【漫画】カマかけたらクロでした【感想・ネタバレ】カマをかけたら不倫発覚!!とある夫婦の崩壊と再構築、そして結末は…

カマかけたらクロでした 表紙

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不倫ものの作品を色々と読んで分かることは『不倫を認めさせるのは大変だ』ということ。半端な証拠を掴んで責めたとしても、言い逃れられてはおしまいだし、その後は警戒されてしまい証拠を見つけにくくなってしまう。そう考えると有効な手は2つ。1つは忍耐深く決定的な証拠を捉える機会を待ち続けること。そして、もう1つが、相手に自白させることだ。…そう、カマをかける等して。夫にカマをかけて不倫を自白させ、離婚調停、それからの再構築を描いた作品が、今回紹介する、うえみあゆみ氏の『カマかけたらクロでした』である。

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Contents

各話あらすじ・ネタバレ

第1話 崩壊はしのびあし~仕事で多忙な夫との生活に寂しさと怒りを感じるうえみ

子育てや生活に適度に便利なS県T市に暮らしていた、うえみあゆみ。夫と娘、そしてお腹の中には息子…一見すると絵に描いたような幸せ家族だ。

しかし、実際うえみと夫は喧嘩ばかり。特に夫は駆け出しのTVのADをしており不在がち。『今日は帰れる』と言うので深夜までうえみが寝ないで待っていてもメールで『帰れません』と告げられる、そんな期待はずれの日々が続く。そして、うえみも徐々に娘と自分、二人分だけの料理を作ることに慣れていってしまうのであった。

しかし、ふとした瞬間に『さみしさ』を感じるうえみ。世間一般では夫婦の絆を壊すものとしては『DV』『浮気』『ギャンブル』『借金』等があげられるが、『さみしさ』もまた夫婦関係を壊していくものであったのだ。

その当時のうえみ夫婦の典型的な休日はこうだった。12時過ぎても起きない夫を置いて仕方なく娘と二人で公園に行く。他の家族が父親も一緒であるのを羨ましく思ったうえみはせめて夕飯は一緒に食べようと夫を電話で起こして呼び出す。しかし、やってきた夫は『ご飯食べたら仕事行くから』と言い、レストランで娘の隣に座って爆睡。会話もしない。そして食べるだけ食べたらさっさと仕事に行き、その後4日間は音信不通となる。

それでもうえみは『普通の家族』を夢見て我慢していた。しかし、数日後『明後日ごろ帰れるかも。よろしく』とだけ打たれたメールを携帯で見て、怒りに震えてしまうのであった。

第2話 浮気発覚!~夫の洗濯物から出てきたものは…

稼働する洗濯機を見るのが好きなうえみ。夫は会社に泊まってばかりにも関わらず洗濯物をそんなに持って帰ってこない。『着替えはドンキとかユニクロで買ってしまう』『そのうち持って帰ってくる』とだけ言い、相変わらず数日間帰ってこないことが多い夫。そのためうえみも頻繁に娘を連れて実家に帰っており、時には娘を親に預け、友人と遊ぶこともあった。

しかし、そういうときに限って夫から妙なメールが来る。女友達と遊んでいるだけなのに『また男ですか?』『大丈夫だよ、怒らないから』『嘘を言わせているオレが悪いんだし』…等、何故か夫は、うえみが普段から男と遊び歩いているかの様なメールをしつこく送り続けてくるのだ。朝までメールが続き、そんな風に責められる心当たりのないうえみは『そんなメールを送る暇があるなら帰ってきなさいよ』と腹を立て、どんどん夫が何を考えているか分からなくなる。本当は色々と話したいことがあるにも関わらず、夫婦の会話はどんどん事務的なものとなっていった。

そんなある日、洗濯しようとしたうえみは、夫のトランクスに『ついていてはイケナイもの』が付着しているのを発見する。動揺したうえみはそのまま浮気調査の業者に電話してしまう。浮気調査の業者は『浮気の可能性が高い』と告げ、矢継ぎ早に『調査をお勧め』『調査員』『打合せ』『裁判所』等聞きなれない単語を連呼し、ついていけないうえみは電話を切るのであった。

とりあえず、落ち着こう…そう思ったうえみは洗濯を再開しようとする。しかし、そんなうえみをあざ笑うかのように夫の服のポケットから落ちてきたものは…ラブホテルの領収書であった。

第3話 ついにカマクロ!~巧妙なカマかけで夫に浮気を自白させたうえみ

疑惑発生から3か月、やっとの思いでラブホテルの領収書について夫を問い質したうえみ。しかし、夫は『家の前に落ちてて…目が悪いから会社の領収書だと勘違いして拾った』と答える。夫の浮気を信じたくなかったうえみは夫の言い分を信じることとした。

しかし、その数日後、今度は使用済みの映画のチケットを見つたうえみ。
ホテルの領収書+映画のチケット=浮気されているという現実
…うえみはとうとう目が覚めたのであった。怒りに燃えたうえみはある賭けに出ることを決意する。

幼い娘を連れて夫と外を歩くうえみは唐突に溜息をつき『200万か…』と呟く 。『何が?』と尋ねる夫。するとうえみは夫に言った。

「別れさせ屋ってところと探偵に君たちの調査を頼んだ費用が…合計200万だっつーの!」
「彼女のこと知ってるんだよ」「知らないと思ってたの?」
「明後日には離婚裁判にも出せる正式な書類が上がってくるんだよっ!」

カマかけたらクロでした うえみあゆみ 32-33/144

「カマかけ」のポイント①…最初に壮大な嘘を吐き相手をビビらせる
…うえみは夫を動揺させるために大きな嘘を吐いたのだ。効果は覿面で夫は震えながら『帰ったら話します』と言うのであった。

その後、家で小さなカマで夫へ揺さぶりをかけるうえみ。映画のことを言及するのは勿論、『平日の連泊用に部屋着を送ろうか?』『彼女、コンロがもう一口あったら色々作ってくれるって』『家庭的な子だね』…等、あたかも相手の女の情報を掴んでいるかのように話をしていく。

「カマかけ」のポイント②…ゆるネタで追い詰める
付き合っていたら普通のこと、簡単に推測できることを専門機関から得た情報の様に話すのであった。

そして、『本当は全部知ってるんだよ。でも正直にあなたから言ってくれた方が私は救われる』と涙ぐみながらも優しく夫に言ったうえみ。

「カマかけ」のポイント③…最後に逃げ道を用意しておいてやる
…うえみはこれを実践し、夫に全てを吐かせたのであった 。そして、夫が全てを吐いたことを確認すると、鼻血が出るまで殴りつけた。

「今の話全部嘘だよ」
「カマかけたのよ」

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驚きながらも『最低だな』と叫んだ夫に、うえみは『絶対に許さない!』と叫び、さらに拳を入れるのであった。

その後、朝まで罵り合ったうえみと夫。夫は離婚を拒否し、うえみはとりあえず夫に浮気を認める直筆の文書(押印付き)を書かせた。弁護士にこれがあれば浮気が立証されると確認したのだ。
しかし、これでもうえみの怒りの炎は消えず、頭の中は『離婚』の二文字で一杯であったのだった。

第4話 カマかけ失敗!~以前のカマかけ失敗例

実はそれ以前に一度、うえみはカマかけに失敗したことがあるのだ。

血液検査を受けたうえみ。異常は何もなかったのだが、ふと血液検査の結果の紙が『素人が見ても何も解読できない』ということに目をつける。その当時も夫は浮気をしているような様子があったが尻尾を出さずうえみは悶々としていたのだ。

帰宅した夫に血液検査の結果の紙を見せながら、うえみは『この結果は体に炎症反応が起こっていることを示しており、つまり感染症に罹っていることを示している』『あんたが浮気をしたからこうなった』と捲し立てる。

顔色が変わる夫。しかし『何でそういうことになるの?』と反論する。うえみは『医師からそう言われた』と言うも、夫は『そういうの考えるのをやめようよ』と疲れているから寝ると逃げ出してしまう。そして、うえみがどんなに怒っても布団の中から出てこなくなってしまう。カマかけは失敗に終った。

「カマかけ」のポイント④…病気ネタは厳禁
うえみはカマかけに失敗しただけでなく、夫に対して『嘘を吐き浮気して、病気の話にも眠いからと逃げ出す男なのだ』と思い、人間不信に陥ってしまう。自業自得とも言えるのだが辛い日々を送る羽目になったのであった。

第5話 彼女に接近!?~夫になりすましてメールするもすぐにバレてしまううえみ、そしてとんでもないことが相手の女のメールから発覚する!

夫が自白した頃から、うえみの家では『インターフォンが鳴って外に出ても誰もいない』という現象が立て続けに数回起こる。そして、それは夫の不倫相手の女の仕業であった。

夫の携帯を盗み見…ではなくチェックをし、不倫相手とのやりとりを把握したうえみ。ほとんどのメールは不倫相手から一方的に送られてきたものであった。うえみはイチかバチかと夫のものであるかのようなメールアドレスを作って、夫を装い相手の女にメールを送ってみる。するとすぐに相手の女からメールが帰ってくる。

完全に騙された様子の相手の女。ほくそ笑みながらメールのやりとりをするうえみ。しかし、うえみがちょっと調子に乗ったその瞬間、『あなた奥さんでしょ』とバレてしまった。自分から仕掛けたこととはいえ、相手の女の勘の良さにゾッとするうえみ。『あんたのダンナは返信なんて絶対にくれない』と相手の女はメールで言う。

うえみが相手の女とのメールのやり取りで分かったことは、夫は彼女と別れたがっており、彼女は拒否し夫に縋り付いているということだ。そして、それは妻であるうえみがいることが原因だと考えている様だった。愛する人に愛されず苦しんでいる様子の女に少しだけ同情するうえみ。『別れろ』と言ったり、『旦那に私に連絡する様に言ってよ』と懇願したり色々なメールが相手の女から深夜まで立て続けに送られてくる。内心うざいと思いながらも目を通すうえみ。

しかし、『どこに住んでるか知っている』『子どもの写真を見た』という言葉を見てうえみは恐怖を覚える。

は!?何で…!?家の場所も子どもの顔もバレてるの?

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もしもヤケになった浮気相手が家の前で待ち構えて何かしてきたら…お腹の大きい自分は子どもを守れないかもしれない…そんな妄想をしてしまううえみ。
その夜、夫を追及し、『待ち伏せされたら怖いから彼女の顔を教えてよ!』と訴える。しかし、夫は泣きながら全力で拒否。『もう怖くて外出できない』とうえみは落ち込むのであった。

第6話 別居の日~夫とろくに話し合えないうえみは実家に帰る。そして助産院で驚くことを言われる

夫の不倫相手が情緒不安定で、かつ自分達の家の場所や子どもの顔を知っている…うえみは『何かされたらどうしよう』という不安で一杯になり、家を出る時も『ママより先に出ちゃダメっ!』と娘が脅えるほど警戒する様になった。元々二人目の妊娠後期でマタニティブルーなのもあったのかもしれないが、うえみは誰も信用できずに精神的に追い詰められていく。

その上、不倫がバレた夫は怯えて家に寄り付かなくなっていた。帰ってこなくなって一週間、『そろそろ話し合おう』とうえみが電話すると、観念した夫は『今から帰る、10時半には着く』と告げる。しかし怯え切った夫は電車に乗るも降りることができず、始発から終点まで行ったり来たりを繰り返す。業を煮やしたうえみが『一体いつになったら帰って来るのか』と電話すると、『終点まで来てしまい、終電も終わってしまったので今からタクシーで帰る』と告げ、ただひたすら謝る。お互いに帰る場所を見失ってしまったうえみと夫。うえみは「カマかけ」から半月後、娘を連れて家を出て実家に帰った。

実家に帰ってしばらく経ち、春が近づいたころ、母親に『そろそろ産院を選んでおいたら』と言われうえみは慌てる。もう妊娠32週目になるのに、一連の騒動で気が抜けてしまったうえみは産院を決めていなかったのだ。とある助産院を選んだうえみは初めての検診の日に『楽に産んで早く退院したい』と助産師に告げた。ムスメのことを考えてのことだった。しかし、助産師は困惑した様に『今のままでは楽なお産はムリだ』と言う。

「体が出産準備に入っていない感じ」
「体が冷えて固くてなんていうか…こわばってる感じ」
「どうしました…?何かありましたか?」

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助産師のその言葉に、ようやくお腹の子の存在を心から感じたうえみは涙ぐむのであった。

第7話 助産師さんと泣く日

出産が近いにもかかわらず、体が冷えて固くなっていて出産できる体制に入っていない、そしてそれは心因的なものなのではないか…そう助産師はうえみに指摘する。その指摘は図星であり、精神的に参っていたうえみはカウンセリングに通ったりもしていた。

『私で良かったら話してください』…そう言ってくれた助産師にうえみは正直に夫の不倫のこと、不倫相手のこと等を包み隠さず、それでいてどこか他人事の様に話した。すると、話を聞いた助産師はなんと『悔しい』と言って泣き出したのであった。

ごめんなさい、辛いのは私じゃないのに…そう涙をこぼす助産師。

「うえみさんの赤ちゃんには…本当に愛されて産まれてきてほしいです」「これからはうえみさんとお子さんの3人には…たくさんの愛につつまれてほしいです」

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その助産師の言葉に『家族のこれから』を見いだしたうえみ。自身も涙を流しながら家族の明るい未来のために頑張ることを誓うのであった。

その後の検診で助産師から『娘にお産を立ち会ってもらうのはどうか』と提案される。刺激が強いのではと心配するうえみに、『女の子は結構しっかりしてる』『これからのお互いのいいはげみのでは』という助産師。うえみはその提案を受け入れるのであった。

第8話 離婚調停へ~うえみは無事子どもたちの親権・監護権を勝ち取る

娘に立ち合ってもらい、水中で息子を出産したうえみ。息子の誕生は未完成のパズルのピースをはめ込んだような感覚をもたらし、うえみは『今が一番幸せ』と言えるくらい充実した毎日を送るようになる。しかし、夫への怒りと恨みが消えた訳では無く、うえみはフラッシュバックに悩まされ続けていた。

『何もかも失って、その犠牲の大きさを味わえばいい』『子どもには触れさせない』…そう強い思いを抱きながら離婚調停にうえみは臨む。

調停委員から夫の要望を聞くうえみ。夫は『もう一度やり直したい』と望んでいるという。うえみは復縁を突っぱね、調停は『離婚』の方向で話が進んでいく。調停は月一度のため進行はゆっくりで、うえみと夫は双方とも親権を主張する。

しかし、調停は最終的にほとんどうえみの要望が通り、親権・監護権ともにうえみが持つこととなった。『やった』と喜ぶうえみ。こうして復讐を終えたうえみはようやく『離婚後』について考える様になったのだった。

第9話 灰色の決断

離婚調停で子ども達の親権と監護権を勝ち取る等、ほぼ要望を通すことができたうえみ。しかし、『もう少し時間がほしい』そう思った。

『離婚』は事務処理上の意味しかない…そこに至るまでの経緯は関係なく、白か黒か決める作業にしか過ぎないと感じたうえみ。『本当は人と人の関わりかたは白黒つけられる簡単なものじゃないのに』と思うのだ。そして、『離婚』という 一生を変えるかもしれない重大な選択をすることに躊躇する。

今は夫への憎しみが優って何でも感情で判断してしまう。もう少し時間がほしい…そう正直に思ったうえみは『離婚するかしないかは、今すぐには決めない』という答えを出し、『別居状態を継続する』ことを決めるのであった。

第10話 ムスメの待ち人~娘が夫を待っていることを知ったうえみは動揺する

別居前、頻繁に喧嘩していたうえみと夫。娘はいつもうえみに寄り添い守ろうとしているようだった。それを思い出し『子どものためにも別れる必要がある』と考えるうえみ。夫がいなくて喧嘩の無くなった今の生活こそが縮んでいた娘の心を戻し満たしてくれるはずだと思っていた。

そんなある日、うえみは保育園にいる娘の様子をこっそり覗きにいった。別居後、保育園を転園した娘が上手くやっていけているか心配だったのだ。まだお友達ができていない様子の娘にうえみは心を痛めるが、その後の光景にショックを受ける。

別の子のお迎えに父親がやって来たのだが、パパが迎えに来たと勘違いした娘はほおを紅潮させて慌てて支度をすると父親の姿を探し始めたのだ。

『あんなに酷い人だったのに』と愕然とするうえみ。それでも娘は夫を待っているのだ。『子どものためにも、父親との思い出は早いうちに忘れてしまった方が良い』と考えていたうえみ。しかし、別居前、夫とうえみが喧嘩していると娘がそんな二人の手を取って繋げようとしていたことがあったことを思い出すのであった。

第11話 動揺の初面接~夫の顔を忘れていた娘にショックを受けるうえみ

親権を奪われた夫は手も足も出ない状態だ。そして、うえみはそんな夫に『あんたには子どもに会う権利はない』と言ってやりたいところだが、それはできない。何故なら子どもには親に会う権利、『面接権』が保障されているからだ。これはあくまで夫の権利ではなく、娘の権利だが、うえみは内心嫌で嫌で仕方がない。

初めての面接で、子ども達とともに近所のカフェに向かったうえみ。娘はパパに会えることを楽しみにしていたにも関わらず、目の前にいる父親(夫)に気付かない。娘はなんとパパの顔を忘れていたのだ。

その様子にショックを受けるうえみ。1年前『アンタのことなんて忘れた方が娘は幸せだ』と夫に言い放ったにも関わらず、娘の見せた反応に酷く傷ついたのだ。

その後、皆で児童館に行った。最初は顔も忘れていたのに、娘は夫と楽しそうに遊んでいる。しかし、娘にパパとママが仲直りしたと期待させたくないうえみは終始無言を貫く。その後、娘は遊び疲れて眠ってしまい、うえみと夫は口を利くことなく帰宅するのであった。

第12話 夫との関係~少しずつ会話が始まるうえみと夫

夫との面接が始まって以降、目に見えて娘は落ち着いてきた。面接の都度緊張するうえみとは対照的に夫は娘との交流を楽しんでいる様だった。『本当に男っていいとこどり。こっちは家事に子育てに仕事に大変で、わざわざこの時間も作ってるのに』と不満に思ううえみ。この頃うえみは連載の仕事が決まり多忙だったのだ。

そんなうえみの様子を察したらしい夫は、娘が眠ってしまった後、『最近忙しいの?』と尋ねる。連載漫画の仕事が決まったと答えたうえみに、夫は喜び、うえみの漫画への感想・評価を述べる。うえみはそんな夫に仕事の話を少しずつし始める。共通の話題は子どもと仕事だけだったが、これを機に、うえみと夫の間に『会話』が始まった。

『これから』と言いつつ過去にこだわっていたのは自分だったのかもしれない…そう思ううえみ。過去を忘れることはできなかったが、夫に対しては『昔なじみの理解者』という感情が生まれたのであった。

第13話 1本の電話~娘の受験勉強を夫に手伝ってもらううえみ

娘を自分の母校の小学校へ入れようとしたうえみ。保育園の転園のためか友達と上手く溶け込めていない娘を『自分の恩師達に見守ってもらいたい』…そう思ったのだ。しかし、うえみの母校はいつの間にかお受験校になっており、受験勉強をしないと入れない。

多忙なうえみは中々娘に勉強を教える時間を作れず、娘の模試の成績はどんどん下がっていく。どうしようもなくなったうえみは夫に電話をし、夫に娘の勉強をお願いするのであった。

それから、夫はほぼ毎朝うえみの実家にやってきて、朝食の支度までの間娘に勉強を教えるようになった。夏や秋になると夜も駆けつけ寝る前にも勉強を教える。娘は楽しそうに勉強をこなし、達成感も学んでいるようだった。

気が付けば『離婚を今決めない』と決めてから2年が経っていた。うえみは夜まで娘に勉強を教える夫に『客間に泊まっていくか』と言うようになっていた。

第14話 目の前にある景色~夫との奇妙だが穏やかな関係

調停から2年半。当時は『離婚』しか頭に無かったはずのうえみは今何故か、娘の受験勉強のために実家に泊まった夫を起こしている。

なんでこうなったんだろう…そう現状に疑問を持つうえみ。昔の恨みや怒りを思い出そうとするも、忘れていることに気付き驚く。

大雑把なうえみに代わり受験の舵取りをする夫。その結果、娘は無事に小学校に合格することが出来た。

夫にお礼を言ううえみは心の中でもう一度、『夫への怒りと恨みを思い出せるか』と自分を試してみる。すると、やはり忘れてしまっているのであった。

その後、小学校に通い始めた娘を当然の様に夫が送っていく等、夫はうえみの実家ですっかりマスオ化していた。

第15話 夫婦再生~ラスト、ゆっくりと夫と向き合うことを選ぶうえみ

不倫発覚当時のことを今でも鮮明に思い出せるものの、その当時と同じ憎しみを抱き続けることはできなかったがうえみ。自分を変えようとしたわけではなく、ただ、いつまでも同じ場所にはとどまっていられなかったのだ。

時の流れに沿って流れていったら、辛かったあの頃よりも楽な場所へたどり着いた…そううえみは感じるのであった。

『マスオ状態の今が嫌ではないのか』公園のベンチでそう夫に尋ねたうえみ。夫は特に気にしていないといい、『ムリして元に戻ろうとしても良くないと思う』と答える。実家を出てマンションを買おうと考えているうえみは『2LDKで子ども達と3人で暮らすか、3LDKで夫も含めて4人で暮らすか』を悩んでいたのだが、夫にそれを切り出すのはやめる。焦らず、ゆっくりすればいい。いつか自然と決まるのだろう…そう思ううえみ。

真っ白な未来と家族があって、なるべく笑って、なるべく楽しみ、時間がある――それだけで十分な正解じゃないかと思うのです

カマかけたらクロでした うえみあゆみ 131-132/144

うえみと夫は遊ぶ子ども達の元へ向かうのであった 。

おまけ 夫の告白 

別居前の夫は帰宅するのが怖かった。『家に誰もいないかもしれない』そう考えると怖くなってしまうのだ。そのため、家の明かりが点いていると心底ほっとするのであった。

そして、不倫の事を全て妻に話し、妻が子どもを連れて実家に帰ったと会社の先輩に話すと、『楽な道を選んだよな』と言われてしまう。

本作『カマをかけたらクロでした』の原稿をうえみからチェックする様に求められた夫であるが、何か言いたいことはあるかと尋ねられても『すみません、申し訳ありません』としか言えず、また読みづらいところがあるかと尋ねられても『全部』としか言えないのであった。

~終わり~

以下、感想と考察

カマかけ方法等、参考になるところアリ

本作の題名でもある『カマかけ』…これが前半の目玉になるわけだが、その方法やコツについては割と納得ができ、参考にすることができるだろう。また、

各話の間にあるコラム、『うえみ式・浮気チェックリスト』等も役に立ちそうだ。

怒りの感情は長く続かない?うえみが離婚せず再構築を選んだ理由を考える

タイトルにあるように『カマかけ』して、離婚調停をした作者。しかし、結局離婚をせず別居状態を続け、最終的には浮気夫とヨリを戻す。これについてはどうしても『結局離婚しないんかーい!!』『お受験等のために夫を利用した、今後も利用するってこと?』等批判されてしまうところだと思う。

しかし、何だろう、個人的には『まあ、そういう結論もありか』と思う。

ハッキリ言って、あれだけ息巻いて離婚調停に望んだのに、すぐに離婚しなかった理由、第9話『灰色の理由』は分かりにくい。色々と理屈付けているが、身もふたもない言い方をしてしまうと、要は『離婚という決断の重さにビビって先送りにした』というところだと思う。しかし、それは自然な感情だと思う。そして、怒りの感情というものは想像するほど長く続かないものだ。『時間薬』という言葉もある位だ(意地の悪い言い方をするなら『喉元過ぎれば熱さを忘れる』とも)。

また『受験のためによりを戻したのか』と言われてしまえばその通りだろう。しかし、実際に子どもを育てるのには人手が必要で、別居状態とはいえ夫にも子どもを養育を支える義務がある。そして、その娘の受験を通して夫は作者の信用を勝ち取っていく。作者がそんな夫を見て悩みながらも『3年半』という時間を掛けて下した決断が『再構築』なのだ。私は『ふよぬけ』では主人公が夫との対話が消化不良のまま再構築を選んだことについて否定的なことを書いたが、本作での再構築の選択は理解できる。

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しかし、本作品の前年に出版された『慰謝料上手にとれるかな?』を見ても分かるのだが、どうも作者の夫は不倫の常習犯みたいで、本作で出てきた不倫相手は『慰謝料上手にとれるかな?』の夫の不倫相手、『田村裕美』とは別人のようだ。そして、本作は田村裕美との不倫の前の話…うーん。

更に、うえみあゆみ氏は今年2019年6月から『マタしてもクロでした』という本を出している…なんだかなぁ。

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まとめ~役立ち知識、リアルさはあるものの『その後』を考えるとスッキリさには欠く

『カマかけ』の方法等、参考勉強になるところは多く、主人公である作者、うえみあゆみ氏が行動力もあり、言いたいことをハッキリ夫に言う人なので、読んでいてそこまでフラストレーションは溜まらない。途中、離婚調停までして結局離婚をしないのには正直拍子抜けするものの、その後の再構築を選ぶまでの流れはリアルで理解できる。

ただ、うえみあゆみ氏の他の作品から、結局この後も浮気、不倫を繰り返し、家庭に騒動を起こしていることが分かるので、その事も考えると『あーあ…』という気持ちになってしまう。

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また、ページ数の割りに855円という少々値段が高いように感じてしまうのだ。

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