【漫画】機能不全家族5(夏目ユキ)【感想・ネタバレ・考察】暴れて警察に保護された弟ヒロは統合失調症を発症していて…

機能不全家族表紙 

異常な行動を繰り返す母から虐待を受けて来たユキ、妹のトモ、末っ子の弟のトモ。母の虐待行為が原因で両親は離婚し、三人は父に引き取られた。しかし、叱らず欲しいものをなんでも買い与えてくれるものの、母の虐待行為を今まで見て見ぬふりし、どこか子供たちに無関心な父に三人は心を開くことはできなかった。寂しさから長女のユキは誰とでも寝る様になり、次女のトモは寮のある高校へ進学し、末っ子長男のヒロは学校で問題行為を起こすようになった。その後、ユキも性的にだらしない生活を改め、一人暮らしして浪人生活を送る様になるも、実家に残された弟ヒロの奇行は悪化していき…。

前回の記事はこちら
【漫画】機能不全家族4(夏目ユキ)【感想・ネタバレ・考察】性被害に遭うユキと病んでいく弟、そしてバラバラになっていく家族

スポンサーリンク

Contents

以下、あらすじとネタバレ

志望大学に合格し上京したユキ、一方高校生の弟は高校を退学…模試で県内3位を取る位に勉強はできたが…

春がやってきた。ユキは無事志望校に合格し上京。妹のトモは寮のある高校の3年生、弟のヒロは実家から遠い高校に進学した。

しかしある日、ユキはトモから電話で『ヒロが高校を退学した』と聞かされ驚く。理由は『学校の授業の進みが遅くてムカつくから』。久しぶりに実家に帰ったトモは『だからといって高校を辞めなくても』と言ったのだが、父からヒロの模試の結果が県内3位であることを見せられ、『高卒認定を取る』『ヒロ君はまだ1年生だけど浪人生に混じって受験勉強したいみたいだから学生寮暮らしをさせて都会の予備校に通わせることにした』と言われ納得したのだという。ユキもそれを聞いて一応納得するのであった。

ついこの間建った気がする一軒家は10年も経たず父の単身住まいとなったのであった。

スポンサーリンク

弟ヒロは突然姉であるユキに相談してきた…しかし会ってもロクに会話しようとしないヒロにユキは苛立ってしまう

そんなある日、ユキの元にヒロから『最近集中できなくて変なんだ』というメッセージが届く。高校を辞めて学生寮に入って予備校で勉強しているヒロ。ユキは『プレッシャーを感じて根を詰めてるのかも』と思ったユキはヒロをランチに誘った。

しかし、一緒にランチをしたにも関わらずヒロはほとんど喋ろうともしない。ユキが何かと気を遣い『まだ受験まで1年以上あるんだからたまには息抜きしてもいいと思うよ』等と言っても返事すらしないのだ。そしてそのまま食事を終え、ヒロは予備校に戻っていった。

『せっかく1時間もかけてヒロのところに来たのに!』と腹を立てたユキ。それが弟ヒロが見せた病気のサインだとは知らずに。

大学受験する弟ヒロを家に泊めるユキとトモ…しかし暴れるヒロを家から追い出してしまう

時は経ち、妹のトモはユキと同じ大学を受験し合格した。ユキとトモは二人暮らしを始めた。

それから一年が経とうとした頃、ユキは父から『ヒロが大学受験のため上京する』と連絡を受ける。ユキは『それならうちに泊まればいい』と提案し、ヒロは受験期間中ユキとトモの家に泊まることとなった。

しかし、ヒロは勉強用にユキとトモが用意した部屋に籠りきりで、トモは『部屋から変な音がする』と怯える。ユキは特に気にしていなかったものの、部屋の音は日が経つに連れてどんどん大きくなっていく。

耐えられなくなったユキとトモはついに部屋に踏み込んだ。なんと壁に大きな穴があいていた。

『賃貸なのに!何でこんなことしたの!』そうユキが怒ってもヒロはやはり何も答えずユキは思わずヒロに掴みかかる。するとヒロもユキをビンタしてきて、二人は取っ組み合いになってしまう。

トモが慌てて間に入り、二人を引き離すもユキは怒りが収まらない。大学の願書を代わりに取りに行ってやったりもしたのに、ヒロからは一言も礼が無かったのだ。

「どっか頭おかしいんじゃないの!?」
「出てってよ!」
「二度と顔も見たくない!」

機能不全家族5 夏目ユキ 13-14/27

そう叫んでユキはヒロを荷物ごと外に放り出してしまった。

今なら真冬の東京に一人で放り出されたヒロの気持ちを考えることができるが、この時ユキはとてもじゃないがそんなことを考える心の余裕がなかった。そして、それが弟ヒロからの最後のサインだったとは気付くはずもなかったのだ。

ヒロは無事に大学に現役合格。しかし、高校退学直後、全国トップクラスだった成績は実はどんどん落ちていっていて、ヒロが入学した先は偏差値60を切っていたのだった。

スポンサーリンク

カラオケで暴れて警察に保護されたヒロ…引き取りに行ったユキは婦警からあることを言われる

そして夏になった。大学からの帰り道、ユキに突然父から電話が掛かってくる。

なんとヒロがカラオケで大暴れして警察に保護されているというのだ。遠い父が東京に到着する前に、先にヒロを引き取りに行って欲しいと頼まれたユキは警察署へと向かった。

少し驚きながらも『殺人とかじゃなくて良かった』『何か嫌なことでもあったのか』淡々とヒロのいる部屋に入ったユキ。しかし、ヒロの様子を見て絶句する。

何日も洗わず着続けたようなボロボロの服、掛けているメガネも割れている。腕はキズだらけで目は虚ろだった。

幸いカラオケ店は修理費の弁償と出禁で勘弁してくれるそうで、ヒロを担当した若い男性警察官は『こいつ、話したらいい奴だった。お姉さんもこいつのことあまり怒らないでやって』と笑う。しかし、ここ最近ヒロがまともに喋るところを見ていないユキは違和感しかない。

するとそんなユキを一人の女性(婦警?)が別室に呼ぶ。彼女は『自分はここにきて長いので勘のようなものだけど』と前置きしてユキにこう言う。

「もしかしたら弟さん…精神的な何かを患ってるかもしれません」

機能不全家族5 夏目ユキ 19/27

『落ち着いたら病院へ連れていった方がいい』…そう言われたユキは驚く。母が躁うつ病だったこともあり、『うつ病だろうか』と考えた。

警察署からヒロを連れて出たユキは、とりあえず服を買ってやり、父が来るのをファミレスで待った。相変わらずヒロはほとんど喋らないが『病気かもしれないし暴れ出すかもしれない』と優しく接した。そして到着した父が『帰っていい』というのでユキが帰ろうとしたその時、突然ヒロは『○○フィールドって知ってる?』と口を開いた。それから流暢にしゃべり始めたのだが、その内容はまるで意味不明で、ユキは『明らかに何かの病気だ』と確信した。

そして去り際、父に『警察の人から早く病院に連れて行った方がいいと言われた』と告げるが父は『様子見てからでいいんじゃない』と深刻に捉えてはいない様子であった。

ユキは父のその態度に苛立ちを感じる。以前にも同じようなことがあったのだ。まだヒロが幼かった頃、再三喉の痛みを訴えても『ほっとけば治る』と放っておき、耐えられなくなったヒロが泣きながら『病院に行かせてください』と頼み込んでやっと病院に連れて行ったのだ。そして、受診後すぐに医師から『全身麻酔の手術が必要です』と言われすぐ手術することになったのだ。そのときユキは子供ながらに『医者のくせに自分の子どもの症状を知ろうともしないのか』と呆れたのだった。

家に帰ったユキは心配して待っていた妹のトモに『カラオケで物を壊しちゃっただけ』とあえて明るく伝えた。トモには笑顔でいてほしいと思っていたユキは本当は異様だったヒロの状態を詳しく伝えないのであった。

遺書を書いたヒロ…そしてヒロが統合失調症であったことが判明する

事件の翌日、父はヒロを連れて地元に帰った。ヒロの家から遺書が見つかり、一人にしておけないと判断した父は大学を休学させ、しばらく二人で静かに暮らすつもりだという。それを聞いたユキは『やはりうつ病だったのか』と思った。

しかし、それから少し経った頃、卒論に終われるユキに父から電話が来る。ヒロを病院に連れていったという父に『ちゃんと連れていったんだ』と胸を撫で下ろしたのも束の間、『ヒロ君は今、入院している』と言われユキは仰天する。

「統合失調症って病気知ってる?」

機能不全家族5 夏目ユキ 26/27

『昔は精神分裂病と言われていて…』等、父からそう言われても全く何のことか分からないユキ。この100人に1人がかかると言われている、ありふれた病気を全く知らなかったのだ…。

スポンサーリンク

以下、感想と考察

子どもを病院に連れていきたがらない医師の父

医者なのに子どもを病院に連れていかないって何なんだろう。逆に医者だから?他の人に見せるのに抵抗があるのだろうか?何とも不思議。一体何科なんだろう…。そんでもって、遺書とか見つけると一応まずいと判断して地元に連れ戻す…。やはり私はこの父親の物事の判断基準を理解することはできないだろうな。

統合失調症はありふれていてやっかいな病気

そしてついに弟ヒロに『統合失調症』という診断がつく。統合失調症、ネットでも“糖質”というスラングがあるくらい、実は結構ありふれている病気。でも厄介な病気でもあり、だからこそキチンとした治療が必要なのだ…。もっと早く分かっていたら…と思ってしまう。

そしてヒロが統合失調症であると分かったことが姉であるユキにも影響を及ぼすのだ…。

次の記事はこちら
【漫画】機能不全家族6(夏目ユキ)・最新話【感想・ネタバレ・考察】自身も統合失調症になるかもしれないと恐れるユキは就職したブラック企業に追い詰められていく…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください