アラタが記入済の婚姻届を持っていくと真珠は涙を流して喜んだ。その真珠の健気な態度にアラタは心打たれたが、『アラタの邪魔はしない』『ご飯はパックのご飯とツナ缶だけでいい』という卑屈な言動を繰り返す真珠に困惑する。さらに真珠は『アラタが誰かを殺したいのなら手伝う』とまで言い出し…!?
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真珠の正体についての個人的な推測・考察記事
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Contents
以下、あらすじとネタバレ
『世界中が敵に回ってもボクはアラタの味方』…そう強く主張する真珠にアラタは…
『アラタが誰かを殺したいなら手伝う』…そうまで言い出した真珠にアラタは顔色を変える。
やっぱり、こいつは人殺しだ…!!
夏目アラタの結婚20 乃木坂太郎 4/27
真珠の真剣な眼差しを見たアラタは確信する。
すると、真珠は以前アラタが明かした『こどもを虐待する父親を思わず殺そうとしてしまった時の事』(4話目参照)について言及し、『もし殺していたら塀の中で、世間では狂犬扱いされる』『よくやったと賞賛する人もいるだろうが、しょせん口だけで、もし死にかけた父親を前にしたら救急車を呼ぶなりして助けてしまうだろう』と言う。そのうえで、『ボクならトドメを刺す』と断言する真珠。アラタが井手刑務官を見て『係の人が聞いているから』と制止しようとするが真珠は『”殺す”、”殺さない”の話がしたいわけではない』と言う。
「世界中を敵に回しても、ボクはアラタの味方だって話だよ。」
夏目アラタの結婚20 乃木坂太郎 7-8/27
「これが…ボク。変えないで。変えようとしないで…!!」
そう必死に訴える真珠にアラタは言葉を失くすのであった。
拘置所を後にしたアラタは真珠の発言を思い返し、『人殺し云々関係なく、そもそも真珠は”重すぎる”』ということに気付く。食費もスペースも取らない…そう主張する真珠は一見従順だがアラタはこう思うのだ。
実際は要求しないことで責任を放棄してるだけじゃねえ?
夏目アラタの結婚20 乃木坂太郎 10/27
2人の人生に責任を持つ気はないってことだよな…?
もし、不幸な”地獄”にいることになったらそれはアラタの責任…暗にそう言われている気がするのだ。『それはオレの味方とはいえない』と思うアラタ。
真珠って女は、オレがもっともお断りしたいタイプ――なんだぜ!!
夏目アラタの結婚20 乃木坂太郎 11/27
アラタは今さらになってそんな真珠の本質に気付き焦るのであった。
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受理された婚姻届…アラタと真珠は晴れて夫婦に~宮前、卓斗、沙菜…それぞれの反応は!?
しかし、そんなアラタの焦りをよそに、翌日の朝、宮前によって婚姻届は役所に提出された。
「おめでとうございます。僕がなれなかった、素敵な王子様になってあげて下さい。」
夏目アラタの結婚20 乃木坂太郎 12/27
アラタに対してどこか寂しそうに微笑む宮前。宮前はその足で真珠に無事に婚姻届が受理されたことを伝えに行くのであった。
その日、俺と真珠は、正式に夫婦になった。
夏目アラタの結婚20 乃木坂太郎 13-15/27
今一つ実感が沸かないアラタ。夕方に卓斗と落ちあい、卓斗に真珠と結婚したことを告げた。卓斗は驚き同時に『僕のためにそこまで』と罪悪感を抱く。そんな卓斗にアラタは真珠と出会ったきっかけこそ卓斗であったが、結婚するまで関係を発展させたのは自分の責任であると言い、卓斗には来年の受験に集中する様に諭すのであった。
そして、その後アラタはファミレスに沙菜を呼び、彼女にも真珠と結婚したことを告げる。『まさか彼女に対して本気になったんじゃ』と動揺する沙菜にアラタは『結婚は形だけだし、やせっぽちでガキみたいな真珠はタイプじゃない』と答える。それを聞いた沙菜は安心した様に笑うのであった…。
沙菜はアラタを家に上げようとする等積極的なアプローチをする…そんな沙菜にアラタは…
その後、食事を終えると沙菜は『この間みたいに誰かにつけられたら怖いから家まで送ってほしい』とアラタに頼む。アラタは沙菜を家まで送るが、沙菜は『せっかくだからコーヒーでも』と引き止め、アラタが断ると『今日は母が検査入院でいない。家に誰かいると嫌だから確認する間、玄関で待っていてほしい』と強引に玄関に入れる。
そして、アラタが玄関でしばらく待っていると沙菜は階段の上から『兄のDVDをもらってほしい』と声をかける。アラタが亡き兄と同じく古い刑事ドラマが好きだからと。
そう言ってDVDを抱えながら階段を降りてきた沙菜は着替えており、キャミソールに短パン姿にパーカーを羽織っただけであった。胸元も脚も露な格好で、期待に満ちた目でアラタを見つめる沙菜。
けっこう、積極的だよね…この娘。
夏目アラタの結婚20 乃木坂太郎 20/27
苦笑してしまうアラタ。沙菜はすっかりその気で、『他にも沢山あるから中で見ていって。コーヒー入れますね』と笑う。
誘うように背を向けた沙菜の臀部に目が行くアラタはこう答えた。
「…それじゃあ、ゴチになるわ!」
夏目アラタの結婚20 乃木坂太郎 22/27
「また今度お母さんがいる時にでも。」
そして驚く沙菜を残して颯爽と家を去るのであった。
夜道を歩くアラタは月を見上げ思う。今日、アラタと真珠は夫婦になった。普通の夫婦であったら“初夜”を迎えているはずなのだ。
今夜くらいは、お前を想って眠ろうか―
夏目アラタの結婚20 乃木坂太郎 24-25/27
そんなアラタの想いが届いたのか、拘置所で一人横になる真珠は、安心したような表情で眠りにつくのであった…。
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以下、感想と考察
ただ従順なだけなのは責任放棄…結婚に対するアラタの鋭い考察
前話から卑屈なまでに『アラタには迷惑もかけないし、アラタのためなら何でもする』と主張する真珠。一見、健気な真珠のその主張にアラタは圧されてしまうが、冷静になると『文句も言わずに従順についてくるだけなのはただの”責任放棄”なのでは』と考える。
…本当に結婚に対する金言多いよね、この作品。でも、これは本当によくある話でもある。選択権を放棄する変わりに何かあったときに責任(特に精神的な)は負わずに『選択したお前が悪い』と知らんぷりを決め込む。これって経済面においては女性が、家事育児面においては男性がそういう傾向にあるかも。鋭すぎてぐうの音も出ない。
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積極的な沙菜と誘いに乗らないアラタ
そして、ここに来て沙菜がアラタに積極的なアプローチをしてきたのは驚いた。今までも好意をにじませていたけど、今回はかなり強引。でも可愛い。
それにしても沙菜は本当に真珠の対極の様なタイプ。てらいなく好意を示す沙菜に眩しさを覚えたものの、アラタはアッサリとかわして帰る。仮に“初夜”じゃなかったとしてもアラタはバカじゃないから沙菜の誘いに乗らなかったんじゃないかな。
穏やかな終わり方をした20話だが、次は…?
穏やかな雰囲気で終わった20話だけど、このすぐ後に控訴審が開かれるんだよね…。絶対に波乱がやってくる。そして、夫となったアラタにはどの様な影響が出るのだろうか…。
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