒”に兵力を割かせたノーマン。今残っている兵の多くは混乱する城下の対応にあたり、今、城には300しか兵隊がいない。

そして、 ヴィンセントが城のセキュリティをハッキングし、城の門を開けギーラン卿達を通した。積年の恨みを込めて300の兵を虐殺する約50人のギーランの配下。

ギーラン卿はノーマンの策と手引きに『見事な手際だ』と感心する。ノーマンは笑っていうのであった。

「さあ存分に復讐を」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  60/200

おおお、ノーマン悪い顔をしている…。何と言うか、こういう悪い顔をしているノーマンはそれはそれで結構好き。

儀祭の間で外の騒音についての報告がない事を不思議に思う女王と五摂家の面子。そこにギーラン卿達が踏み込む。侵入者たちに『賊徒!?』と驚く貴族達。しかし、ドッザ卿はすぐにそれがギーランであると気付く。幼い頃、美しく清廉であったギーランを慕っていたバイヨン卿は髪が抜け落ち、醜い巨躯と化したギーランの姿に驚愕する。

そんな中、プポ卿はこの異常事態に、母親へ向かって危ないから下がる様に告げた。

しかし、次の瞬間、プポ卿は他でもないその母親に弱点である目を短刀で刺され首を切り落とされて絶命した。

「家族と思うたろう?姿声匂い、そして”面”」
「家族は食ろうた、食ろうて奪った」
「皆上手く化けたのう」
「プポの母御だけではない」
「そこにいる全て我が手の者じゃ」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  64-66/200

そう言って哄笑しながらプポ卿の頭を食べるギーラン卿。五摂家の家族に扮していたギーラン卿の手下達もまた、擬態を解いて嘲笑うのであった。

ギーラン卿はノーマンから”食べたものに擬態する能力”を持つ野良鬼(ムジカ達を探していたドンとギルダを襲った鬼と同種)を受け取っていた。ギーラン卿の配下達はその野良鬼を食らい、擬態能力を身につけ、予め五摂家の家族を喰ってなりすましていたのだ。…ここ、16巻のオフシーンを見てない人にはちょっと分かり辛いんじゃないかな?鬼の能力便利過ぎる。

『野良に落とされて700年、受けた屈辱と苦痛を忘れたこと等なく、復讐の日々を待ちわびていた』…そう言ったギーラン卿は『次はぬしらじゃ』と不気味に笑う。

だが、女王は余裕な態度を崩すことなく『笑止』と吐き捨てるのであった…。

プポの頭を食べただけで髪の毛が再生するギーラン卿。プポ、どれだけ普段良い物食べてたんだよ…。

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第147話 積怨~700年前のギーラン卿の野良落ちの真相

『ギーラン様は美しく清廉』…そうかつては慕っていたバイヨン卿。しかし、ギーランは手下にバイヨン卿の妻と幼い子供を殺させ、擬態させていたのだ。

バイヨン卿はギーランの名を叫びながら、凄まじい形相で飛び掛かっていった…。

700年前、鬼の世界では農園の供給が追い付かず、各地で人肉を食べられない鬼達が飢えと退化で苦しんでいた。そんな中、五摂家の一員であったギーラン卿は女王レグラヴァリマにこう進言した。

「国庫を開き我ら貴族の備蓄を一部解放致しましょう」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  73/200

しかし、これに他の五摂家…特にノウム卿(先代)、プポ卿が『貴族の食事を下々の物に与えるなんて』と難色を示した。それに激しく苛立つギーラン卿。飢えた村では民が野良鬼化し、親子や同村で共食いし合うという地獄絵図が広がっていたのだ。『民の為にも貴族が身を削るべきだ!』ギーラン卿はそう主張した。

だが、それに対してイヴェルク公は『ギーラン卿の主張は分かるが、皆の懸念も尤もだ』と言い、『問題は農園の生産の遅れで、農園の整備を見直しているから結果を待とう』と問題を有耶無耶にし、先送りにした上で、話し合いを終了させてしまうのであった。

領土に戻ったギーラン卿は飢えた民を救えないことと、己の利益しか考えない五摂家達への落胆を隠せなかった。すると、ギーランの家の将軍であったドッザが『ギーラン様はご立派です。諦めてはなりません。私はどこまでもお支えします』とギーラン卿を励ました。

そんなドッザの言葉に励まされたギーラン卿はドッザに一つ頼みごとをする。それは”邪血の少女”の捜索であった。人肉を食べずとも知性を保ち続けることができ、かつその体質を他者に分け与えることが出来ると言う”邪血の少女”の噂を耳にしていたギーラン卿。その存在が真なら、飢える民を救うことが出来ると考えたのだ。しかし…。

「ギーラン卿 謀反の廉で一族もろとも”野良落ち”の刑に処す!」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  80/200

ある日突然、囚われてしまったギーラン卿。ドッザが女王に『ギーラン卿が怪しげな血を使って国家の転覆を謀っている』と嘘の進言し、ギーランから五摂家の身分を奪おうとしたのだ。捕縛されたギーラン卿を『あんたが善良(バカ)で良かった』と嘲笑するドッザ。ギーラン卿は身の潔白を訴え、イヴェルク公を呼んでもらい助けてもらおうとした。しかし、

「邪魔なのだ、君のその”義”が”正しさ”が」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  82/200

イヴェルク公も他の五摂家も、そして女王も、皆ドッザの進言が嘘でギーラン卿が潔白だと分かっていた。分かっていて陥れたのだ。しかし、自分の利益しか考えていない女王も貴族は飢えた民のことなどどうでもよく、民を救わんと必死になっているギーラン卿が鬱陶しくて仕方がなかったのだ。

ギーラン卿はそのまま、五摂家の身分を奪われただけでなく、一族家臣もろとも野良落ちの刑に処せられた。飢えて、知性と体を保てなくなった一族家臣は共食いし合い、死んでいった。地獄と呼ぶのも生ぬるい700年をギーラン卿は過ごしたのだ…。…これは酷い。そして、ここでギーランが”邪血の少女”の存在を明るみにしたから、国による邪血狩りが始まってムジカの仲間達が殺されて食われてしまったということか。

そして現在。怒り、襲い掛かってきたバイヨン卿(当代)とノウム卿(当代)をギーラン卿はあっさり返り討ちにし、『恨むなら父母を恨め』と言いながらその頭を貪り食っていた。

『あのヒョロ甘だった”ギーラン様”が』と言いながらも、殺される気はさらさら無いドッザ卿。他の五摂家達と違い、武人である自分は五摂家の身分を得ても体を鍛え続けてきたのだ。『油断も奢りもなしで、全力で葬る』…そう思いながらギーランに襲い掛かったドッザ。

しかし、その前にあっさりとギーランの部下に殺されてしまうのであった。『頭が高い』『まずは「ごめんなさいだろ」』とドッザの死体に吐き捨てるギーランの部下。…『油断しない』といいながらギーランの部下に目を配らなかったドッザさんって一体…。

そして、その様子を天井裏から監視していたシスロとバーバラ。『あとは女王とイヴェルク公の2匹』と二人が伝えると、ノーマンはシスロとバーバラ、そしてザジとヴィンセントに動くように指示するのであった…。

第148話 今行くよ~王都でソンジュ、ムジカと再会するエマとレイ…そして王都に毒をまき散らす予定のノーマン

城内ではギーラン卿が五摂家を殺していき、残すは女王レグラヴァリマとイヴェルク公のみとなった。強靭な肉体と再生能力を持つ鬼だが、その中でも王族は別格だ。強いから良い肉を得る事ができ、ゆえに更に強く、知能も高くなるのだ。人間が真正面から戦っても到底かなう相手ではない。

そのため、女王と五摂家にギーラン軍をぶつけ、殺し合わせて消耗したところ、生き残った方を食用児軍が襲い、殺す…それがノーマンの作戦であった。
ここまで、全てノーマンの計画通りに事が運んでおり、ヴィンセントは『素晴らしい』と感激する。

その少し前、儀祭が始まったばかりの王都にエマとレイは辿り着いた。面を被り鬼のフリをして儀祭会場である城に向かおうとする二人。だが、その瞬間王都の爆撃が始まってしまった。

『始まってしまった…』そう愕然とするエマとレイ。その時、そんな二人は『エマ、レイ!?』と声を掛けられる。

そこにはドンとギルダ、アイシェ、ハヤトがいた。再会を喜ぶエマ達。…ハヤトが少々気まずそうだ…そりゃ、そうだ…。

そして、ドンとギルダ達の背後からムジカとソンジュが現れた。再会を純粋に喜ぶレイに対して、エマは泣きそうな顔で固まってしまう。そんなエマにムジカが近寄り、そして抱きしめて言った。

「大丈夫 ありがとう、私達鬼のために」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  100/200

ノーマンが鬼を滅ぼそうとしている事、そして王都を爆撃したこと…ショックと申し訳なさから泣きそうだったエマだったが、ムジカと互いの無事を喜び合い、そして『ノーマンを止める』と改めて決意した。

そして、エマは皆に鬼の頂点と約束を結べたことを告げ、『履行までは保留にしてある』と説明するのであった。…ムジカはそれを着て純粋に喜んでるけど、ソンジュは『…』と黙り込んでる。これはどういうことだろう。エマが何か隠していることに気付いた、裏に何かカラクリがあると気付いた…といったことだろうか。やっぱり、約束の応酬はヤバいものなのかな…。

だが、ドンに『馬で送ってきたオリバー達はどうした』と尋ねられたエマとレイはある懸念について語る。それは、オリバー達と馬で王都を目指している途中に見つけた大量の鬼の兵の軍団であった。恐らく、ノーマンが王都から引き離す為に誘導した王都の兵だろうと予想するレイ。しかし、万一食用児達が潜むアジトが見つかれば、その被害はシェルターがラートリー家に襲われた時の比ではない。シェルターに残してきた仲間達の顔を思い浮かべて蒼ざめるエマ。だが、

「大丈夫だ」
「こっちは任せろ」

「エマとレイは王都へ お互い気をつけて」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  104-105/200

そうオリバー達は言い切り、エマとレイは彼らを信頼して王都にやってきたのだ。

それを聞いて驚くドンとギルダ。だが、さらにレイが『もう一つヤバい事がある』とあるメモを見せる。

「ノーマンがつくらせたある”毒”のレシピだ」
「ノーマンはそれを恐らくこの王都城下の民衆に使うつもりだ」
「そしてまず王都の鬼達を絶滅させるつもりでいる」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  105-106/200

まだ外橋等が爆破されただけだが、ノーマンなら他にも仕掛けているに違いないと考えているレイ。自分とエマが戻る前に何かが起きたら被害を抑えて欲しいとドンとギルダ、そして特殊な血を持つムジカとソンジュに頼んだ。

すると、ソンジュがエマに手を出すように言い、何かを持たせた。それはソンジュがハヤト達から奪った発信機だ。『城に入って助けが必要だったらそれで呼べ』と言うソンジュ。押せば現在地まで分かると言う。

そして、ギルダがエマに『もう一つ…』といってある事を告げた。それを聞き終えたエマとレイは『ノーマン、今行くよ』と思いながら城に向かって走るのであった。

ソンジュさん、ぶっきらぼうだけどいい人だよね。そして、ギルダはエマに何を告げたのだろう。

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第149話 証明する義務~ギーラン卿に付き従って来た家臣たちは命を賭して女王に挑む

急いで城の中に飛び込んだエマとレイ。城の道はヴィンセント達に塞がれてしまっている。しかし、エマは目ざとく抜け道を見つけ、二人は儀祭の間に向かう。

その頃、儀祭の間ではイヴェルク公が女王を庇う様に前に出ていた。女王に次いで武力に秀でたドッザがあっさりギーラン卿の家臣に倒されたことに『由々しき…』と危機感を募らせる。と、同時にギーラン卿達が野良に近い姿で現れたことから『ギーラン達はΛ(ラムダ)やその系列農園の食用児達を盗んだ賊徒ではない』『食用児の盗難から今回の襲撃まで計画を立てた黒幕が別にいる』と考えた。

すると、女王レグラヴァリマが『よい』と言ってイヴェルク公を下がらせた。イヴェルク公は執政の大部分を担っており、女王としてもイヴェルク公を失うわけにはいかないのだ。

そんな女王に襲い掛かるギーラン卿の家臣たち。彼らの悲願は女王と五摂家を殺した後、ノーマン達を喰った後、ギーラン卿を玉座に据えることなのだ。しかし、

「愚かな」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  120/200

女王レグラヴァリマは軽やかに跳んだと思うと、長く伸ばした爪でギーラン卿の部下たちを切り刻んでいく。だが、ギーランの部下たちはそれでも怯むことなく向って行く。

かつて身分問わず実力を見て家臣たちを取り立ててきたギーラン卿。そんなギーラン卿を心から慕っていた家臣たちはギーラン卿が”野良落ち”の刑に処せられても、ギーラン卿の無実を訴え続け、共に”野良落ち”の刑に処せられた。

そんなギーラン卿と家臣たちの前に現れたのは、かつてギーラン卿が飢饉から救った元領民たちであった。『私達を食べて逃げ延びてください。このまま落ちたままではなりません』…そう身を呈してくれた元領民たち。

『自分達は生かされた。生かしてくれた領民たちのためにも自分達の正しさを証明する義務がある』そんな思いを胸に、ギーラン卿の家臣たちは女王に何度切り刻まれても立ち上がり続ける。女王はそんな彼らに『苦痛が長引くだけだ』と冷たく言い、背後を取ってきたギーランの部下の頭を刎ね飛ばす。

『惜しかったな』とギーランの部下に言う女王。だが、頭部を跳ね飛ばされたギーランの部下は笑った。

彼らだって正面から女王に挑んで勝てるとは端から思っていない。ギーランの部下達は体に爆弾を仕込んでいたのだ。

「ギーラン王に栄光あれ!!」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  128/200

叫ぶギーラン卿の部下。彼らは女王を取り囲むようにして爆発するのであった…。

今まであまりギーラン卿サイドの話が深く描かれることが無かったわけだが、この17巻では詳しく描かれている。あたりまえだけど、彼らにも事情や心があるわけで。でも、700年と言う時間は桁が大きすぎてちょっと実感がわかない。こんなに長生きするのに、普通に子どもも生まれたりするのならば、そりゃあ食糧難にもなるよね。

第150話 700年の悲願~女王の面を叩き割るギーラン卿であったが、女王レグラヴァリマは圧倒的な強さで…

ギーラン卿の部下達は自爆し、取り囲まれていた女王レグラヴァリマは爆風に巻き込まれた。しかし、

「げに滑稽 傷の一つもつけられておらぬわ」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  131/200

煙が晴れると、そこには無傷の女王が立っていた。
…まあ、そうだよね。こういうシチュエーションで敵がやられていることなんて、絶対に無いよね。

だが、女王はすぐに異変に気付く。女王の身体はネバネバした液体に包まれ身動きが封じられてしまったのだ。『復讐のため』とあらゆる物を食って来たギーラン卿の部下。自爆したのは粘着性を帯びた自分達の血肉を女王に浴びせ、動きを封じるためだったのだ。そして、家臣たちは死後、自分達の死体を食べて力を得る様にギーラン卿に進言していたのだ。

お前達の想い、しかと受け取った
我ら全員で女王を討とう

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  134/200

ギーラン卿は家臣たちの死体を食べて力を得て、動けない女王の頭を棍棒で何度も殴りつけるのであった。
…鬼の体質、いくらなんでも便利過ぎじゃない?擬態体質の鬼を食べたら擬態できるようになって、粘着質の何かを食べたら粘着性の身体になったり…。そして、肉を食べたら即パワーアップするのね…。

女王の身体は頑健で何度殴りつけても仮面すら割れない。それでも死んでいった家臣の想いと恨みを込めて殴り続ける。すると、女王の面が遂に割れ、女王は気絶した様に仰向けに倒れる。そんな女王にギーラン卿が剣を構えて近寄り、『終わりだ』と言って鬼の弱点である目を貫こうとする。

だが、女王がわずかに手を動かすと、ギーラン卿の身体はブロック状にバラバラになってしまうのであった。…女王、強すぎじゃない??

バラバラになったギーラン卿は『今、何が起きたのか』と呆然となる。女王レグラヴァリマは『少し疲れた』と言って立ち上がる。
…女王レグラヴァリマ、顔が面長で、目が左寄りに三つだけど、わりと人間に近い顔しているんだな。異形だけど美人感ある。

ギーラン卿の首を掴んだ女王は『ここまでやるとは思わなかった、700年も生き延びていたとは』と感心して見せながらも、復讐など考えずにそのまま隠れていれば良かったのにと嘲笑し、残っていたギーラン卿の家臣たちも殲滅する。

『義が勝つとは限らない』『いや、復讐のために罪のない幼い子どもまで手に掛けたうぬらは既に義からズレている』と語って聞かせる女王は『今の汚れたうぬは好きだ』と言いながらも、必死に体を再生させようとするギーラン卿の首を床に叩き落とし、その目を踏み潰して止めを刺すのであった。わあ、残酷だ!

そして、散々ビビってたくせに女王が勝った瞬間、『卑しい国賊が恥を知れ』と言いながらギーランの死体を蹴りまくるイヴェルク公。リアル死体蹴りだ、お前こそ恥を知れよ…。

だが、疲れた女王が回復するためにギーラン卿の首を食べようとした瞬間、ギーラン卿の吹き飛ばされる。何者かが扉の向こうから銃撃したのだ。そして、続けて室内に何かが数発撃ち込まれる

そして、…扉の向こうから現れたのはザジであった。大柄で紙袋を被った異様な風体のザジを見て『人間!?』と女王とイヴェルク公は困惑するのであった…。

第151話 勝つのは~女王に挑むザジ、シスロ、バーバラ

突然現れた異様な風体の人間…紙袋を被ったザジに驚く女王レグラヴァリマとイヴェルク公。そんな中、ザジは間髪入れず女王に襲い掛かる。ザジの人間離れした戦闘力の高さに体勢を崩してしまう女王。すると、更に背後の天井からシスロとバーバラが奇襲をかける。

「間髪容れず攻めるんだ」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  153/200

計画段階からノーマンはそうザジ、シスロ、バーバラに指示していた。どんなにΛ(ラムダ)で強化されたザジ達とは言え、真正面から女王やギーランに挑んでも勝ち目はない。そのため、『女王とギーランをぶつけて消耗させたところ、肉を食べて回復する間を与えずに襲撃する』という作戦を立てたのだ。鬼に対する非道な実験を繰り返したノーマンは再生力に優れた鬼だが、再生に莫大なエネルギーを消耗し、その消耗が一定ラインを超えると戦闘能力が格段に落ちることを把握していた。
『連戦こそ鬼の弱点、肉さえ食わせず攻め続ければ人間に勝機がある』…そうノーマンから言われていたザジ、シスロ、バーバラは女王が鬼達の死体を食う間を与えぬように攻撃し続ける。そして天井裏から女王の戦い方を見ていたこともあり、シスロやバーバラにも消耗した女王の動きは見切れた。桁違いの戦闘能力を持つザジに攻撃のメインを任せサポートに徹するシスロとバーバラの連携プレイを女王は崩すことは出来ない。

ザジなら決める やってくれる
ザジなら――――

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  159/200

しかし、ザジが女王の止めを刺そうと飛び掛かったその時、女王は『頭に乗るな』と呟いたかと思うとサポートに徹していたバーバラに向かっていき、バーバラの腹部をその長い爪で貫いた。そして、バーバラを一飲みにしようとする。

間一髪、ザジが剣を投げて女王の腕を切り落としたが、床に倒れたバーバラは腹部から血を流し動かない。

それを見たザジは『ああああ!!』と咆哮し、怒りのまま女王に突進する。『マズイ』と慌ててザジを止めようとするシスロだが間に合わない。冷静さを失ったザジを女王は笑って仕留めようとするが…。

その瞬間、急に女王は体に力が入らなくなり、武器にしていた爪が伸びなくなる。そしてイヴェルク公を始め、周囲にいた鬼達も吐き気を催す。

なんだこれは
もしや
毒か!!

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  164-165/200

その頃、王都の大広場はパニックになっていた。毒が広まり、突如鬼が野良鬼と化して他の鬼達を襲い始めたのだ。

『始まってしまった』…そう顔を強張らせるドンとギルダ。ノーマンがヴィンセントに作らせた”毒”とは『鬼の正常な細胞分裂を阻害して形質保持能力を壊す…いわば強制的に退化を促す毒』なのだ。

城の儀祭の間でイヴェルク公はザジが入ってくる前の銃撃で既に毒が撒かれていたこと、ザジの刃にも毒が含まれていたことに気付く。床に伏していたバーバラも『毒が女王達に効いた』と喜ぶ。毒は急ぎ作ったものであるうえ、”邪血”の血を取り込んでいる王達には最悪効かないかもしれない…そうノーマンは言っていた。しかし、実際に効いたのだ。離れたところで様子を窺っていたヴィンセントもこの結果に狂喜する。

そして、女王の爪が伸びず、動きがにぶっているその隙にザジが止めを刺しに行くのであった…。

第152話 刻限~女王を倒したノーマン達…エマが駆け付けた時、既に手遅れで…

ノーマンがヴィンセントに作らせた『強制的に鬼に退化を促す毒薬』…それが王都の中で特に混乱を起こせる『中央広場』で撒かれた。ドンとギルダ、そしてムジカとソンジュ達は被害を食い止めるために動き出した。…初めてアイシェが喋るのを聞いて動揺するハヤト…この子、状況についていくのが精いっぱいだよね…。

その頃、城の中の儀祭の間では毒で動きが鈍った女王に止めを刺す為にザジが飛び掛かっていた。そんなザジの頭部を女王の爪が切り裂く…がその爪はザジの被っていた紙袋を裂いたのみ。そしてシスロが女王の腕を鎖で拘束し、『行け、ザジ!!』と叫んだ。

顔が露わになったザジは咆哮を上げながら女王の顔面、眼球を切り飛ばすのであった。

…初めて露わになったザジの顔。男の子だったよう。鼻と目の周りに走っている皺の様なものはケロイドだと思われる。そして瞳が黒く(赤?)黒目の部分が白く描かれている。これも実験の後遺症なんだろうな…。

そして、女王は走馬灯を見る。

『一番でいたい』…鬼の王の子として生まれたレグラヴァリマ。常に誰よりも強く、美しく、そして高みに君臨していたいと思っていた。そして、父王を殺して食らうことで女王となり、全てを手に入れたと思えた。

しかし、どうしても意のままにならないことがあった。それは『最上の実り』…その年で一番良い人間を鬼の頂点に差し出さなくてはならないという”約束”であった。『誰よりも美味い人肉が食べたい』と思いながらも我慢するしかなかったレグラヴァリマ。

そんなある時、レグラヴァリマはある存在を知って激しく動揺した。

「農園設立以来の最上物(てんさい)だと…?」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  179/200

レグラヴァリマはある農園にいるフルスコアの少年に心奪われたのだ。

…そして、現在。深く顔面を切り付けられ目玉も飛び出してしまった瀕死のレグラヴァリマの元に足音が近づいて来る。

「初めまして 女王陛下」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  181/200

その涼しい声を聞いてレグラヴァリマは全てを理解する。

「そうか…お前が黒幕か…」
「22194」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  181/200

女王レグラヴァリマの前にやってきたのは、彼女がずっと求め続けてきたフルスコアの食用児22194…ノーマンだった。

飛び出た眼球でノーマンを見たレグラヴァリマは『なんて美味そうなんだ』と思いながら語りだす。ずっとノーマンを食べたかった事、『一番良い肉』として鬼の頂点に捧げたくないが故に、自ら手を回してノーマンをΛ(ラムダ)の実験農場に送らせたこと。Λ(ラムダ)が賊徒の手で盗難に遭い燃え落ちたと聞いたときは怒りで我を忘れたこと。
…ここまで来ると、女王ノーマンに恋焦がれていたといっても過言ではないんじゃないかな?

『誰にも渡さない、お前は私の肉なのだ!』そう瀕死ながら叫ぶ女王レグラヴァリマ。しかし、そんな女王にノーマンは鬼の言葉で冷たく言い放つ。

「我ら誰一人もはや鬼の食料ではない」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  181/200

そして、ザジに女王の止めを刺すように命じ、ザジは女王の目玉を剣で貫いて潰すのであった…。

女王が死に、あとはイヴェルク公とわずかな鬼だけが残された。貴族を殲滅すれば鬼の世界は政治の機構、交渉できるものがいなくなり、残る庶民たちも絶滅させるほかなくなる。

積年の怨みを晴らすべく、イヴェルク公達に迫るシスロ、ヴィンセント、ザジ達。

その時、ノーマンは引き留めようとするかのようにマントを引っ張ってくる幼いエマの幻影を見る。そして、エマの後ろには悲しそうな顔をする幼いノーマンがいた 。そんな幻にノーマンは一瞬、イヴェルク公達を殺すことを躊躇うが…。

このシーン辛い。やっぱりノーマンも鬼を殺すことを望んではいないのだ。
…そしてノーマン、やっぱり鬼語を完璧に理解して話せるんだな。だったら、アイシェが自分のことを憎んでいることも理解してたわけで。アイシェの本当の気持ちを知りながら彼女を利用していたわけだ。…ノーマン、色んな業を一人で背負いすぎている。

その頃、エマとレイは抜け道を通って儀祭の間に向かっていた。”約束”を結ぶことが出来たエマは『もう大丈夫、もう戦わなくていいんだよノーマン』と思いながら走る。そして、儀祭の間に辿り付いたエマは『ノーマン』と叫びながら戸を開ける。しかし、扉の向こうは鬼の死体であふれており、イヴェルク公も既に殺され、女王、五摂家誰一人として生きている鬼はいなかった。ショックを受け立ち尽くすエマ。

「残念」
「間に合わなかったね、エマ」

約束のネバーランド 17巻  出水 ぽすか (著), 白井 カイウ (原著)  188/200

無数の鬼達の死体の中、そう言ってノーマンは静かに笑うのであった…。

まとめ~鬼の王族を殺し尽くしてしまったノーマン…次巻18巻の発売日は3月4日

鬼の頂点と“約束”を結び直し、食用児全員で人間の世界へ渡る手筈を整えたエマ。しかし、Λ(ラムダ)で過ごした後遺症として発作に苦しみ寿命が迫っているノーマンは鬼の女王、五摂家を殺し尽くしてしまった。つまり、鬼達は政治機能と交渉出来る者がいないため、平和的な解決…和平交渉がほぼ不可能になってしまったのだ。

取り返しのつかないことをしてしまったノーマンに対して果たしてエマとレイはどうするのか。王都の混乱を止めることが出来るのか。そして、エマと鬼の頂点が結んだ約束はどうなるのか…。

先が気になるところだが、次巻18巻の発売日は3月4日の予定とのこと。待ち遠しい。

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