【漫画】架刑のアリス9巻【感想・ネタバレ・考察】次女厘流(ミセル)と再戦~脱出を試みるステラだったが…!?


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三男、太陽(ソル)を倒したステラ。生き残りをかけた殺し合いで残っているのは四女であるステラと次女の厘流(ミセル)と末っ子五男のメルムのみとなった。そして逃亡した長男、是乃(ゼノ)の正体が久遠寺家と敵対する組織、鷲宮教団のスパイであったことが発覚。そして久遠寺家の敵として現れた是乃と再会したステラ。とっさに是乃を庇い逃がしてしまったステラは自身がまだ是乃を想っていることに気付き動揺するのであった…

前の巻の記事はこちら→【漫画】架刑のアリス8巻【感想・ネタバレ・考察】甦る四男、海(マレ)!?そして三男、太陽(ソル)との死闘~設定の大きな矛盾あり

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次の巻の記事はこちら→ 【漫画】架刑のアリス10巻【感想・ネタバレ・考察】近づく最終決戦、明らかになる秘密…月兎がまさかの…?

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Contents

以下、ネタバレ

第33話 明らかになる織雅、九重、世羽、レイジナの過去

久遠寺家のギャラリーから御神体を奪い去って行った長男、是乃(ゼノ)。そして、思わずそんな是乃を庇ってしまったステラ。そんなステラに酷く傷付いた様子の月兎。是乃に撃たれ負傷した父、サザレ。

かつて飛行機墜落事故を起こし、ステラの両親を含む多くの命を奪った是乃。それだけでなく、本物の是乃であった月兎から姿を奪い瀕死に追いやった存在。それなのに、まだ彼を『是乃兄』として慕ってしまう自分の心に気付くステラ。項垂れる月兎の背中に額を押し当て、ただ謝ることしか出来ないのであった。

一方、鷲宮教団では聖女様、レイジナが姿を消し、世羽(ヨハネ)が意識を取り戻す。愛し合っているのに、二人で一つの体を共有し、決して邂逅することが出来ない二人。そしてレイジナが出てくる時間は徐々に少なくなっている。護符が取れていることから自分が眠っている間にレイジナが出てきたことを察した世羽は急ぎ壁に描かれたレイジナのメッセージを辿る。医師に『レイジナは美しかったか?』と尋ねる世羽。しかし、医師が事細かにレイジナの様子を語ると『俺以外の人間がレイジナを語るな』と怒るのであった。

久遠寺家でステラから事の経緯を聞く、母、織雅(オルガ)。世羽とレイジナに対して忌々しいと笑う織雅であったが、是乃と決別せず逃がしたステラに対しては『そんなことをさせるために外出を許可したわけではない』と凄む。そしてペナルティとして『次女、厘流(ミセル)か末っ子五男のメルムどちらかと一週間以内に戦いなさい』と迫る。『そんな』と躊躇うステラ。するとそこに次女、ミセルがやって来て『自分がステラと戦う』と申し出る。

メルムは幼いため、なるべく戦わせなくないというミセル。ステラ(アリス)とは一度戦ったことがあるのでその強さは理解している。しかし、ミセルもむざむざやられる気はないと言う。そして、母、織雅に『ステラと戦うから、その代わり鷲宮教団にいる恋人、イオに会わせてほしい』と条件を出したのだ

ミセルの恋人のイオは久遠寺家と敵対する鷲宮教団の人間で、以前久遠寺家で一暴れして去って行った経緯がある。裏切った長男、是乃もそこにいる。難しいのではないかと考えるステラだったが、ミセルの目配せで、ミセルが時間稼ぎのためにこのようなことを言っていることを理解した。

しかし、織雅は『いいわよ』と即答。すぐさま九重を呼びつけて『イオを生きた状態で久遠寺家まで連れてくるように』と命じる。九重自身が命を落とすこと、世羽とレイジナに手を出すことは禁じて。『承知しました』と織雅の前に跪きその手に口付けする九重。そして、九重は『ステラ様を護りたいならお前も知るべきだ』と行って月兎を連れて鷲宮教団へと向かうのであった。

鷲宮教団へ乗り込み、教団の人間でを倒しながら世羽の元へ向かう九重、後を着いていく月兎。九重は月兎に『よく見ていろ』『私がいなくなったら、お前が自分で力を制御して主人を護るのだ』と言う。九重の『いなくなったら』という言葉に戸惑う月兎。そして、二人は世羽の元へたどり着いた。

世羽はあっさりとイオを連れてくる。イオは以前、教団を勝手に飛び出してミセルの元へ行った咎で地下の反省室に閉じ込められ続けており、酷く衰弱していた。織雅と同様、歳を取らず若々しい姿を保ったままの世羽に九重は『世羽様も地下の花園に至ったのですね』と尋ねる。しかし、愛の力だとはぐらかす世羽。そして、久遠寺家と違い、この鷲宮教団は愛に包まれていると語る。教徒は自分を愛し、自分もまた教徒達を愛していると。織雅の愛は搾取し、縛り付けるもの…そう語る世羽に九重は『貴方様はたった一つの真実の愛を手に入れたはずなのに、まだ望むのか』と言う。その瞬間、世羽は激昂。室内に強風が吹き荒れた。

場所を変えて話そうと言う世羽。九重と月兎を連れて移動する。その最中、自身とレイジナ、そして織雅との因縁を語る。ステラ達と同様に、世羽達も幼い頃に最初の茶会で選別を受けた。その時から一人平然としている等、女王の様な風格を持っていた織雅。そして、そんな織雅は対照的に触れれば消えてしまいそうな儚さを持つオッドアイの少女、レイジナのことが気に食わない様であった。

そして、互いに深く愛し合う世羽とレイジナのことを織雅は許せなかったのだ。兄弟同士の殺し合いの中、レイジナは他の兄弟の戦いに敗れ瀕死になった。すると織雅は世羽に『レイジナの心臓を食らえばレイジナは蘇り、ずっと一緒にいられる』と唆したのだ。

織雅の言葉を信じた世羽。結果、世羽とレイジナは一つ身体を共有し合うことになった。しかし、どちらかが表に出て来ているときはもう片方の意識は眠り、互いの姿を見ることも、会話することも叶わない。織雅はそのことを知っていたのに、世羽を騙したのだ。そして、レイジナと他の兄弟の戦わせ瀕死に陥るよう裏で糸を引いていたのも織雅であった。

『おかげでレイジナとは一生文通をする他なくなった』『織雅は愛し合う者同士を引き裂いて笑う』そう叫ぶ世羽は、今度は織雅の夫にして弟の細零(サザレ)についても言及する。

細零は元々織雅の腹違い、それも妾腹の弟であった。しかし、織雅から奴隷の様な扱いを受けており、ともに久遠寺家に来た後、そんな細零を逃がそうとした教官の男を織雅が殺害。細零が慕っていた教官を彼の目の前でなぶり殺し『お前のせいでこの男は死ぬのだ』と言いながら。

「なんでだか、わかる?」「織雅はたった一つの一番欲しい愛が絶対に手に入らないからだよ」

架刑のアリス9巻 由貴香織里 42/181

そう言って世羽は九重を指さす。

「全部あんたのせいだ」「あんたが久遠寺の守護の要「三本柱」になったから。彼女の愛を永遠に拒絶したからだ」

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世羽は更に言う。『だからこそ、織雅は“愚行”を起こし、それが後からバレて今になって新しい当主決めを行うはめになった』『当主を退いた後、織雅がどうなるか分かっているだろう』と。傍らで話を聞いていた月兎は『愚行とはなんのことだろう』と考える。九重は世羽の言葉に表情を変えることなく、答える。

「…自分はお嬢様…織雅様の御実家へ仕え忠誠を誓った身です」「織雅様とは永遠にそのような…」

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九重の返答に、ひどい、鬼だと笑う世羽。そして茶会で沢山の子供達の命を奪い、レイジナとの触れ合いを奪った久遠寺家と織雅、そして九重への憎悪を口にする。

そして、『だからこそ恋人同士を引き裂く趣味は無いから』とイオを引き渡すと言う世羽。最後に月兎のことを『そのガキ、あれだろ?』と言い、自分の気が変わる前に立ち去るように九重と月兎に告げるのであった。

久遠寺家に連れられてきたイオは依然衰弱したままで意識を失ったままだった。イオに寄り添うミセルとステラに『これで心置きなく戦えるか』と問う織雅。『戦う』と返事をするステラ。しかし、ミセルと二人きりになっステラはミセルに『戦うふりをしてイオとメルムを連れて外へ逃げ、生き残る方法を探して』と言うのであった。

第34話 脱出の計画を立てるステラとミセルであったが…

「戦うフリをして姉さん…彼氏とメルムを連れて逃げて」「そして外の世界で生きていられる方法を探すの!」

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そうミセルに提案したステラ。もう、ミセルと決闘することは避けられない。そして、以前に屍喰鬼と化している自分達は定期的に久遠寺家のお茶に入っているエリュシオンの秘水を摂取しないと生きていけない身であり、またこのまま成人すると死んでしまうと母、織雅に告げられていたステラとミセル。

ステラの提案に乗っかったミセルはともに脱出の計画を立てていく。イオのいる鷲宮教団の教祖は久遠寺家の生き残りだという。だとすれば自分達も生き残る方法があるはずだ。そして、父、細零が語ったお茶の原料エリュシオンの秘水とアリスがかつて見た花園の関係性について推測をする。

「…イオ君が目覚めたら、決闘の当日に私がメルムを連れてイオ君と通用門から脱出…」「私達のお茶の効果が切れる前になんとか生きられる方法を考える」

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計画の要点を整理するミセル。そしてステラは久遠寺家に留まり花園を見つけ、秘密を盗み出して後から脱出…そう約束し合うのであった。

そして、計画をメルムに伝えようとメルムの屋敷に向かったステラ。しかし、メルムには父、サザレが『織雅から親らしいことをしろと言われた』と言って張り付いた。また、メルム自身も幼いながら『ステラが皆を倒し、皆が死んだ』と理解しているようで、『ミセルちゃんとけっとうして、次はぼくとケンカするの?』とステラに尋ねる。言葉を失うステラに『紅亜(クレア、三女)ちゃんも怒っている』と言い、精巧なクレアの人形を突き付け、思わずはねのけてしまったステラに『あっちに行って』と怒るのであった。

うろたえるステラに父、細零は『メルムに用があるなら私に言いなさい』と言って笑う。ステラはそれを脅しと監視だと理解する。

イオが目覚めるまで猶予があると考えていたステラとミセル。ところが、母、織雅が『決闘は明日だ』と言い出した。『イオを連れてきてもらったのは、ステラとの戦いで死ぬかもしれないから最後に言葉を交わすため。イオが目覚めるまで待って欲しい』と主張するミセル。しかし、織雅は無情にも『あなたがステラに勝たない限り、イオは目覚めない』と言う。

織雅の言葉にミセルはイオの元に駆け付け、その姿を見て悲鳴を上げる。そこには無数の機械を取り付けられたイオの姿があった。織雅は最初からイオを人質にしてミセルを戦わせる算段で、イオを鷲宮教団から連れてくることを許可したのだ。ミセルが仲の良いステラと心置きなく戦えるようにと。

イオのそばで泣き叫ぶミセルに駆け寄ろうとするステラだったが、織雅に明日まで接触を禁止されてしまう。

機械に繋がれ弱々しい姿で横たわる恋人イオを見て涙を流すミセル。しかし、二人でピクニックに行った時にイオが『地脈』について語ったことを思い出し、一晩かけてあることを調べ続けるのであった。

パソコンの前にイオが好きなお菓子を並べ、『自分がアリス(ステラ)に倒された時のために』とパソコンにメッセージを残すミセルとそれを笑って見ている織雅。しかし、『ミセルは一度戦ったことがアリスの力を恐れている』『それではダメだ』と言い、織雅は突然ミセルの頭を掴み、強大なエネルギーを送り込む。倒れるミセル。

『アリス』はステラの別人格として100%の力を出せている。しかし、ミセルはそうではなかった。そのため、ミセルの感情の部分を封じ込めて、ミセルの戦魂(ラルヴァ)が100%の力を出せるようにしたと笑う織雅。

「あなたの戦魂の生前の異名はね」「地獄の小夜啼鳥(ナイチンゲール)」

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そして決闘の時がやってきた。エレベーターで下って、ステラが連れてこられた場所は、アリスの記憶の中にあった闘技場であった。闘技場が久遠寺家の敷地にあったことに驚くと同時に、地上に行くのに手段がエレベーターしかないことで、脱出作戦に狂いが生じたことに動揺するステラ。

だが、やってきたミセルの様子にステラは更に衝撃を受ける。いきなりメスや毒薬で攻撃を繰り広げるミセルは以前戦った時と明らかに様子が異なっていた。『ミセルの理性を取り除いた』と楽しげにいう織雅。闘技場の席から『勝った者だけが地上に出られる』と告げる。

『アリス』になり、ミセルの攻撃をかわすステラ。ミセルに銃口を向けるアリスを『計画が狂う』と止めようとするステラだったが、アリスは『もう計画は狂ってしまった。殺らなければ殺られる!』とステラに言うのであった。

第35話 洗脳されたミセル…計画は破綻し、壮絶な戦いが繰り広げられる

戦うフリをしてミセルとその恋人のイオ、そしてメルムを久遠寺家から脱出させるという計画を立てていたステラとミセル。しかし、織雅の洗脳を受けたミセルからは理性が無くなっており、本気でステラを殺しにかかってきている。計画は破綻したのだ。

ミセルの戦魂、地獄の小夜啼鳥(ナイチンゲール)…それはかつて悪魔的な試薬を作っては沢山の患者に投与し、殺害することを繰り返したマッドサイエンティストであると織雅は語る。

『殺らなければ殺られる』と言ってミセルに銃口を向けるアリスを『大事な姉、まだ理性を取り戻すかもしれない』と制止するステラで方向性が定まらず、ただミセルの攻撃から逃げ回ることしかできない。

一方その頃、突如目覚めたミセルの恋人、イオ。状況が飲み込めぬものの、自身の身体につけられた器具を外し、用意されていたお菓子を頬張り体力を回復させる。こんなものを用意するのはミセルしかいないと考えていると、案の定、パソコンにはミセルからのメッセージが残っていた。そしてミセルのメッセージを確認したイオに父、細零が銃を突き付ける。機械に繋がれ眠り続けていたイオを起こしたのは細零だったのだ。相手がミセルの父だと知ったイオは慌てて結婚を前提に交際を認めて欲しいと挨拶を始めるのだが、細零『断る』と答え、イオに向かって弾丸を放つのであった。

ミセルに理性を取り戻してもらおうと、イオのことを思い出させようとするステラ。しかし、ミセルが元に戻る様子は無く、ミセルは自身に『痛みを感じず能力を開花させる薬』を打ち込み、闘技場に薬剤を巻き、辺り一面煙に包まれる。何も見えないと観客席から不満を言う織雅。戦うステラとミセルの近くに護衛の黒兎数人と椅子を置き、そこで二人の戦いを見ることにした。

戦いの中、アリスはミセルから注射器で刺されてしまう。『約20分程で死ぬウイルスを注入した』と言うミセル。解毒剤を身に付けているが、どれがそれだか分からないと全身に巻き付けた薬剤を見せて笑う。

そしてミセルは突然椅子に座る織雅に向かっても薬剤を投げつけた。薬剤のほとんどは織雅を護衛ていた黒兎にかかり、織雅にはわずかに頬にかかっただけであった。当主たる織雅を殺そうとすると頭が弾け飛び、攻撃しようとするだけで、気を失うほどの頭痛に苦しむことになるはずの兄姉であったが、『痛みを感じなくなる薬』を打ち込んでいたミセルは頭痛を受けるも気絶はせず、『なんの真似だ』と尋ねる織雅に『ちょっと実験してみたかった』と悪びれることなく答える。

少し気分を害した織雅であったが、続くステラとミセルの戦いに高揚していく。黒兎達も使役してステラを追い込んでいくミセル。一方で身体にウイルスが回り始め、血を吐き出し弱っていくアリス。

防戦しながら『姉さん』と呼び掛けるステラ(アリス)の声に突然ミセルが意識を取り戻す。『ステラ!これが本物の解毒薬よ。あいつ(地獄の小夜啼鳥)が出てくる前に!』そう言って薬をステラに差し出したミセル。しかし、それは偽物で苦しむアリスを笑う。素に戻ったのは演技でしかなかった。

ミセルの行動に絶望し、弱ったアリスはミセルに操られる黒兎にもたれ掛かるようにして、全身から血を吹き出す。それを見て狂喜するミセル。しかし、血はアリスのものではなく黒兎のもので、黒兎を殺して拳銃を奪ったアリスはそれでミセルの頭を吹き飛ばし、殺すのであった。

第36話 全てはミセルとステラの芝居!?イオと三人で脱出を試みるが…

死闘の末、ミセルを倒したステラ。拳銃で頭を吹き飛ばされ絶命したミセル。それを見て、涙を流しながら立ち尽くすステラ。ステラを労い治療を受けるように促す織雅だが、ミセルが戦いの中で撒き散らした薬剤が混ざり合い誘爆を起こし、闘技場は炎と煙に包まれる。

黒兎に連れられ対比する織雅。動けないステラを救助するため、入れ違いにガスマスクの黒兎が3人担架を持って中に突入する。しかし、彼等とすれ違った瞬間、織雅は違和感を覚える。そして、駆け付けた九重に『黒兎に香水を許可しているのか』と尋ねる。九重は黒兎には香水を禁じていると答え、織雅は思案する。

煙の中、ガスマスクの三人はまずミセルの遺体を回収し、ステラを捜索する。すると遺体を抱えた一人が、闘技場の底に大きな穴が空けられており、水流が見えているのに気付く。次の瞬間、死んだはずのミセルがその黒兎に薬剤を打って気絶させる。慌てたもう一人がミセルを狙撃しようとすると、潜んでいたアリスが殴打、そして担架に潜んでいたイオが締めて気絶させた。

抱き合うイオとミセル。イオは経緯をミセルに伝える。厳重な医療用カプセルに閉じ込められていたイオだったが、誰か(細零)に助けられカプセルから出ると、パソコンに残されていたミセルが残した『久遠寺家の地下水脈の資料』とミセルのメッセージから計画の全てを理解。その後、一度は細零から銃撃を受けるもそれを俊敏に避けると細零はイオに興味を持ったようであった。そして外に出てもミセル長くは持たないと言う細零に、イオは『あらゆる手で抗ってみせる。いざとなったら二人手を繋いで死ぬ』と答える。すると細零は満足したようにイオに取引を持ちかける。脱出に必要なものを準備する代わりに、『女王蟻の巣を埋めるための俺の働き蟻になれ』と。

そしてミセルとステラもまた事情を説明する。二人とも血塗れだがそれは血糊であった。ミセルは織雅に洗脳されたが、途中で意識を取り戻して自身に『痛みを感じず能力を開花させる薬』と言いながら大量のドーパミンを打ち込んだのだ。そして、意識を覚醒させ、煙幕で見えない間急ぎステラと密談したミセル。その後、織雅をおびき寄せて、強烈な幻覚作用のあるダツラ系の薬剤を浴びせたのだ。後はステラとミセルは殺し合いを演じただけなのだが、幻覚剤の影響で織雅の目には望むような殺し合いに見えて満足して、疑いもせず満足して去って行ったのだ。

実はここ最近、お茶を飲む量を減らし、残りを検査にかけたり、成分を粉末抽出していたというミセル。全ては脱出するために。命を落とすギリギリだったが、おかげで母、織雅の洗脳も解けやすかったのだ。

そしてミセルとイオはステラに地下水脈の説明をする。正確にどこに繋がるかは分からないが、恐らくどこか近くの河に出られるという。メルムのことは諦めることになるが、地上に出るにはエレベーターを使うしかないので、もうここから脱出した他ないのだ。イオが酸素ボンベ等必要なものを揃えてきたため、三人はそれぞれの身体をロープで繋ぎボンベを背負い準備をした。

『どこまで続くか分からない』『先がどうなっているか分からない』『それでも生きるためには行くしかない』…覚悟を決めて三人が水流に飛び込もうとしたその時、ステラの背負っていた酸素ボンベが撃たれた。ミセル達の計画に気付いた織雅が黒兎達を引き連れて戻ってきたのだ。

「悪い子は全員、おしおきね?」

架刑のアリス9巻 由貴香織里 170/181

騙された怒りを笑いながらも漂わせる母、織雅。イオは自分が囮になり、ミセルとステラを逃がそうとするも、その態度が織雅の不興を買い、銃撃を受け倒れてしまう。『行け!』そう叫んで、とっさに自分のロープだけを切ってイオとミセルを水脈に蹴り落としたステラ。

ミセル姉達が外で生き残ることが、私のこれからの希望でもあるのだから…!!

架刑のアリス9巻 由貴香織里 174/181

そう思って。

以下、感想と考察

明らかになる過去…九重と織雅の関係

今回、久遠寺家(織雅)と鷲宮教団(世羽とレイジナ)の関係が明らかに。一つの身体を二人で共有し、決して邂逅出来ない恋人という悲しい存在。前巻、8巻で太陽(ソル)がさらっと語っていた。こういう設定思い付くのが上手い、由貴香織里先生。文通しか出来ないと嘆く世羽。『スマホとかで動画撮影とかしないの?』とか言っちゃダメなんだろうな。うん。

しかし、モテモテですね、九重さん。初登場時はどちらかというとジイヤ的立ち位置だと思っていたのだけど。三女、紅亜(クレア)も惚れぬいてた位だし、いい男なのか…。そして、織雅との間に過ちを犯したことを仄めかす発言が世羽の口から飛び出したりもしているので…この辺りの設定、今後もっと複雑になって行きそうな予感。

上手いこと芝居したミセルとステラ…朝鮮朝顔ダチュラについて考える

上手いこと芝居して、母、織雅を出し抜いたステラとミセル。…しかし、みんな朝鮮朝顔、ダチュラ好きだねー。『テラフォーマーズ』でもダチュラ使いいるし、『コインロッカーベイビーズ』でも最後に撒き散らすの、ダチュラだったよな。京極堂シリーズにも出てくるし…大人気。花が普通に美しいのもあるのかな。しかし、この作品やテラフォーマーズで『見たいものを都合よく見る作用』みたいに説明されているけど、実際はかなりエグい作用がある毒なので、勘違いされないと良いけど…なんて思うのだ。

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まとめ~脱出に失敗したステラの行く末は…!?

ミセルとともに母、織雅を一旦は騙しおおせたものの、直前で脱出計画がバレてしまったステラ。ミセルとイオだけを行かせ、自身は残ることに…。残す兄弟は末っ子のメルムのみ。果たしてステラの運命は…。クライマックスが近付く『架刑のアリス』、次の巻の記事も追って書いていきたい。

次の巻、最終巻の記事はこちら

【漫画】架刑のアリス10巻【感想・ネタバレ・考察】近づく最終決戦、明らかになる秘密…月兎がまさかの…?

【漫画】架刑のアリス11巻・最終巻【感想・ネタバレ・考察】あっさりしたラスト~ステラが選んだのは月兎か是乃か?

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