【ドラマ】全裸監督8話・最終話「性革命」【感想・ネタバレ・考察】ついに迎える最終回…ラスト笑うのは…!?

全裸監督

業界トップのポセイドン企画の社長、池沢(石橋凌)と彼と手を組む警察の武井(リリー・フランキー)に圧力を掛けられ続けた村西とおる(山田孝之)率いるサファイア映像。起死回生をかけた黒木香(森田望智)のデビュー作も販売停止に追い込まれる。”一発逆転ホームラン”を目指し今度はハワイで大作を撮ろうとした村西。しかし、反日感情の煽りを受け、逮捕されたうえ370年求刑されホノルル刑務所に収容されてしまう。

村西を救うためには短期間で保釈金1億円を集める必要があり、サファイアの社員達は資金集めに奔走する。魂で村西と解り合う黒木香は川田(玉山鉄二)とともに自らが積極的に宣伝活動に出て一度は販売停止になったデビュー作を売り出し、大ヒット。香は時の人となる。

しかし、その一方、 トシ(満島真之介)は村西救いたさのあまり、皆に黙ってヤクザの古谷(國村準)にサファイアの過去作品のマスターテープを売り渡してしまい、もう戻ることのできないヤクザの世界に足を踏み入れてしまう。

香、川田、トシらがこうして保釈金を集め、村西はなんとか日本に戻ってこられたのであった…。

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【ドラマ】全裸監督7話「終わっちゃいない」【感想・ネタバレ・考察】村西救出のために一肌脱ぐ黒木香~そしてトシは道を踏み外していく

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Contents

以下、あらすじとネタバレ

日本に戻ってきた村西に池沢が『サファイア映像を買い取りたい』と申し出る…当然断る村西

事務所で食事を取るサファイア映像の社員達。村西は日本に戻って来たものの、まだ慣れない。サファイア映像の社員達は皆少しずつ変わっていて、特に黒木香の変貌ぶりが信じられないのだ。もはや時の人になった黒木香はバラエティ番組から討論番組まで引っ張りだこ。独特の喋り方などは村西の影響だと指摘し笑う順子(伊藤沙莉)。

村西は自分の保釈金をどう調達したのかを尋ねる。半分は黒木の作品の売り上げから捻出したと答える川田。『SMぽいの好き』はなんと5000万部も売れており、まだ伸びそうだと笑う。そして半分はトシが借金して用意したと言い、『返さなきゃいけないから』ともっと稼ぐようにと村西に冗談めかして言う。そして食事を終えたら出かけると順子が言い、どこに?と尋ねる村西にトシが『お祝いに決まってるだろ』と言う。

ディスコクラブに繰り出したサファイアの面々は浮かれはしゃぐ。だが、トシは秘かにトイレで自身の腕にクスリを注射していた。

喧騒から離れて酒を飲む村西と香。香は既に大学を退学していた。『あなたの事が忘れられなかった』と言い村西を誘惑する香。しかし、多忙な香は仕事が入っており順子に引き離される様に連れて行かれてしまう。

川田の元に行った村西は『いない間持ちこたえてくれてありがとう』と改めてお礼を言い、『あの時はすまなかった』と謝罪するのであった。川田はそんな村西に『これからもいい作品を作って下さい』と笑う。

その時、村西は上のフロアから突然声を掛けられる。声の主はなんとポセイドン企画の社長、池沢であった。何やら話がある様子の池沢はクラブの個室に村西を誘った。

個室で二人きりになった村西と池沢。出所祝いをしようという池沢に村西は要件を言う様に急かす。すると池沢はこう言うのであった。

「実はな、サファイア映像を買い取りたいと思ってるんだよ」

全裸監督8話 「性革命」

『ふざけてるのか』と睨んだ村西に池沢は『10億融資してやる、好きなものを作らせてやる。その代わり販売はポセイドン企画が行う。販売力が弱いサファイアには持って来いだろう』と平然と言う。村西が『あんたとは絶対に組まない』と言うと池沢は『だったら消えてもらう』と脅す。

しかし、村西はそれに対し堂々と『それが出来ないからこの話を持ってきたのではないか』と言い返す。気分を害した池沢は慈悲を掛けてやってるだけだと言い村西を『黒木香頼み』『変わらないバカだ』と罵る。村西から作品を時代錯誤と批判されても『自分は時代を読めてきたからこそここまでこれた』と豪語する。

だが村西はそう言った池沢を『確かに時代を読めている。こうやって俺に擦り寄って来てるしな』と鼻で笑う。これに怒った池沢。村西にこう言い放った。

「昭和の終わりと共にお前も終わる」

全裸監督8話 「性革命」

しかし、村西も負けずにこう言い放つのであった。

「どうだろうな、俺はしつこいからな」

全裸監督8話 「性革命」

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闘争心に火がついた池沢…村西と池沢、二人はプライドを掛けてそれぞれ本気で作品を大量に生産していく

確かに時代は変わろうとしていた。日本ビデオ規制委員会は池沢に『サファイア映像の作品を取り扱うレンタルビデオ店メルヘンの制裁を解除し、サファイア映像を認定するべきではないか』と進言してきたのだ。サファイア映像の作品は大人気で、それを認めないとなると委員会の威信も落ちてしまう。時代の流れを認めざるをえない池沢。しかし、同時に闘争心にも火がついた。

『ポセイドンも”本番”を前提にし、モザイクを薄くする』そう宣言したのだ。

そして古谷と二人で酒を飲む池沢は『裏ビデオの収益の取り分をこれまでとは変えよう』と言い出す。村西に対抗するために作品作りの資金が欲しいのだ。納得いかない様子の古谷に池沢は『その代わりもっと裏に作品を流してやる、販売本数を増やしてもいい』と言う。

『今目立つのは得策じゃない』と古谷は忠告するが、『武井がいるから警察の方は大丈夫だ』と池沢は言い切る。そして複雑な表情の古谷に『村西の裏ビデオは売るな』と命令して池沢は立ち去る。残された古谷は思案気に煙草を吹かすのであった。

そして、サファイアには『黒木香に憧れた』という女性達が女優を志望してやって来るようになった。社長の川田は大喜び。サファイア映像の社員は怒濤のスケジュールで撮影を入れるが、村西は何かに取りつかれたかのように『もっと撮影を入れろ』と叫び、三田村(柄本時生)にも監督を任せると言う。突然のことに驚く三田村だったが、監督をすることを決意し引き受けるのであった。

一方、ポセイドン企画でも池沢は社員達に『制作本数を増やすうえに社長である池沢自らが全てチェックする。本番を撮り、製作費もこれまでの5倍出す』と宣言していた。そして『業界トップの力を見せつけてやれ』と社員達に発破を掛けるのであった。

かくして村西と池沢、互いの意地と美学を賭けた真っ向勝負が始まった。二人とも何かに取り憑かれた様に新しい作品作りに邁進する。

レンタルビデオ店メルヘンで川田と店長の和田(ピエール瀧)は村西の作品を見て笑っていた。村西をパワーアップして戻ってきたと評する和田。川田もメルヘンが規制委員会から処分を解かれポセイドンの作品も扱えるようになったことに安堵していた。なんだかんだとポセイドンはまだまだ売れる。『村西はそんなポセイドンの社長の池沢を本気にさせてしまった』そう言う和田に川田は『本気じゃないと潰しがいがない』と不敵に笑うのであった。

村西の作品は雑誌で取り上げられるほど話題になっていった。多忙になってしまった香は雑誌に目を通しながら、ビデオに出演できずサファイアの面子とも中々会えないことを残念がる。有名になった結果、タレントの様に世間に扱われるようになってしまったことに香は内心複雑な想いを抱いているのであった。

事務所にやって来た奈緒子…”裏”が流出したため、奈緒子は会社を辞めざるをえなくなった

ポセイドン企画とどの様に戦うか…そう話し合っていたサファイアの社員達。すると、突然奈緒子が事務所にやって来た。三田村は喜び、奈緒子が今OLをしていると皆に伝えるが、奈緒子は顔面蒼白で、自分の作品の”裏ビデオ”が流出していると訴える。奈緒子は『無修正』と書かれたビデオを手にしていた。

それを聞いた順子は、元の素材…マスターテープが無くっては、モザイクを薄くすることはできても、モザイクを取ることはできないと答え、困惑する。

「さっき会社辞めてきた…みんなに嫌がらせされて…やらせろとか、ヤリマンって机に書かれて…」

全裸監督8話 「性革命」

そう言って泣き出す奈緒子。三田村は誰がやったんだと呆然としながら皆に問う。すると沈黙の後、トシが『お前らもハワイで無修正の作品を取ってただろ、何が違うんだ』と渇いた笑いを浮かべた。

『ダメに決まってるだろう』と激昂しながらトシに掴みかかる三田村。ラグビー(後藤剛範)が慌てて二人を引き離すとトシが叫んだ。 

「そんなこと言ってる場合じゃなかったろーがよ!おっさんの命が掛かってたんだよっ」

全裸監督8話 「性革命」

保釈金を借りてきたというのは嘘、裏ビデオで作った金だったのか…そう愕然とした村西。川田も『全額用意出来なかった自分のせいだ』と呆然と言う。トシは皆の前で『その通り、汚い金だ。でもそうしてなかったらお前は死んでたんだ』『俺は命の恩人だぞ』と村西に凄む。ショックを受けた村西。しかしかすれた声で『今すぐ販売を止めてくれ、頼む』とトシに言う。気まずそうにトシは『わかったよ』とだけ言って事務所を出ていく。静まり返った事務所にはただ奈緒子の泣き声が響いていた…。

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村西は縋りつくトシに決別を告げる…

旅館の体をした裏ビデオ作りの隠れ家…そこでトシは古谷に裏ビデオの販売を止めてほしいと頼もうとした。しかし、それを言う前に古谷から『ここを譲りたい』と言われてしまう。『受け取ってくれるよな』と薄く笑う古谷にトシは何も言えない。

さらに古谷はトシに黒木香の『SMぽいの好き』のマスターテープも持って来るように言う。それは…と断ろうとしたトシを古谷は見つめる。

「引き返したくなったのか?無理だ、それ。藤原はもう死んじまったからな」

全裸監督8話 「性革命」

『裏切ったから』と長年自身を慕い付き添って来た舎弟の藤原さえあっさりと殺した古谷のそんな言葉にトシは何も言えなくなる。そしてトシ自身、クスリに侵されていて、元にはもう戻れなくなっていた。

その夜、真っ暗な事務所からマスターテープを持ち出そうとしていたトシ。しかしあるべき場所にマスターテープがない。

突然、『マスターテープなら無いぞ』という声が響き、事務所の明かりがついた。そこには川田…その後ろには村西が黙って立っていた。

川田はそのままトシを押さえつけ、無理やりその袖を捲る。するとトシの腕には注射の痕がハッキリ見て取れた。

怒りながらもどこか泣きそうな声で川田は『今、武井に、警察にトシがサファイアの作品を裏に流したこと、クスリをやっていることがバレたらサファイア映像が潰れてしまう事』を告げる。そして、トシが支払った保釈金の分の金を『手切れ金』と言って渡そうとする。

「俺らやっとここまできたんだろう…どんだけ間抜けなんだよ…お前は…」

全裸監督8話 「性革命」

そう震えながら、両手でトシの頬を掴み言う川田。

トシはそんな川田に掴みかかる。それを『やめろ』と一喝する村西。村西は川田に外に行かせ、トシと事務所に二人きりとなった。

あいつ変な奴だ…そう川田のことを笑い、トシはそんな村西に擦り寄った。村西はトシに言う。

「俺はお前を信用している」

全裸監督8話 「性革命」

それを聞いて嬉しそうに笑うトシ。しかし、村西はこう続けた。

「…だけどもう無理だ」

全裸監督8話 「性革命」

北海道に戻ってゆっくり過ごせ…そう静かに告げる村西にトシは愕然とし、そして『許してくれよ…』とすがる。トシは『あんたの為にやったんだ』と必死に村西に訴える。しかし村西は沈痛な面持ちで『だからこそ許せないんだ』とトシに言った。

「ずっと一緒にやってきただろ…おい、おっさん」
「おっさん!!おい、許してくれよっ!!おっさん、おっさん、おい…聞いてんのかよ」

全裸監督8話 「性革命」

そう子供のように泣き叫ぶトシ。『もう終わりだ』と絞り出すように言う村西の足にしがみ付いた。

「まだ終わんねーよっ、これからだろうがよぉ、…なあ、これからガンガン稼いで、一緒にいい景色見るんだろうがよぉっ、おっさん、なあ…」

全裸監督8話 「性革命」

そんなトシを村西は抱きしめる。そして抱きしめながら言った。

「…出てってくれ、頼む」

全裸監督8話 「性革命」

村西のその言葉を聞いて、ゆっくりと離れて行ったトシ。去り際、トシは『後悔すんぞ』と吐き捨てる。すると村西は『…もうしてる』と答えるのであった。

昭和の終わりが迫り、警察の武井はあることを決意する…そして村西も香との対話を通し自らの在り方を再確認する

昭和天皇がご危篤になり、いよいよ昭和の終わりが近づいていた。警視庁の会議では元号の改元に伴い、警察の威信をかけて暴力組織への取り締まりを強化し一斉検挙をする旨が決定された。

会議後、武井は上司からお前の縄張りも整理しろと言われる。素知らぬ顔でキレイにしてると答えた武井、しかし上司は

「下手するとお前も“掃除”されるぞ」

全裸監督8話 「性革命」

…そう言って立ち去る。武井はくそッと呟くのであった。

世間ではクリスマスが近づいていた。久しぶりに香とお茶を飲みゆっくりと話をする村西は『君とまた作品を作りたい』と言い、その言葉に香は喜ぶ。香は多忙で、『SMぽいの好き』を超える作品を作るのは難しいのはお互いに分かっている。しかし、それでも香は言った。

「でも監督と一緒なら…なんて言うんでしょう…アダルトビデオで世の中を変えていけるような気がするんです」

全裸監督8話 「性革命」

そして『みんな、監督がどんな人か知りたいと思う』とも言う。『そんなこと知る必要がないだろう』と返した村西。すると香はこう挑発するのであった。

「隠すんですか?…モザイクみたいに」

全裸監督8話 「性革命」

香のその言葉に自分のあるべき姿を再認識した村西。笑いながら言う。

「俺がどれだけモザイクが嫌いか知っているか」
「裸で生まれてきたんだから裸のまま死んでいけばいい」
「性革命を起こす」

全裸監督8話 「性革命」

そして武井は池沢の元を訪れた。池沢は村西に負けまいと必死で仕事をしており、しかしどこか楽しそうに『アイデアが止まらない』『過激なものをこれからどんどん作る』とも言う。

そんな池沢を見た武井はすぐに『じゃあな…』と言ってその場を去るのであった。

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クリスマスの夜…二人の男が逮捕される…それは…。

そしてクリスマスがやって来た。

「お待たせ致しました。お待たせしすぎたのかもしれません」
「黒木香と」
「昭和のエロ事師、村西とおるでございます」

全裸監督8話 「性革命」

テレビのバラエティ番組には香と共に、なんと村西がパンツ一丁で出演していた。村西は作品を売るために自らも積極的に表に出ることを決めたのだ。家族と共にクリスマスの夜を過ごしていた池沢は笑って村西と香を見る妻子に呆然とするのであった。

そして、この効果もあってか、クリスマスの夜であるにも関わらず村西の作品を求めメルヘンには大行列。これには川田もびっくりしてしまった。

サファイアの事務所はクリスマスと、そして村西のテレビ出演を祝して盛り上がっていた。すると、突然そこに武井がやって来た。凍り付く村西達に武井はこう告げるのであった。

「邪魔するよー…摘発だ」

全裸監督8話 「性革命」

…その日、二人の男が逮捕された。

まずは荒井トシ…隠れ家で裏ビデオの制作をしていたところを薬物使用、裏ビデオの制作で摘発された。かつての様に逃げようとしたトシだったがクスリに侵された体ではみじめに這いずることしか出来ず、あっさりと捕まってしまった。『日本最大の裏ビデオの販売網警視庁が摘発』…トカゲのしっぽ切りをした古谷はその様子を上階から静かに見つめていた。

そして、ポセイドン企画社長の池沢栄吾…『日本のポルノ王を逮捕』彼もまた積極的に裏ビデオを流していたからだ。…家族の前で連行されていった池沢。『時代を作ってきた男が時代に流された』そう武井は村西に言う。

武井はサファイア映像を摘発するつもりはないのだ。村西に『自分で裏に手を出したら俺がとっ捕まえるからな』と言う武井に、村西は『あんたどうして警察やってるんだ』と尋ねた。

「快感なんだよ…ポルノなんかより全然」

全裸監督8話 「性革命」

そう武井は嗤うのであった…。

そしてやって来た平成…『全裸監督』最終話の結末

そして、ついに昭和天皇が崩御された。

静かに酒を飲む武井と古谷。『上手いこと逃げやがって』と古谷に言う武井。古谷は上手いこと裏ビデオ制作の罪をトシに擦り付けることで自身は捕まらずに済んだ。しかし同時に武井は古谷のことを『治安維持のために必要なパーツ』とも言い、『もっとでかくなれ』と笑う。古谷の力が強くなればなるほど、検挙した時の自分の手柄が大きくなるからだ。

そんな武井に古谷は『バランスは俺が取る』と言う。

「俺らとあんたらは表裏一体だからな

全裸監督8話 「性革命」

『俺を殺しに来るなよ』と言う武井に『約束できない』と答える古谷。そして二人は笑い合うのであった。

そして狂騒の平成がやってきた。

裏ビデオの流出でOLをやめざるをえなかった奈緒子は今やAV女優として大活躍した。ともに仕事をする三田村と奈緒子はいい感じになっている。『アニメはこれから海外で人気が出る』と読んでいる三田村は奈緒子にアニメキャラ風の格好をさせて作品を撮ろうとしていた。

そしてトシは刑期を終えて出所する。そこに古谷が舎弟を大勢引き連れてやって来た。

「極道ってもんは都合がいいっすね」

全裸監督8話 「性革命」

そう言いながらもトシは古谷が差し出したタバコを受け取る。

「これで俺とお前は兄弟分だ」

全裸監督8話 「性革命」

上のことを吐かなかったトシを今度こそ本当の舎弟として認めた古谷。トシは『お勤めご苦労さんでした』と大勢のヤクザたちに頭を下げられる。

…そしてその一方で、池沢は刑務所で首を吊っているのであった。

メルヘンの和田店長は店にパンツ一丁の村西の写真を貼り、『新たな帝王の誕生だ』と言う。

高級外車に乗り、事務所にやってきた村西は真っ白なスーツを着て『必ず空からエロが降って来る時代がやって来る』と言い、川田に強気な投資をするように指示する。

そして事務所には黒木香の姿があった。久しぶりで緊張すると言う香を『君は本当に卑猥で美しい』と称賛する村西。二人はこれからまた新しい作品を作るのだ。

自らもパンツ一丁になり、そしてカメラを担いだ村西。ベッドの上で挑戦的なポーズを取る香にカメラを向けながら言うのだ。

「皆さんにミラクルが起きる瞬間をお見せしようと思っております。たとえどんなことが起きようと目を閉じないでください。いいですね?…それでは参ります。よーい、アクション!」

全裸監督8話 「性革命」

~終わり~

以下、感想と考察

村西とトシの決別

今回は山場が多かったけど、個人的にグサッと来たのは村西とトシの決別だった。…いや、もう分かってはいたのだけど、それでも辛いものがある。

トシがヤク中になってしまったのは、逃げられない様に古谷から薬漬けにされてしまったのか、それとも闇の世界に耐えられなくなって自ら走ってしまったのか?どちらともな可能性もあるけど、ラストの出所したトシが古谷に皮肉気に『ヤク中のいう事なんて…』と言うあたり、どちらかというと前者の側面が強いのかなあ…と解釈する。だとしたら本当に、怖い。
クスリに体を侵されてしまったトシは警察の検挙から逃げようとするも、上手く体が動かなくて見事に這いずり回ることしか出来ない。3話、ホテルでの逃走劇と比べると悲しくなるくらいボロボロ。

そして決別のシーンでトシを罵りながらも震え、その頬を掴んだ川田。性格も何もかも正反対で何かと反発し合っていたけど、川田もまたトシを大切な戦友と思っていたことがよく伝わってきて辛かった。しかし、結果的に村西と川田がトシを切り捨てたのは大正解で、このままトシを匿ってしまっていたら昭和最後の一斉検挙でサファイア映像は潰れてしまっていたという…。話の作り方が本当に上手くて惚れ惚れする。

本格的にヤクザの仲間入りしたトシ。シーズン2でも出てくるのだろうか。かつての盟友が敵になって戻って来るって辛いけどいいよね…

池沢の死について考える

「昭和の終わりと共にお前も終わる」

全裸監督8話 「性革命」

終わったのは池沢の方でした。南無三。

一通り見返すとよく分かるのだけど、村西に対して言ったことが全て自身に帰ってきてしまっているのだよね、池沢は。例えば7話目でハワイに収容されている村西について『どんな威勢が良くても地位も名誉も家族も失った時、人は恐怖し絶望しダメになる』と語っているのだけど、それは池沢自身が何を最も恐れているかの裏返しで、それが見事に実現してしまったとも言える。その言葉通り人生に絶望し恐怖にとらわれた池沢は自死を選んでしまう。

主人公である村西達を金と権力にものを言わせて卑怯な手で苦しめ続けていた池沢。しかし、最後はそういった卑怯な手段に頼らず、自身の美学とプライドを掛けて真正面から勝負をし始めていただけに、池沢のこの結末にはちょっとだけど、同情を禁じ得ない。

…あと、一番悪い奴らが笑う結末となったしね。

奈緒子さんが救われて良かった…?

トシがマスターテープを古谷に渡したため、裏ビデオが流出。そのせいで過去のビデオ出演がバレてOL職を追われてしまった奈緒子。しかし、その後AV女優として笑顔で活動する奈緒子の姿があった。良かったね、奈緒子さん!奈緒子さん救われたね!…っていいのか、それ?

確かに奈緒子はラスト笑顔で生き生き働いていて、三田村とも良い感じ。だから、奈緒子個人としては決してバッドエンドではないのだろう。

でも、これって見方によっては『一度ビデオに出てしまったら、もうそこからは抜け出せないんだよ』と言っている様な気がしてなんだか薄ら寒い。でもきっと、軽い気持ちで出演して、その後の人生を棒に振る女性って星の数程いた、いや今もいるんじゃないか。現に4話で出てきた南みくには、奈緒子の様な救済処置がない。彼女はきっと郷里で肩身狭い思いをしている。…とかなんだか想像してしまうと、手放しに『良かったね!』という気にはなれず、『これもまた人生か…』と言うような気持ちになってしまうのである。

Netflixで二期、シーズン2制作決定!!松坂季実子は誰が演じる?今後も波瀾万丈!?

そして、この『全裸監督』、なんとシーズン2の制作が決定した!!あちらこちらでキャストの予想等(松坂季実子を誰が演じるか等)で盛り上がりを見せている。

今期の最終話、村西が『平成のポルノ王』として輝くところで終わったが、実在の村西とおるはこの後50億円もの借金を抱えることとなり、日本経済はバブル崩壊を迎え、社会はまた大きく変わっていくこととなる。

シーズン2も波瀾万丈なこととなるだろう。今からもう、待ち遠しいのである。

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