30代独身の児童相談所職員の夏目アラタは父親を殺された不登校の少年、卓斗から『自分の代わりに父親を殺した殺人鬼、品川真珠と面会して見つかっていない父親の首の在処を探って欲しい』と依頼される。卓斗はなんとアラタの名を騙って真珠と文通をしていたのだ。
真珠と面会にこぎつけたアラタだったが、真珠はアラタを『手紙の主とは別人ではないか』と疑い探りを入れる。そんな真珠の関心を引くためアラタは『品川真珠、結婚しよう』とプロポーズする。その結果、真珠はアラタに興味を抱き『拘置所を出てアラタと一緒に暮らす』と言い出すのであった。
そして、休日の朝、アラタの元に真珠の”私選弁護人”を名乗る男、宮前光一が訪ねて来る…。
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真珠の正体についての個人的な推測・考察記事
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Contents
以下、あらすじとネタバレ
真珠に依頼されアラタの事を探りにやって来た私選弁護人、宮前光一
休日の朝、アラタの家に突然やって来たのは真珠の”私選弁護人”を名乗る宮前光一という真面目そうな青年だった。
「真珠さんと結婚するって、――本当ですか?」
夏目アラタの結婚3 乃木坂太郎 4/29
ドアの前でアラタにそう尋ね、『真珠さんは後援者やマスコミに会う事はあるけど手紙は滅多に書かないのに、夏目さんへの手紙だけには返信している』『夏目さんにプロポーズされたから生活態度を見てきて欲しいと頼まれた』等々話し出した宮前。
『真珠のスパイか』…そう気付いたアラタだが、近所の目があるため慌ててチェーンを外して宮前を家に入れ、着替えて対応することにした。
しかし、アラタの部屋は一人暮らし様に徹底されているため非常に狭く、一人掛け用ソファに背中を合わせる形で二人で座ることになるアラタと宮前。狭さを謝るアラタだが、宮前は硬い態度を崩すことなく本題に入る。
『この前の手紙でようやく住所を教えて頂けた』『今までの住所は私書箱でしたよね?』…そう宮前は厳しい表情で尋ねる。
それを聞いたアラタは『やっぱり真珠は卓斗の住所を探っていたのか』と焦り、同時に『自分から住所を晒したのは正解だった』とホッとする。真珠は恐らくアラタが本当の文通相手ではないと薄々気付いてはいるが、晒された住所に食いついて宮前を差し向けてアラタの事を探り始めたのだ。
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アラタに獄中結婚をする覚悟があるのかを確認する宮前~獄中結婚の現実について説明する
『別に嘘をつくつもりはなかった』と答えるアラタ。すると宮前はアラタの勤務先、交際相手の有無、既婚歴について矢継ぎ早に質問する。正直に公務員で児童相談所勤務であること、交際相手はおらず既婚歴も無いことを告げたアラタは『この年になるまで運命の人を探していた』と笑って見せる。しかし、内心ではこう叫んでいた。
―――結婚…!?
夏目アラタの結婚3 乃木坂太郎 9-10/29
するわけねぇだろ―――そんなもん…!!
結婚なんかしたら行動が制限され、子供が産まれたら煙草も我慢しなくてはならない。夫婦も愛が無くなってしまえばただ気を使い合うだけの存在にしか過ぎない…自身の両親を含め、周りに不幸な結婚をした者が多かったアラタは『結婚とは一つ屋根の下でお互いをすりへらすもの』と考えていおり、結婚願望は皆無なのだ。
すると宮前はアラタの決意を試すように婚姻届けを見せて、『本気で結婚届を出す覚悟がありますか』と尋ねる。しかし、アラタは『口だけなら何とでも言える』と余裕で『彼女は運命の女です』と答えて見せる。
アラタは仮に書類上で夫婦になったとしても構わないと思っているのだ。何故なら法律上結婚したとしても真珠は拘置所から出てくることは無い。できたとしてもせいぜいアクリル板越しの”おままごと”に過ぎない…そう考えているためだ。
そんなアラタに宮前は”獄中結婚”が後援者が連絡の為に便宜上結婚するケースを除くと大半が離婚に終わるという現実を語りだした。そして、特に死刑囚との結婚は周囲から理解が得られず、また孤独な死刑囚の配偶者への要求がどんどん大きくなる傾向があることを説明する。
それでも大丈夫なのか…そう改めて尋ねる宮前に『やってみなきゃわかんない』と軽い調子で答えたアラタ。すると、宮前が怒ったように叫ぶ。
「夏目さん。」
夏目アラタの結婚3 乃木坂太郎 14-15/29
「やってみるじゃ、困るんですよ!!」
アラタは宮前の剣幕に驚くのであった。
真珠を傷付けないでほしいと訴える宮前…アラタのプロポーズを本気にしているという真珠の様子にアラタは動揺するも違和感を持つ
必死の表情で宮前はアラタに『真珠さんの心は弱いから傷付けないでほしい』と訴えた。
それは先日の事だった。いつもの様に宮前が面会に行くと、真珠はアラタからプロポーズされたことについてこう語ったのだ。
「もし彼を信じることができたら、…ボクでも…」
夏目アラタの結婚3 乃木坂太郎 16-17/29
「こんなボクでも、…前向きになれるかも…って。…うっ。」
そう話しながら真珠はボロボロと泣き出してしまったのだ。
それを聞いたアラタは『アイツ本気にしちゃったの?』と動揺する。宮前は真珠について『一審では怯えて何も話せなかったけど、最近ようやく少しずつ話すことが出来る様になった』と言い、真珠の心を乱すアラタの存在を危惧しているのだ。そして宮前はなんと『彼女が無実じゃないかと思っている』とまで言い出しアラタは驚くのであった。
だが、アラタは同時に違和感を抱く。アラタが会った真珠は頭の回転が速く狡猾で、クロ…バラバラ殺人鬼らしい謎の気迫を持っていた。
しかし、宮前が語る真珠は裁判や取り調べにも怯えて言葉を発することが出来ない気弱な女性で、アラタのプロポーズを本気にし涙を流す健気さを持っている。
『この印象が一致しない感じは週刊誌で描かれていた落ちこぼれとしてイジメられていたという幼少期の真珠と、頭がキレる今の真珠の差に感じたものと似ている』…そう思ったアラタは宮前に『あの獄中にいる女は本当に品川真珠なのか?』と尋ねた。公私ともに”本当に頭の悪い人間”に馴染みがあるアラタだからこそ真珠の地頭の良さがよく分かるのだ。
そのアラタの問いに宮前は『親類のDNA検査もしており、近所の住人や小中学校の教師の証言もあり、間違いなく本人です』と答え、さらに驚くことを言うのであった。
「―――なにより、この私が、少女のころの彼女に会ってます。」
夏目アラタの結婚3 乃木坂太郎 21-22/29
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幼少期の真珠と面識のあった宮前…不幸だった真珠を救えなかったことを後悔している宮前は手弁当で真珠の私選弁護人となった
若い頃、子供だった真珠の近所に暮らしていたと明かす宮前。そのため度々真珠の姿を見かけていた。幼い真珠はネグレクトされているのか汚い身なりをしており、よく薄汚いアパートの階段の下、手づかみで大量の米とツナ缶を食べていた。
ある雨の日。相変わらず傘も差さずに階段の下で詰め込むように米とツナ缶を食べ続ける真珠を心配した宮前は『お腹を壊すよ』と声を掛けた。
だが、真珠は口に米を詰め込みながらこう答えるのであった。
「……ダメなの。」
夏目アラタの結婚3 乃木坂太郎 23-24/29
「もっと、……………もっと太らなきゃ。」
「ママが真珠を、いじめてるって思われちゃうからって…」
真珠の見開かれた暗い目と歪な歯並びにショックを受けた宮前はそれ以上何も言えなかった。そして、良かれと思って児相に通報した結果、真珠の家は引っ越してしまったのだ。その事が心に引っかかっていた宮前。一審の国選弁護団の一員として真珠に再会した時、その独特な名前と残っていた面影からすぐにあの時の少女だと気付いた。
真珠は宮前の事を覚えはいないようだった。しかし、一審後弁護団の中から何故か宮前だけが真珠に呼ばれ、何か運命的なものを感じた宮前は自費で私選弁護人として真珠の力になることを決意したと語る。アラタは宮前の話から幼少期の真珠の姿をありありと思い浮かべ、複雑な表情で黙って煙草をくゆらせるのであった…。
その頃、拘置所の狭い部屋で真珠は心細そうに丸まって寝転がりながら『宮前センセはアラタの家見に行ってくれたかな…』と呟く。だが、雨の中傘を差しながら心配そうな表情を浮かべる青年…若い頃の宮前の姿を思い浮かべて笑い声を上げる。
真珠は幼い頃、声を掛けてきた宮前の事を覚えていたのだ。
「あんなお人好しが、弁護団にまぎれこんでるなんて、」
夏目アラタの結婚3 乃木坂太郎 28/29
「クククっ、アハハハハハハ」
「ボク、もってる。」
真珠はそう独り言ちて、ニンマリと笑うのであった…。
以下、感想と考察
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真珠の無実を信じる弁護士、宮前光一
これで『実は本当に殺人なんて犯していない無実の不幸な女性でした。ハッピーエンド』は流石にないと思うし、そんな結末だったら興ざめだ。どう着地させるのだろう…。
乃木坂太郎氏は『NEWSポストセブン』のインタビューで『大雑把な話の流れは決めているけど最終回は決めていない』と述べているのでまだまだ分からない…期待したい。
リンク
→「獄中結婚」を描く漫画 作者・乃木坂太郎氏が語る制作秘話
難しい獄中結婚
そして宮前から語られた獄中結婚の現実が面白かった。まあ、死刑囚に魅力を感じたり何らかの想いを抱えて結婚を申し込む人(主に女性)が一定数いることは知ってはいるけど…(ドラマ『モリのアサガオ』でもそういう登場人物がいたはず)。しかし、現実は死刑囚の要求がエスカレートすることもあって大半が離婚を選ぶのか…まあ、分かる気がする。宮前が例として挙げた死刑囚の夫が釈放されたら獄中結婚していた妻が逃亡した』というケース、私も聞いた事あったけどどこの国の話だっけな…?
まあ、結婚願望が無く刹那的な生き方をしているとはいえ、流石にアラタも真珠との結婚を軽く考えすぎているとは思ったので宮前がそこを突いてくれたのは良かった。
ちなみに、首都圏連続不審死事件で有名な木嶋佳苗死刑囚と獄中結婚をした雑誌編集者も『思いが募ったから結婚した』と言っているが取材情報目的なのかそれとも木嶋佳苗死刑囚の色気に絡めとられたのかどちらなのだろうか…。事実は小説よりも奇なりとは言うけど、そちらもかなり気になる…。
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