【漫画】BEASTARS(ビースターズ)17巻・最新刊【感想・考察(ネタバレあり)】ハルに忍び寄るメロンの魔の手~そしてレゴシは全身の毛が真っ白に…!?

BEASTARS 17巻表紙

肉食獣のヒョウと草食獣のガゼルのハーフで凶悪な犯罪を繰り返す獣、メロン。一度はメロンの凶弾に倒れ生死の境を彷徨ったレゴシであったが、ハルとの将来のためにも再びメロンを捕まえ、向き合うことを決意した。一方、メロンに支配されていたシシ組も秘かにメロンを討つ算段を企てていた。

様々な因縁があるレゴシとシシ組であったが、共にメロンの弱点になり得る純血至上主義団体『コピ・ルアク』を訪ねることとなった…。

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以下、あらすじとネタバレ(感想混じり)

第143話~

メロンを討つべく共に『コピ・ルアク』に接触する…そういう話になったものの、シシ組のメンバーたちは色々と因縁があり、かつイヌ科のレゴシに対してどうしても嫌悪感が拭えず、『せめて間にルイがいないと、紳士的に異種族と手を組むことは出来ない』と言い出す。そんなシシ組の態度に困りながらも、レゴシは改めてルイの人望に感心する。しかし、シシ組が携帯に電話しても何故かルイは出なかった。

一方、その頃ルイは一流大学、ガルドナ大学の食堂で昼食を取っていた。横に座った肉食獣の男子生徒(ヒョウ?)が“肉酔い”で苦しんでいることに気付くルイ。“肉酔い”とは裏市等で食肉を覚えたばかりの肉食獣が、慣れない強い刺激の後遺症で、ふらつき、手の震え、体温上昇、不眠状態になっとしまうことを言う。普通の草食獣だったら知るよしもないことだが、ルイはシシ組の構成員から教わっていたため、“肉酔い”状態の肉食獣を見抜くことが出来た。そして、大学では丁度肉食獣がが“悪い遊び”を覚え始めるタイミングであるのか、ルイは度々“肉酔い”を目撃していた。

『肉食獣なんてろくでもない』…そう思いながらも隣に座った肉食獣の生徒に『肉酔いを和らげるにはミントがいい、裏市もほどほどに』と優しく言ってミントタブレットを渡して立ち去るルイ。

今の俺には困っている肉食獣を放っておくことができない

BEASTARS 板垣巴留17巻  25/212

シシ組のボスとして活動し、そしてレゴシやジュノと深く関わった結果、ルイは草食獣のエリートとしてあるべき姿から遠ざかりつつあり、そんな自分に困惑しているのであった。

数日前、婚約者のアズキからディナーの後ホテルに誘われたルイ(16巻の136話参照)。しかし、アズキに抱き着かれキスされると昼間に強引にキスしてきたジュノを思い出してしまい集中できない。そして、テレビで流れる草食獣向けのニュース番組で肉食獣批判が流れるのを聞き気分が悪くなる。

同種同士の草食獣の男女が肉食獣批判のニュースをBGMに身を寄せ合う…それはロマンティックで正しい光景であり、今までのルイだったら当然の様に受け入れていたはずだった。

これが普通だ なにもおかしくない
おかしくなったのは俺の方だ…
この状況がひどく異常に思えてくる

BEASTARS 板垣巴留17巻  17/212

そんな中で『アズキを抱くぞ』と自分に言い聞かせるルイだったが、何とその場で吐き気を覚えて嘔吐してしまったのだ。

ルイは婚約者アズキとの初夜で盛大に嘔吐し、一晩中アズキに介抱されて過ごしたのだ。…アズキさん、16巻で初めて見た時はイケすかねぇ女だと思ったが普通にいい人…。ルイも女性経験あるのにこんなことになるなんて…これは色々とショックな出来事だ。でも実際にルイはレゴシと関わってからどんどん変わっていったからな。シシ組のボスになったこともそうだけど、ビースター辞退なんて昔のルイ(アニメ1期の頃のルイ)だったら絶対にしないもんな。

そんな自身の変化に戸惑いながらも『困っている肉食獣…シシ組を助ける』と決意したルイはシシ組に電話を掛け『お前らに協力する』と告げ、『その代わりお前らは俺を慰めろ』と言うのであった。

…そのルイの言葉だけで、ルイが何か女絡みで傷付くことがあったと察してしまうシシ組がいいね。フリーの言う通り、年相応の少年らしさがルイのチャームポイント。

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第144話~ネコ科には霊感がある?何事も占いスピリチュアルに頼るシシ組

レゴシとシシ組達の元にやってきたルイは『同族のメスよりオスの肉食獣に過囲まれている方が落ち着く』と表情を緩ませ、シシ組達も大喜びでゴロニャン状態に。

事の経緯を構成員達から聞いたルイはそこにレゴシが首を突っ込んでいることに呆れ、こう言う。

肉食と草食のハーフの男を捕まえてもハルとの幸せは保証されないぞ」

BEASTARS 板垣巴留17巻  30/212

ルイの厳しい言葉を肝に銘じるレゴシ。ルイはレゴシにシシ組のメンバーを改めて紹介していく。かつて35匹いた構成員はメロンの圧政のせいでいまや8匹しか残っていないのだ。

そして、メロンによって肉食を禁じられたシシ組達は顎の力を維持し、食肉欲を発散するため抜け落ちたルイの角を齧っていたという(15巻131話で抜け落ちたルイの角)。謝るシシ組のメンバー達に颯爽と『お前らは旨いものを食わしてもらって謝るのか』と言い『ご馳走様でした』と言い直させるルイ。

尋常ではない…強き被食者…
これがライオンを従えるシカの姿

BEASTARS 板垣巴留17巻  36-37/212

圧倒的に力で劣る草食獣でありながら、カリスマ性で肉食獣をまとめるルイをレゴシは尊敬するのであった。

そして、『コピ・ルアク』の場所を目指すレゴシ、ルイ、シシ組達。シシ組も噂程度でしか在処を知らず、何と”ヒゲ占い”なる占い(シシ組皆のヒゲを集めてヒゲが向いた方向を選ぶ)で進んでいく。驚くレゴシだがネコ科の動物は第六感に優れ、スピリチュアルに精通しており決断を占いに頼ることが多いのだと言う。

『でも占いの結果をよくするのは自分達の行動次第だ』と笑うシシ組のドルフ。ルイをボスにするか否かも占ったといい、『ルイが頭をやってた時のシシ組は最高だったから、ライオンの霊感は当たるだろ』と言う。メロンをボスにしたのも占いに頼った結果だが『おかげで一生分かり合えないと思っていたオオカミともこうして行動している、これが良い結果になると願う』とレゴシに言う。

楽観的だが前向きで力強いライオン達に敬意を覚えたレゴシは『イヌ科の自分に霊感は無いけど…』と言って自身のヒゲを一本差し出す。するとシシ組達は『オオカミのヒゲなんて鈍感だけど一応加えてやる』と笑ってレゴシの肩を抱くのであった。

何だかんだとあっさり仲良くなっているシシ組とレゴシ。そしてネコ科のスピリチュアル設定と言い、本当に細部まで設定を作っているよな『BEASTARS』。

第145話~『コピ・ルアク』は純血至上主義団体ではなく、混血を研究する学術団体だった…所長のデシコはメロンの情報の対価として”あること”を求める

霊感があり神秘に満ちていると言われるネコ科。その中でもジャコウネコは『霊猫』と崇められる。

「僕の体を通すとあらゆるものが価値あるものに変化する…!!」

BEASTARS 板垣巴留17巻  53/212

『コピ・ルアク研究団』のリーダーであるジャコウネコのデシコ。その肛門から出た分泌液は香水の原料になり、排せつ物から取り出したコーヒー豆は”コピ・ルアク”となる。そのため、子どもの頃からトイレの個室に入る度に他の獣達から『デシコが香水を作るぞ、高級なコーヒーを入れてくれるぞ』と散々からかわれたのだ。

『誰にも笑われることなく、トイレ以外の場所で神秘を起こしたい』…そう思うデシコは『混血種が持つ未知なる可能性を研究して彼らの価値を見出したい』と考えているのだ。

そう、ジャコウネコのデシコが牽引する『コピ・ルアク研究団』は純血至上主義団体等では決してなく、混血種について研究を重ねる学術団体だったのだ。しかし、部下がコウモリであることもあって周囲から誤解されやすく、つい最近も混血児の集まる保育園に調査しにいったコウモリ達が園にいたコモドオオトカゲの男(レゴシの祖父ゴーシャ)に不審がられ通報されてしまったのである(16巻142話参照)。

『コピ・ルアク』が意外とマトモな団体であることに驚くレゴシ、ルイ、シシ組達。デシコはヒョウとガゼルのハーフであるメロンの事も知っており、『現在の彼の表の顔について、情報を提供できる』と言う。そして『ただでとは言わない、引き換えに何をすればいい?』と取引を持ちかけるシシ組達にある条件を出す。

「この袋が条件」
「僕の1週間分のうんこ」

BEASTARS 板垣巴留17巻  57-58/212

『コピ・ルアク研究団』の潤沢な資金の元はデシコの糞から取り出されたコーヒー豆なのだ。そしてデシコは『全員で自分のうんこからコーヒー豆を取り出し、一緒にコピ・ルアクを飲んだら情報を差し出す』と言う。皆が凍り付く中、『やりましょう』と即答するレゴシ。『コピ・ルアク』が危険な団体で最悪暴力沙汰になることも想像していたレゴシは『うんこ探ってメロンの情報を得られるなら安いものでしょう』と叫ぶ。ドルフ達は『ルイに初対面の男のうんこを触らせるなんて…』と戸惑うが、レゴシの勢いに押され、ルイも『やるしかない』と言うため、皆で仲良くデシコの糞を探り始めるのであった…。
…大の男達が皆で小さくなってうんこを探る絵面…途中からちょっと楽しそうになってるし、レゴシも普通にシシ組と仲良くなってるし…。

その頃、とある大学の教室では『歴史学』の講義が開かれていた。かつて肉食動物は”生命動物”、草食動物は”自然動物”と呼ばれ殺生の無い関係が成り立っていた。しかし、第一次肉草大戦…戦争によって”食肉”という概念が生まれ、それまで肉食動物は無精卵や牛乳だけで幸福感に似たアドレナリンを得ることが出来ていたのに、肉の強い刺激を知ってしまい執着するようになってしまった。 一方で草食獣もそんな肉食獣を怖れ蔑む様になった。

「争い合って蔑み合うことが増えれば増えるほど、互いに抱く関心は激しくなっていくもの」
「いわゆる愛憎というんですか…恋愛と同じ厄介な感情が肉食と草食の間に生まれてしまったのですねェ」

BEASTARS 板垣巴留17巻  65-66/212

そう笑顔で学生たちに講義するのは瞳を閉じマスクで口元を隠したメロンであった。メロンの表の顔、それは高学歴な大学の非常勤講師の青年というものだった。そして、そのメロンの講義を聞く生徒の中に、ハルの姿があるのであった…。

…『コピ・ルアク』は純血至上主義団体ではなく、ただの混血種の研究団体だった。16巻のあの緊迫した引きはなんだったのか…別にいいけど。デシコ可愛いし。コウモリ達は保育園にただ子ども達の観察をしに来ただけだったのか?ただ厳ついゴーシャがいて動揺していただけだったのかな??

そしてなんとメロンとハルが接触!…まあ、そうでもしないとどんどんハルの出番や存在感が減っていってしまうからなー。実際、16巻なんてハル本当に出てこなかったし。

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第146話~出会ってしまったハルとメロン…メロンはハルに興味を持つ

裏では“味覚”を求めて凶悪な犯罪に手を染めるメロンだが、その表の顔は高学歴のエリート。ヒョウの鋭い牙と獰猛な瞳を持つ悪党面も、マスクをして目を見開かねば、優しそうなガゼルの青年に早変わりする。

俺が良い大学を出たのも殺しを繰り返すのも目的は一つ
一度でいいから”美味しい”と感じたい…

BEASTARS 板垣巴留17巻  71/212

そんなメロンの現在の表の仕事はとある大学の歴史学の非常勤講師であった。大学という場所をずっと狙っていたメロン。何故なら大学は子供では無いものの大人にもなりきれていない肉食獣と草食獣が関わり合う場所で、そこでは裏市での食肉経験からどうしても食べ物を見る目で草食獣を見つめてしまい葛藤する肉食獣の姿と一切それに気付かない草食獣の姿を見つけることが出来る。大学の食堂で味のしない昼食を取りながらメロンは学生たちを観察する。

『食肉は男女の恋愛に似ている』…そう考えるメロンは学生たちを見て『本能と戦って全力で生きやがって羨ましい』と心の底から嫉妬する。その時であった。

「全然食べてないですね。食欲ないんですか?」

BEASTARS 板垣巴留17巻  74/212

メロンの目の前の席にウサギの女子生徒…ハルがいつの間にか座っていてメロンの皿を覗き込んでいたのだ。驚くメロンにハルは『植物学科1年生のハルです、さっきの歴史学の講義面白かったです』と自己紹介をし、フランクに話し続ける。

そんなハルを見たメロンは『こんな子、大学でフラフラしていたら卒業前に食われてしまうんじゃないか』と感じる。小柄で従順そうな幼い顔立ちをし、程よく肉のついたメス。下心のある目線も気にせず肉食獣のオスとも親しく接し、動作の一つ一つが慌ただしく危なっかしく『今日にでも死んでしまうのではないか』とすら思えてしまう。

体の大きさと命の重さは比例するのか?
この子明るいけど、すごく自分の命軽く扱ってそうだね

BEASTARS 板垣巴留17巻  80/212

ハルについてそういう印象を持ったメロン。
すると、ハルはメロンが学生たちに出した課題…『肉食と草食の正しい関係』についてのレポートについて言及する。ハルはその課題を未だに提出できていないことを謝罪にきたのだ。

だが、ハルはその理由について『書くことがないからだ』と言い、笑うのであった。

「食べて食べられる関係ただそれだけですよ、肉食と草食なんて」
「それでいいんです、だから楽しいんです。だから仲良くする意味があるんです私たち。ずっとずっと…」

BEASTARS 板垣巴留17巻  82-83/212

レゴシを思い浮かべながらそう言ったハル。メロンが『そんなこと言ってると本当に食べられてしまうよ』と窘めたが、『死と隣り合わせなら愛情に命を賭ける』となんてことも無いように答える。

ハルのその態度に『この子は命が軽いのではなく、”命が身軽”なんだ』と理解したメロン。共に食堂を出た後もハルから目を離せなくなる。

窓の外を見て『大雨!』と無邪気に笑うハル。今まで肉食と草食のハーフであるせいで味覚が欠如していたメロンは食欲が無い代わりに草食獣への殺戮衝動に突き動かされていた。 だが、そんなメロンに初めての欲求が沸き上がる。

君は初めて
殺したくはない…食べてみたい草食獣

BEASTARS 板垣巴留17巻  87-88/212

そう感じたメロンは突然、窓を見ていたハルを後ろから抱きしめるのであった。

”命が身軽な子”というのはとてもハルと彼女の魅力を正確に言い表した言葉だと思う。…そして、それがゆえにトラブルを呼び込んでしまうハル。メロンの毒牙が…。

第147話~ハルに食欲を感じたメロン、困惑するハル…その頃レゴシはコピ・ルアクの副作用で…!?

ハルに対して言い知れない欲求を感じたメロンは突然ハルを抱きしめ、体を触る。
…大学の非常勤講師がこんなことをしたと周囲にバレたら一発退場じゃ…。

驚くハル。それはレゴシと初めて出会った時の状況に似ていて、『ストップ!!』と叫びメロンから離れると咄嗟に『先生の種族は何ですか!?』と尋ねる。レゴシとの事から、メロンの抱きしめ方が男女のそれではなく、”肉食獣が草食獣を捕えようとするときのそれ”であると感じて危機感を持ったのだ。

メロンは『聞くのそこ?』と奇妙に思ったものの、口元と瞳を隠したまま『見ての通りのガゼル』と答える。肉食獣の特徴を持つ瞳と口を隠してガゼルの角だけを見せれば、食殺を犯してもまず疑われることはないのだ。

メロンの答えを聞いたハルは『やっぱり見た目通りガゼルだよね』と自身に言い聞かせ『じゃあ、今私の事を女として抱きしめたんですか?』と尋ねた上で『私は今好きな男の子がいるので』と笑ってお茶を濁そうとする。
…なんか、こういうところ、ハルは男のあしらい方慣れている感じがするなー。相手を傷付けないように好意をかわすのが上手い。

すると、メロンは笑顔のままポケットからカッターを取り出すと、それを自身の太ももに突き刺した。そして驚きのあまり硬直するハルを前に『痛みを感じない、心の方が痛いから』と呟くのであった。
…怖い、怖すぎる。14巻からメロンがヤバい奴だという設定だと認識していたが、このシーンは本当に怖いと感じた。サイコ過ぎる。いきなり大学の非常勤講師に抱きしめられて、やんわりと断ったら目の前で自傷されるとかしばらく夢でうなされるレベルだ。

その頃、『コピ・ルアク研究団』では約束通りデシコが共にコピ・ルアクを飲みながらルイにメロンの情報について語り始めていた。デシコは『肉食獣と草食獣のハーフの個体は食欲と性欲が欠如していることが多く、痛みと暴力が快楽を得る手段になる』『だからメロンくんは痩せててとても残酷だ』と説明する。

だが、コピ・ルアクの味を堪能しながらデシコの話を聞くルイに対して、レゴシやシシ組の構成員達は何故か後方に控えていてルイに近づこうとしない。それはコピ・ルアクコーヒーのせいであった。

戦前、肉食獣は肉でなくとも”動物の体を通した食品”…無精卵や牛乳でも十分満足出来ていた。その頃はコピ・ルアクも肉の代替品とされていたのだ。しかし、肉の味を知っている現代社会の肉食獣にとってはコピ・ルアクは肉食欲を満たすどころか中途半端に刺激する代物に過ぎず、飲んでしまったレゴシとシシ組のメンバー達はルイを見るとよだれが止まらなくなってしまったのだ。

『飲み物一杯で化けの皮が剥がれてしまう』…そう自分達の本能を恥じながらもい互いに頭突きし合うことでルイへの欲求を誤魔化すレゴシとドルフ。だが、そんな彼らの姿を見たデシコは『今どきの肉食獣も捨てたもんじゃない』と感心し、『君らならメロンを倒せるかもしれない』と言うのであった。

コピ・ルアク研究団』を後にしたレゴシ、ルイ、シシ組達。ルイは帰り際にデシコから『メロンは歴史学の博士号を取得している』とこっそり耳打ちされ、『メロンはハーフとして迫害され、歴史を憎んでいるのではないか』と推理し、その可能性についてレゴシやシシ組達と話し合おうとする。だが、レゴシとシシ組達はまだコピ・ルアクの作用が抜けず、『あなたを美味しそうだと思いたくないから』と今日は解散する事を提案してきた。

「…つくづく難儀なものだな、肉食と草食というのは」

BEASTARS 板垣巴留17巻  108/212

そう寂しそうに笑いながらも、レゴシやシシ組達の意向を尊重し立ち去ったルイ。レゴシもコピ・ルアクの副作用(ついつい草食に目が行ってしまう等、食肉の禁断症状に近い)に悩まされながらアパートに帰宅する。『今日はアパートの草食獣と接触せずに寝よう』と決めたレゴシ。だが、アパートの部屋の前には…

そこには泊まる気満々のハルがいるのであった…。

…ハルに執着心を持ったメロン。ハーフの個体として食欲と性欲が欠如しているということだけど、ハルに対しては食欲はもちろん、彼氏がいると聞いて『心が痛い』と言ったように性欲も抱いたようだ。怖えよ。
そして、更に知らなかったとは言え、食肉欲マックス状態のレゴシの元に行ってしまったハル。トラブル体質過ぎる。

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第148話~突如レゴシの元を訪ねたハル…浮気を疑うレゴシと関係の進展の無さに苛立つハル

扉絵が素敵。メロンを食べる主要人物達を後ろのメロン型の窓から覗くメロン。ハルが目を隠しているのがまた何とも…。

突然やってきたハルにフリーズしてしまったレゴシ。それはコピ・ルアクを飲んだからでもなく、体に刺青が入ってしまった事等の近況をどう話したらいいか分からないからでもなかった。

……………男(オス)と抱き合いましたね

BEASTARS 板垣巴留17巻 116-117/212

イヌ科で鋭い嗅覚を持つレゴシはハルの体から男の匂いを感じ取り、しかし不思議と何の種族かも特定出来ず、困惑と苛立ちでいっぱいいっぱいになるのであった。
…レゴシ、あんなにメロンのにおいを辿ったことがあるのに、それなのにメロンの匂いだと気付けないモノなのか??まあ、コピ・ルアクのせいで平常とはかけ離れた状態であるし、ハルがまさかメロンと接触したとは考えないだろうから…ってことなんだろうか。少々疑問を持ってしまう。

一方、ハルが突然やってきたのは昼間怖い思い…大学の非常勤講師の男(メロン)に突然抱きしめられたと思えば目の前で自傷されるというショッキングな体験をしたためであった。その後非常勤講師(メロン)は周囲に医務室へ連れて行かれハルは解放されたものの心の整理がつかず、だからといってレゴシに打ち明けると心配をかけるだけだからと言い出せない。

そして当たり障りなくハルに大学生活を聞こうとするレゴシ。だが、鋭いハルはレゴシがハルの浮気を疑っていることを見抜き、激怒する。

「なんもやらせないで女を束縛しようなんて考えが甘すぎんのよ!!」

BEASTARS 板垣巴留17巻 112/212

キスもそれ以上もおあずけを食らっている…そう堰を切ったように不満を爆発させたハルに圧倒されるレゴシだったが、メロンの様な凶暴なハーフの存在を知った今、ハルとの関係を進める気にはなれなかった。だが、ハルは『物理的に無理かどうかもレゴシくんのものを見てみないと分からない』と迫り、言うのであった。

「レゴシくんはいつでも私を食べられるんだから今夜位はレゴシくんが私に食べられてよ…!!」

BEASTARS 板垣巴留17巻 125/212

ハルの気迫に押されたレゴシは『電気を消すなら…』と渋々了承する。電気を消した暗い部屋でレゴシのものを見つめるハル。ハルが気を使ってやらしい空気にならないようにしていることにレゴシは申し訳無さを感じるも、ハルは『こうやって距離を縮めるのに協力してくれて嬉しい』と喜ぶ。今置かれている状況のあたりの現実感の無さから『ハーフの子どもの問題や異種族婚の不遇と言った世間の事は忘れてハルを抱きしめたい』と思うレゴシだったが、電気を点け、入れ歯になったことを明かして笑いを取ることを選んだ。レゴシはハルの笑顔を見たかったのだ。

予想通りハルは爆笑したものの、レゴシが危ないことをしているのを察し、『暴力沙汰になったり危ない橋を渡ろうとするのは書きっぽい』と説教し、レゴシの手を取って一緒に布団に倒れ込み、笑う。

「これからも私がレゴシくんの人生を大人にしてあげる」「ずっと少しずつね。嫌?」

BEASTARS 板垣巴留17巻 132/212

ハルのその言葉と表情にドキドキしながらもどこかホッとして『嫌じゃないです』と答えたレゴシ。二人はそのまま語り合いながら眠りに落ちた。

…だが、翌朝レゴシが目を覚ますとハルの姿はなく、レゴシの身体とシーツと布団が真っ赤に染まっているのであった…。

ハルちゃん、相変わらず小悪魔過ぎる。『大人にしてあげる』の表情が素敵。

第149話~レゴシは遂にハルを食べてしまった!?ショックのあまり全身の毛が真っ白になってしまったレゴシ

ハルと共に眠ったレゴシ。目が覚めたら布団とシーツが真っ赤に染まっていた。レゴシの身体も赤く汚れている。布団は膨らんでいるが、全く動かないそれをめくることが出来ずレゴシは固まってしまう。

俺は昨夜やってしまったのだ

BEASTARS 板垣巴留17巻 140/212

ハルを食べてしまった…そう理解した瞬間、全身の毛がショックのあまり真っ白になってしまうのであった。

布団の膨らみを抱き締めハルの名を呼びながら泣き出すレゴシ。大晦日にリズと決闘した時、『自分はリズとは違う。ルイと本当の友情を築けたからハルとの恋も成就させられる』と確信した。『俺こそが正義の肉食獣だ』と勝ち誇った。だが、違ったのだ。自分とリズは何も変わらず、全てが一瞬で崩れ去ってしまった…レゴシはそう思いながら身動きが出来なくなってしまう。

すると、何事も無かったかの様に『いつまで寝てんの?』とハルが外からドアを開けてやってくる。ベッドの赤い染みは血ではなくトマトジュースだったのだ。トマトジュースを飲もうと持ってきたものの、レゴシの家にあったのが肉食獣用の大型のもので重くて落としてしまい、洗剤やそのほかのものを買いに行っていたのだ。

…いくらショック受けたからってトマトジュースと血の臭い間違えるかね??イヌ科のレゴシだったら赤い染みを目視する前にトマトジュースの臭いに気付きそうなものだけど…。
あと、ストレスで一瞬で髪や体毛が真っ白になる…というのはあり得ないことなんだけど、やっぱり漫画やアニメではよくある描写だよね。今回の場合は純粋に作者がレゴシを白くしたかっただけな気がする。

ハルは泣いているレゴシに驚くものの真っ白になっているレゴシを見て『おそろいだね』と笑い買って来たヨーグルトを渡す。…ハルちゃん豪胆すぎる。
ハルが生きていることを確認し落ち着きを取り戻したレゴシだったが同時に改めて『ハルは自分に食い殺されるリスクを背負いながら付き合ってくれている、自分はそんなハルにずっと甘えっぱなしだった』と気付き、意を決して言う。

「俺たち…絶対に結婚しよう」
「子どもも作って一緒に暮らして…どんなに不安な気持ちで起きても怖い夢を見ても、朝 起きたら食卓で必ずヨーグルトを選ぼう」
「ずっと幸せな家庭を築こう!!絶対に幸せになろう、何があっても」

BEASTARS 板垣巴留17巻 147-148/212

レゴシはそう、ハルに突然プロポーズをしたかと思うと、ハルの頬にキスをしてどこかに走り去ってしまう。呆然と部屋に取り残されるハル。一方、隣室のセブンは『朝から独身OLに何聞かせてくれんのよ…』とうんざりするのであった。

その頃、シシ組のアジトではメロンが一番若いアガタを呼び出し銃を向けていた。構成員達の不穏な動きを察知したメロンはアガタに揺さぶりを掛けて企みを吐かせようとしていたのだ。
だが、ソファに腰かけ銃を向けるメロンの背後の窓ガラスにはレゴシが貼り付いているのであった…。

第150話~明かされるメロンの幼少時代…肉草のハーフとしてイジメられてきたメロンは…

シシ組構成員達が何かを企んでいることを見抜いたメロンは一番若いアガタを呼び出して銃口を向けて尋問する。アガタはその状況に緊張するもメロンの背後の窓に張り付いているレゴシの存在に気付き『どういうつもりだ、気付かれるに決まってるだろ!!』と更に動揺する。案の定メロンは振り向かずとも気付いている様だった。

だが、レゴシも隠れる気はさらさら無く、ノックをしてジェスチャーで『お前を捕まえにきた』とメロンに告げる。そんなレゴシに振り返って銃口を向けるメロンだったが、それでもなお余裕の笑みを浮かべているレゴシを見て『銃口を向けられてそんな表情をする奴は今までいなかった』と感心する。

次の瞬間、レゴシが窓ガラスを突き破ってメロンに飛び掛かり、その喉元を両手で締め上げた。だが。予想外に太いメロンの首元に驚いた一瞬の隙に、レゴシは蹴り飛ばされてしまう。

「首まわりはヒョウの母親ゆずりだ」
「肉を飲み下せる太い喉と獣を脅すハスキーボイス」
「ガゼルの父親ゆずりなのはこのツノと痩せた身体と回避能力…」

BEASTARS 板垣巴留17巻 167-168/212

そう言って笑うメロン。レゴシが捕まえようと必死になってもいとも簡単にその腕を躱してしまう。

『草食獣の本能で自然と避けられてしまうんだ…』軽々とレゴシの攻撃を避けながらメロンは幼少期の出来事を思い出していた。

それはメロンが小学生だった頃。小学校では学年が低ければ低いほど肉食獣が草食獣と喧嘩をすると教師は肉食獣の生徒を『強者は弱者に優しくしなさい』と叱る。それに日々不満を募らせていた肉食の子ども達にとってはメロンは格好の標的だったのだ。ヒョウとガゼルの混ざった容貌を『気持ち悪い』と罵られ、何をぶつけても避けるメロンにボールを投げつけイジメる肉食の子供達。

「便利だよなー 草食じゃない仲間でもない
そんなお前をいじめたところで誰にも責められないんだから」

BEASTARS 板垣巴留17巻 172/212

そんないじめっ子達はある日、メロンに屋上から飛び降りる様に強要した。『お前がヒョウのママ似ならきっと高所から落ちても死なない』『これは自由研究だ』と言って『飛び降りろ』と囃し続けるいじめっ子達。

そこでずっと耐えてきたメロンの堪忍袋の緒が切れた。屋上から校庭に落ちて死んだのはいじめっ子達だった。それがメロンの初めての殺し…9歳のときの出来事だった。

『思えばあの時自分が飛び降りていたらもっと解放されていたかもしれない』『着地できるか死ぬのか…お前が見届けろよ』そう言ったメロンは突然レゴシが割った窓から下に向けて飛び降りた。

だが、レゴシはなんとメロンを追って自身も窓から飛び降り、そしてメロンをきつく抱きしめたのだ。『絶対に逃がさない』…そう言ってレゴシはメロンと一緒に地面に向かって落下していく。

二人は結局植え込みに落ち、大したけがはしなかった。レゴシにキツく腕を握りしめられながらメロンは『俺が初めて抱きしめられる相手は野郎なのか』と笑って悪態を吐き、『ハーフの成れの果てを見た割りに冷静だな?』と尋ねる。それにレゴシはハルの姿を思い浮かべながら淡々とこう答える。

「…大丈夫」
「俺の将来の子どもはベッタベタに可愛がって育てるから、少なくともお前よりはいい子になる」

BEASTARS 板垣巴留17巻 180/212

…明らかになってきたメロンの過去。学校でいじめられたことは分かったけど、肝心の両親のことがあまり出てこないな…。母親がヒョウで父親がガゼルだということが分かったけど、二人の馴れ初めから関係も気になるし、メロンにどう接していたのかが気になる…。

第151話~メロンを捕まえたと思いきや、逆に指名手配されてしまうレゴシ…そんなレゴシが逃げ込んだ先は

レゴシにしっかりと腕を掴まれたメロン。レゴシは『警察に連行する』と言い、メロンも『今まで捕まらなかったのが奇跡だし別にいいか』と従おうとした…しかし。

レゴシが『警察にメロンを連れて行って”壮獣ビースター”のヤフヤさんに約束通り食肉の前科を消してもらってハルちゃんと結婚してずっと一緒にいよう!』とハルの事を思っているのと同じタイミングで、メロンも『今ここで捕まってしまったら、あのメスウサギを食うことが出来ない』とハルの事を思い出した。

奇しくも同じ女を思い浮かべたレゴシとメロン。メロンはガゼルの顔で『手首を握る力が強すぎる』と言い、レゴシが力を緩めた隙にツノで腹部を刺そうとする。とっさにそれを避けたものの、レゴシはメロンの手首を離してしまい、メロンは走り去ってしまう。
…ああ、分かってはいたが、やっぱりここで取り逃がしてしまうのか…。じれったいなー。

必死にそれを追いかけるレゴシ。メロンは人家やレストランを突っ切って逃走しどんどん市街地へ向かっていく。レゴシは『真っ当に暮らす獣たちを巻き込まないでくれ!!』と叫ぶもメロンから『真っ当って何?』『澄まし顔してる肉食獣だって夜は裏市で肉にかぶりついてるぜ』と言われて言葉を失ってしまう。

そんな逃走劇の結果、何とかレゴシはメロンを捕らえた。だが、メロンは何故か余裕の態度で牙と瞳を隠しながら笑ってこう言う。

「…センター街の大通りだ…」
「一番外ヅラがいいロケーションに足を踏み入れちまったな」

BEASTARS 板垣巴留17巻  194/212

そして、その言葉の意味が分からないレゴシに説明する。綺麗に舗装され平和の象徴として整えられたこの“センター街”には監視カメラが街中に設置されており、肉食獣が草食獣に掴み掛かったりすると自動で検知し、それが警察に届く仕組みになっているのだ。

『結局この社会は見た目の印象だけで物事を決めてしまう』そう皮肉気にメロンが笑うと同時にパトカーがやって来て、警察官がレゴシに『そこの白いオオカミ、ガゼルを放しなさい』と叫ぶ。

『センター街の警察はしつこく5日は拘束されるから逃げた方がいい』…そう言って逃げてしまうメロン。慌ててレゴシが追おうとするもそれを警察官達に止められてしまう。メロンこそが捕まえなくてはならない犯罪者だと訴えても聞こうとせず発砲も辞さない警察官達にレゴシは逃げることを決意するのであった…。

…メロン、レゴシを罠に嵌めたものの忠告してくれるあたり、レゴシを気に入り始めたのかな?

一方その頃、チェリートン学園の談話室ではジャック達イヌ科701号室のメンバーが『センター街でガゼルを襲った白いオオカミが逃走中』というニュースを聞いてきた。…何故か『30代位』と報道されてるけどレゴシフケ顔なのかな?それか白くなっちゃったせい?

『センター街のニュースの大半は濡れ衣なのでは?』とジャックは言い、オオカミのレゴシを思い出して懐かしみながら701号室に戻る。だが、扉を開けると…。

「ちょっと……け…毛の色が元に戻るまで…ここに置いてもらえませんか…」
「事情は話すから…」

BEASTARS 板垣巴留17巻  201-202/212

そこにいたのは制服に身を包んだ毛色が真っ白になったレゴシだった。ジャック達イヌ科701号室のメンバーは驚愕し絶句しながらも、尻尾は狂喜のあまりぶんぶん振れるのであった…。

以下、感想と考察

メロンに狙われてしまうハル…ハルも物語の渦中に!

正直、シシ組編以降存在感が薄くなってしまっていたハル。物語の序盤~シシ組編まではストーリーのメインがレゴシ、ルイ、ハルの三角関係に焦点が当てられていたけど、リズ編以降は物語の本筋と関われなくなっていたし、大学に通い始めてレゴシと会う機会も減ってしまっていて読者が存在を忘れない程度に出てくるといった感じになっていた。仕方がないと思いつつもちょっと惜しいと思っていた。

でも、ここでメロンのターゲットになるという形で物語の中心に戻って来てくれた!『また食われそうになってんのかい!!』という感じはしなくもないけど、そういう危うさがハルの魅力とも言えるだろう。

メロンに狙われたハルの運命や如何に!?

レゴシ再びチェリートン学園に!?

そして、警察に追われたレゴシはチェリートン学園に潜伏。レゴシが退学を選んで学園の話が描かれなくなって寂しく思っていたのでこれはかなり嬉しい。旧3年生キャラは卒業していなくなってしまっているけど、ジュノ、ビル、エルス、ピノあたりの話もまた描いて欲しいなー。

『BEASTARS』18巻の展開、発売日は?

次巻18巻の発売予定日は春とのことで具体的な日付は決まっていない。次回予告では何故か“生き餌”のフリをして裏市を歩くルイが描かれる等展開の予想がつかない。非常に待ち遠しい!

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