モンキーピーク、登場人物・キャラクター最新まとめ~wikiより詳しく、ネタバレあり

モンキーピーク1巻表紙

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Contents

あらすじ

薬害疑惑を持たれたことで経営不振に陥った藤谷製薬。社員達の士気が落ちている中、一致団結を図るため、社長がレクリエーションとして全社員によるしらび山登山を企画した。しかし、登山一日目の夜、社員達はナタを持った大猿に襲われ、携帯電話を奪われてしまう。パニックを起こしながら下山しようとするも、その後も猿の襲撃が続き、社員達は次々と殺されていく。その上、より険しいルート、岩砕山(別名“鬼猿岳”)に追いやられていく社員達に山の自然が襲いかかる。果たして猿の目的・正体は何なのか。そして藤谷製薬の社員達は岩砕山から無事に生還できるのか…!

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藤谷製薬、生存者・生き残り(最新巻時点)

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早乙女 稜 営業 23歳

主人公。左の眉尻に傷跡がある。笑顔を作るのが苦手で、営業の成績は悪い。中学3年生の時無免許で盗んだバイクで事故を起こし、後ろに乗せていた親友ユージを失い、その翌年春に岩砕山登山中に事故で父を亡くしている(左眉尻の傷跡はその時できたもの)。自責の念からその経験について「過去に2人を殺した」と語っているため当然他の社員達から誤解され、敬遠されている。…なんでわざわざそんな言い方するんだろう。中二病かな?野性的な感を持ち、猿の悪意や意図を見抜く鋭さを持っている一方で、前述の中二病発言のせいもあり、社員達から『ゼリー飲料隠れ飲み疑惑』を持たれたり、『果物の缶詰の毒見』を押し付けられたり、『猿の仲間疑惑』を持たれ安斎から拷問にかけられたりと散々な目に遭い続ける。

しかし、度重なる窮地をずば抜けた体力と運動神経、元ヤンの根性と主人公補正で切り抜け、顔面に放たれた矢を歯で齧って止める等の人間離れした芸当を見せる。度々心が折れそうになる瞬間があるも、友人の宮田と天使の様な林に救われる。

2巻で氷室の虚言から、猿と氷室の仲間とみなされ、安斎から殴られ続ける拷問を受ける。3巻では宮田達に拷問の拘束を解いてもらうものの、追放宣言を受けて中岳小屋から逃走。しかし、このときに靴を履いていなかったことが後々影響してくる。その後、社長達の死体が寝かされていたビニールシートの中に潜み、猿を待ち伏せ。戦闘するも、身を呈して共に崖から落下。しかし、そこは主人公なので無傷で生還し、そこで合流した田中(中田じゃないよ、田中だよ!)とともに皆に『猿が複数いる』という事実を告げるため再び中岳小屋に向かう。しかし、下山を目指す宮田達が猿の追跡を受けていることに気付き、助けるためにまた、下山していく。3巻ラストで宮田達が『カニ歩き』でピンチに陥っている所に颯爽と現れた。まさに主人公の鑑。

4巻で裸足で外で夜を過ごしたことで、足に凍傷を負い、八木からは指を2~3本失うことになるだろうと言われる。5巻以降は八木から受け取った死者の靴を履いている。足の痛みからしばらく大人しく過ごすも、6巻で三ツ倉小屋にて猿に襲撃された際は安斎に『他にいい物がなかったから』というシンプル過ぎる理由で猿に向かってぶん投げられ槍に刺さったり、7巻では“ハンガーノック”を悪化させ体力を失った佐藤を背負う役を買って出たりと結局体を酷使している。しかし、足の凍傷は痛み続け、『一度脱いだらもう二度と履けない気がして見ることができない』と言って靴を脱ぐことはしていない。

9巻では長谷川部長が猿の味方だと気付いた安斎と氷室が長谷川部長を正当防衛で傷付けた後の現場を見て我を失い激昂。安斎の弁解を聞こうとせず、一方的に殴り付けてしまった結果、反撃され左の足先をポールで突き刺されてしまう。そして、その後は長谷川部長に誘導・洗脳され、『安斎と氷室こそが敵』であり『安斎・氷室に追い付き、彼らをブチのめす』ことが目的だと思い込み、真の敵と目的を見失ってしまう。10巻では林から受け取った毒入りのチョコレートを食べてしまう。食後4時間後に毒が回って死ぬと言われる。便利な毒だ。信じていた長谷川部長が猿の味方だったと知り絶望する。11巻では宮田(後に生きていたことが分かるが)も長谷川部長も失う。更に今まで受けたダメージとまた林から盛られた毒のためか、急激に体力を失っていくが、父と行くことができなかった岩砕山山頂に辿り着いた。

12巻で死ぬ間際の林から、長谷川部長によりその実直さを買われ、なるべく殺さず、後世に事件のことを語る語り部とするためのランクZに位置付けられていたことが明かされる。

実はバイク事故の際、運転していたのはユージであり、早乙女は後ろに乗っていただけ。運転はしていなかった。しかし、ずっと『何故自分が生き延びたのか』と疑問と自責の念を持ち、周囲には自分が運転していたと嘘を吐いていた。そして8巻でそのことを佐藤に見抜かれる。

だが、12巻で逆上した安斎が宮田と佐藤を殺害しようとした際、『自分はこの時のために生き残った』と悟り吹っ切れて安斎に立ち向かう。そして、はるかに体格、体重が上回る安斎を持ち上げて共に崖から落下するも生き延びる。

そこで力尽き、諦めかけるも亡き父やユージ、そして死んでいった社員達から『諦めるな』と言われる幻を見て生きる気力を取り戻す。

ラスト、事件から数か月後、歩けるくらいには回復したと語っていて元気そうな様子である(『左足だけで5箇所骨折した』等と語っていて、肋骨も4本骨折した上、足の指は3本切断となり、走ることは今後難しいが)。自然な笑みを浮かべられるようになり、佐藤とは恋人になっている。宮田から佐藤と共に事件の体験記を書くために呼び出され話し合う所で本作は終わる。

続編である『モンキーピーク the Rock』でも主人公をしている。

宮田  営業 23歳

明るく社交的で、早乙女とは同じ中学校出身(3年間クラスが一緒。高校は別)の友人。早乙女のことを「サッチー」と呼ぶ。他者への気遣いが上手いイケメン。また、1巻ラストで辻の死体を見て、犯人は猿ではなく社員の誰かだと見抜く鋭さも持っている。以前から上司である氷室からいじめられており、今回の登山も騙され、一人スーツ、革靴で来てしまう。しかし、実は氷室に騙されていることは分かっていたうえで、 あえてスーツで来ることで、氷室からいじめられていることを周囲にアピールし、同情してもらおうとしていた。

人間離れした体力・運動神経・気力、そしてぶれない正義感を持つ主人公早乙女に対して、宮田はごく一般的な人間であり、疲れから荒れた態度を時折見せたり、山を怖いと感じたり、自分が助かるために一瞬岡島を見捨てようかと迷ったり等、人間らしい弱さを見せる、まさに『人間味担当』とも言える。3巻で早乙女を平然と迫害し拷問に掛けた社員達と行動を共にするのが嫌になり、林、岡島、長谷川部長を連れて中岳小屋から出て下山しようとする。その際、八木兄から『社員の死体からアウターと靴を借りた方がいい』とアドバイスを受けるも抵抗を感じこれを拒否。それが宮田の命運を分けることとなる。革靴が過酷な山道に耐えられるはずもなく、右足の親指と人差し指の爪がはがれてしまうのだ。また、スーツでは防寒しきれず、急速に体力を失ってしまう。5巻では早乙女、林とともに三ツ倉山の前で夜を過ごし、寒風の中、眠ってしまった早乙女に上着を着せ、命を賭して救助を呼びに行き、運良く八木と遭遇し、早乙女と林の元へ八木を連れてきた。その際、八木から中岳小屋での死者の防寒着を受け取り、その後三ツ倉小屋ではテントで殺された登山客の靴を使用した(さすがにもう文句は言わなかった)。

6巻では安斎の一連の行動に疑惑と不信感を持ち、皆に根回しをして安斎を三ツ倉小屋に入れなかった。9巻で早乙女と安斎が争っている際、早乙女に加勢しようとしたところ、安斎にポールで顔面を切りつけられてしまい、深いキズを負ってしまう。イケメンが台無しに。その後、早乙女と同様に長谷川部長に洗脳され、猿以上に安斎達を憎む様になる。10巻では林から受け取った毒入りのチョコレートを食べてしまう。食後4時間後に毒が回って死ぬとのこと。毒、便利過ぎない? 10巻ラスト、岩砕山山頂直下の鎖場で、早乙女のピンチを救い、今までのことを謝罪するという雑で唐突な死亡フラグを立てた後、氷室から投石を受けて崖から転落、死亡した。 

…と思いきや、実は生きていました!!(確実に死んだシーンがうつされていない奴は生きていると思わないとね!!)落ちた先に安斎が殺害した救助隊員の死体があったのだ!!ここで一生分の運使ったんじゃないかな?

そして、早乙女、宮田、佐藤を処分し一人で生き残って都合の良い話を警察にしようとする安斎に対して、警官達の殺害や早乙女達を殺そうとしている言質を取り、隠し持っていたトランシーバー(安斎に殺された警察の救助隊員が持っていたもの)でそれを警官達に聞かせるというファインプレイをする。その後、逆上した安斎から拳銃で撃たれ肩の辺りを被弾し、また毒が効いて呼吸困難に陥るも佐藤の人工呼吸の甲斐あって助かる。

ラスト、顔に大きな傷が残るものの非常に元気になっており、”体験記”を書く中心人物になる。

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佐藤 貴子 経理 31歳

黒髪のロングヘアーの女性。整っているがややキツイ顔立ち。口の左下にホクロがある。責任感が強く真面目だが気が強い。レクリエーション登山では早乙女が所属する4班で班長を務めていた。序盤は何かと『班長』であることにこだわり仕切ろうとした。小学生かよ。普段経理で仕切る立場にない反動だろうか?自分に対してたけでなく、他人にも厳しく、特に皆の足を引っ張る岡島には容赦の無い言動を繰り返し、「人を殺した」という早乙女にも当初は厳しい目を向けていた。一方で2巻で4班がしんがりを押し付けられた際には、班の中で自ら一番最後まで残る役目を買って出る等責任感の強さを見せる。幼少期から母親に『男に負けるな、男になんか頼っちゃダメ』『一人で生きていけるように強くなれ』と言われていたため、人に頼ったり弱味を見せるのが苦手。そのため、男性に媚びたような態度を取る藤柴に対して嫌悪感を持っており内心悪態をつくことがある。

3巻で社員達が分裂した際は安斎側について中岳小屋に残った。これが佐藤の悲劇の始まり。4巻で田中と氷室に水泥棒の濡れ衣を被せられてしまい、安斎に拷問に掛けられてしまう。実質的に受けた被害は藤柴からスコップで額を殴られる程度(少量の出血)だったが、その後も遠野に拷問されかけたりした事で深く傷付き、疑心暗鬼に陥ってしまう。何かと気遣ってくる遠野の好意も素直に受け取れなくなる。5巻では飢餓と渇き、そして心身の疲弊から“ハンガーノック”状態に陥ってしまう。更にその状態でカニ歩きを進んでいる中、遠野と共に、南から後方からやってきた猿と戦うよう強制される。当然、戦えるはずもなく、なんとか逃げてくるも南から石をぶつけられた末、鼻血が出るほど顔面を殴り付けられる。その際、キレて南を蹴ったところ、運悪く南は滑落死してしまう。正直南は自業自得だと思うし、正当防衛が成立しそうだが、そのことで自分を責め、更に精神的に追い込まれていく。そこを飯塚に付け込まれ、6巻、三ツ倉小屋では飯塚に唆されて小屋に火を放ち、直後猿三匹に人質に取られてしまう。絶望しきったところを自作の爆弾を抱えた遠野が命を賭して猿達に突撃、自爆をしたため助かる。

遠野のこの行動と、『あなたには生き残って欲しい』という言葉に、『遠野の分まで生き延びる』と生きる気力を取り返し、彼の遺品となった眼鏡を大事に持ち歩く。一方、遠野の死の遠因を作った飯塚・藤柴には恨みを抱く。7巻では“ハンガーノック”が悪化し意識が朦朧として動くことが出来なくなり二ノ峰で早乙女に背負われる。8巻で意識を取り戻した当初は早乙女を南と見間違えパニックを起こした。“裏道”を進むなか自力で歩ける程には回復し、早乙女に『南と遠野を殺した』と告白。そのやり取りで早乙女がバイク事故について自ら罪を被っていることを見抜き、彼の人間性を理解した。その後、冷静さを取り戻し、『遠野ならどう考えるか』と先を見据えて行動するようになった。

9巻では長谷川部長の右手袖の血痕にいち早く気付き疑うも、動揺してしまい、その事を皆に伝えることが出来なかった。早乙女と安斎の紛争の後も迷いながらも早乙女達と行動することを選ぶ。10巻では、長谷川部長の言動に用心しつつ、警察部隊とトランシーバーを通してやり取りすることに成功する。そして、一同を山頂に向かわせようとする長谷川部長に対して、正論をかまして『待機すべき』と主張し、待機する方向へ持っていくことに成功。しかし、林から受け取った毒入りのチョコレートを食べてしまい『毒の名前を教えてもらう』という条件で山頂に向かわざるを得なくなった。

…だが実は、林に『チョコ隠し持ってたんかい、このぶりっ子め』と内心悪態をついていたこともあり、佐藤はこのチョコレートを食べてはおらず、にも関わらず食べたという事にして長谷川部長と林に着いて行った。これは恐らく消沈する早乙女や宮田を励まし『頂上を目指すしかない』と発破をかけるためであり、佐藤らしい優しさと強さであったと言える。その後も宮田を失った(実は生きていたけど)早乙女を励まし続け、林の意図を冷静に推測する。

12巻で、バイク事故の件を持ちだして早乙女をけん制しようとした林に怒り、『私は早乙女を信じる』と発言する等、急にヒロインっぽさを出してくる。そして自身も戦うことを決意し、“真の猿”目掛けて火薬に火を着けて特攻した。これは6巻で『あんたは出来る』と飯塚に唆されて山小屋に火を放ってしまった彼女が真に『出来る女』になった瞬間であった。

結果的にこれが“真の猿”の右側頭部を吹き飛ばすという、致命傷を与えることとなったが、その代償は大きく、佐藤は右目を失明し、右腕も失ってしまう。

ラストは右腕を失い、右目にも眼帯をしたままの姿で登場。早乙女とは恋仲になっていて、宮田と早乙女と共に体験記の案を出し合う。

(なお、作中で一切触れられていないが、救助後に南の死や三ツ倉小屋の放火の件で罰せられた様子はない。状況が状況なので罪に問われることは無かったと思われる)

後日談である『モンキーピーク the Rock』では早乙女の子を妊娠している。また、ここで“貴子”という下の名前が判明する。

藤谷製薬、 死亡者(長く生き延びていた順)

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安斎 法務 34歳

学生時代アメフトをやっていたこともあり、非常に体格が良く、体力と腕力に優れており、猿とも渡り合える戦闘力を持つ。責任感が強く、判断力もあり、社長からも厚く信頼されていた。2巻にて社長が負傷・死亡した後に社員達を取りまとめようとしたものの、『自身が正義だ』と疑うことなく、厳しく、拷問などの暴力行為も辞さない冷徹なやり方から皆を怯えさせ萎縮させてしまう。過去の非行行為を『やんちゃ』と表現した早乙女に嫌悪感を持つ。というか、何かと気が合わない。そのため、度々早乙女とも衝突する。

…というか、平気で社員達を拷問に掛けたり(2巻で辻殺しの犯人だと発覚した氷室を吊るして、太ももや足の甲をフォークで刺し続ける)、拷問中にハッスルしちゃったり、元ヤンの早乙女以上にヤバい人。どうした、安斎。お前の人生に何があった。

2巻にて氷室が辻殺しの犯人だと発覚すると、山小屋の梁に吊るし、左の太ももと左足の甲をフォークで刺し、左足の小指と薬指を切断するという凄まじい拷問をかける。ここで氷室が『早乙女に頼まれてやった。早乙女は猿の仲間だ』と言ったため、ついでに早乙女も拷問にかける。当然、一部を除いた社員達からは反発を受け、3巻では早乙女を逃がされ分裂を宣言されるが、その事実を平然と受け入れた。しかし、同時に『自分が正義だ』という開き直りも見せる。さらに4巻では水泥棒の容疑を掛けられた佐藤も拷問に掛ける。男女平等と言えば男女平等。

その後も社員達のリーダー的な役割をし続けるが、三ツ倉小屋に到着した6巻では一転、猿の仲間と疑われると同時に今までの言動から社員達に排斥を受け、山小屋に入れてもらえなくなる。その際、『皆のことを考えているようで本当は自分が生き延びる術を考えているお前はむしろ猿に近い』と猿に言われる夢を見て一瞬動揺するが、『猿にはならない』と決意する。その後、三ツ倉小屋にいる社員達が猿に襲われた際は社員達を助けに駆け付けるが、『他にいい物がないから』と言って早乙女を猿にぶん投げる…うん、そういうところが猿っぽいかも。

学生時代アメフト部の主将をしていた際、部員達に非常に厳しい指導をしていたにも関わらず、結果を残すことが出来ず、またその事を部員達から糾弾された経験が密かな心の傷になっている。

9巻にて長谷川部長が猿の仲間であると見抜き、氷室を使って自身を襲おうとした長谷川部長を返り討ちにした。しかし、早乙女達から誤解され、弁解を聞いてもらえず突然殴り付けられたことで上記の心の傷口が開き、爆発。反撃で早乙女と宮田をポールで怪我させた後、八木の荷物を奪い、氷室を連れて別行動を取ることを選択する。10巻で早乙女達より先に岩砕山を登り、梯子を破壊して早乙女達の進行を妨害した(正確には氷室が梯子を破壊するのを黙認した)。

その後、警察官による救助隊と出くわすが、後方に早乙女達がいるにも関わらず梯子を破壊した様子を見られており、なおかつ死亡した八木の荷物を持っていたことから。『テロリストの仲間』だと警察官にみなされてしまう。当初は弁明しようとするも、心身の疲弊、そして『早乙女達に八木殺しの濡れ衣を着せられる』という被害妄想から今までの鬱憤が爆発し、警察官たちを殺害して物資を奪う。それ以降、『自分は猿だ』と開き直り、氷室以外の社員と猿たちを殺害しようと企てる。11巻では日本刀の男、トオルを倒し、弾が3発入った拳銃を手に入れるが、左手の平を拳銃で撃ち抜かれ負傷した。『喰らえ、筋肉の弾丸!』

『真面目で、忍耐強く、献身的で、公正・公平で頼れる、でもちょっぴり繊細なサディスト』…なんか言葉にすると物凄いキャラ。

藤谷製薬の薬害事件の証拠隠滅を図った中心人物長谷川部長と林からはAクラス…絶対に殺すべき対象とみなされていた。薬害隠蔽については『薬害被害よりも藤谷製薬の社会的価値の方が高く、藤谷製薬を再生して社会へ貢献させるべきだと判断した』と語り、その判断を後悔していない様であった。

そして、早乙女、宮田、佐藤を処分して一人で生き残って都合の良い話を警察にしようとしていたところ(テロリスト集団と果敢に戦い生き延びた“英雄安斎”の物語w)宮田に警官殺害等の言質を取られ、それをトランシーバー越しに警察に聞かれてしまいその計画は狂ってしまう。

逆上した安斎は早乙女、宮田、佐藤を殺害しようとすると、早乙女からタイマン勝負を申し込まれ、日本刀などの武器を捨てて応じる…妙なところ律儀だなぁ。そして、一度は早乙女をダウンさせたものの、復活し火事場の馬鹿力を発揮した早乙女に持ち上げられ、一緒に崖下に落下した。

その際、即死はしなかったものの背中に梯子の破片が刺さり致命傷を負い、早乙女に対して『山はお前を選んだ』と言って負けを認める。そして、最後の力を振り絞り、実は生きていて逃げようとしていた田畑の頭目掛けて投石し、殺害。

田畑の頭部に投石が当たったことに『パスが通った』と言い、アメフト時代の仲間達に胴上げされる幸せな幻を見ながら絶命した。
…悪役なはずなんだけど個人的には嫌いになれなかったキャラ。

なお、何故か『モンキーサークル』の2巻の最後に入っている『モンキーピーク』の広告の絵は、早乙女よりも安斎の方が主人公に見えるような描かれ方をしている(単に12巻の最終ページ…死亡した人達の集合図を使い回しているためにそうなってしまったと思われる)。

林 庶務 21歳

茶髪のボブヘアーの女性。優しく穏やかな性格で、体力の無い者、怪我人に対して献身的な姿勢を貫き、諦めそうな者には激励叱咤。早乙女に対して偏見を持たない数少ない社員で、何かと心が折れそうになる早乙女にその都度 「早乙女君が生き残った事には、絶対何かの”意味”がある」 、等の優しい言葉をかけ励ます。3巻で宮田が中岳小屋から出て行こうとした際に着いていくと言いだし、実はこの行動が社員達の分裂を引き起こしたとも言える。5巻で三ツ倉小屋に姿を表した日本刀の男(トオル)を見て、“話し合い”を社員達に提案して驚かせる。社員達が怯え、困惑するなか早乙女と共に日本刀の男と猿の元へ向かい、手紙を受けとる。7巻以降、ロープウェイ駅に行くのに遠回りを提案したり、正規の道を外れ“裏道”を案内しようとする八木に疑いの眼差しを向け、『おかしいのでは』と主張するも八木のペースに飲まれ、それ以上は異議を唱えられなかった。彼女の不安は後に的中することとなる(詳細は八木兄の項)。

キャラ的にも容姿的にも、一応ヒロイン枠なのだが、やたら善人過ぎるのと、妙にタフで何だか怪しい。特に7巻以降、何かと病気の弟(しかもボーイスカウトの経験があって姉である林共々モールス信号をマスターしている) の存在をアピールしていて、より怪しくなってくる。裏切り者、真犯人、黒幕フラグがビンビン立っている。そして、案の定10巻で、早乙女、宮田、佐藤に『4時間後に死ぬ』毒入りチョコレートを食べさせた後、自らが猿の仲間であることを告白した。そして『毒の名前を教える』ことを条件に、ともに山頂を目指し、安斎と氷室の殺害に協力する様に強制する。林が猿の仲間であったことに、きっと多くの人が驚かなかったに違いない。林の動機は『弟二人が藤谷製薬の薬害被害を受け、一人が死亡、1人が植物人間状態に陥った』こと。猿の一味であることを告白した後、今までの優し気な態度を一変させ、早乙女達に冷淡な態度を取る。瞳から光が無くなる。分かりやすすぎじゃ。基本的に猿と積極的に戦うことはないものの、11巻で長谷川部長が”真の猿”に襲われた際は”真の猿”に体当たりを加え、崖下に落とすことに成功する。直後、長谷川部長が死亡した際には『お父さん』と呼んでその遺体に縋り付き、長谷川部長の娘であったことが判明する。長谷川部長と母、美紀子は離婚しており、林と弟二人は母に引き取られたため、姓が違う。藤谷製薬の薬害の証拠を探るため、父親である長谷川部長に頼み込み、藤谷製薬にコネ入社したことを早乙女と佐藤に明かした。

12巻、山頂で“真の猿”に火縄銃を発砲したところ、日本刀の男、トオルの友人である田畑にナイフで刺されてしまう。何とか残りの力を振り絞って“真の猿”に発砲し大ダメージを与えるが、その後倒れ込んでしまう。

“真の猿”を倒した後に早乙女から介抱されるが、実は早乙女達に毒入りチョコを食べさせた際に、長谷川部長と共に別の種類の毒が入ったチョコを食べており、腹の傷が無くてもどの道命が助からないことを告げる。そして、早乙女がランクZ…なるべく殺さずこの事件の語り部とする対象であったことを明かし、『この事件と悪人には報いがあるということを後世に語り継いでほしい』と頼み、『笑って』と言って絶命した。

長谷川 人事部長 50歳

早乙女の数少ない理解者で、人徳もあり社員達からも慕われている。登山経験が豊富なこともあり、事件当初は進行について社長に的確な助言をし、皆を勇気づけ支える。3巻にて宮田が中岳小屋から出て行こうとした際に林と共に着いていくと言い出した。ある意味この行動が社員達の分裂を引き起こしたとも言える。しかし、『カニ歩き』で猿の襲撃において、行方不明になり生死は定かでなかった。

…が、そこは『死んだシーンの無い奴は生きていると思え』の典型で9巻で再登場。一人で逃げようとしていた飯塚とバッタリ出くわし、自身が猿の仲間だと告げ、飯塚を殺害した。その後、何事も無かったかのように早乙女達と合流するも、安斎に猿の仲間であることを見抜かれてしまう。そして安斎を始末しようとするも頭上に潜んでいた氷室にポールで頭を打撃され、負傷してしまう。

その後、早乙女と宮田を『真の敵は安斎と氷室』『二人は自分達を猿の仲間の殺人犯に仕立てるつもりだ』と思い込ませる。しかし、10巻で佐藤が警察官の遺体についていたトランシーバーで警察本部と連絡をしあったことで事情が変わってしまう。どうにかして早乙女達を共に安斎達の元に向かわせようとするも、佐藤から『警察の指示通りこの場で待機すべき』という正論で押し切られてしまう。そのため、アドリブで林に早乙女、宮田、佐藤に毒入りチョコレートを食べさせ、自身が猿の仲間であることを告白。そして『毒の名前を教える』ことを条件に、ともに山頂を目指し、安斎と氷室の殺害に協力する様に強制する。

猿の一味の中でも、一連の計画を立てた首謀者である。『薬害事件』の全容を酒に酔った前社長から暴露されたことが動機。もう証拠が隠滅されているので、自分達で手を下すしかないと、この計画を練ったとか。…でも藤谷製薬の中で真相や隠ぺいに関わったのはごく少数。事件時には入社すらしてなかった若手まで巻き込んでる。普通にやり過ぎじゃね?一応『山にいる奴は全員殺す』と言うスタンスのトオルとは別意見であるようで、早乙女、宮田、佐藤に対しては協力すれば殺さないかのような言動を取っている。

11巻にて実は林の父親であり、2人の息子が藤谷製薬のオルフィジン薬害の犠牲者であったことが分かる。息子二人(林の弟)…和人は植物状態、行人は死亡した。岩砕岩山頂下で全ての罪を長谷川部長になすりつけるため、その指紋を必要とした安斎に右腕を切り落とされる。その直後現れた日本刀の男、トオルが”真の猿”に早乙女と佐藤を殺す様に指示すると、襲われる早乙女を助けるためナイフ一丁で”真の猿”に立ち向かう。そして、猿に腹部を噛みつかれ、出血多量で死亡した。死ぬ間際林に『生きろ』と言い残した。…しかし、この前に長谷川部長は林と共に“助からない”毒物が入ったチョコを共に食べていたので、どういう意図を持って林に『生きろ』と言ったのかが疑問である。あと数時間だけ生きろって意味かい。

また林の口から、早乙女を気に入っており、語り部としてなるべく殺さないというランクZに位置付けたことが語られている。…好みで決めたの?

氷室 営業部長 43歳

天然パーマに眼鏡の男性。薬害疑惑で営業部署が叩かれたことに不満を持っており、登山にも消極的だった。社員達の中では比較的年長、かつ営業部長という肩書なのに、あまり敬意を払われている様子はない。宮田の上司。日頃から宮田をいじめており、今回の登山でも宮田にだけ『スーツで来るように』という誤った指示をした。

1巻にて中岳小屋手前で野営中に弓矢を持った猿に襲われた際に、滑落し、頭を負傷。2巻にて寺内や馬場と共に、中岳小屋で水を破棄して見せた猿の挑発に乗るも、殺された他二人とは子なり、運良く生き延びる。そして、その晩、宮田達の張った罠にひっかかり、辻殺しの犯人であることが発覚する。そして、そのことについて真相を語らせようとした安斎から山小屋の梁に吊るされた挙句、左の太ももと左足の甲をフォークで刺される、左足の小指と薬指を切断されるという凄まじい拷問を受けることとなる。

しかし、非常に狡猾で頭が回り、弁が立つ。とっさに『自分は早乙女に金で雇われて協力しただけ』という嘘をつき、それっぽい話を捲し立てることで早乙女を巻き込み、安斎の拷問の矛先を早乙女に向けることに成功した。3巻にて拷問の拘束を解かれたが、警察を呼ばれることを恐れて八木兄妹の衛生電話を奪い逃走しようとする。安斎に捕らえられるもその勢いで衛生電話を崖下に落としてしまう。何してくれてんねん。4巻では、中岳小屋の水泥棒騒動で犯人が田中だと知りつつ佐藤が水を盗むのを見たとウソをつく。

そもそも辻を猿の仕業にみせかけ殺害した理由が接待交際費の私的流用に気付かれゆすられていたためであり、同じ経理である佐藤も何か知っているかもしれないと考え、佐藤の殺害も目論んでいた。そのため、『安斎が佐藤を拷問して殺してくれたらラッキー』と思い、佐藤に水泥棒の罪を着せた。中々頭が回るクズ野郎である。『正直に全てを話せば炭酸飲料一本渡した上、解放する』と言う安斎の取引に乗り、全てを告白。5巻で炭酸飲料を一本受け取り、皆とは逆方向へ下山していく(囮としての意味合いもある)。

しかし、7巻、三ツ倉山で皆の前に再び姿を表す。『猿にこちらに向かうように言われた』と主張し、宮田達から不信がられるも先頭を歩くことを条件に社員達に受け入れられた(異常な状態が続いて、皆分からなくなってるのかもしれないが、こいつはナチュラルな殺人鬼やで)。単なるゲス&クズキャラかと思いきや、9巻では安斎を始末しようとした長谷川部長の脳天にポールを叩き込む(しかも、崖から飛び降りながらという格好よさ)という、有能な活躍ぷりを見せる。その後は安斎と共に、早乙女達から離れる。

実は一人逆方向に下山していた際に、猿と遭遇し『社員達に合流し、全体の進みを遅らせて、かつ内部に猿の仲間を増やせば生かしてやる』と言われ、その通りに行動していた。猿の仲間としての印は『左の太ももに何か巻く』ことと言われたため、左の太ももに布を巻いている。しかし、氷室自身、猿が約束を守るとは思っておらず、むしろ利用して生き延びようと考えており、そのため安斎にだけそのことを打ち明け、事前に同盟を持ちかけるていたのだ。同盟を結び、安斎と共に早乙女達から離脱した直後は積極的に梯子を破壊するなど早乙女達の進行を妨害している。そして10巻ラスト岩砕山山頂直下の鎖場で早乙女達に投石攻撃を繰り広げ、宮田を崖から落とし殺害することに成功する。その時見せた無邪気な笑顔と「やったぁーっ、命中~っ」という言葉から、どれだけ宮田のことを嫌っていたかを窺い知れる。『チャラチャラして女にモテそうな顔をした宮田が前から気に食わなかった』 との事。本当にこいつと関わるとロクなことがないよ。

の後、はしゃぎながら早乙女に投石を繰り返すものの、突如”真の猿”と共に現れた日本刀の男、トオルに切りつけられる。慌てて『左の太ももに巻いた布』を見せるも、トオルにそれをはぎ取られてしまう。絶望の叫びを上げる中、”真の猿”に喉笛を食いちぎられるという壮絶な死に方をした。

オルフィジンの薬害について噂で知っていたものの、『今のうちに売れるだけ売っておこう』と言い、営業に力を入れ、その功績で営業部長に昇進した。このため、長谷川部長と林からはAクラス…絶対に殺すべき対象とされていた。

飯塚 開発室A 26歳

茶髪でやや軽薄な印象の男性。非常にずる賢く、『常に自分より立場が弱いものを用意しておく』というのが信条。1巻にて、飲料が一括管理された後もゼリー飲料を隠し持ち摂取。それを藤柴に見つかり揺すられるも、逆に『同盟』を持ち掛けて上手いこと利用する。2巻にて中岳小屋手前でしんがりの役目を決める際、しんがりを早乙女(と早乙女の所属する4班)に押し付けるため、早乙女に『飲み物を隠し持っていた』という濡れ衣を着せて、早乙女が孤立する要因を作った。また、その後も中岳小屋にて、早乙女に毒が入っている可能性のある果物の缶詰の試食を押し付けようともする。また、小屋で見つけた缶詰や飲み物を皆で共有することをせず、藤柴と共に隠れて食べることを繰り返していた。そのため、社員達の中では比較的体力が残っている。

人の心の隙に付け入るのが非常に上手く、5巻では社員達を『ふるい』にかけようとする安斎に対抗するため南も“同盟”に加え、南が死亡した後は、南を滑落死させてしまった佐藤と、佐藤を庇う遠野を“同盟”に加え、コントロールする。生き残ろうとする意思はあるものの、猿と戦う意思は希薄で、6巻、三ツ倉小屋では猿と直接戦うつもりの宮田、八木の方針に辟易し、佐藤を唆して小屋に火を付けさせ、自身はほとぼりが冷め、ヘリの音がするまで藤柴と共にバイオトイレのタンクに潜んでいた。

藤柴に対する飴と鞭の使い分けは巧妙で、7巻で飲み物を隠し持っていた罪を藤柴に押し付けたかと思えば、異性として好意を持っているかの様な言動をとってみせるなどして、藤柴の自身への依存度を深めた。

頭の回転も早く、雷雨の後、八木から提供された乾いた服を藤柴と氷室とじゃんけんで奪い合った際、『寒さと緊張感から二人は拳に力が入る』と読み、パーを出し、見事に乾いた服を手に入れた。8巻で他の社員達が岩場で八木に猿を呼び寄せるための囮にされている中、トイレに行く際、滑落死したように見せ掛けて一人、岩場の陰に隠れた。9巻にて、早乙女、安斎達を囮にして、一人逆方向に下山。その際、藤柴の死体を見つけるも、何の感慨も抱かなかった。その後、道を見つけ、生存者としてヒーロー扱いされる自身を夢想し歓喜しながら下山するも、運悪く猿の仲間であった長谷川部長と遭遇してしまい、ナイフで刺される。その後、命乞いするも崖から蹴落とされて絶命した。
…あと少し出るのが遅ければ助かっていた可能性があった。残念!

藤柴 庶務 24歳

お団子頭がトレードマークの愛嬌がある女性。人に何かと甘え、頼ることから佐藤からはブリっ子ちゃんと嫌悪される。流されやすい性格で、1巻にて飯塚が皆に隠れてゼリー飲料を持っていることを発見し揺すろうとするも、逆に『同盟』を持ち掛けられ、飯塚とともに、早乙女に『ゼリー飲料隠しのみ』の濡れ衣を押し付ける。飯塚と異なり、他者を貶め欺くのに罪悪感は持っており、次に飯塚が早乙女に毒が入っているかもしれない果物の缶詰を試食させようとした際に反発するも、飯塚に脅されてしまい、以後は良いように使われてしまう。一方で八木兄妹が『普通の兄妹の関係ではない』ことを見抜く鋭さを持っていた。3巻で社員達が分裂した際、宮田達についていこうとしたが、飯塚に凄まれ中岳小屋に留まることとなった。

4巻では安斎に佐藤を拷問するよう強制され、シャベルで佐藤の額を殴るが、佐藤の剣幕を恐れ、泣き出してしまった。

当初は他者を陥れたり、傷付けたりすることに抵抗感を持っており、平気でそういった行動を取る飯塚を恐れていたが、次第に飯塚への依存を深めていき、自身も他者を利用することに疑問を持たなくなる。6巻、三ツ倉小屋での猿の襲撃&佐藤の放火の際は、飯塚と共にバイオトイレのタンクの中に身を潜めるが、炭酸飲料を入れたリュックを持ってくるのを忘れてしまう。そのため、火災が収まった7巻、地上にいた社員達にリュックの中身を見られてしまい、ヘリの音を聞いてトイレから飛び出してきたところ、安斎からぶん殴られた末、ぶん投げられる。更にジュースを隠し持っていた罪も飯塚から全面的に押し付けられてしまう。裏切った飯塚に一度は怒り疑問を持ったものの、再び丸め込まれてしまう。その後、三ツ倉山から二ノ峰までの稜線で落雷に巻き込まれパニックを起こして逃げようとしたところ雷に撃たれ一時は心肺停止に陥るも八木の心臓マッサージと林の人工呼吸で息を吹き返す。

飯塚と共に隠れて桃缶等を口にしていたため、比較的体力に余裕はあったものの、上述した7巻での安斎の制裁&落雷以降急速に体力を失い、低体温症になってしまい八木や宮田に背負われて行くことになる。8巻『岩砕山』で依存していた飯塚が滑落死した様に見せ掛けたことで落胆、それもあってか8巻ラストで衰弱死してしまう。死後、衣服を生存者の防寒に使うためと身ぐるみ剥がされ、下着姿で崖から落とされるという悲惨な末路を迎えた。

田中 開発室Aリーダー48歳

眼鏡でシミ(痘痕?)の多い冴えない男性。早乙女から名前を『中田』と間違われてしまう位、存在感が薄い。一巻では、矢ノ口落とし後、中岳小屋へ向かう組と負傷者・待機組に別れた際に、後者の責任者として残るように社長から指示される。待機組が猿に襲撃された後、一時行方不明となるが、3巻で中岳小屋の崖から落下した早乙女と合流。その後ともに中岳小屋へ向かい、4巻で他の社員達と合流し、宮田達を追った早乙女から『猿は生きている』『猿は複数いる』という伝言を預り、安斎に伝えた。

空気の読めない小心者で、中岳小屋に着くも水の貴重さを理解しておらず、炭酸飲料一本を盗む。その結果犯人探しが始まり、炭酸飲料のペットボトルを近くにあった佐藤のリュックに隠してしまう。そして、氷室の虚偽の目撃情報に乗っかる形で佐藤に水泥棒の濡れ衣を着せた。真相が発覚した際は佐藤に土下座して謝罪した。6巻、三ツ倉小屋で日本刀の男から『二人だけ逃がしてやる』と手紙を渡され、社員達が誰を行かせるか話し合っている中、一人逃げ出し抜け駆けする形で下山した。

…もちろん、助かる訳はなく、7巻で下山を目指して三ツ倉山で早乙女達が手足を縛られたまま殺された彼の死体を発見する。外部に向けた猿達のメッセージを読み上げさせられ、その様子を録画された後に殺害されたことが判明する。

遠野 開発室A(28歳) 

小柄で眼鏡、華奢で小柄な体格でやや幼い見た目をしている男性。頭の回転が早く冷静。地図を持ってきており、1巻では、いち早く下山ルートから外れていることに気付いた。知識が豊富なため、中盤まで頭脳キャラとして、作戦を立てたり(2巻のしんがり作戦)、解説役になったりする(戦国時代では投石が非常に攻撃として有効だった云々)。しかし、ちょっと抜けている(しんがり作戦→猿に先回りされている可能性を考えていなかった、投石が強い→投石よりも弓矢の方が強いと逃げながら解説)。

同じ開発室の馬場とは非常に仲が良い友人であったため、2巻中岳小屋で猿に殺害された彼の遺体を見た時は涙を流し怒りを訴え、『猿の情報を引き出すためなら』と安斎の早乙女への拷問を支持した。そして、仮に早乙女が無実であったとしても今後早乙女が皆と行動を共にするのは難しいと語り、彼の見解が『早乙女を拷問から解放するも、山小屋から追放する』という宮田の方針に大きく影響を与える。3巻で社員達が分裂した際は、『安斎は上司にしたくはないが、生き残るのは安斎の方だ』と判断し、中岳小屋に残った。4巻で佐藤が水泥棒の疑惑を掛けられた時、安斎から佐藤への拷問を強いられる。その際、『猿の情報を得るためなら何でもする』と言い聞かせ、佐藤を拷問しようとするが、直後にナタの猿と槍の猿が襲撃してくると戦うことが出来ず、逃走してしまう。その事を佐藤から厳しく追及されてしまう。その負い目もあり5巻以降、疑心暗鬼に陥り、また“ハンガーノック”に苦しむ佐藤を何かと気遣い寄り添う様になる。遠野自身も軽度の“ハンガーノック”を起こしており、元気そうな飯塚・藤柴の様子に疑問を持つも、佐藤が南を滑落させてしまった事実を隠蔽するために、2人の言いなりになってしまう。

昔から『口だけで役に立たない』『行動を起こせない』ということにコンプレックスを感じており、以前、馬場が『薬害について開発室Bのリーダー黒木が知っていたのではないか』と言った際には共に『何もしない事』を選んだが、内心では”正解ではない”と思っておりやり切れない思いでいた。

佐藤からも『口だけで役に立たない』と指摘され、その言葉を真摯に受け止め反省し、6巻で自身の持っていたスマホの部品と三ツ倉小屋にあったもので爆弾を自作。猿達に人質に取られた佐藤を助けるため、燃える三ツ倉小屋の中を突っ切って、背後に回り込む。そして絶望していた佐藤に『あなたには生き残って欲しい』と告げ、一度は猿に槍で腹を突かれ倒れるも、爆弾を抱えて猿にしがみ付き 山小屋と槍の猿と共に散った。 最期の言葉は『理系をなめるなあああああ』。

個人的にはもっと長く生きるキャラクターだと思っていたのでびっくりした。

南 開発室B 32歳

色黒の男性。営業成績の悪い早乙女を以前から見下していた。一巻の矢ノ口落としで集団で滑落した際に右腕を骨折してしまう。その後のゴタゴタの中で、皆の前で早乙女が過去に人を殺したことがあると発言。以後も何かと早乙女への批判を繰り返し、早乙女へのバッシングの原因を作る。2巻にて拷問を受けた氷室が『早乙女こそが辻殺しの真犯人で猿の仲間』と嘘をついた際も真っ先にその言葉を信じ、早乙女を詰った。しかし、基本的に小物で安斎の早乙女への拷問に加勢はするものの、早乙女から睨まれると怯み、安斎の様子に心底ビビっていた。林に気があるのか、3巻で社員達が分裂した際、林が宮田について行こうとするのを見て、動揺するも宮田に早乙女への迫害を繰り返したことを理由に拒絶されたこともあり、中岳小屋に残る。

ネガティブで猜疑心が強く、彼の言動が社員達の不安を煽り、パニックの引き金になることが少なくない。5巻では飯塚・藤柴の同盟に加わり、桃缶を口にした。その後、カニ歩きにて猿に襲撃された際、前にいた佐藤、遠野が“ハンガーノック”で動作が遅いことに苛立ち、遠野を鎖から蹴り落とし、佐藤にも先を譲らせる。その後、後続することになった佐藤と遠野にどう見ても戦闘できる状態ではないのに、猿と戦うことを強要。戦うことも出来ず、必死に逃げてきた佐藤に石を投げぶん殴るクズっぷりを見せる。しかし、殴られてキレた佐藤に蹴られ、そのまま崖から落下し死亡した。何とも情けない死に様である。

黒木 開発室Bリーダー 45歳

痩せ型の眼鏡の男性。1巻では二日目中岳小屋へ向かう途中、登山企画への不満を口にし、薬害騒動を引き起こした責任を飯塚に指摘され、口論になる。その後、夜に中岳小屋手前で野営中に弓矢を持った猿に襲われた際に、滑落し、右足を骨折してしまう。気弱そうな外見をしているものの、2巻にて拷問を受けた氷室が『早乙女こそが辻殺しの真犯人で猿の仲間』と嘘をついた際にその言葉を信じ、否定する早乙女の後頭部をいきなりシャベルでぶん殴り、気絶させるというバイオレンスさを見せつけた。いくら気が立ってるからってさあ…。3巻で社員達が分裂した際は安斎につき、中岳小屋に残った。4巻で中岳小屋がナタの猿、槍の猿に襲撃された際、他の社員達が二階に逃げる中、右足を骨折していたため取り残されてしまい、槍の猿に左胸を突かれ死亡した。

実は薬害について知っていたのではないかと、馬場に思われていた。

岡島 開発室B 27歳  

不細工、小太り低身長、臆病、運動神経無し等々、自他共に認める『取り柄の無い人間』。小学校時代には体育のチーム分けで『岡島がいると勝てない』と嫌がられ、中学ではパシリ、高校では便所飯等、常に『お荷物』『格下』扱いを受けてきた。谷川岳登山において猿の襲撃以前から弱音を吐いていた。1巻での難所、矢ノ口落としでは岡島が怯え、つかえていたところで猿の襲撃を受けたため、集団で滑落するはめになる。緊急事態でも空腹を訴え、部長に恵んでもらった水をたらふく飲み、不平不満泣き言で皆の士気を下げる等の空気読めない行動を繰り返す。3巻で社員達が分裂した際は宮田についていき、中岳小屋を出る。その後、カニ歩きにて弓矢の猿に襲撃され、外れかかった鎖にしがみついた状態で下から猿に迫られるも、這い上がることができずにいられた。しばらく恐怖からパニックを起こし、泣き叫び、早乙女、宮田、林に助けを求めているだけだったが、早乙女達が心から自分を助けようとしていることに気付き、『自分を助けようとしてくれた人達を死なせるのは嫌だ』と、自ら不安定な岩を剥がし弓矢の猿と共に崖下に落ちる道を選ぶ。落ちる瞬間、泣きながらも笑顔をつくり、早乙女に対して手を上げてみせた。『臆病者が最期に勇気を出して皆を助ける』という、王道パターンを見事にやってのけたキャラである。

富久社長 54歳

藤谷製薬社長。お洒落髭が特徴。薬害疑惑で前社長が退任した後、社長となった。豪快で明るい性格。薬害疑惑で窮地に陥った社の団結力を高めるために、レクリエーションとして谷川岳登山を企画する。一連の猿の襲撃でパニックに陥る社員達を指導して中岳小屋までやってくるが、2巻中岳小屋目前で先回りしていた弓矢の猿に腹部へ矢を射られ、重体になってしまう。その後、中岳小屋で寝かされていたが、社員達がよってたかって桃とミカンの缶詰を早乙女に毒見させようとしているのを見て一喝。
矢を受けて死が近い自分が毒見するといい、好物であったミカンの缶詰を食べる。結果、ミカンの缶詰は毒入りだったため絶命してしまった。

早乙女に『生きなくてはダメだ』と諭し、死の直前に笑う様に言い残す等、良い人風に描かれているけど、薬害疑惑で経営が傾いた会社を立て直すために、社員皆にレクリエーションとして登山強制するあたり、体育会系ブラック経営者だと思う。もっと他にやるべきことあるだろ。

馬場 開発室A 30歳

黒髪に上下ともに黒い登山ウェアの男性。無口で大人しい性格。しかし、早乙女にジュースを隠れ飲んでいた疑惑が出た時には、さり気なく揉み合いに参加している。2巻で中岳小屋到着直後に弓矢の猿が水を捨てているのを見て激昂した寺内が『猿を殺そう!』と提案したのに対し、怒りと判断力の低下から安斎の制止を振り切って共に猿を追いかけて行ってしまう。
その後氷室と寺内と共に中岳小屋まで猿を追いかけ、胸や目に計4発も矢を射られて死亡。

生前は同じ開発室の遠野と非常に仲が良かった。藤谷製薬の薬害事件については『開発室Bのリーダー黒木は知っていたのではないか』と疑っており、それを遠野に相談したことがあった。しかし、ともに『何もしない事』を選択した。

寺内 運転手 46歳

黒い帽子をかぶった男性。喫煙者で中岳小屋へ向かう途中では佐藤に喫煙を咎められるも無視した。
また、早乙女にジュースを隠れ飲んでいた疑惑が出た時には、先頭切って早乙女に掴みかかっていた。
中岳小屋到着直後に弓矢の猿が水を捨てているのを見て、怒りと判断力の低下から社員達に『猿を殺そう!』を呼びかけたのは寺内である。以上の言動を振り返ると元々短気でキレやすいところがあったのかもしれない。
氷室と馬場と共に怒りに任せて中岳小屋の中まで猿を追いかけ、持っていたナイフで『ぶっ殺してやらぁーーっ』と挑みかかるも頭部に矢を受け即死した。

辻 経理 53歳

鼻の穴が特徴的な女性。柴田理恵に滅茶苦茶似ている。年齢もあり、あまり体力がない。顔面にインパクトがあり、扉絵で目立つ位置に描かれていたりするものの、話の本筋では特に目立った活躍はない。1巻で二日目夜に中岳小屋の手前で野営していたところ、猿に殺された…と見せ掛けて、実は2巻冒頭で、宮田が辻は『社員に殺された』ということに気付く。そして、氷室に殺されたことが判明する。4巻にて氷室の口から、経理であった辻が営業部長であった氷室が接待交際費を一部私的に流用していたことに気付き、ゆすり金銭を要求していたことが明かされた。

矢ノ口岳の下、待機組死亡者8名

二日目、矢ノ口岳から滑落し負傷して待機していた社員達。怪我人、意識不明者もナタを持った猿に容赦なく殺害された。待機組で生き延びたのは田中、南、岡島の3名だけだった。

矢ノ口岳手前での死亡者10名

二日目、矢ノ口岳手前でナタを持った猿に10名殺される。

鈴村その他3名

一日目夜にナタを持った猿に襲撃された、最初の被害者達。鈴村が皆の携帯を集めて管理していたが、猿に持っていかれてしまう。それゆえ、社員達は外との連絡手段を絶たれた。

八木兄妹(楽園の住人)

八木兄…八木満

3巻で偶然中岳小屋にやってきた地元の登山家の兄妹の兄。郷土史に詳しい。常に目を見開いており、笑顔を浮かべている。藤芝から『目が怖い』と言われており、妹の薫とはスキンシップが多く、距離感が異様に近いことから『本当の兄妹ではないのではないか』と言われていた。 藤谷製薬の社員達に対して礼儀正しく愛想良く振る舞うも、どこかドライ。そして、過去、岩砕山山頂付近で猿神のシルエットを見たことがあると語り、藤谷製薬の社員達が猿に虐殺されていると聞いても、驚いたり恐怖したりする様子は見せず、当初は傍観者的な立場を貫き、むしろ猿が現れるのを妹の薫と楽しみにしていた。

しかし、4巻で薫が槍の猿に殺されると、一転して社員達に協力的になり、”強行突破”…下山を主張しサポートするようになる。 登山慣れしているだけでなく、猿と互角に戦うなど戦闘能力も高い。早乙女達に紐を使った投石方法“スリング”を伝授する。また槍で刺された早乙女の傷口を裁縫用の糸と針で縫う等、何かと器用。パニックになったり、内部で何かと諍いを起こす社員達を冷静に諫め、的確な指示を出すなど、高い統率力も持つ。

7巻、三ツ倉山での別れ道で、ロープウェイのある石ノ平中峰駅の方が近いにも関わらず、二ノ峰、岩砕山方面の方がなだらかだからと、そちらに社員達を連れていく。その後、8巻でも、『猿を撒くため』と“裏道”に進んでいく。林から『おかしいのではないか』と言われるも、『時間がないから』と強引に社員達をいざなって行った。

実は彼の真の目的は藤谷製薬社員を救うことではなく、妹の薫を殺した猿達に復讐することであった。そして、社員を猿達を誘き寄せるエサにするために、騙してロープウェイ駅ではなく、岩砕山に連れていったことが8巻で発覚する。騙され怒り、絶望する社員達に『山に詳しい自分がいなければ生き延びれない』と脅し、従わせた。その後、社員達を岩場で囮にし、火炎瓶の猿二匹を倒すといった超人的な働きを見せ社員達を沸かせる。…ここの動きは半端じゃなく、主人公早乙女以上の身体能力を持っていたと思われる。

火炎瓶の猿の内、殺さず制圧した一匹の被り物を外し、その正体が女子大生登山家、水口さなえであることに気付く。だが、その直後現れた”真の猿”に体を掴まれ、崖下に叩きつけられて死亡。その猿こそが昔、薫と見た”猿”であることに気付き、『ついに見つけた』と薫の姿を思い浮かべながら絶命した。

9巻で、生き残った社員達が隠された八木兄妹のコレクションを発見する。そこには衣服、食料等登山に必要な道具の他、エアクッション、避妊具、白骨死体等があった。安斎から『兄妹で死体を見ながら愛し合っていた』と推測される等、ドン引きされる。しかし、あくまで死人に口なし。真実は彼らが死んだ今、分からないのである。

八木妹…八木薫

3巻で偶然、中岳小屋にやってきた地元の登山家兄妹の妹。茶髪でショートカット、細面の整った顔立ちの女性。藤谷製薬の社員達に対して礼儀正しく愛想良く振る舞うも、兄、満同様どの様な状況でも笑みを浮かべ続けており、登山家として死体を見慣れているにしても、どこか楽しげに死体を観察するなど、兄同様、行動の随所に異様さが見られた。
兄満の腕に抱きついたり、胸に顔を押し付けたりなど、スキンシップが多く距離感が近いことから藤芝は『本当の兄妹ではないのではないか』と推測していた。過去、岩砕山山頂付近で猿神のシルエットを見たことがある。
4巻で兄、満とともに中岳小屋外で見張りをしている際、小屋の2階からナタの猿がやってきたのを聞きつけ、兄の満と共に、小屋の中に戻って来る。二人で猿の姿を見て喜び合うも直後入り口から現れた槍の猿に背後から刺され、とにかくあっさりと殺されてしまった。

(考察…八木の死の間際の回想では、真の猿に落とされたと思われる男性の滑落死体を見た当初、兄妹は怯え、慄いていた。その後、猿の姿を見て、男性が猿に殺されたことを察して、興奮し、遺体を隠した様子の二人(恐らく9巻のコレクションの白骨死体はこの男性の遺体)…この猿との出会いが二人の性癖に大きな影響を与えたと思われる)

猿とその仲間達

猿・鬼猿について

全身黒い体毛で覆われており、簑の様なものをまとっている。大きな眼と鋭い牙といった恐ろしい形相をしている。一日目夜から藤谷製薬の社員達を襲撃、殺戮を繰り返す。崖を難なくよじ登り、下る等の驚異的な身体能力を持ち、ナタや弓矢といった凶器を使いこなす。そしてただ攻撃するだけでなく、登山道の看板を偽装し、険しいルートに追いやり、山小屋にあった缶詰めに毒を入れる等もして、社員達を追い詰めていく。8巻にて中に人間が入っていることが発覚。着ぐるみ状態であの機動力なのは凄い。『モニタリング』の原西ゴリラみたいな感じなのだろうか?

確認されている猿の個体としては以下

ナタの猿

1巻から登場。一日目の夜、テント外で早乙女が発見した猿。鈴村達を殺害。その後、二日目の矢ノ口岳手前でも社員達を殺害。その後、一度姿を消すも、矢ノ口岳の下で負傷者、待機者を大量に虐殺する。4巻、三日目夜、中岳小屋の二階から社員達を襲撃した。5巻では仁衛門岩にいた早乙女達の前に出現、その際八木に奇襲を受け、退却した。6巻では三ツ倉小屋にいる社員達を襲い、佐藤を人質に取るが、遠野が自作の爆弾を抱え突撃してきたため逃走する。11巻、岩砕山山頂で火縄銃を構えた状態で再び早乙女達の前に現れる。しかし、12巻で”真の猿”に襲われて、火縄銃やナタで戦おうとするも力負けし、山頂であることを示す木の看板に串刺しされるという壮絶な殺され方をした。

弓矢の猿

2巻、二日目に中岳小屋の前に現れ、小屋までの一本道を歩いていた社員達を襲撃。まず、富久社長を射た上で、山小屋の中にある水を捨てて見せて社員達を挑発。挑発に乗って追いかけてきた寺内と馬場を殺害した。その後、逃走するも3巻、二日目夜に再び中岳小屋に襲撃を掛けようとしたものの、死体に紛れていた早乙女に待ち伏せされ、揉み合いの末、共に崖から転落する。しかし、深手を負ってはいたものの、生きており、三日目下山を目指し三ツ倉小屋に向かっていた宮田達をカニ歩きで襲撃した。そして、捨て身で岩を抱いて落ちてきた岡島に巻き込まれ滑落し、共に死亡した。

槍の猿

4巻、三日目夜に中岳小屋を襲撃する。社員達が二階から現れたナタの猿に気を取られているところに出入口から現れた。その際、藤谷製薬の社員ではない八木妹を背中から刺して殺害。更に逃げ遅れた黒木の左胸を刺して殺害し、逃走した。6巻では三ツ倉小屋にいる社員達を襲い、佐藤を人質に取るが、自作の爆弾を抱えた遠野にしがみ付かれ、共に爆死した。

楯の猿

6巻では三ツ倉小屋にいる社員達を襲う。木の板で出来た盾を構えるディフェンス担当の猿。佐藤を人質に取るが、遠野が自作の爆弾を抱え突撃してきたため逃走する。

投石の猿

7巻で救助に来たヘリに縄を付けた石を投げ、ヘリを墜落させる(既出の猿と同一個体の可能性がある)。

火炎瓶の猿二匹

8巻で八木に囮にされた社員達に火炎瓶を投げつける (既出の猿と同一個体の可能性がある) 。一匹は早乙女、宮田、林の投石攻撃で火炎瓶を取り落し、自らの体に火をつけてしまったうえ、 八木にピッケルで 刺され滑落し、死亡した。もう一匹は八木に制圧され、その正体は女子大生登山家、水口さなえであった。

水口さなえ

8巻にて八木兄が制圧した猿の中に入っていた女性。女子大生登山家として登山家たちの間では有名な人物であった。八木兄との戦闘で負傷していたもののまだ息があったが、真の猿に殺害された。9巻にて安斎の口から、彼女が『薬害事件』の被害者の会の一員であったことが明かされる。

真の猿、本当の猿、伝説の猿、鬼猿、魔猿

上述の猿達とは別格の動きを見せる。日本刀の男、トオルと行動を共にすることが多いが、単独で社員達を襲うこともある(初登場は5巻?)。崖から転落しても平気な一方、夜目が効かないと言ったより獣らしい特徴を見せる。だが、火縄銃を向けられると逃げる等、銃をおそれる様子を見せる等、ある程度に文明の利器への知識はあるようだ。8巻ラストで猿に扮した水口さなえを殺害する等、他の猿たちとは別の理念で行動していることが伺える。10巻で長谷川部長と林の口から他の猿とは異質の存在であること、当社は利用しない計画であったことが語られる。また、日本刀の男”トオル”しか彼を制御できない。11巻で、岩砕山山頂下にトオルとともに現れ、氷室を殺害した。

トオルの死亡後は本当に制御不能な様で、12巻冒頭では”ナタの猿”を山頂の看板に串刺しにして殺害。その後、安斎からの拳銃の発砲と林からの火縄銃を喰らい大量に出血して倒れ、死んだと思われたものの、目を離した隙に姿を消して、再び早乙女達に襲いかかる。佐藤の火薬を抱えての特攻攻撃により右側頭部を失い、そこで動けなくなったところを早乙女と宮田によって鎖で崖下に引き摺り落とされ、頭が砕けて動かなくなり、それを見た早乙女と宮田は『死亡した』と判断している。
(第一部ではこれが”真の猿”が描かれている最後のコマで、それ以降彼の存在に着いて言及されていない)

その具体的な正体、そして、何故トオルの言うことを聞いていたのか等の理由は明らかになっておらず、薬害被害者の会のHPには『猿はまた現れる』という意味深な言葉が書かれており、また山奥に血の付いたナタが2丁置いてある様子が描かれている。

…追記。後日談である『モンキーピークthe Rock』ではこの“真の猿”が死亡したことが明かされるが、別の“真の猿”がもう一匹いた可能性が高いことが明かされる。

また前日譚である『モンキーサークル』では“二郎”と呼ばれる“真の猿”が登場しており、同一個体の可能性がある。

モンキーサークル、登場人物・キャラクター最新まとめ~wikiより詳しく、ネタバレあり

日本刀の男、トオル

5巻、三ツ倉小屋に現れた人物。迷彩柄の上着に、日本刀を背負っている。目深にフードを被っており顔は分からない。”真の猿”を連れ歩いている。当初は安斎から長谷川部長だと目されていた。『二人だけ逃がしてやる、残りは全部殺す』と書かれた手紙を“話し合い”にやってきた林と早乙女に渡す。三ツ倉小屋にいた一般登山客や警察等、藤谷製薬の社員以外も次々と殺害している。

10巻で長谷川部長と林の口から、暴行傷害の前科を持つ危険人物、”トオル”であることが語られる。当初は長谷川部長も彼を使うつもりはなかったが、猿達が予想以上に減ってしまったがため、増援として呼び寄せたとのこと。現在は長谷川部長の指示に従わず、『山にいるものは皆殺し』と警官や無関係の人間を殺しまわる等して純粋に殺しを楽しんでいる。また、彼しか真の猿を制御できない。

11巻で、岩砕山山頂下に”真の猿”とともに現れ、氷室の背中を切りつけた上、猿の仲間だと言う目印の『左の太ももに巻いた布』を奪い”真の猿”をけしかけて殺害する。この直後フードを脱ぎ、派手な色(金?)の短髪を立て、口元にピアスをした日に焼けたガラの悪い若い男(エグザイルグループにいそう)であることが明らかになる。薬害被害者の会のメンバーであり、薬害で妹のあんじゅを亡くしている。犯罪を繰り返すトオルをあんじゅは嫌い、『かんべんしてよ』『死んでよ』とまで言っていたが、トオルにとってあんじゅは大事な妹だったことが察せられる。安斎と一対一で戦い、奥の手である拳銃も使うが、同じく拳銃を隠し持っていた安斎に胸を撃たれて、あんじゅに『ダメなアニキでごめん』と謝りながら絶命した。

何故、彼が”真の猿”を制御できたのかは不明なままである。

前日譚である『モンキーサークル』にも登場する。“安蔵の森”で何らかの目的を持って猿と過ごしていた様子が窺われ、猿と接触した人間や被害者の遺体の痕跡を消していた。

モンキーサークル、登場人物・キャラクター最新まとめ~wikiより詳しく、ネタバレあり

田畑

11巻から登場。早乙女、佐藤、林が岩砕山山頂下で出会った大学生の登山者。やや長い茶髪に顎髭を生やしている。臆病で泣き虫。早乙女達と逆方向、三ツ倉口から岩砕山に登山に来て、山頂まで来たものの、警察から下山するように言われるも、ハシゴを落とされ下山出来ずに困っていた。また、猿(真の猿)を見掛けて怯えていた。早乙女達の姿を見た際は『助かった』と林の手をとるほど喜んだが、早乙女と林から今までの経緯を聞き、驚愕する。そして早乙女達に『世間では藤谷製薬の前社長、役員らが5人殺され、社員達が行方不明となっていると報道されている』という情報をもたらし、水と食料を分け与える。神か。

林から『一人でこの場に残るか、一緒に山頂を目指すか』という選択を強いられ、『一人は嫌だ』という理由から早乙女達についてくることを選んだ。

…その正体は日本刀の男、トオルの友人で、『真の猿を助ける』という約束をトオルとしていたため、12巻、岩砕山頂上で真の猿に火縄銃を撃とうとした林の脇腹をナイフで刺した。

そして直後やって来た安斎を一般登山客を装って襲おうとしたものの、林達にトオルの友人であることを明かしたところを聞かれており、日本刀で胸を刺された上、山頂から崖下に蹴落とされた。

…だが、実はかなりの重傷を負いながらも生きており、密かに逃げ出そうとしていたのだが、安斎の投石を頭部に食らい、死亡した。

前日譚である『モンキーサークル』にも登場しており、“安蔵の森”でトオルや猿と共に行動している。

モンキーサークル、登場人物・キャラクター最新まとめ~wikiより詳しく、ネタバレあり

その他

ユージ

早乙女の中学時代の親友。ヤンチャ仲間。早乙女が運転していたスクーターの後ろに同乗していた際に共に事故に遭い、死亡。ノーヘルだった。

…実は、運転していたのはユージで早乙女は後ろに座っていたのだが、早乙女はユージを庇って『自分が運転していた』と嘘を周囲に言っていた。

早乙女の父

親友ユージを亡くし、落ち込んでいた早乙女を岩砕山登山に誘う。登山中、ユージのことを問うことはなく、純粋に美しい光景を見せるために早乙女を登山に連れて行った。金魚岩の先で落石から早乙女を庇って死亡。最期に早乙女に『人を幸せにできる人間になれ』『笑顔だ』と言い残した。

登山を通して、世界の広さと前に踏み出すことの大切さを息子に伝えようとしていた。

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