【漫画】機能不全家族3(夏目ユキ)【感想・ネタバレ・考察】…父親の無関心、自己肯定感の低さから出会い系に走り、性的に逸脱していくユキ

機能不全家族表紙 

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異常な暴力を振るう母に苦しんでいたユキ達三兄弟。そんな母と父は離婚し、ユキ達は父に引き取られた。しかし、一見すると優しく真面目な医師の父は、ユキ達が母から激しい暴力を受けても見て見ぬふりをしていたため、ユキ達は父に不信感を抱いていたのだった…。

前回の記事はこちら→【漫画】機能不全家族2(夏目ユキ)【感想・ネタバレ・考察】激化する母の虐待と暴力と助けてくれない父親~そしてとうとう父と母は離婚し…

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Contents

あらすじ・ネタバレ

母からの不気味な電話と家庭裁判所の下した面会交流禁止

突然、父と母の離婚が決まり、父親に引き取られたユキ達三兄弟。しかし、父のいない隙に家に母から頻繁に電話が掛かって来るようになった。『お父さんと元に戻れるようにおまじないをしたいから、お父さんの抜けたての髪の毛を送って』という意味不明な頼みをしてくる母に呆れながらも、ユキは『お母さんのこと好き?』と聞かれると怖くて『うん』としか言えないのであった。

そんなある日、母からユキと妹のトモ宛に宅配便が届く。中身は着せ替え人形用の服が入っており、同封した手紙には『幼稚園児の時、ユキとトモがお人形さんのお洋服がほしいと言っていたので沢山作りましたハート』と書かれていた。しかし、ユキとトモはもう大きく、ユキは小学6年生。二人が困惑していると、父が『みんなに話がある』と言い出した。

子供達三人を集めた父は机をはさみ『大事な話だからよく聞いてね』と改まった様子でこう告げた。

「家庭裁判所で君たちは、お母さんに連絡を取ったり会ったりしちゃいけないと決まりました」
「お母さんが会いたいって言っても会わなくてもいいし、お母さんからの電話にも出なくていいからね」
「だから、お母さんのことはもう忘れなさい」

機能不全家族3 夏目ユキ 7/27 

真面目にその話を聞き、受け入れた子供達。ユキは嬉しいような悲しいような複雑な気持ちになるのであった。

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中学生になったユキはモテるようになったが、心は満たされない

そして母がいなくなってから父はユキ達に何でも買い与えてくれるようになった。自分を守るためのある種の鎧だったのか、男の子の服を着る様になったユキ。しかし、中学生になり、周囲がお洒落に気を使い出すと、ユキも”かわいさ”に憧れるようになり、髪型を変え、父にお金を出してもらって身なりを整えるようになっていった。

すると、男子達がユキを見る目が変わり、ユキはモテ始める。
『可愛くなるだけで簡単に人に好かれるようになるんだ』と喜ぶユキ。しかし、同時に『何か物足りない』と強く感じてもいた。

ある日、妹のトモが父に『携帯を買って』と強くねだった。そして、『トモが買うならユキにも買おう』と父はユキにも携帯を買い与えた。初めての携帯で彼氏とメールのやり取りをするユキ。しかし、『夕飯何食べた?』というような他愛の無いやりとりに、何の意義も喜びもユキは見いだせない。

もっと私を好きになって人はいないのかな

機能不全家族3 夏目ユキ 12/27 

そう思ったユキは試しに18歳と歳を偽り、出会い系掲示板に携帯で書き込んでみた。すると、『もっとユキちゃんのことを知りたい』『ぎゅっとしてあげる』と返事が来る。『こんなに求めてくれる人がいる』と嬉しく思ったユキはすぐに父の金で買った大人っぽい服を着て相手と待ち合わせをした。

相手はおじさんで、ユキが実は14歳であることを告白すると驚く。しかし、”それ”をすれば満たされると思っていたユキは父親が出張でいないことを告げ、『ホテルに泊まりたい』と言う。背伸びをしているユキにおじさんはホテルに行く前、寄り道をして夜景を見せてくれた。

初めてのセックスは全然気持ち良くなかったものの、ユキは『誰かに求められている』ということに意義を見出し、心がとても満たされて行くのを感じるのであった。一方、中学校の同級生の男子は『手を繋ぐだけでドキドキする』と言ってそれ以上を求めてこない。『それだけじゃ足りない、もっと愛して』と感じてしまうのであった。

高校生になったユキは乱れた生活を送るようになるも、父は…

そんなユキは高校生になると誰とでも寝るようになってしまった。相変わらず行為は気持ち良くなかったが、求められていたいユキはやめることができない。さらに、家で居心地の悪さを感じていたユキはする必要もないのにアルバイトを始めていた。そこで出会って二日しか経っていない先輩に告白され付き合うことにしたユキ。毎週土曜日の朝6時、先輩のバイト終わりに呼び出されセックスし、そのまま一緒に寝て、先輩のバイト時間に合わせて帰宅するという生活を送る様になった。

しかし、家でご飯を作る父はそんなユキの生活に気付いているのかいないのか、特に何も言ってくることはない。

そして、その頃ユキは妹のトモが女子寮のある高校を受験しようとしていることを知り驚く。『トモもこの家にいるのが嫌なのだろうか』と察しながらもそのことについて尋ねることはしなかった。

ある日、先輩が家で大麻を育てている事を知ったユキ。そして避妊具の減りが異様に早いことから、先輩には他に女がいて、自身がセフレの一人でしかないことを悟り落胆する。

しかし、実の親からの態度を思い返すと、『必要とされるだけマシだ』と思うのであった。先輩の家から帰ってきたユキは夕飯を用意していた父に呼び止められる。生活態度を咎められると思ったユキであったが、父は『食材が無駄になるから朝食がいらないときは言え』と怒るのであった。

私が朝からどこで何をしてたかは気にならないんだね
知ってる、本気で自分を好きになってくれる人なんてどうせいないんだよ

機能不全家族3 夏目ユキ 25/27

父の態度に傷付いたユキ。すると、携帯に一度あったきりになっていた、例のおじさんからメールが届く。病気で入院し弱り、くじけそうだと書かれたメール。ユキは『おじさんも寂しいんだ』と思いながらも、どう返してあげればいいのか分からないのであった…。

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以下、感想と考察

父の子供達にドライな対応をするのは何故か?

家裁で面会交流禁止と決まるということは、虐待行為が認められたということであって、それはつまり、父親が子ども達が受けていた虐待をちゃんと認識して家裁に訴えてたということなんだよな…。分かっていたなら家裁に訴える前に家でぶん殴られているところを助けて欲しい。

医師として働きながらご飯を作ったり家事をしているようで、それは純粋にすごいと思うのだけど、朝からの怪しい外出を咎めるのではなく、食材が無駄になることを怒る。…やはり、ずれてる。ただ叱り方や行動の仕方がずれてるだけなのが、それとも根本から子供達に対して無関心なのか、どっちなのだろうか。気になる…。

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