【漫画】あなたがしてくれなくても42話【感想・ネタバレ・考察】どんどん前に進んでいくみちに対して不安を抱き始める陽一

あなたがしてくれなくても 7巻表紙

再び陽一と向かい合うことを決めたみち。そんな中、みちは会社の昇進試験を受けることを決め、勉強に邁進する。陽一はそんなみちのために家事を負担することを約束し、しっかりとみちを支えていく。

勉強に熱中するあまり、陽一への執着が無くなるみち。一方、陽一はそんなみちに寂しさを覚え始め…。

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Contents

以下、あらすじとネタバレ

昇進試験を通して変わるみち…そんなみちに陽一は不安を抱き始める

その日も休日だったが、みちは昇進試験に向けてレンタル自習室に行こうとする。そんなみちに陽一は思わず『どこに行くの?』と声を掛けてしまう。『昨日自習室に行くと言ったはず』と答えるみちを呆けた様に眺める陽一。そして、陽一は『その格好で?』と尋ねた。

休日にも関わらずみちはかっちりとしたビジネスカジュアルでかなりお洒落をしていたのだ。

指摘されたみちは赤面する。この間、レンタル自習室で見た格好いい女性に影響されたのだ。恥ずかしくてそのことを言えないみち。そして、今までみちのお洒落に無頓着だった陽一がそんなことを指摘してきたことが意外だった。更に陽一は不安げに活発に『最近どうしたの?』と尋ねる。そして、旅行の日からみちが変わったと言うのだ。

「…何か 今までの生活を捨てようとしてる?」

あなたがしてくれなくても42 ハルノ晴

陽一のその言葉にハッとしたみち。一瞬間を置いてこう『うん』と認め、こう答える。

「捨てるっていうより変わりたいと思ってる」

あなたがしてくれなくても42 ハルノ晴

みちは微笑みながら『今までと一緒だとまた喧嘩になってしまう』『私が変われば少なくとも同じことの繰り返しにはならない』と語る。そして、陽一にも『セックス、セックスと言われるよりもその方が楽でしょ』と明るく言い、肩を叩く。しかし、『だからと言って一生セックスが無くてもいいわけではない』とも付け足した。

「一時休戦って事でどうでしょう?」

あなたがしてくれなくても42 ハルノ晴

そう朗らかにみちは陽一に問いかける。すると、陽一は素直に『うん』と答え、みちはそのまま颯爽と部屋を出る。残された陽一は心もとないようにソファにもたれかかるのであった。

外を歩きながら考えるみち。今までずっと“レス”で頭がいっぱいだったのに、昇進試験の勉強を始めたら驚くほど気にならなくなった。自分も陽一もレスに囚われすぎていた…そう反省するみち。問題は何も解決したわけではないが、みちの気持ちは呪縛から解き放たれたように軽やかだった…。

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無事に試験に合格したみち。華から『誰と祝いたいか考えて』と言われ戸惑う…みちが選ぶのは陽一か、それとも新名か…

試験の前日、みちが会社で働いていると華が気遣って『残業があったら手伝うから言ってください』と声を掛けてくる。みちは嬉しく思うものの『残業でダメになるならそれが私の実力だから』と断る。やれることはやったからあとは本番で頑張るだけ…そうみちは腹を括っていたのだ。

そして、試験当日。陽一は会社の喫煙室で同僚の原田と共に煙草を吸っていた。これでみちの勉強が終わり、家事からも解放される…そう語るも陽一の表情はどこか冴えない。そんな陽一に原田は『お前が家事をするなんて偉い』と褒める。原田自身は妻に浮気がバレてしまい、今は贖罪のために家事を引き受けていると言う。陽一はそんな原田の話に笑って見せるが、内心は不安で仕方が無かった。みちが営みを求めて来なくなったことで息苦しさから解放されたはずなのに、今度は正体が分からない不安感に襲われているのであった。

そして、とうとう試験の結果の発表日がやってきた。

無事に合格したみち。華はクラッカーでみちを祝うだけでなく、『お祝いです』とプレゼントまで手渡す。みちが合格する予感がしていたため、事前に用意していたと言うのだ。さらに、共に試験に挑んだ後輩の田中も合格することが出来たと笑顔で報告して来る。そして、みちに『今日、新名さんとお祝いに食事に行くんですけど一緒にどうですか?』と言う。

それに対してみちは『今日はちょっと…』と断る。一方、華は『私も参加していいですか?』と田中に尋ねる。田中は『もちろんです』と答えた。すると、華はみちに『来たくなったらいつでも連絡してください』と耳打ちする。華はもしみちが新名に会いたくなったときにいつでもお祝いに参加できるように気を回したのだ。そして、戸惑うみちにこう言うのであった。

「自分が一番誰とお祝いしたいかちゃんと考えてくださいね!」

あなたがしてくれなくても42 ハルノ晴

みちの出した意外な答え…そして、陽一はみちが自分から離れていくように感じて焦るものの…

華から投げかけられた『誰と一番お祝いしたいのか』という問いかけに思いの他動揺するみち。そんなこと今まで考えた事もなかったのだ…『そんなの、決まり切っているはず』と。

そんなみちが仕事を終え会社から出て帰宅する途中、陽一から電話が掛かって来る。LINEでみちが合格したことを知った陽一は『良かったな』と喜び、『今日は外で飯を食おう』と嬉しそうに提案した。

しかし、みちはそんな陽一に『あのね…』とある事を言い出すのであった。

…そして、みちは一人で焼き肉店に向かった。店員に人数を尋ねられたみちはおずおずと『一人です』と告げた。そして、緊張したまま席に通された。『一人焼肉デビューだ』とドキドキするみち。しかし、運ばれてきたビールを飲むと何とも言えない解放感に満たされる。陽一に悪いことをしてしまったと思いながらも、みちは自分が誰と一番お祝いをしたいのかを考え、その答えに従ったのだ。

私は私とお祝いしたかった

あなたがしてくれなくても42 ハルノ晴

一方、その頃陽一は所在なさげに一人で駅構内を歩いていた。

電話でみちにお祝いをしようと持ちかけたものの、申し訳なさそうに『一人で喜びを噛みしめたい…ダメかな?』と言われてしまったのだ。その場では『いいよ』と答えたものの、陽一は落胆していた。

すると、後方から三島がやってきて陽一に『おつかれ』と声を掛ける。明らかに元気がない陽一を見た三島は気遣って『原田君たちを誘って飲みにでも行く?』と提案するが陽一は心ここにあらずで生返事しかしない。

俺から離れようとしてる?それとも誰かほかの奴と一緒なのか?

あなたがしてくれなくても42 ハルノ晴

不安がどんどん膨らんでいく陽一。しかし、目の前にいる三島を見てこうも思うのだ。

もし…そうだとしても
俺はみちを責められる立場なのか?

あなたがしてくれなくても42 ハルノ晴

勢いで一回だけとはいえ、三島と最後まで関係を持ってしまった前科がある陽一。今更になってそのことに苦しめられるのであった…。

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以下、感想と考察

華ちゃんがどんどんいい子になっていく

元々、恋愛脳キャラだったものの根は悪くはなかった華ちゃん。しかし、最近みちに感化されてかどんどん良い子になっていっている…。華、みちの事大好きだよな。よく見ているし。惰性で試験を受けた前回と今回の様子の違いをよく分かっていて、合格することを確信してプレゼントを用意しているなんて本当に良い子だ。そして、新名とのことも考えてかなり気を回してくれている。

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自立した女性になっていくみち

華ちゃんはみちが合格を一緒に祝いたい相手が新名なのではないかと考えていた様だけど、みちは一人で祝杯を挙げることを選んだ。

自己研鑽する喜びを覚えたみちは、もう以前の様に”レス”に囚われなくなっただけでなく、精神的に男性に頼るということから脱しつつあるのだろうな。性愛だけが全てではないからね。

取り残された陽一が抱く不安…また三島に甘えてしまうのか?

しかし、そんなみちに取り残されるような形になってしまった陽一はどんどん不安感を募らせていく。『もしかして他の誰かといるのか』という可能性を今になって思い浮かべるのがちょっと救いようがない…。みちはとっくにそのフェーズを越えているぞ。

陽一の性格の悪い所は目先の問題や不安から逃げる癖だろう。今、まさに新しい問題に直面しつつあって、そして、そんなところに丁度三島さんがやってきてしまった。

物語がまとまりそうだと感じていたけど、このままここでまた陽一が三島に逃げようとして、三島がそれを受け入れてしまう可能性も出てきた。

果たしてこのまま物語は収束するのか、それともまた一波乱起きるのか…。

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