昇進試験を受けた事をきっかけにみちは勉学やお洒落、新しいことに目を向ける様になり、レス解消に執着しなくなる。だが、陽一はそんなみちを見て『自分から離れていくのでは』という不安や寂しさを抱き始める。
一方、三島は陽一への恋心に区切りをつけ、以前の様な先輩後輩の関係に戻っていたのだが…。
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Contents
以下、あらすじとネタバレ
ある日、三島の元に突然届いた一通の封筒…そして、陽一は三島の様子がおかしいことに気がつく
その日の晩、仕事を終えてアパートに帰宅した三島。疲れた頭で『お腹すいた、ビール飲みたい』といった他愛もないことを考えながら郵便受けを開けた。しかし、そこに入っていた封筒を見て硬直するのであった…。
そして、翌日…。仕事の合間に同僚の原田と共に喫煙室にやって来た陽一。すると、そこで先に煙草を吸っていた三島は二人を見ると『お疲れ~』とだけ言って素早く立ち去ってしまう。
そんな三島の態度に陽一は違和感を覚える。
「…なあ 三島さん元気なくなかった?」
あなたがしてくれなくても45 ハルノ晴
そう原田に問う陽一だったが、原田に『そう?』と言われてしまう。陽一は自分の気のせいだろうかと思うものの、何とも釈然としないのであった。
夕方、仕事を終えて駅に向かった陽一はそこで俯きがちに歩く三島を見掛ける。三島もまた陽一に気付き『お疲れ』と言うものの、やはり逃げる様にその場から早足で立ち去る。
しかし、陽一から離れた三島は再び俯き『あんなことをしなきゃ良かった、そしたら吉野くんを飲みに誘えたのに』と一人落ち込む。
私…なんで寝ちゃったんだろう…どうして不倫なんか…
あなたがしてくれなくても45 ハルノ晴
一度衝動的に肉体関係を結んでしまったがゆえに三島はもう陽一を二人きりで飲もうと誘うことができなかったのだ。本当は“あること”が原因で酷く落ち込んでおり、一人になりたくない、誰かとお酒を飲みたいと思っていたにも関わらず。
だが、孤独さと情けなさから三島が泣き出しそうになったその時だった。
「三島さん」
あなたがしてくれなくても45 ハルノ晴
「よかったら飲みません?」
陽一が三島を追いかけ回り込む様にしてそう声を掛けてきたのだ。意外な陽一の行動に三島は驚くが、同時にホッとしたような表情を浮かべるのであった…。
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居酒屋で三島は2年前に不倫していた男性の妻から突然訴えられたことを打ち明ける
居酒屋に入った三島は上機嫌でどんどん酒を飲み干していく。だが、そんな三島を見た陽一は『やっぱり何かあったんですか?』と尋ねる。そして、『やっぱりって?』と逆に尋ねてきた三島に『今日喫煙室であった時にいつもと違うと思った』と言うのだ。
今まで他人に無頓着であった陽一が隠していた自身の動揺と不安を見抜いていたことに驚き絶句した三島。すると、いきなり鞄から一通の封筒を取り出し机に叩きつけて言うのであった。
「訴えられちゃった」
あなたがしてくれなくても45 ハルノ晴
「前に不倫した相手の奥さんから」
差出人が法律事務所となっているその封筒を見て驚く陽一。そんな陽一に『もう2年も経つのに、今さら』…と三島はぼんやりとした表情で語り出すのであった。
…昨夜突然、法律事務所から内容証明が届いた三島。そして、すぐに追い打ちをかける様に以前の不倫相手、岩井雄二の妻から電話が掛かってきたのだ。
岩井の妻は淡々と『今さらとお思いでしょうが、私もこんなことをするつもりはなかったです』と言うが、『でも最近、夫と連絡を取ったでしょ』と尋ねる。
ハッとする三島。実際に少し前に岩井から”北川”という偽名で『会いたい』という暗に復縁を迫る様なメッセージが来たのだ。しかし、それは岩井から一方的に来たもので、三島はそんな岩井の態度に腹を立てて応じることはしなかったのだ。三島は必死にその事を岩井の妻に伝えようとした。だが、岩井の妻は冷たく『それはどうでもいい。接触したことが許せなかった』と告げる。
「私の心は2年前に死にました」
あなたがしてくれなくても45 ハルノ晴
「2度死ぬのは耐えられません」
岩井の妻のその言葉に、三島は愕然とさせられたのであった…。
いかに自身が相手の妻を傷付けていたのかを実感した三島は『私は幸せになんかなれない』と苦悩する
そんな昨夜の事が原因で、三島は平静を取り繕っていたものの内心ずっと落ち込んでいたのだ。しかし、それは訴えられたことへのショックや不安ではなかった。自身が行った不倫という行為が、”死ぬ”という言葉を使わせてしまう程までに相手の妻を傷つけていたという事を実感し強い罪悪感を抱いたのだ。
「そりゃ私 幸せになんか絶対になれないよね」
あなたがしてくれなくても45 ハルノ晴
以前から不倫と言う不毛な恋愛ばかり繰り返してしまうことを悲観していた三市まであったが、今回のことで『自分は不幸になって当然の人間』とますます感じる様になってしまったのだ。…そんな三島の話を陽一はただただ黙って聞き続けるのであった…。
その後、三島は泥酔してしまい、陽一が仕方がなく三島をアパートの部屋の中まで送った。
フラフラになりながらソファーにクッションに顔を埋める三島。三島を送るのに疲れてしまった陽一はそのまま『帰りますね』と告げて立ち去ろうとする。だが、突然三島はこう言い出すのであった。
「…私 吉野君の奥さんにも訴えられるかもね…」
あなたがしてくれなくても45 ハルノ晴
「慰謝料…払えるかな」
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三島を部屋に送った陽一は『幸せになれないなんてことはない』と励ます…すると再び陽一への想いがぶり返した三島は陽一に抱き付いてしまい…!?
三島の発言は、陽一との”一夜の過ち”を蒸し返す、非常に不穏でネガティブなものであった。
しかし、意外にも陽一は動揺しなかった。それどころか、三島の横にしゃがみ込むと三島の目を見てこう答えた。
「大丈夫っすよ」
あなたがしてくれなくても45 ハルノ晴
「全部俺が悪いんで俺が払いますから」
大真面目にはっきりとそう言った陽一。驚いて顔を上げた三島に『心配しないで下さい』と小さく笑って立ち上がる。
そして、部屋を出る前に思い出したように『三島さんはいい女ですよ』と立ち止まる。そして、『話しやすいし、周りに気を遣える』と三島の長所を挙げていく。
「さっき「幸せになれない」って言ってたけど」
あなたがしてくれなくても45 ハルノ晴
「オレはそうは思いません」
そう言って陽一は今度こそ部屋を出るのであった。
だが、その言葉を聞いた三島は衝動的に起き上がり、陽一を追いかけ後ろから抱き付いてしまう。
そして、驚く陽一に泣きながらこう言うのであった…。
「…吉野君」
あなたがしてくれなくても45 ハルノ晴
「好き…」
以下、感想と考察
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人を思いやれるように成長した陽一だったが…果たして陽一は三島の誘惑に抗えるのか!?
今まで良くも悪くもマイペースで人の心の機微に疎かった陽一。しかし、みちとの“レス”を巡るやりとりや、三島との一件で自身の今までの在り方を反省し、周囲を思いやれるように成長した。きっと以前の陽一だったら、喫煙所でちょっと挨拶したくらいじゃ三島が落ち込んでるなんて気付かないし、仮に気付いたとしても『俺が口出す子とじゃないし…』とかなんとか言ってスルーしていただろう。でも、今回は三島の苦悩に気付くだけでなく、酒に付き合い、彼なりに精一杯三島を励ましたのだ。
人の心を思いやれるように成長したな…と感心もした。…けど、色々とタイミングが悪い。そりゃあ、家まで送ってしまって、そのタイミングであんなに良いことを言ってしまったら三島もすがるよね。
是非とも陽一にはここで『妻がいるから』と踏ん張って留まってほしいところだけど、最近のみちの変化に寂しさと不安を抱いているところだったから、やっぱりその場の空気に飲まれて三島を抱いてしまうのだろうか。でも、みちと新名の関係と違って、陽一は三島に対して恋愛感情は一切抱いておらず、三島への感情はどちらかというと友愛というか、色々と気付かせてくれたことへの恩や敬意といったものであるように感じる。
だからこそ、ここですがってくる三島を『ここで再び肉体関係を持ってしまったら、自分も三島さんも何も変われない』というように諭せたら良いのだけど。そしたら陽一への好感度いっきに上がるけどなぁ…。
果たして、陽一はどうする!?
不倫という負の連鎖から抜け出せない三島…三島の抱える闇は深く暗い
しかし、三島さんの辛くて不安な気持ちは分かるけど、そこで陽一にすがってしまったら何も変われないのに…。かつての不倫への罪悪感から逃げるために別の既婚者にすがって関係を持ってしまいなんてしたら、負の連鎖どころではない。でも、三島さんが不倫を繰り返してしまう根本には生い立ちも絡んでいるみたいだから、もうちょっとやそっとの決意なんかでは簡単には抜け出せないのかもしれない。もうある種の依存症なんだろうな。彼女の中では
①不倫する→②寂しさが埋まる→③でも、『自分は誰かの一番にはなれない』という不安と不満が溜まる→④不倫相手と逢瀬することで『私は奥さんに勝った』と自尊心が満たされる→③、④を交互に繰り返す→⑤相手と別れるけど、寂しさと自己肯定感の低さに苦しむ→①に戻る…というのがパターン化してしまっている様だ。
三島さん、根は賢くて優しい人なのだから、どうにかしてこの負のスパイラルから抜け出してほしい。
果たして、どうなる。
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