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Contents
あらすじ
『モンキーピーク』…岩砕山の惨劇から1年。生き残った早乙女達は平穏な暮らしをしていたが、猿の探索に携わった宮田が行方不明になってしまう。早乙女は行方不明者救助のための自衛隊の部隊に”アドバイザー”として同行し、猿の秘密が眠るとされる”安蔵(やぐら)の森”に向かう。しかし、そこで早乙女含む20名の捜索隊は洞窟の中に閉じ込められてしまい、そこの新たな”猿”の脅威が襲い掛かる…!
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捜索隊の生存者・生き残り(最新巻時点)
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第二班
猿の探索と行方不明になっている第一班の救助のために安蔵の森に向かう。自衛隊員に加え、内閣調査室の高橋、生物学の権威の木ノ下、その助手の赤崎、そして岩砕山の生き残りである早乙女で編成されている。
早乙女 稜 24歳
前作『モンキーピーク』からの主人公。左の眉尻に傷跡があるツンツン頭の男性。現在は自身の子供を身籠っている妻の貴子(旧姓佐藤)と同棲している。
一度は高橋から”安蔵の森”への猿の探索隊に誘われた際は宮田と佐藤と相談し合った結果、断ったものの、『宮田が捜索に関わり行方不明になっている』と聞かされ、”安蔵の森探索隊第二班” に”アドバイザー”という立ち位置で加わり、宮田を助け出すことを決意した。
高橋に対してはうさん臭さを感じており(当たり前だ)、警戒している。一方で洞窟に入る前は東隊長が率いる隊員達の様子を見て『冷静と団結…”岩砕山”の時とは大違いだ』とまだ安心していた。この時点でもうフラグビンビンである。
第二班の中では唯一猿と接触した経験があり、”アドバイザー”という立ち位置でいるものの、前作同様に人望が無く、再三猿の危険性を訴え続けるも皆あんまり言う事を聞いちゃくれない。…何でだ。
前作では主人公補正もあって驚異的な身体能力を発揮したが、”岩砕山”での壮絶なサバイバルの結果、足の指を三本失う等深刻な肉体のダメージを受けており、現在は走ることも出来ない体になっており、また10㎏の装備を持つのがやっとの状態である。
しかし、主人公気質は健在で体が万全の状態ではないにも関わらず、閉じ込められた洞窟では隊員達と共に脱出の手掛かりを探し、麻酔銃で猿と戦い、また暴力に走ろうとする千葉を止めようとする。その姿勢によって下柳を始めとした一部の隊員達からは受け入れられ敬意を払われ始めている。また、2巻では”岩砕山”での経験を活かして湿った土から水を絞り出すことを隊員達に提案し、そのことが別の空間と水場(第2ホール)の発見と宮田達第一班生き残りとの合流に繋がった。
岩砕山で社員達の醜い仲間割れや争いを見ており、また自身も散々な目に遭っているが、だからこそ今回の探索においても『みんなで生きて帰る』という強い信念を抱いている。一方で、岩砕山で狂気に陥る人々を見てきた経験から東隊長の死後に隊長に就任した千葉について『眼がヤバい』と警戒している。
一方で、赤崎がライトを隠した現場を見ているが、それを証言すれば彼女の命が危ないと考えたため、庇い皆にそのことを黙っている。彼女が闇堕ちしたことに薄々気付いているようだが、今のところ黙認している。
千葉が隊員以外の人間を切り捨てようとしていることにもいち早く気が付き、宮田、シマらと共に『早乙女、宮田、シマ、赤崎、葉山の5人で自衛隊に置き去りにされる前にライトとロープを奪って別行動する』という作戦を練る。そして、迷路にて清水の持っていたライトを一本奪取することに成功し、千葉に『もうあんたらと行動ができないから、ライト一本でこれからは別行動させてもらう』『危害を加えるなら大声を出して猿を呼んでやる』と決別を宣言した。
その結果、千葉達から離れることは出来たものの千葉からは内閣調査室の高橋とケガをした叶まで押し付けられた末、結局ライトも清水の罠で壊れたものをつかまされたことが発覚する。しかし、それでもくじけることはなく、宮田と共に一般人メンバーをまとめあげ、生き残る道を模索している。一方で高橋に対しては警戒心を持っており、叶の死についても彼が犯人であることを察しているものの追及しないでいる。
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赤崎 大学院生 24歳
恐らく本作のヒロイン枠。ショートカットで瞳が大きい愛嬌のある女性。木ノ下の元で生物学を研究する上里大学の大学院生。院生だが隊員達からは”赤崎先生”と呼ばれている。中高生の頃は水泳部だったとの事で泳ぎには自信を持っている。
マイペースで動物をこよなく愛しており、猿についても『どんなニオイがするのか』『一度生で見たい』と純粋な好奇心を持っており、また”岩砕山”の生き残りである早乙女の事を尊敬している様でフレンドリーに接してくる。
生物学の院生という事もあって猿への愛情だけでなく知識も持ち合わせており、『洞窟で暮らす猿はまだ確認されていない』等の情報を早乙女に語る。
明るい性格をしているが、洞窟内での地震で隊長が意識を失ってしまった際は流石に『どうなってしまうのか』と震え、不安がる様子を見せる。また、猿に食われた金井の死体を見た際は嘔吐してしまう。
洞窟内の猿に対して、隊員達に銃の使用禁止を求める木ノ下と高橋、そして猿の危険性を説き殺すべきだという早乙女の間で意見が割れているなか、原から意見を求められ、悩みながらも『猿にも生きる権利があるから殺してはいけない』と発言。これが決定打となり隊員達は銃を没収されてしまう。
…彼女一人が銃の使用禁止を決めた訳では無いのだが、意見が割れている中の最後の一人であったため、この『猿にも生きる権利』発言は千葉を始めとする一部の隊員のヘイトを集めてしまった感は否めない。
さらに原副隊長が中猿に襲われた際、麻酔銃を中猿に向けた早乙女を『既に一発麻酔銃を撃たれているのにもう一発撃ったら猿が死んでしまう』と言って邪魔し、結果的に原副隊長の死の一因を作ってしまう。にも関わらず、中猿の死に涙を流し、原副隊長の死については何の謝罪もしなかったため、隊員達からは更に冷ややかな目で見られるようになる。
その後、捕獲した小猿に定期的に麻酔を打って眠らせ続けるもののこれ以上の麻酔は小猿を死に至らしめると判断し、皆に『この子を助けてあげて』と訴える。しかし、その願いは聞き届けられるどころか、逆に吉川から小猿を食料と水の代わりに食うことを提案されてしまう。
当然反対するが結局小猿は殺され隊員達に食べられてしまい泣き、その後は意気消沈してしまう。その上、『食べる位なら死ぬ』と小猿を食べなかったこともあって、脱水症状を起こし幻覚を見るまでに弱ってしまう。『みんなが窮地に陥っているのは自分のせいだ』という思いから追い詰められてしまう。
しかし、そこで早乙女から彼自身が岩砕山で林から言われた『生き残った事には必ず”意味”がある』という言葉を掛けられたことで覚醒する。
…なんと、第2ホールで姿を現した魔猿の神々しさに心を奪われてしまい、『自分の生き残った意味は猿を守ること』と考え、猿を食べた者に憎しみを向ける様になった。闇堕ちもいいところである。人狼ゲームでいうところの”狂人”ポジションに立つことになった。その後は魔猿に銃口を向けた清水を”地底湖”に突き飛ばして妨害するだけでなく、猿の敵とみなした相手を殺害することを決意する。特に『山ごと猿を丸焼きにする』と公言している千葉に深い憎しみを向けている。
まず、手始めに”地底湖”前で多数の猿に襲撃された際、『あんなにいるんだから少しぐらい(殺されても構わない)』と手の平を返す様に隊員達の猿への攻撃を容認した木ノ下に殺意を抱く。そして、”地底湖”にロープを伝って潜水して逃げるどさくさに乗じて後ろにいた木ノ下を蹴り飛ばし溺れ死なせた。
以降は目から光が消えた、”完全闇堕ちモード”となる。隊員達への態度も非協力的、投げやりなものになり、さらには複雑な洞窟内で目印として清水が置いた石を蹴とばし、ライトを隠すといった嫌がらせ、裏工作を積極的に行い、 千葉が隊長になった後の自衛隊員達と一般組達の関係悪化を悪化させ、離別させた大きな原因を作った。
自衛隊と一般組が分かれた後、高橋から”同盟”を提案された。しかし、高橋が政府の人間ではないことを見抜き、また、そもそも猿を守るのが最優先で自身が生き残る気が毛頭なかったため、これを拒絶。その結果、明らかにカタギの人間ではない高橋から後ろから首を締め上げられ脅されるが、隙をついて彼の太ももに麻酔を注射し難を逃れた。…強い。
その後、高橋の手によって皆と共に大量の猿に囲まれることになり、早乙女から葉山と共に物陰に隠れる様に指示される。猿と交戦しようとする早乙女に内心反感を持つものの、彼の『猿を全滅させないためには、まず俺たちが生き残らなくてはいけない』という言葉には一定の理解を示し、従った。
高橋 学 内閣情報調査室情報集約センター次長 42歳(偽高橋)
内閣情報調査室情報集約センター次長という肩書の男性。眼鏡をした真ん中分けの男性で、口の右下にホクロがある。
物語の一か月前に早乙女・佐藤・宮田に『猿の探索・捕獲に協力してほしい』と猿の潜伏先として考えられる”安蔵の森”に探索隊の”アドバイザー”という立場での同行を依頼した。一度は早乙女に断られたものの、後日『猿の探索部隊第一班に同行していた宮田が行方不明になった』と電話してきて、早乙女を猿の探索&行方不明者救助のための”安蔵の森探索隊第二班”に誘った。
一見丁寧な物腰だが、上述の通り”宮田が行方不明”というのも結構怪しく、その上何かと意味深な発言&笑みを浮かべたり暗い目をしてみたりと怪しさと疑惑が半端ないオッサンである。その上、洞窟に閉じ込められたというのに焦ったり恐れたりする様子が一切なく余裕をぶっこきまくっている(大体寝っ転がっている)。しかし、危機的な状況にあることはしっかり理解しており、冷静に水不足の状況やタイムリミットを分析したりもする。疑うなと言う方が無理である。
そして、学者である木ノ下と赤崎、アドバイザーである早乙女には今回の探索が極秘裏で傍受や逆探知を防ぐために自衛隊本部とも連絡を取り合わないものであることを意図的に隠匿して同行させた。
普段は慇懃無礼な態度を取ってはいるものの、猿については『我々のものだ』と発言し、凄まじい表情で歯を食いしばる等、木ノ下以上のに執着している様子を垣間見せている。小猿の生け捕り、中猿の死体を入手した際は原副隊長の犠牲など気にもとめない様子で大喜びし、隊員達のひんしゅくを買った。
食料、水不足のために隊員達が小猿を食べようと提案すると、当然これに反対し隊員達に銃を向けた。しかし、早乙女が『小猿を食べて、代わりに別の猿を捕獲する』と提案すると納得して小猿を食べることに同意した。しかし、その一方で隊員達が通路を探している間に皆の銃を隠し、手持ちの武器で対応することを強いた。その後、砂時計ホールでの猿の襲撃や東隊長の死をもっても猿の生け捕りを優先する姿勢を崩すことなく、その一方で新隊長の千葉が猿を生け捕りにすることを放棄しても冷笑し余裕綽々な態度を取り続けている。迷路にて叶共々自衛隊員から切り捨てられた際も、パニックになる叶と対照的に一切動揺する様子を見せなかった。
そして、4巻後半に衝撃の事実が発覚する。内閣情報調査室の高橋という人物が早乙女の帰りを待つ貴子の前に現れたのだ…つまり、早乙女達を安蔵の森への探索参加を依頼し第二班に紛れ込んでいる彼は高橋を名乗った全くの別人であるのだ。そして、理由は不明だが人目につかないところで部下であるはずの叶の首を背後から締め上げ殺害し、その後崖から突き落とし滑落死したように見せかけた。
正体についてはまだまだ不明だが、赤崎が木ノ下を殺害したことを『”職業的”にカンがいい方だから』と見抜いている辺りからしても、明らかに”カタギ”の人ではない。
赤崎に対して『この状況下で猿を守ろうとしているのは君と私だけ』『有識者である君に新種の猿を発見したと証言してもらいたい』と”同盟”を申し出たものの、闇堕ちモードの赤崎に逆に政府の人間ではないと見抜かれ拒絶されてしまった。そのため、赤崎のことも崖の上で締め上げながら再度協力する様に脅したものの、なんと太ももに麻酔を打ち込まれてしまう。
この時の赤崎の言動から彼女の協力が得られることがまず無いこと、そして騒動をシマに見られてしまったこと、赤崎に麻酔を打ち込まれたことですぐに深い眠りに落ちてしまうことから、早乙女達と行動をすることのメリットが無くなったのか、『猿に喰われて死ね』と言うと隠し持っていたライトで辺りを照らし、大声を上げまくり、猿を集めるだけ集めて岩場の陰に身を隠し眠りに陥った。
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下柳 28歳
”安蔵の森探索隊第二班” 。かなりの高身長のガッシリした男性隊員。生真面目で穏やかな性格。洞窟に入るにあたって赤崎と木ノ下につくように隊長から命じられる。高身長のため狭い洞窟の入り口付近では上手く身動きを取れなかったが、崩落の際に早乙女に助けられ無事に生き延びることが出来た。それ以降早乙女には恩を感じている。
沼口曰く、総合格闘技では一番強いとのこと。岩の亀裂にいた小猿を発見し、吉川と協力して捕獲。また直後に現れた中猿にトドメを刺した。
民間人でかつ身体が傷付いているにも関わらず積極的に行動する早乙女に敬意を払っており、逆に口ばかりで何もしない木ノ下には『(水不足のため)自分の小便を飲む覚悟くらいしておいて下さい』と嫌味を言った。
砂時計ホールの地底湖前で猿達の襲撃に遭った際は東隊長と共に殿(しんがり)を務めようとしたが、東隊長から『早乙女さん達を守れ』と言われ先に進んだ。
東隊長死後、千葉が隊長になってから隊員と早乙女達一般組の溝が広がっていっていることに危機感を抱いており両者の橋渡しをしようと努力する。そのため、ライトを巡る諍いの際は早乙女と赤崎には『決して悪いようにはしないと約束します』と言って素直に千葉にライトを提出するように求めた一方で、宮田のペンダント型ライトについては『壊れている』という虚偽の報告を千葉達にしてその場を収めた。
しかし、その直後に皆で仮眠を取っていた際に赤崎にライトを盗まれ隠されてしまう。こ赤崎を疑う千葉と清水に対して『悪いのは自分だ、自分の責任だ』と謝罪しまたしても場を納めたものの、この出来事で隊員と一般組の溝は決定的になってしまい、清水からは『下さんは優しすぎる』と言われてしまう。
千葉・清水からは壊れたライトを使って一般組の離反を誘発する作戦について事前に聞かされていたものの乗り気ではなく、千葉が叶を刺すという計画外のことをしたことについて激しく困惑している。
千葉 32歳
”安蔵の森探索隊第二班”。頭にバンダナを巻いているつり目の男性隊員。やや口や態度が悪く、岩砕山の後遺症で体力を失い、10㎏の装備を持って歩くのがやっとの早乙女をバカにしており、何かと喚く木ノ下に対しては『うるせえっ黙れ』、猿の生きる権利を説き銃の所持に反対した赤崎には『頭湧いてる』と読者の気持ちを代弁する。副隊長死亡後、東隊長が目覚めるまで指揮官をしていた阿部には反抗的な態度を取った。
洞窟に閉じ込められた後は隊員の中で最も洞窟に閉じ込められたことに苛立っており、また時折手を震わせたり冷や汗をかいて息を切らしている様子から何らかの依存症及び禁断症状を持っている可能性が高い。
以上の様にやや素行に問題はあるものの、清水とは親しく可愛がっている描写が見られ、清水に対しては秘かに禁止された手榴弾を洞窟内に持ち込んでいる事を明かし、『俺に何かあったらお前が使え』とキッチリ死亡フラグを立てている。
吉川が小猿を食べることを提案した時はいち早く賛成し、強硬に反対する赤崎と木ノ下に対して暴力をチラつかせ、制止しようとする早乙女に対してはナイフを突きつけた。
普段は反抗的な態度を取っているが、実は誰よりも東隊長を慕っている。というのも過去の任務で燃える木材に下敷きになってしまったところを救われたことがあるためである(東隊長の顔の火傷痕はこの時にできたもの)。そのためシマには東隊長のことを”恩人”だと語っており、他の隊員が居ない場では東のことを”オヤジ”と呼ぶほどである。
しかし、砂時計ホールで猿の群れと戦闘になった際、最後まで東隊長と共に猿と戦っていたが無数の猿相手に冷静さを失い、ナイフを大振りしてしまったところ、誤って東隊長の首を深く切りつけ致命傷を負わせてしまう。
その直後、東隊長に『逃げろ』と言われ地底湖の先に行き他の隊員や早乙女達と合流するが、本当の事を言えるわけもなく『隊長は猿に喉を切られて死んだ』という嘘を告げる。そして、その後は自身が最年長であることを理由に『次の隊長はオレだ』と主張し仕切り始める(以降は沼口に”千葉さん”と呼ばれると”隊長と呼べ”と激昂するようになる)。砂時計ホールに出現した猿の多さやダブルマッスルといった未知の存在を前に、未だに猿の生け捕りを求める高橋の指示を聞くつもりは毛頭無く、『目標は生き残り、洞窟を脱出し、ライトの男を殺して東隊長や死んでいった者達の仇を討つこと』と目標を設定した。
しかし、最も敬愛する隊長を自身の手で殺してしまったショックと嘘を吐いていることの罪悪感、そして皆の命を預かっていることの重圧から憔悴し冷静さを欠いており、岩砕山で正気を失う社員達を見てきた早乙女からは『眼がヤバイ』と警戒されている。実際に隊員にも一般組にも暴力をちらつかせて威圧することが多い。
かつて東隊長に言われた『命がけで”仲間”を助けてやれ』という言葉を強く意識して行動しているものの、この様な精神状態、そして刻一刻と悪化していく状況の中でこの言葉は彼の中で変容していき、結果的に『隊員さえ助かればいい、そのためには邪魔になる一般組を切り捨てれば良い』『そもそも皆が死んでしまったのは一般組が正確な情報をもたらしてくれなかったせい』という考えに至る。また、当初の『猿の捕獲』という作戦を完遂するつもりは一切なく『洞窟から脱出出来たら、穴からガソリンを流し込み山ごと猿を丸焼きにする』と宣言しているほどである。
清水 24歳
”安蔵の森探索隊第二班” 。長髪を一まとめにし、整った顔立ちをしている最年少の隊員(1巻時点では顔立ちから女性だと勘違いしてましたが、男性だったようです…)。明るい性格でやや砕けた口調で話し、序盤では同い年の赤崎に気があるのか積極的に話しかけていた。東隊長曰く、隊の中では射撃の腕が一番とのこと。
千葉と共に猿に食われている金井を発見し、猿に向かって発砲した。
千葉と親しい様子が描かれており、千葉からは『俺に何かあったら使え』と秘かに手榴弾を持ち込んでいる事を明かされる。
岩場の隙間に潜って通路を掘り進める中地震に見舞われるも、必死に第2ホールへの抜け道を見つけ出し、水場に辿り着いた。
砂場ホールの地底湖前で猿の集団に襲われた際はその射撃の腕を活かし猿達を複数射貫いたものの、猿を守ろうとした赤崎から突き飛ばされ地底湖に落とされるといった妨害を受ける。そのため、序盤は赤崎に対して何かと気遣い優しく接していたものの、以降は『いつもいつも俺達の邪魔をしてばかりだ』と彼女に対する怒りと苛立ちを隠さなくなった。下柳の持っていたライトが無くなった際も真っ先に赤崎を疑い詰問した(まあ、本当に赤崎が隠していたわけだが…)。
それもあってか、隊長となった千葉が一般組を切り捨てようとしていることをいち早く察すると、『隊員組と一般組を分けるべき。隊員達だけが生き残ることを優先するべき』と千葉の方針に賛同し早乙女達が自らパーティーを離れる様に誘導した。そのために、あえて宮田のライトについては見逃す、自然と一般組を列の後方に回すなど精神的に追い詰められてイっちゃってる千葉と比べると相当冷静で計算高く、現在は千葉の参謀役を務めているとも言える。
迷路ではわざと早乙女達に壊れたライトを奪取させ向こうから離脱する様に仕向けた。中々の策士である。以降は目が死にゲス顔をすることが増えた(1巻でのイケメンさはどこに消えた…)。
沼口 30歳
”安蔵の森探索隊第二班”。 太い眉毛が特徴的な男性隊員。洞窟に入る前に隊長から早乙女につくように命じられる。早乙女に『我が隊は優秀』と語り、特に隊長である東を”生きる伝説”と尊敬している。原副隊長の死には涙を流して悲しみ悔しがった。
独学で傷の手当等について学んでおり、隊員の中では衛生兵的な活躍をする。
地底湖の先を進んだ後は今後の方針についてまとめようとするが、千葉から『勝手に決めるな、次の隊長は俺だ』と凄まれリーダーの座を譲った。しかし、千葉の横暴や隊員と一般組の急激な関係の悪化について戸惑っており、ついつい千葉のことを”千葉さん”と呼んでしまいがちで千葉から激しく殴り付けられる。
下柳同様に千葉・清水からは壊れたライトを使って一般組の離反を誘発する作戦について事前に聞かされていたものの乗り気ではなく、千葉が叶を刺したことについては『叶にケガをさせて足手まといにすることで、一般組を猿へのエサにして自分達だけ逃げるのが目的だ』と強く反発した。
第一班
第二班に先んじて安蔵の森に猿の探索に向かっていたが消息不明となっていた。自衛隊員達は全滅してしまっており、早乙女達第二班と合流した時に生きていたのは一般人である宮田、シマ、葉山、叶の4人だけであった。
宮田 24歳
前作『モンキーピーク』から引き続き登場するキャラクター。早乙女・佐藤と共に”岩砕山”の惨劇から生き延びた一人。 茶髪のイケメンで性格が良い、早乙女の中学時代からの友人。前作の”岩砕山”のサバイバルで顔面に大きな切り傷を負っていたが、この一年間でかなり傷跡は薄れている。一方で、”岩砕山”の後遺症で暗所恐怖症になってしまっている。。高橋から”安蔵の森”への猿の探索隊に”アドバイザー”として同行されることを求められた際、早乙女と佐藤と話し合い皆で断った。しかし、何故か先行して”安蔵の森”へ行った”安蔵の森探索隊第一班”に同行して現在は行方不明になったとされている。このことが早乙女が後発の”第二班”に同行する理由となる。そして、”安蔵の森”内にあった洞窟の入ってすぐのところで宮田のネックレスが発見された。これがキッカケとなって”第二班”は洞窟の中を探索することになった。
先述の通り、アドバイザーを断るつもりでかつ暗所恐怖症に陥っていたが、岩砕山でのトラウマを克服するためにあえて第一班の探索に加わった。水場のある第2ホールで他の第一班の生き残り3人と共にいたところ、早乙女達と合流した。
早乙女を巻き込んでしまったことに後悔と罪悪感を抱いており、佐藤のためにも『サッチーは必ず生きて帰らせる』と強く決意している。
自身の弱さに幾度もくじけそうになっていた無印時代と比べると、暗所恐怖症を患っているものの精神的にはかなりタフになっている。そして、無印時代以上に早乙女の良き理解者、相棒となっている。早乙女同様、千葉を危険視し、また高橋を疑っている。
シマ 24歳
外伝である『モンキーサークル』の主人公。ツンツン頭の小柄な青年。 ”安蔵の森探索隊第一班” に加わっていたことが2巻末で判明する。左頬から首筋にかけて大きな引っ掻き傷の様な痕が残っている。
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3年前の“リョウちゃんねる事件”の唯一の生き残り。事件を熊の仕業と判断した世間に対して猿が犯人であることを訴え続けたが、証拠が何も無かったため誰にも信じてもらえず狂人扱いを受け続けた。その後も“安蔵の森”で一人証拠を見つけようと躍起になっていたが、地元住民から疎まれ丸太で脅された際に猿の襲撃によるトラウマから丸太を奪い殴ってしまい、初犯にも関わらず懲役3年の刑に処せられてしまう。その後、高橋に声を掛けられ“第一班”の調査に加わった。
“リョウちゃんねる事件”とその後の世間からの冷たい仕打ち、そして服役という壮絶な経験によって『モンキーサークル』での素直さや溌剌さはなりを潜め、非常に攻撃的な性格となっている。猿に対しての憎しみは早乙女よりも強く、高橋から目的が猿の捕獲だと散々言われているにも関わらず堂々と『猿を殺す』と公言し続けている。東隊長の名前に何か聞き覚えがあるようだが、それが何なのか思い出せずにいる。
千葉が新隊長となった自衛隊に一般組が置き去りにされることを危惧していた早乙女と宮田に『置き去りにされる前にライトを奪わないと”詰み”だ』と言い、ライトを奪取することを提案。そして、早乙女と宮田と共にライトを持っていた清水を襲い、見事にライトを一本奪取した。
葉山 30歳
眼鏡を掛けたポニーテールの女性。ソバカスが多い。“三浦モンキーランド”の職員で、猿の飼育の知識を買われてアドバイザーとして“第一班”の探索に加わった。専門はオランウータンで、以前は3年程ボルネオでオランウータンの保護活動をしていた。
他の”第一班”のメンバーが猿を食べたのに対して、元々食料を持っていたこともあって猿は食べなかったため、今のところ赤崎からは敵ではないと認識されているようである。
猿との死闘の経験がある、早乙女、宮田、シマ、闇堕ちしている赤崎、謎の気迫を放つ偽高橋達とは異なり、ごく普通の一般人。そのため、彼らと異なり現在の状況に心から怯え戸惑っており、千葉達が自分達一般組を切り捨てようとしていると知った際には『自衛官が私たち民間人を見捨てるなんてありえない』と動揺。その後、先の見えない洞窟で『家に帰りたい』と泣き崩れてしまう。…少々情けなく見える彼女だが、他の一般人達のメンタルの強さが異常なだけで彼女の反応の方がごく一般的である。
知識が豊富で目が潰れた猿の存在が明らかになった際は、猿が“エコーロケーション”…自らが発した鳴き声の反響で周囲の状況を識別している可能性が高いことを皆に告げた。
迷路で清水からライトを奪取する際は意外な活躍を見せた。
捜索隊、 死亡者(長く生き延びていた順)
洞窟に閉じ込められて以降の死亡者
叶 内閣調査室職員 34歳
左の小鼻にイボがあるタラコ唇の男性。内閣調査室の職員で高橋の直属の部下にあたる。第2ホールで“第二班”と合流した際は今までの経緯を早乙女達に説明した。地底湖の先で東隊長亡き後、隊長の座を猿を殺すことを躊躇わない千葉が継いだことに不満を不安を抱いている。上司である高橋が危機的状況に対して飄々としているのとは対照的に怯えや弱音を素直に表に出していた。
色々と不幸なキャラであり、迷路で自衛隊員に決別を告げた早乙女に腹を立てた千葉にナイフで左の太ももを刺され、足手まといとして高橋共々自衛隊員に置き去りにされ早乙女達に押し付けられた。…流石にとばっちり過ぎる。その後はケガをしたことと自衛隊員に置き去りにされた恐怖からパニックに陥り『もうダメだ』と泣き叫んでいた(そりゃ泣きたくもなるだろう)。
しかもその直後、何故か上司であるはずの高橋から物陰でひっそりと背後から首を締め上げられ殺され、崖から落とされて滑落死を装われた。何故だ。
…上司である高橋が身分を偽った別人であるため、叶自身も内閣調査室の人間ではない、全くの別人である可能性がある。
木ノ下 上里大学准教授 40歳
ロン毛で斜視のオッサン。猿が死んでしまう事を怖れているため、隊員達には銃を使わず、自身の許可の元で麻酔銃を使う様に指示。 根っからの学者なので戦闘能力・サバイバル能力は皆無で臆病、院生である赤崎に手助けされ励まされて何とか洞窟を進めている状態。洞窟内の探索も及び腰で『フィールドワークは君に任せる』と言って赤崎に行かせ、自身は安全そうな場所を離れようとしない。典型的なお荷物系オジサンである。
『万全のサポートがあり絶対に安心』と言われたため今回の探索に同行したという経緯があるため、今回の探索が実は極秘裏に行われており、自衛隊本部の助けが期待できないと聞かされた際は涙を浮かべて取り乱し、以降も何かとパニックを起こす。
同時に、マッドサイエンティストキャラも担っており、金井が猿に食い殺された際には『人を襲うだけでなく食べる猿なんて、大発見だ、素晴らしい』と歓喜して見せる。泣いたり笑ったりを忙しいヤツである。しかし、教え子である赤崎のことは可愛がっている様で、彼女のことは度々心配し気遣う。
その上で清水が麻酔銃を使わずに猿に向けて発砲した事に怒り、副長である原に隊員達から銃を取り上げるように要求。早乙女に反対されるが、高橋や赤崎が同調したため木ノ下の意見が通り、隊員たちは銃の所持が出来なくなった。
2巻では中猿との交戦後、原副隊長を襲う中猿を麻酔銃で撃とうとした早乙女を邪魔した赤崎を咎めるどころか隊員達が中猿を殺したことを責め、原副隊長の死については『自営隊員は死ぬ覚悟ができているのだから一人二人死んだくらいで睨むな』と叫び、ますます隊員達からヘイトを集めた。その上、食料の配給に文句を言い、隊員達に『俺達の税金で暮らしているのだから食料を寄越せ』と全国の公務員を敵に回す発言をした。その上パニックを起こし洞窟で絶叫するという醜態を晒した。その口ばかりで何もしない姿勢のため下柳からは『自分の小便を飲む覚悟くらいしておいて下さい』と嫌味を言われ、渇きに耐え兼ね渋々飲尿した。3巻では足をケガした阿部を『足手まとい』と言い置いていくように提案する等なかなかのクズっぷりを発揮した。
貴重な猿を大事にしようとはしているものの、心底猿に対して肩入れしている赤崎と異なり猿の事はあくまで研究対象としてしか見ていない。そのため、砂時計ホールの地底湖前で多数の猿の襲撃を受けた際、猿を攻撃しようとする隊員達を止めようとする赤崎に対して『あんなにいるんだから少しぐらい(殺されても構わない)』という発言をしてしまい、赤崎の恨みを買う。
猿の襲撃を受けて混乱する状況の中、泳げないものの赤崎に『私と一緒に行きましょう』と言われ彼女のアシストとロープを頼りに地底湖に潜水しその先の空間に移動しようとした。しかし、上述の事を怒り恨みに思っていた赤崎から地底湖内を移動する中で激しく蹴りつけられロープを手放してしまい、視界が悪い水中でそのままロープを見つけることができずに溺死した。
東 隊長 44歳
”安蔵の森探索隊第二班”。 階級は三佐。鼻の下にヒゲを蓄えており、右頬から首筋にかけて肌色が他の箇所と異なる(皮膚移植の痕か?)。人望に厚く、その実力から『生きる伝説』とまで言われている。部下思いな人物で、崩落で室田を目の前で失った際は悔しがる。 顔の火傷もかつて燃えている木材の下敷きになってしまった千葉を救出する際に出来たものである。
自衛隊本部にも連絡を取れない今回の極秘の作戦に当たっては、理不尽な所もある高橋や木ノ下の注文に従っており、根気よく部下達を指揮する。高橋達の要望に従い、狭い洞窟に入るにあたって隊員達に装備の大半を置いていくこと、特に崩落の恐れがあるので手榴弾を必ず置いていくように命令した。
この様な状況下で崩落によって洞窟内で生き埋めになってしまい、救助の見込みが薄い中でも、積極的に部下達の意見を聞きいれ、他の出口を探す為に洞窟を進む様に冷静に指示をした。しかし、洞窟内の大穴に下りている最中に起きた地震のせいで落石に当たり負傷。左腕・鎖骨骨折の上に脳震盪を起こししばらくの間意識を失っていた。
小猿を食料にすることが決定した後に意識を取り戻し、自身が眠っている間に金井と原が死亡したことに責任を感じ隊員達に土下座して詫びた。阿部から指揮権を取り戻すと隊員達の士気を瞬く間に上げ、第2ホールの存在、さらにその先の砂時計ホールの地底湖の向こうに洞窟が続いていることを突き止めた。
しかし、砂時計ホールで猿の大群に襲撃を受けた際に他の隊員達を逃がすために千葉と共に殿(しんがり)を務めた。そこで多数の猿と戦闘する最中、錯乱した千葉の振り回したナイフが首に刺さり致命傷を負う。
それでも決して千葉を責めず彼に対しては冷静に『逃げろ』と伝え地底湖の先に行かせ、自身は命尽きるまで猿と戦い続けた。
何かしらの有名人であったようで、自衛隊員ではないシマもその名に聞き覚えがあり、千葉も『Aチームの東と言えば…』と誇らしげにしていた。しかし、本人はそんな千葉を制止し最後まで言わせなかったので、何かしら後ろ暗いことがあるのかもしれない…。
阿部 31歳(死亡?)
”安蔵の森探索隊第二班”。無精ひげに糸目のがっしりした体格の男性隊員。優しい顔立ちから察せられる様、少々気が小さく争いごとが苦手。
若い頃に遊びではあるが、ガイド付きの探検ツアーに参加したことがあり、その経験から洞窟の知識を持ち合わせている。またクライミングの経験もある。猿の出現をどこか喜び楽しんでいる様子の吉川を見て戸惑う。
原副隊長の死後、東隊長が意識を取り戻すまでの間に指揮官を任されることになったが、気の小ささから隊員達と高橋・学者達の間で板挟みになり、まともに指揮を取れず、千葉を始めとした一部の隊員からはあからさまに反抗的な態度を取られる。また、小猿を食べるか否かで内紛が起きかけた際はだんまりを決め込んだ。
東隊長の復帰を誰よりも喜んだ一方、東隊長によって隊員達の士気が上がった様子を見て自身の力不足を痛感し、落ち込む。そのため、皆に良い所を見せようと、第2ホールに降りる際にクライミング経験を活かしてロープを使わずに降りようとするも、足を滑らせ落下。左足を骨折してしまった。
その後は他の隊員達の介助が必要な状態になり、足手まといになってしまったと更に自己嫌悪に苛まれてしまった。だが、砂時計ホールの地底湖の前で猿達の襲撃に遭った際、沼口に対して『今まで失態した分を取り返す』と言い、自ら囮を引き受ける…いわゆる『ここは俺に任せて先に行け!』を地でやってのけた。止める後輩の沼口を先に行かせ、『男 阿部ここにあり!!かかってこぉおおい』という叫びと共に猿達に投石で応戦した。
3巻で登場したのはこの直後、ダブルマッスルに飛びかかられているシーンが最後で地底湖を潜って皆のところにやって来なかったため死亡しているものとみなされている。
…ただし、前作『モンキーピーク』や『モンキーサークル』でもそうだったが、明確に死亡したシーンが出ていないキャラは実は生きているというパターンが多いため、彼も存命している可能性がある。
吉川 26歳
”安蔵の森探索隊第二班” 。五分刈りで小柄な体躯、丸い大きな瞳が特徴的な男性隊員。小柄で身軽な体格を活かして”第二班”において、洞窟の中や更にその内部にあった穴の奥等の斥候や先頭を任されることが多い。性格も非常に冷静で物怖じしないようで、斥候を怖れることはなく、また洞窟の崩落や猿の襲撃にも全く狼狽える様子を見せなかった。
沼口曰く『殺し合いで吉川より強い者はいない』とのこと。猿によって金井が殺された直後、他の隊員たちが慌てて警戒する中、一人だけどこか楽しんでいるような表情を浮かべており、その様子はどこか前作『モンキーピーク』の八木を彷彿させる雰囲気がある。
小猿と対峙した際は下柳と共にその戦闘能力を活かし瞬く間に制圧したものの、突如背後から別の猿(中猿)に左肩を噛み付かれる。その後、麻酔銃を撃たれた中猿を拳とナイフで追い詰めたものの左手の小指を食い千切られてしまった。その後は平然としているが、実際は命に別状はないものの、重傷であった。
深刻な食糧・水不足に苦しむ皆に小猿を食うことを提案し、それが採用される。
第2ホールでは怪我をしているにも関わらず”地底湖”の潜水を志願し”地底湖”の先に空間があることを確認した。だが、その直後猿達の集団に襲撃を受けた際、”地底湖”に潜伏してナイフ片手に魔猿の背後から奇襲を掛けたところ、振り向きざまに三等分に輪切りされてしまい即死。
…個人的にキーパーソンとなりえもっと生き延びると予想していたので驚いた。
原 副長 38歳
”安蔵の森探索隊第二班” 。かなり大柄でいかつい体格(どこか前作『モンキーピーク』の安斎を彷彿させる体格)をしている太い眉毛と垂れ目が特徴的な男性隊員。慎重な性格な様で猿の戦闘力を侮る金井を諫めるが、同時にこの”第二班”が精鋭であると自負しており、『猿には学者先生(木ノ下と赤崎)とアドバイザーさん(早乙女)には指一本触れさせません』と言っていた。
東隊長の意識が戻るまで指揮権を取ることになったが、危険な状況にあるにも関わらず猿の生け捕りに執着し、隊員の銃の没収を要求する木ノ下や高橋の言動ににストレスを溜めている様子が見られた。
小猿制圧後に、突然現れ吉川に噛みついた中猿に麻酔銃を撃つも、直後飛び掛かって来た中猿に押し倒され顔面や首を食い千切られて絶命した。
この時、中猿にもう一発麻酔銃を撃とうとした早乙女を赤崎が制止しなければ助かった可能性があるため、彼の死は隊員と一般組間の溝を深めることとなった。
金井 30歳
”安蔵の森探索隊第二班”。丸坊主で顎髭を生やした三白眼の男性隊員。 体力を失っている早乙女のことを千葉と共にバカにしており、皮肉気に『伝説の勇者様にしてアドバイザー』と言っていた。また、『猿を探すだけなら猟友会で十分だろう』と今回の作戦について不満を漏らしていた。
洞窟内で脱出口を探している際、千葉、清水と共に行動をしていたが、小便のために一人岩陰に入る。そこで、猿に襲われ喉を切り裂かれた後に腹を裂かれ内臓を喰われて死亡した。
洞窟の入り口を守っていた隊員3名(死亡した??)北条・伊藤・若林
”安蔵の森探索隊第二班”。 隊員の大半が洞窟内を探索する際に入口を守るように隊長から命じられた。恐らく眉毛が太いのが北条、小柄で鼻が低いのが伊藤、サングラスをかけていたのが若林。
洞窟の入口から何者かに手榴弾を投げ込まれた状況などから、猿あるいはその協力者に襲われ死亡したと考えられている。
手榴弾とそれによる洞窟内の崩落で死亡した隊員4名
室田
”安蔵の森探索隊第二班”。隊長の近くで行動することが多かった、鼻の穴が横に広い男性隊員。手榴弾による洞窟の崩落が起こった際、内田を救出しようとする三木を諦めるように説得している内に避難が遅れ、隊長の目の前で落石に潰され死亡した。
三木
”安蔵の森探索隊第二班”。スポーツ用眼鏡を掛けた男性隊員。軽口を叩く。
洞窟内で手榴弾による崩落が起きた際、逃げないで先に落石に潰された内田を助けようとしたところ、頭部に落石が当たり死亡した。
内田
”安蔵の森探索隊第二班”。口周りに薄いヒゲを生やしており、前歯がすきっ歯。洞窟内で入口付近に投げ込まれた手榴弾の影響で目にダメージを受け、その後に起きた崩落で落石に潰され死亡した。
梶本
”安蔵の森探索隊第二班”。ソバカス(痘痕?)の多い男性隊員。最後尾で洞窟に入ったものの、入口付近に何者かが投げ込んだ手榴弾の爆破に巻き込まれて死亡した。
猿とその仲間達
猿(岩砕山にいた猿)・魔猿
前作である『モンキーピーク』の”岩砕山”、またその外伝である『モンキーサークル』で”安蔵の森”に出てきた猿及びその仲間とされる猿。”鬼猿”や”魔猿”等と呼ばれることもある。
その体格は成人男性よりも大きく、俊敏な上に地下強く、木の棒で襲ってくる他、爪や鋭い牙で攻撃をする。また、知恵があり人間に対して簡単なワナを仕掛けることもある。(詳細は『モンキーピーク』及び『モンキーサークル』の記事を参照)
その一方で野生の猿らしく夜目は効かず、夜間は焚火等の灯りが無い限り襲ってくることはない。
”岩砕山”の一件が世界中に明るみになっている現在、アメリカのとあるとある大富豪が自然保護活動の名目で生体1頭10億円、フレッシュなものであれば死体でも1体2億円の賞金を懸けており、現在は国内に猿を探すグループがいくつか入り込んでいるという。
”岩砕山”で死亡した個体の体に付着していた花粉等から調査をした結果、”安蔵の森”で過ごしていたことが分かり、かつ様々な状況証拠から”岩砕山”にもう一匹この猿がいた可能性が高いことが”内閣情報調査室情報集約センター”の高橋達の調査で発覚し、”安蔵の森”で”探索隊第二班”が洞窟に入る前に一瞬だけ姿を現した。そして、その後、砂時計ホールで洞窟の猿と共に姿を見せる。その場ではすぐに襲い掛からなかったものの”謎の人物”が現れると他の猿と共に捜索隊を襲撃。背後から襲って来た吉川をナタで三等分に輪切りにして殺害した。
安蔵の森の洞窟内の猿
早乙女達”安蔵の森探索隊第二班”が洞窟の中で遭遇した猿。その容姿と性質は”岩砕山”の鬼猿と大きく異なる。早乙女も『似ているけれども何か違う』と感じている。
- ”岩砕山”の猿と比べて小柄で体毛も短く、ハッキリと耳の場所が分かる等、全く異なる容姿をしている。
- ”岩砕山”の猿が夜目が利かなかったのに対し、灯りのない洞窟の中を自由に移動していると思われる(洞窟の中は夜行性で知られる猿のロリスでも活動できない暗闇)。
- ”岩砕山”の猿が人に噛みつくのはあくまで攻撃のための手段であったが、この洞窟の猿は金井の内臓を食している。
この様に”猿”としても不可解な点が多い。
大猿
金井を食い殺した猿。千葉と清水に見付かると直ちに逃走した。成人男性程の体格をしている。
小猿
岩の亀裂の間に潜んでいたのを下柳に発見される。赤崎の見立てによれば、7歳未満のオスの子猿とのこと。成獣と同じく獰猛なものの、吉川と下柳によりアッサリ制圧され、その後は麻酔銃を撃たれ捕獲された。
その後、手足を縛られた状態で5時間おきに麻酔を打たれ眠らされていたが、深刻な食糧・水不足のために第二班の食糧として食べられることになった。
中猿
小猿制圧直後突然現れ吉川の左肩に噛みついた個体。小猿より一回り以上大きく、木ノ下の見立てによれば、成体であるとのこと。
身体能力が小猿よりも格段高く総合格闘を得意とする下柳をパワーで圧倒する。また、原副隊長に麻酔銃を撃たれても怯まず原副隊長に襲い掛かり殺害。その後も暴れ続け吉川の左手の小指を食い千切った。
最終的には吉川に腹部と喉を刺された上、下柳にうなじを滅多刺しにされて絶命した。
この中猿の身体能力の高さは隊員達を震撼させ、吉川は『成体をしっかり絶命させるのは一人では難しい。また麻酔銃だけでは戦えない』と語る。
ダブルマッスル
無毛で筋肉質の猿。砂時計ホールの地底湖前で魔猿や他の猿達と一緒に創作隊員達を襲撃した。大きさは魔猿よりも二回りほど小さい。
猿に詳しい赤崎と葉山からは、倍増筋肉遺伝子変異…筋肉が異様に発達する突然変異の”ダブルマッスル”ではないかと目されている。そのため、他の猿以上の筋力を持っていることが予想され、実際砂時計ホールでは清水が放った銃弾を魔猿を庇う様な形で右腕で受けたが、全く怯む様子を見せなかった。
その他の猿達
砂時計ホールの地底湖前で魔猿、ダブルマッスルと共に捜索隊を襲った猿達。小~中猿程の大きさで何と50匹以上もいた。そのうち一部は捜索隊達との戦闘で死亡している。
葉山の見立てではこの洞窟内でそこまで多くの群れを養うエサはないため、誰かから飼育されている可能性が高いとのこと。
目の潰れた猿
地底湖の先で沼口が発見した猿。目が潰れているが、自らが発した『カカッ』という様な特殊な鳴き声の反響で周囲の状況を識別する…いわゆる“エコーロケーション”を用いていると推測される。
自衛隊と早乙女達一般組が離別した後、高橋が大声を上げた際には同様のタイプの猿が複数やってきた。
口元を覆った謎の黒ずくめの人物、ライトの男
洞窟に入る隊員達の様子を木の陰から見ていた人物。黒い服を着て黒い布で口元を覆っている。正体不明だけどめっちゃ怪しい。
また、砂時計ホールの地底湖の前で捜索隊達に強いライトを浴びせかけ、捜索隊の気を引き、その隙に猿達をロープで隊員達の元へ行かせ襲わせた。
その他
早乙女 貴子(旧姓:佐藤 貴子) 32歳
前作『モンキーピーク』から引き続き登場するキャラクター。早乙女・宮田と共に岩砕山の惨劇から生き延びた一人。右目に眼帯をした背中までの黒髪ストレートの女性。左の口元にホクロがある。 岩砕山での壮絶なサバイバルの結果、右目と右腕を失っている。自分にも他人にも厳しい性格で、やや男性的な話し方をする。
現在は早乙女とは結婚している様で、早乙女からは”貴子”と下の名前で呼ばれている。また、早乙女の子を妊娠している(登場人物欄で”佐藤”と旧姓のままとなっているが、4巻で本物の高橋から”早乙女さん”と呼ばれているので入籍は済ませていると思われる)。
当初は早乙女と宮田と捜索隊には加わらないと言い合っていたが、宮田が捜索隊に加わって行方不明になっていると聞いた早乙女が宮田を救いに行きたいと望んでいる事を察し、一瞬葛藤したものの『行きたいなら行くべきだ』と早乙女の背中を押す。そして、泣きながら『必ず帰る』と早乙女に約束させた。
安蔵の森に向かった早乙女と一週間連絡が取れなくなったことで彼の身に何かが起こったことを察し、内閣調査室に連絡。そこで本物の高橋と会い、自分達に探索への参加を要望した高橋が偽物であったことを知って愕然とする。
本物の高橋
4巻の終盤にて登場。彼こそが本物の内閣情報調査室情報集約センター次長 、高橋学 (42歳)である。早乙女と一週間連絡が取れないことを心配した貴子の連絡を受け、部下と共に喫茶店で貴子と対面した。
偽高橋とは全く似ても似つかないがっしりとした体格に優しい面立ちの男性。
林
前作『モンキーピーク』に登場したキャラクター。明るい色のボブヘアーの美女。故人であり享年21歳。ざっくりとまとめると前作のヒロインであったが、後半で黒幕であったことが明らかになったキャラクター。早乙女にとっては岩砕山で藤谷製薬の社員達を殺した仇にあたるが、同時に苦境に陥った早乙女に励ましの言葉を掛けて救ってくれた恩人でもある。特に彼女が早乙女に言った『あなたが生き残った事には何か意味がある』という言葉は今でも早乙女の心の拠り所になっている。