みちに『したくてもできない』という正直な気持ちを打ち明けた陽一。みちはショックを受けたものの、新名との関係に決着をつけ、再び陽一と向き合うことを決意した。その後、みちは会社の昇進試験を受けることを決め、陽一に家事分担の協力を求め、陽一も力になることを約束するのであった…。
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Contents
以下、あらすじとネタバレ
田中と華とレンタル自習室にやってきたみち。学習意欲の高い人達に溢れた空間を見たみちは…
広々とした小綺麗な空間に並ぶ沢山のデスクや椅子…。その日、仕事を終えたみちは田中と華と三人でレンタル自習室にやってきたのだ。
共に昇進試験を受けることになったみちと後輩の田中は一緒に論文の対策をするために、仕事後にレンタル自習室を利用することにしたのだ。そして、何故かその話を聞いた華も『私も行きたい!』とついてきたのだ。
『良い男が沢山いる』とはしゃぐ華。みちも田中もレンタル自習室を利用するのは初めてで、『こんな場所だったんだ』と感嘆する。
レンタル自習室には会社帰りであろう人達が沢山いて、皆熱心に勉強や仕事に打ち込んでいる。お洒落にも気を抜かず、とても仕事が出来そうな格好の良い女性がみちの横を通り過ぎていく。そんなレンタル自習室の様子を見つめたみちは、今まで仕事が終わるとただ家でダラダラしているだけだった自分が恥ずかしく思えるのであった。
そして、『2時間後に互いの論文を見せ合う』と田中と約束し、みちもまた論文作成に取りかかるのであった。
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帰宅後、みちは楽しそうに食事の準備をし、積極的に家事をする陽一の姿に驚かされる
その晩、勉強を終えて帰宅したみちを、何やらワクワクした様子の陽一が出迎える。
「今日はステーキだぞ!!」
あなたがしてくれなくても41 ハルノ晴
みちとの約束通り夕飯作りをしようとした陽一はなんと一人あたり2000円以上もする高級牛肉を買ってきたのだ。値段を見たみちは『これから毎日この調子で食費を使われたら大変なことになる』と青ざめ、陽一に注意しようと思った。しかし、
陽ちゃんが台所に立っている
あなたがしてくれなくても41 ハルノ晴
みちを気遣い座るように言い、『最高の焼きにするから』と楽しそうにフライパンに向かう陽一。それは少し前までは見ることの出来ない光景だったのだ。
そう気付いたみちは『今日は別にいいか』と口元をほころばせ、食費については後でやんわり伝えることにした。
そして、陽一は食後も『俺が片付ける』と言い、みちが『片付けくらいするよ』と言っても『いいから!』と譲らなかった。
みちはそんな陽一の好意に甘えることにし、食後も再び勉強に取りかかるのであった。
今日、田中の論文を見たみちは厳しい現実を突きつけられたのだ。田中の論文はみちの論文と比べ物にならない位出来が良く、『昨年は落ちて当然だった』と気付いたのだ。
そんなことを思いながらみちが論文を書いていると、陽一が今度はみちにコーヒーを持ってくる。みちはお礼を言ったものの集中のあまり口をつけず、陽一に『飲まないの?』と尋ねられても『飲むよ』と言うもののやはり論文を書く手を止めることはない。
すると、所在なさげにみちの後ろのソファに寝転んでいた陽一が、突然起き上がりみちの肩を揉み始めた。驚き、『え、なに!?』と叫ぶみち。陽一は『肩凝ってないかと思って…』と言い、みちは『ありがとう』と答えたものの『でも今はいいよ』と告げた。
すると、陽一はちょっとがっかりしたように『じゃあ先に寝る』と寝室に向って行った。みちはそれに『おやすみ』と答え、陽一が去ってしばらくしてから、ふとこう思うのであった。
あれ?今の…もしかして私にちょっかいかけてた…?
あなたがしてくれなくても41 ハルノ晴
しかし、すぐに『いやいや、まさか』と否定し、再び勉強に没頭するのであった。
みちとの関係がとても楽になった一方で、妙な寂しさを感じる陽一
一方、先に寝室に向かいいつも通りゲームをしていた陽一はどこか浮かない気分であった。
旅行に向かう途中の車で、みちに『したくてもできない』と正直な気持ちを打ち明けた陽一。不安はあったものの、みちはその陽一の告白を真摯に受け止めてくれ、その日以降求めて来なくなった。
それ以降、みちとの関係がかなり楽になった陽一。以前レスを巡って喧嘩した後、みちは他人行儀な振舞いをしたりよそよそしくなったりすることがあったが、今のみちの態度は思いやりと優しさに満ちた温かいものであった。しかし…
楽になったはずなのに
あなたがしてくれなくても41 ハルノ晴
何だろう?この気持ち…
陽一は今のみちとの関係に何か物足りないような寂しい気持ちを少しだけ抱いているのであった。
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一方で、互いに吹っ切れたみちと新名は同僚として良好な関係に戻る
翌日、勉強の結果少し寝不足のみちに華が嬉しそうに何枚も名刺を見せてくる。これらは全てレンタルオフィスで男性からもらったものだと言う。『エリート率高いし下手な婚活より良い』と満足げな華に『すごい』と驚くみち。そのとき、みちと華の元に新名がやってくる。『これお願いします』と笑顔でみちに書類を手渡す新名。みちもまたそれに愛想良く応じる。それを見た華はみちに『もしかして元サヤに戻りました?』と小声で尋ねる。だが、みちはこう答える。
「戻ったの同僚の頃に」
あなたがしてくれなくても41 ハルノ晴
「ただそれだけ」
そう晴れやかな表情で告げるみちを華は驚いたように見つめるのであった。
だらしない姿を陽一に見られ恥じるみち…しかし、意外にも陽一はみちのその態度にときめくのであった
その晩、お風呂から上がったみちは時計を見る。時刻はまだ9時前であった。今日は陽一は飲み会でまだ帰ってきていない。『1時間だけゆっくりしてから勉強しよう』…そう思うみちは何とも言えない解放感を抱いていた。
ここのところ陽一の目を気にしていたみちは風呂上がりでも身だしなみにも神経を使っていた。しかし、今は適当なTシャツに短パン、髪も適当に括ってヘアバンドで前髪を上げ、眼鏡を掛けている。そして、それ以上に…みちには楽しみにしているものがあった。
それはカップ麺だ。久々に食べるカップ麺を前ににやけが止まらないみち。たまに無性に食べたくなるものの、陽一と一緒だと食べる機会があまりないのだ。こっそり食べて、明日のゴミの日に乗じて証拠隠滅しよう…そうみちが思っていたそのときだった。飲み会が早く終わったのか、突然陽一が帰ってきたのだ。
リビングに入ってきた陽一が目にしたもの…それはソファの陰にあたふたしながら隠れるみちの姿であった。『何やってるの?』と陽一が尋ねるとみちは赤面しながら『何でもない』と答える。陽一は『玄関に置いてあるゴミを出してきていいのか』と問い、みちが『お願い』と答えながら更に身を隠すのを見て、近付いて『マジでどうしたの?』と尋ねる。
みちはカップ麺を抱き締めながら背を向け『今本当に酷い格好してるから…』と言い、その様子を見た陽一は『ゴミを捨ててくる』と言って部屋から出ていった。
陽一が去ったことにホッとするみち。しかし、ふと、窓ガラスに映った自身の姿を見て絶句する。楽な服装に髪を雑にまとめヘアバンドで前髪を上げ、メガネを掛けてカップ麺を抱え込む女…その姿はあまりにもみっともなかった。
陽一との“レス”をどうにかしようと躍起になってからは身なりに気をつけるようになったものの、それ以前のみちは家の中ではこんな格好で過ごしていても何も思わなかったのだ。
女として終わることに抗おうとしていたのに、同時に平気で女を捨てていた…みちはそう自身を振り返り反省するのであった。
しかし、ゴミ捨て場に向かった陽一は意外にもそうは思っていなかった。格好こそ酷いものの、それを恥ずかしがりソファに身を隠していたみち。その様子を思い返した陽一はみちをいとおしく感じ、少しときめいたのであった…。
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以下、感想と考察
決してただの北風と太陽ではなく、今までの苦労があったからこそ至る事のできた関係
前話の40話から引き続き、家族としてもパートナーとしてもよりいい感じになったみちと陽一。表面的なとこだけ見ると、『陽一がみちに優しくなったりときめいたりしたのはみちが求めなくなったから…”押してもダメなら引いてみろ”、”北風と太陽”の理屈なのでは』と思う人も多いかもしれないが、私はそうではないと思う。
みちと陽一がこの関係になれたのは、今まで散々こじれたり傷つけ合ったりを繰り返して、その結果互いに”適切な思いやり方”を見つけることが出来たからなのではないかと思う。単純な理屈ではない。
こういう人間関係や感情の機微は描くのが中々難しくって、下手すると『今までのくだりは何だったの!?』と急展開に感じられてしまったりもするのだけど、この作品はちゃんと読めば今までの擦れ違い等が全て活きているのが分かるので本当に感心する。
男は女の”隙”にときめくのか
それにしても、陽一がみちにときめいたポイントが『だらしがない格好を恥じて隠れた姿』だったのが何とも…。
よく他の作品でも『バリバリに化粧を決めている女が化粧を落とすと意外にも地味で、しかし、逆にそれを可愛いと感じる』とか『天パを必死で隠す姿をいじらしく感じて惚れる』とかいう描写をよく見るのだけど、実際でもそういう『以外な女の”隙”に惚れる・ときめく』というのはあるのかな?いわゆる”ギャップ萌え”とはまた別の感じなのだろうか…?
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