【漫画】ハイスコアガールCONTINUE2巻【感想・ネタバレ・考察】中学生になったハルオに惹かれる新ヒロイン、日高小春

ハイスコアガール2巻表紙

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【漫画】ハイスコアガールCONTINUE1巻【感想・ネタバレ・考察】ゲームに全てを捧ぐ小学生、ハルオと大野の出会いと別れ

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【漫画】ハイスコアガール10巻・最終巻【感想・ネタバレ・考察】ハルオと大野の最終決戦の行方は?~ラストに巻き起こる奇跡

1990年代の対戦型格闘ゲームブームの中、小学6年生の矢口春雄(ハルオ)は全ての情熱をゲームセンターのゲームに注いでおり、特に『ストリートファイターⅡ(ストⅡ)』の腕に絶大な自信を持っていた。しかし、ある日、突如ゲーセンに現れた、クラスメイトで優等生のお嬢様、大野晶にストⅡで圧倒的な実力差を見せつけられてしまう。
当初は一見すべてに恵まれており、無口で何を考えているか分からない大野に憎しみに近い対抗意識を燃やすハルオと、そんなハルオを冷たくあしらう大野であったが、何度も筐体の前で肩を並べるうちに、二人はぶつかり合いながらも徐々に絆を深めていった。 しかし、大野は家族の都合でアメリカに行くことが決まる
空港まで駆けつけたハルオは大野に、二人で行ったゲーセンで取った指輪を渡し、大野は号泣しながらそれを受け取る。
涙を流して大野を見送ったハルオは、大野との再会・再戦に向けて強くなることを誓ったのであった。

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Contents

以下、あらすじとネタバレ

10-CREDIT~中学2年生になったハルオと、クラスメイトの日高小春の出会い

1993年、10月『スーパーストリートファイターⅡ』が登場し、12月にはゲーム史上初のポリゴン格闘ゲーム『バーチャファイター』がゲーセンを沸かせていた。中学2年生のハルオは相変わらずゲーセン通いをしており、生活指導の先生に見つかりそうになってやり始めたばかりの『バーチャファイター』を諦め、級友たちと泣く泣くゲーセンから逃走していた。

そんなハルオの姿を偶然クラスメイトの女子、日高小春(ひだかこはる)が目にしていた。ハルオとさして親しくもない日高は『気ままでいいな』と思う。来年から3年生で高校受験の勉強が始まるというのに、ゲーセンで遊ぶハルオが理解できなかったのだ。

日高の家は小さな商店『日高商店』を営んでいる。日高の父は若者に流行っているゲームの筐体を店の前に新たに設置し、娘である日高に『プレイしてみるか?』と言うが興味を持てない日高は断り自室で勉強を始める。

だが、そんな日高は『私は遊びの才能がない』とどこかつまらなく感じており、ゲーセンから逃げ去りながらもどこか楽しそうだったハルオの姿を思い出し、少し羨ましく思うのであった。

翌日、ハルオは学校でゲーセンに入り浸っていることがバレて、放課後居残って反省文を書かされるハメになる。しかし、教室から他の生徒がいなくなったことを確認したハルオは反省文そっちのけでゲーム機を鞄から取り出す。

しかし、そんなハルオに日高が背後から声を掛ける。日高はその日、日直で教室の鍵を閉めねばならないためハルオに早く帰ってほしいのだ。ハルオの持っていた携帯ゲーム機を『ゲームボーイ』と言った日高に、ハルオは『PCエンジンGTだ!!』と訂正してその素晴らしさを語ろうとする。しかし、日高から『いいから反省文書いて教室から出てほしい』と再度言われ、反省文を書かないで帰って行く。日高はそんなハルオの自由さに呆れながらもどこか感心してしまう。

しかし、教室の鍵を閉めた日高が帰ろうとすると、外は吹雪になっていた。雨具を持っておらず、『矢口君のせいだ』と恨みながら吹雪に震えながら帰る日高。すると、途中にある店の中からハルオが日高を呼び、中に入れた。

そこはハルオの行きつけの駄菓子屋『戸塚商店』であり、買い食いする時や雨宿りのためによく使っているという。だが、ハルオは『ここに来る一番の理由はコレ』と『ストリートファイターⅡダッシュ』の筐体を見せる。『ストⅡダッシュ』について語るハルオを『本当にゲームが好きなんだ』と思いながら眺める日高。するとハルオはそんな日高に言う。

「ちょっとやってみろや日高」
「楽しそうな事は率先してやってみねーとな…日高の遊びの幅も広がるかもしれんだろ?」

ハイスコアガールCONTINUE 2巻 押切蓮介 23/200

『私がゲームにハマるかもしれないと言うの?』『ゲームしたことがないのに…』そう困惑する日高であったが、外はどうせ吹雪で出られないこともあり、躊躇いながらも『ストⅡダッシュ』をプレイする。

…『手元を見ながらの操作』『典型的なガチャ作法』…恐る恐るプレイする日高をそう冷静に観察しながらもそのうぶさ加減を微笑ましく思ったハルオ。だが、日高が『強そうだから』とザンギエフを選んだことに驚き、ザンギエフを操作する日高の姿を見て、かつて大野と肩を並べていた日々を思い出し、複雑な気持ちになるのであった。

その後、日高は初心者であるにも関わらず、偶然にも『スクリューパイルドライバー』を出したり、『ヘッドバッド対空対処』をし、またしてもハルオを驚かせる。結局、『怖くなってきた』という日高に代わってハルオがクリアすることになったが、クリアする頃には吹雪は晴れていた。

帰り道、再びゲームの素晴らしさについて語るハルオに日高は『自分は後ろから見ている方が好き』と言うが、ハルオがあの駄菓子屋に、年老いた店主を元気付けるために毎日通っていたことを知り好感を持つ。そして、自分の家も筐体を導入したことを告げた。

日高の家に『天地を喰らう』『熱血硬派くにおくん』『源平討魔伝』があると聞いて興奮したハルオは『冬休みは毎日、日高の店に行ってやる』と叫ぶ。そんなハルオに呆れながらも日高は気付くのであった。

…あれ?なんで私…ちょっと浮かれてんだろ…

ハイスコアガールCONTINUE 2巻 押切蓮介 29/200

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11-CREDIT~クリスマスパーティーの日、日高の店でゲームに興じるハルオ…ハルオと日高は二人でプレゼント交換をして…

『源平討魔伝』の世界をハルオと共に彷徨う夢を見た日高。ハルオに触発されて寝る前にゲームカタログを読んだためであった。

2学期の終業式、学校では同級生たちの間でクリスマス会を開こうという話が持ち上がっていた。集まってパーティーをして、最後に皆でプレゼント交換をするというのだ。日高はハルオが参加するかどうかが気になり、それとなくハルオの席を見る。

ハルオは『戸塚商店』が店じまいしたことにヘコんでおり、クラスメイトのイケメンの親友、宮尾に家でファミコンで遊ばないかと誘われても『ファミコンじゃ心が動かない』と不満をもらしていた。そんなハルオを見て『ゲームのことになると上から目線の殿様気分』と呆れる日高であったが、ハルオと宮尾の会話から、ハルオもクリスマス会に参加する予定だと知ると、自身もクリスマス会に行くことを決めるのであった。

日高が家に帰ると、父親の狙い通りにゲーム目当ての少年少女達で店の前が賑わっていた。冬休み、自室の窓から度々、外の筐体の前にハルオの姿が無いか確認してしまう日高。しかし、ハルオがやって来ることのないまま、クリスマス会の日がやって来た。

プレゼントを持った日高が外に出ると、そこには筐体の前でよだれを垂らしながら『熱血硬派くにおくん』をプレイするハルオの姿があった。歩道に面している場所のため、筐体の前にイスが置いてなく膝立ちでプレイするしかないため、どうしても口が開いてしまうと説明するハルオに、日高は『これからクリスマス会なのに』と言う。しかし、ハルオは『コッチの方が重要だ』と応える。そして、『ゲームが来たことで不良のたまり場になるんじゃないか心配』と言う日高に『俺みたいなゲーマーは目障りだろうから、見かけても気を使わないで無視してくれ』と笑うのだ。だが、日高はその言葉に思わず『なんでそんな事言うの?』と口にしてしまう。日高が何と言ったか聞き取れず、意識が逸れたハルオは負けてしまい、ゲームが終わった。

ゲームが終わったハルオが『一緒にクリスマスパーティー行くか?』尋ね、日高は喜んで『うん』と返事をしたその時、日高の父がストⅡシリーズの最新作、『スーパーストリートファイターⅡ』の基板を買って帰って来た。『スパⅡ!?』と驚愕するハルオは日高の父とそのまま盛り上がり、基板を筐体に差す瞬間を見せてもらい、『一番乗りだぜ!!』とはしゃいでそのままプレイを始める。そして、『クリスマスパーティーよりスパⅡが大切だから、日高、すまんが1人で…』と言う。

すると、日高も『私もクリスマスパーティー行くのをやめる』と言い出し、驚くハルオの後ろに立ち、プレイを見守る。そして、一緒にプレイするか?と誘うハルオに『うしろで見てる方が好き』と言う。そのままスパⅡをプレイするハルオと喋る日高。家で過ごすのが好き、ゲームが好きだと言うと『殻にこもっている』と言われるがそれは違うと言うハルオ。

「逆に重い殻から飛び出せるっていうかな」
「自分の意思に忠実に生きるのも身軽で気持ちのいい生き方ってもんよ」

ハイスコアガールCONTINUE 2巻 押切蓮介 51/200

ハルオのその言葉に『だから矢口君はいつも楽しそうなんだ』と感心する日高。ハルオはそんな日高に『逆にお前は窮屈そうだ』と笑う。

すると、日高は『じゃあなんとかしてよ』と言い、ゲームカタログを見て、やりたいと思った『セプテントリオン』『弟切草』を挙げた。だが、ハルオは日高にキッパリ言い放つ。

「やだ。自分でやれ」
「最初から「出来ねー」ってあきらめてどうすんだ。やってどうしてもダメな時に俺に言え」
「そん時は俺がビシッと手本を見したるからよ」

ハイスコアガールCONTINUE 2巻 押切蓮介 53/200

そんなハルオの言葉に拗ねて内心『自分の腕前を誇示したいだけじゃない』と毒づく日高。しかし、別れ際、二人でプレゼント交換をしようと提案する。日高のプレゼントは手編の手袋。『寒い中、ゲームをするのに役立つから良かった』と言う日高にハルオは『手袋しながらだと操作性が若干狂う』と答えながらもそれを受け取り、日高に『顔が赤い、風邪じゃねーの』と指摘する。寒い中、ずっと外に居たせいで日高は38度の熱を出しており、帰ってすぐ母の看病を受けることになる。

しかし、日高はどこか満足げであった。枕元にはハルオからのプレゼント…ゲーム情報雑誌『GAMEST(ゲーメスト)』が置かれていた。

12-CREDIT~正月にハルオと遭遇した日高はともにゲーセンに行くも、腹を立てて先に帰ってしまう

年明け、町でお使いをしていた日高はハルオと遭遇する。ハルオが自身の手編の手袋をしていることを喜ぶ日高。ハルオはゲームショップのお年玉セールにやって来たのだという。ハルオについてゲームショップにやってきた日高はSFCの『モータルコンバット』に興味を持つ。すると、ハルオは『そのゲームの本物の良さを伝える』と言って日高をゲーセンに連れていく。

初めてのゲーセンに困惑する日高だが、ハルオは早速『モータルコンバット』をプレイして見せる。シュールな世界観に何とも言えない表情を浮かべる日高。キャラクター達が何を言っているのかをハルオと共に推測し合ったりするも、日高はハルオに勧められてプレイすることになる。

操作の難しさに弱音を吐く日高。しかし、勝ち進んだ上、なんとフィニッシュの『究極神拳』を出した。

『まぐれだ』と思いながらも愕然とするハルオ。日高は以前も初めての『ストⅡ』でザンギエフのスクリューパイルドライバーを出していたのだ。

コイツはもしかすると…天性の持ち主なのかもしれん
いけすかねぇ、俺が持ってねーもんを持ってやがって

ハイスコアガールCONTINUE 2巻 押切蓮介 66/200

日高に対して、かつて大野に抱いていた対抗意識を持ってしまったハルオは、日高に自身の腕前を見せつけようと、『サムライスピリッツ』で対戦相手を徹底的に屈辱を与えるような方法で倒していく。だが、日高はそんなハルオのプレイを見て『初心者の私が見て分かるくらい、底意地の悪さが伝わってくる』と引いてしまう。

更にハルオは得意気に『日高からもらった手袋のおかげで超連打が可能になったけど、そのせいでボロボロになった』と磨り減った手袋を見せ、日高は黙ったままだが酷く腹を立てる。

そして、その直後、陰険プレイが仇となり、ハルオは対戦相手の男と取っ組み合いの喧嘩になってしまう(しかも、どちらもケンカ慣れしていないため、ただ服を引っ張り合うだけという格好の悪さ)。

そんなハルオに怒った日高は1人でゲーセンから立ち去ってしまう。

嫌い!!あんな男大嫌い!!

ハイスコアガールCONTINUE 2巻 押切蓮介 72/200

そう思って涙を滲ませすらした日高。だが、夜ベッドで横になると、『マイペースな性格は以前から分かってたこと』『私をゲーセンに連れていったばかりにゲームショップのセールで何も買えなかったのではないか』と考え、『なんか悪いことをしちゃったかも』と思う。しかし、『矢口君なんてどうでもいい』と自身に言い聞かせるのであった。

翌日は雪だった。だが、父が日高に『この間のボーイフレンドが外で深刻そうな顔をしている』と告げる。自室の窓からそっと外をみる日高。するとハルオが思い詰めた表情で筐体の前に居た。

『私が昨日怒って帰ったからそれを気にしているの?』と思う日高だったが、ハルオが延々と『スパⅡ』をプレイしている音が聞こえるので、『ただゲームをしに来ただけだ』とちょっとガッカリする。しかし、いつの間にかハルオのプレイする音に聞き入ってしまう日高。だが、外は次第に吹雪になってきて、それでも帰らずプレイを続けるハルオに日高は驚愕する。

『…ひょっとしたら私が出てくるのを待ってくれてるんじゃ』と期待してしまう日高。『それは思い上がり』と自分に言い聞かせながらも『呼んでくれたら普通に顔を出せるのに』と悶々とする。そして、堪りかねて温かいお茶を持ってハルオの元へ向かうのであった。

『こんな吹雪の中馬鹿じゃないの?』と日高が言うとハルオは『俺は馬鹿だとも』と笑顔で返し、ゲームで手を離せないからお茶を飲ませて欲しいと日高に頼む。お茶を飲ませながら日高は『私に何か用があったの?』とそれとなく聞くが、ハルオはキッパリと『特にない』と言い、叩き出したハイスコアを自慢するのであった。そんなハルオに苛立ちながらも何故か惹かれてしまう日高。

…ホント…ブレない人…

ハイスコアガールCONTINUE 2巻 押切蓮介 81/200

そう思いながら、筐体の電源を落とし、ハルオは悲鳴を上げるのであった。

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13-CREDIT~バレンタインデーに風邪で欠席したハルオの元を訪ねる日高

バレンタインデーの日、日高はハルオに“義理チョコ”を用意していたが、ハルオは風邪で学校を休んでいた。『図々しいかな』と思いながらもハルオの家までやって来て、チョコを渡すかポストに入れて帰るかで悩む日高。するとちょうどハルオの母、なみえが帰宅してきて、日高の目的を察し(バレンタインデーなので)、招き入れるのであった。

風邪にかこつけて部屋でテレビゲーム三昧のハルオ。なみえは日高をそんなハルオの部屋に通し、日高はハルオに義理チョコとゲーメストの新刊を渡す。チョコそっちのけでゲーメストに大喜びするハルオに複雑な気持ちになった日高はそのまま帰ろうとした。しかし、なみえがホットケーキを振る舞ったため、しばらくハルオの部屋で過ごすこととなった。

二人きりになったハルオと日高。ハルオの部屋にあるゲーム機の数と、それらが箱に入れられ整理されていることに日高は驚く。そんな日高にハルオは『地獄めぐり』『改造町人シュビビンマン』等のPCエンジンのソフトを紹介し、『やってみるか?』と尋ねる。だが、日高は『矢口君がプレイするのを後ろから見たい』と言ってハルオの背中に熱い眼差しを送る。『超絶倫人ベラボーマン』『奇々怪界』『ドラゴンスピリット』『源平討魔伝、巻ノ弐』をプレイしたり、語ったりするハルオ。だが、ハルオは体調の悪さからふらつき始め、『あとは一人でやってくれ』と布団で横になる。

だが、ボンヤリしながらふと、ゲームを見ると、日高が『功夫』をプレイしていた。それはかつて、ハルオが同じ様に風邪をひいた時、見舞いにやってきた大野がプレイしたゲームだった。日高の後ろ姿を大野のそれに重ね合わせたハルオは『今頃何やってるのか』と大野に思いを馳せた。

…久しぶりに対戦してえなぁ…大野と…

ハイスコアガールCONTINUE 2巻 押切蓮介 103/200

ハルオの家を出た日高は帰りながら、急にハルオが静かになったことに『無理させちゃったかな』と心配していた。

しかし、同時に日高はあることを理解していた。

矢口君は私の事なんて全然見てないって事 それでもこの気持ちは曲げたくない…

ハイスコアガールCONTINUE 2巻 押切蓮介 104/200

日高は涙を浮かべながらも、そう強く思うのであった。

そして、ハルオは感傷に浸りかけていた自分に活を入れ、いつか大野が戻ってきた時のため、『精進あるのみだ』とSFC版のストⅡターボをプレイするのであった。

だが、その頃、大野晶を乗せた飛行機がアメリカから日本に到着し、大野はじいやと家庭教師の業田萌美に空港で迎えられているのであった…。

14-CREDIT~『スーパーストリートファイターⅡX』に集中するあまり、ハルオは大野が戻ってきたことに気付かず…

1994年4月…中学3年生になったハルオはまたしても日高とイケメンの親友、宮尾と同じクラス、4組になった。

しかし、クラス替えなどお構いなしにゲームの事しか頭に無いハルオ。宮尾から『1組に入った転入生がかなりの美人らしい』と言われても興味が湧かず、最近導入された『スーパーストリートファイターⅡX』で自身の腕を磨くこうと意欲を燃やすのであった。

そして、放課後に同じ小学校出身の鬼塚が『南小卒業生ならビックリする人物が帰って来た』とハルオに伝えに来るが、ハルオは既にゲーセンに行くため教室から去った後であった…。

その頃、日高はゲーム雑誌を買いに行ったショッピングセンターのゲームコーナーでハルオを見つける。ハルオはここの『スパⅡX』目当てにやって来たのだ。しかし、『スパⅡX』は人気があり、長蛇の列。待ちきれなくなったハルオは大型ゲーセンに移動した。『私も格ゲー上手くなってみたい』と言う日高に『甘く見るな』と説教するハルオ。しかし、そのまま日高がついて来るのを許すのであった。

ゲーセンで順番を待って『スパⅡX』の対戦台に座るハルオ。『ストⅡ』で強かったがゆえに以降、必殺技の追加が無かったガイルだが、この『スパⅡX』ではちゃんと他のキャラ同様に『スーパーコンボ』が追加されたのだ。コマンドが難しいにもかかわらず『ダブルサマーソルトキック』をしっかり決めるハルオにギャラリーはどよめく。しかし、後ろで見ていた日高はギャラリーが『この子(ハルオ)もすごいが、昨日来ていたザンギエフ使いの女子中学生が21連勝もして凄かった』と語っているのを聞いて、『女の子でもそういう子がいるんだ』と驚く。

ハルオはあっという間に11連勝する。初心者を弱パンチだけで倒すハルオが優しいのか性格が悪いのか計りかねる日高は『もし一緒になって結婚とかしたら大変そう』等と考えたりしていた。

しかし、そこに生活指導の沼田が見回りにやって来た。連勝記録を放置できず、かといって見つかるわけにもいかないハルオ。日高は自身が一度帰宅して私服であることから『連勝記録止めちゃうかもしれないけど』と言いつつ、沼田が去るまで制服姿のハルオにトイレに隠れる様に提案し、プレイを代わった。ハルオは『ここはまかせた』と言ってトイレに逃げ、日高はギャラリーから『カップルでの共同プレイ』と言われ、有頂天になりながらも、なんとか勝利することができた。

しかし、次の挑戦者はキャラ選びに時間が掛かっているのか、中々選ばず、日高が疑問に思っていると、なんと『隠しキャラ』を出してきた。騒然とするギャラリー。そして、その相手は半端なく強く、日高は手も足も出ず、惨敗してしまう。そして、その相手は同じくらいの年の少女で、『お嬢様』と呼ぶ声にすぐに立ち去ってしまうのであった。

トイレから戻ってきたハルオは事の次第を日高から聞くと、『導入されてすぐなのに隠しキャラを出せるなんてそいつはただ者じゃねえ!』『詳しいことを聞き出さねえと』とゲーセンの外に飛び出す。すると、車に軽く跳ねられ、『以前にも同じ感触を経験したような』と思いながらその場に倒れてしまう。

そして、その車を運転していたのはじいやで、後ろに座る大野晶に尋ねる。

「あそこにいるお坊ちゃん…お嬢様のお友達だったお方では…」

ハイスコアガールCONTINUE 2巻 押切蓮介 134/200

しかし、大野は振り返りもせず、そのままじいやに車を出させるのであった…。

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15-CREDIT~ゲーセンで大野に対戦を挑んだハルオ…しかし、大野はハルオを避け続け…

放課後、日高、宮尾と共に外掃除をしていたハルオは鬼塚からようやく大野が帰国しこの学校に転校してきたことを聞く。驚きながらも武者震いが止まらないハルオ。

とうとう帰ってきたか…大野…!!

ハイスコアガールCONTINUE 2巻 押切蓮介 138-139/200

しかし、じいやの車に乗る大野は親しげな様子のハルオと日高を見つめ、車を出させるのであった。

帰宅後、ハルオは早速ゲーセンで大野の姿を探す。初めて大野と出くわしたゲームセンター『マルミヤ』でなんと大野は『スパⅡX』で104連勝していた。相変わらずザンギエフで『人間吸引機』のごとくスクリューを決め、そして『ファイナルアトミックバスター』を炸裂させる大野。ハルオはそんな大野と目を合わせるが、大野は目を伏せる。

そんな大野の表情に気付くことなく、『やはり期待を裏切らないヤツだ』と感激したハルオ。そして、久しぶりと声を掛ける代わりに対戦台に座り、自身の腕前の進化を見せつけようとした。

だが、対戦が始まっても大野のザンギエフは動かず、ハルオが驚いて立ち上がると、なんとすでに対戦台から姿を消していた。

『ようやく白黒つけようという時に』『ワケが分からねえ』と混乱しながら大野を探すハルオ。すると、以前2人でプレイしていた『ファイナルファイト』をプレイする大野を見つけるも、うっかり2プレイヤーボタンを押してしまい、協力プレイにしてしまう。『悪い』と謝りながら、とりあえず大野の隣に座ってプレイをするハルオ。しかし、大野はハルオの方を見ようともせず、ハガーを使ってハルオのガイを殴ったり、アイテムをワザと取らせなかったりと、ひたすら妨害するようなプレイをする。

『昔の息の合った共同プレイが嘘みたいだ』と嘆くハルオ。大野のプレイが何かの当てつけで、自身に何か怒りを感じていることは分かったが、その理由が分からず困惑する。そして、

お…俺は今日のためにストⅡダッシュからスパⅡXまで修行してきたのだ…それもこれもお前とまた戦う事を夢見て積み重ねてきた……
唯一 同志(ライバル)と呼べるヤツが帰ってきたと…嬉しかったのによ

ハイスコアガールCONTINUE 2巻 押切蓮介 154-155/200

そう思って泣きそうになってしまう。そして、ザンギエフで104連勝した大野を自身より遥かに上、雲の上の存在になってしまったと思い、『自分には大野と肩を並べてプレイする資格はない』と落ち込むのであった。

その後、『ファイナルファイト』は最後までクリアしたものの、二人はろくに言葉を交わすことなく、ハルオは迎えに来たじいやの車に乗り込む大野の姿を見送る。相変わらず大量の稽古を課せられている様子の大野を心配するハルオであったが、何も声を掛けることは出来なかった。そんな二人の姿をたまたま家族と買い物に来ていた日高は遠目に見つけるのであった。

そして、ゲーセンから遠退くじいやの車の中で大野はハルオとの日々を思い出しながら、寂しそうに首にかけた、例の指輪を見つめているのであった…。

巻末オマケ、SPECIAL-CREDIT1~大野を夏祭りに連れていった小学生のハルオ

小学6年生だったハルオは夏休み、行きつけのゲーセン『戸塚商店』が休みで暇をもて余したこともあり、大野を連れて近所の夏祭りに行く。どうやら夏祭りが初めてで感動している様子の大野。ハルオは早速“屋台ゲーセン”を見つけておおはしゃぎする。

『サイバリオン』『ファンタジーゾーン』『オペレーションウルフ』『デスブレイド』等のゲームを紹介しながらプレイして見せるハルオ。しかし、大野はどこか心ここにあらずな様子であった。

大野のもじもじした態度から、ハルオは大野がゲームではなく、お祭りそのものに興味を持っていることに気付き、『せっかくの縁日だからゲームだけに没頭するのも勿体ないかもしれん』と大野が夏祭りを廻るのに付き合ってあげることにした。

だが、他校の女子達が楽しそうに闊歩しているのを見て、大野は自分みたいな奴と一緒にいるのを同じクラスの女子等に見られたら嫌じゃないのか…と疑問に思うのだった。(この時見た他校の女子の1人は日高小春)

色々な店を巡り、“宝つり”にやって来た、ハルオと大野。ハルオは景品にSFCを始めとするゲーム機があるのを見て興奮し、三回挑戦するが、全て“ピーヒャラ笛”でガッカリする。だが、なんと大野は一発でSFCを引き当てるのであった。

大野の強運に放心するしかないハルオ。しかし、別れ際、大野は無言でハルオにSFCを押し付ける。驚きながらも『そうか、家が厳しいから持ち帰れないのか』と言うハルオ。しかし、大野は何かを訴えるような眼差しでハルオを見つめ、そのまま走り去ってしまうのであった。

その表情が妙に心に残ったハルオ。帰宅後、母、なみえからSFCの入手経緯を問い詰められながら少し後悔するのであった…。

…まったく俺は…な~んでウチで今度一緒にやろって、言ってやれなかったんだ

ハイスコアガールCONTINUE 2巻 押切蓮介 171/200

巻末オマケ、SPECIAL-CREDIT2~日高をゲームショップのストⅡ大会に連れていった中学生のハルオ

ハルオは近所のゲームショップでストⅡの大会が開かれる事を知り、意気揚々としていた。それをハルオの独り言から知った日高は『応援する』と言って当日ゲームショップにやって来た。

景品は“スーファミ(SFC)”本体と“メガドラ(メガドライブ)”本体と豪華。しかし、ハルオは以前、日高が『弟切草』をプレイしたいと言っていたことを覚えており、『まずはスーファミを手に入れるべきだ』と言い、『優勝したら景品のスーファミをやる』と約束した。

驚き目を輝かせた日高。すると、『スーファミを既に持っているから』と言うハルオに『新しいスーファミを矢口君が使って、矢口君が使ってた方を私にくれるのは?』と提案する。 だが、ハルオはその提案に困惑した表情を浮かべる

「…いや、それは出来んよ」
「いや あのスーファミは…俺のだから…」

ハイスコアガールCONTINUE 2巻 押切蓮介 179/200

『新品の方がいいのに、何をこだわってるのか?』と疑問に持つ日高。だが、大会が始まり、『頑張らない、いつも通りで優勝する』と余裕を見せるハルオを日高は『頑張って』と応援する。

しかし、ハルオは大きな誤算をしていた。大会はなんと、スーファミのコントローラーで行われるのであった。てっきりSFC専用アーケードスティックでプレイするものだと思い込んでいたハルオは慣れないスーファミパッドで当初は戸惑う。しかし、格ゲーで鍛え上げた速さのおかげでなんとか勝ち抜いていくのであった。

準決勝進出まで行ったハルオ。ハルオがスーファミパッドに不慣れなことを見抜いた日高が『でもPCエンジンGTはボタンが2つ(厳密にはスタートボタンを含めた3つ)しかないのにストⅡをプレイできている』と言い出す。その言葉にハッとしたハルオは『おかげで自信がついた』と日高の肩を掴んで感謝する。日高は『どういたしまして』と言い頬を赤らめる。そして、準決勝で呼ばれる間際、ハルオは日高に『それにしてもよくGTの事覚えてたな』と笑う。日高は一人心の中でつぶやくのであった。

覚えてるよ。あの日に初めて矢口君とゲームした日だったし

ハイスコアガールCONTINUE 2巻 押切蓮介 185/200

…しかし、ハルオは決勝で負け、結果は準優勝だった。実は直前にプレイした人がコマンド設定を変えており、ハルオはそのことに気付かないままプレイしてしまったのだ。そのことを運営に告げても多めに見てもらえなかったのだ。『スーファミを期待させて悪かった』と謝るハルオ。しかし、日高は『その代わり、親にスーファミをおねだりして買ってもらうから、その時遊んでよ』と言う。日高に『対戦とか?』と問うハルオ。日高が頷くと、一瞬承諾しかけるも、『いや、日高じゃ勝負にならないし、俺が勝つばかりで面白くない』と言って断り、日高は『ムカつく』と返すのであった…。

以下、感想と考察

新ヒロインの日高小春が可愛い

相変わらずラブコメ。月並みな感想だけど新ヒロインの日高小春が可愛い。片想いっぷりがいい。甘酸っぱい思春期ですな。

自分に無い自由さと情熱を持つハルオにどんどん惹かれていく日高。この2巻に出てきたハルオの『自分の意思に忠実に生きるのが気持ちいい』というセリフは、意外な形で最終巻に効いてくるのだ。

一方、帰国した大野とすれ違ってしまうハルオ

しかし、日高も可愛いけど、ハルオが帰国した大野とすれ違ってしまうのは辛い。

私はラブコメの、いわゆる鈍感系主人公があんまり好きでは無いのだけど、この今回のハルオの、
大野が転校してきた→クラスが違うので戻ってきたのに気付けなかった…というのは割と仕方がない擦れ違いなんじゃないかと思う。日高とも過度にいちゃついたりしていたわけでは無いけど、タイミング的に大野が『自分の居場所がなくなった(共にゲームをするポジションを日高に取られた)』あるいは『ハルオと日高が付き合っている』というように誤解したり、少なくとも以前の様に接しづらくなるのもよく分かるのでとてももどかしい気持ちになる。

ハルオも実際にやましいことは何もしていないので、何故大野から避けられるのかが理解できず…共にゲームをすれば分かり合えると思い挑むもコミュニケーションならず。互いにどんなにゲーマーだからと言って会話、対話って必要だよね…。対戦だけじゃ誤解解けないし…。

オマケのスペシャルクレジットのSFC、スーファミについて思う事…スーパーファミコンの略称について

オマケの夏祭り、大野がハルオに宝つりの景品のSFCをあげるのは、ほんのちょっとだけ高校生編で絡んできたりする。そして、日高とのスーファミのストⅡ大会のエピソードもいいな…と思いつつ、ちょっと考えた点。

小学生編の夏祭りのエピソードではスーパーファミコンのこと、ハルオのお母さんは”SFC”と読んでいるけど、中学生編のストⅡ大会ではハルオを含めてみんな大体”スーファミ”と呼んでいる(しかし、SFC専用アーケードスティックという言葉は出てくる)。私はこのハルオの世代より少し下なのだけど、”SFC”呼びしている人をあまり見たことが無いんだよなー。これって時代によって変遷したのか、たまたまなのか、どっちなんだろう。

鬼塚さんの存在感が半端ない…オマケ漫画で化粧した姿は…

あと、本筋に全然関係泣けど、鬼塚さんが相変わらず良いキャラ。『清楚で無口できれいな子』が好みだと言う宮尾に、『大野を紹介するなら自殺した方がマシ』と言う潔さ。あと、おまけマンガで化粧した姿が可愛い。別人過ぎて、そんでもって”無口”を貫いたせいで宮尾に全く気付いてもらえない&ちょっと怖がられたのが残念過ぎる…。

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