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登場人物みんなキ…レディコミらしさあふれる『夫婦別生』。前回までのあらすじ。
美奈子は同じ会社に勤めていた優大と結婚した専業主婦。優しく何でも許してくれる優大に愛され、美奈子はSNSでその生活のキラキラっぷりを皆にアピールすることが生きがいだった。
しかし、ある時友人から夫、優大の”愚痴アカ”を知らされ、そこに書かれる自身への不満のコメントに一喜一憂し、優大の機嫌を取らねばならないと委縮していく。優大は意図的に”愚痴アカ”を使って、他人の目を気にする性格の美奈子の行動をコントロールしていたのだ(何故急にそんなことしだしたのか謎)。
そして優大は”愚痴アカ”を通して美奈子に圧力をかけて職場復帰させるが、次第に”愚痴アカ”には反論コメントがつくようになり、美奈子も思い通りにならなくなっていく。それどころか美奈子は優大の部下の又吉と不倫し家を出て行ってしまう。
職場に不倫がバレて冷たい眼で見られても『本当の幸せ(又吉)を見つけたから大丈夫』と自身を奮い立たせるが、又吉は『先輩(優大)が幸せそうでムカついたらだけ美奈子を奪っただけ』と言い、『優大の“愚痴アカ”に否定的なコメントをつけたのも、職場に不倫をばらしたのも自分だ』と暴露(破滅願望の持ち主なの?)。そして、美奈子を殴って追い出す(でも、美奈子の作った飯は笑顔で食べ続けるサイコっぷり)。
又吉に捨てられた美奈子に、反省した優大が『やり直そう』と歩み寄る。しかし、美奈子は『もう信じられない、さようなら』と別れを告げ、見栄を捨て一人で生きていく決意をする。
だが、又吉に殴られた痕のある美奈子に、今まで散々SNSを陰で笑い、不倫について冷たい目を向けていた会社の人達が『美奈子可哀想』と同情の眼差しを向けてくる(レディコミ界の民度なんてこんなもんなんだろう…)。
すると、美奈子は“同情”されることで周囲の注目が集まることに快感を覚えてしまうのであった…。
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Contents
以下、あらすじとネタバレ
9話(第4話1)~『平均台から落ちたくない』…”流れ”に乗って皆と同じ意見でいたいOLの未果
又吉は会社を辞職した。又吉に殴られた頬に貼られたガーゼが痛々しい美奈子に社員達は同情し優しく接している。
『又吉君のことは気にすることないよ』と心配そうに美奈子に言ったのは同僚の未果だ。他の社員達も『そうそう、そもそも又吉が悪いんだよ』等と未果の言葉に続く。
その様子を眺めながら未果は内心『上手く”流れ”に乗れてよかった』とホッとしていた。
子どもの頃から”流れ”に乗るのに苦心していた未果。皆、特に女子はすぐに派閥が出来たり、悪者が変わり、仲間外れの対象が変わる。『くだらない、馬鹿みたい』…そう感じながらも未果は”流れ”に乗らないと上手く生きていけないし、無闇な争いに巻きもまれてしまうと思っていた。
『極力人から嫌われないように、平均的な意見を発していく』…それが未果の生き方だった。
そんな未果は同僚から『美奈子みたいな夫婦を見てると、未果みたいな”普通の人”と結婚するのが一番いいと思う』と言われる。褒めているのか馬鹿にしているのか微妙な言葉に未果は笑顔で『そうだね』と答えながら、少しモヤモヤしてしまう。
未果の夫、真(まこと)は顔も収入も性格も平均的で、家事も分担してくれて、何も問題がない夫だ。『我が家は平均的でとても幸せ』と感じている。だからこそ、周囲から浮かないようにしなくてはと尚更強く思うのであった。
数日後、未果は同僚が美奈子が未だに頬にガーゼを貼り続けているのを見て『頬の傷、もう絶対に治ってるはずなのにいつまでも被害者面をして痛々しい』と言っているのを聞き、『また”流れ”が変わった』と焦る。
そんな未果に同僚が『未果はSNSに夫婦の事を載せないの?』と尋ねる。SNSに下手なことを書いて悪目立ちしたくない未果は『苦手だから』と誤魔化す。すると同僚は『未果は溜め込みそうだから、こういうのを使ってみたら?』と言ってあるアプリを勧める。
それは『お悩み相談アプリ』という匿名で悩みや相談を投稿し、回答し合うというアプリであった。未果はそれを見て『面白そう』と思うのであった。
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10話(第4話2)~『お悩み相談アプリ』にハマっていく未果…『自分は平均的な意見』と自信を持っていくが
『お悩み相談アプリ』を早速スマホにインストールした未果は、以前同僚が発した『普通の旦那さんで良かったね』という言葉を思い出し、『普通の旦那さんで良かったね…と言われたけど、これは嫌味ではないですよね』と投稿する。
すると、すぐに回答コメントが複数つき、全て『普通の世間話、気にすることはない』というものであった。その回答にホッとしモヤモヤが解消した未果。そして、『平均的な意見を知れるこのアプリはいいかも』と思うのであった。
夜、未果は寝る前に皆のSNSをチェックをする。旅行に、家事代行サービスの利用、夫からのサプライズプレゼント…そういった皆のキラキラした投稿に羨ましさを覚える未果。
すると、夫の真が来週から仕事が忙しくなるといって家事分担の見直しを求めてきた。キラキラしたSNSの投稿を見たばかりの未果は外食や家事代行サービスを提案するが、真は『そういうの疲れるから』と難色を示す。
真のそういうところに、『SNSで自慢できる様なことが出来ない』と不満を感じる未果。しかし、未果は気を取り直して『家事分担について、悩み相談アプリで聞いてみようよ』と真に提案する。
そして、相談を投稿すると『家事分担は表などで可視化すると良い』という回答がすぐにつき、真も『いいね』と感心するのであった。
その後、未果はどんどん『お悩み相談アプリ』にハマっていった。夕飯のおかずといった些細なことから夫婦のおこづかい制についてまで、自分で頭を悩ませなくて良いのが楽だった。そして、何かあると未果は真に『これが普通らしいよ』とアプリの回答を見せる。
だが、ある日、嬉々としてアプリの回答を見せる未果に夫は言う。
「俺は今、未果と会話してるんだよ?」
夫婦別生 竹充ヒロ 010話(4話2)
そして、真はそのまま部屋を出ていってしまう。今までになく怒った真の様子に同様する未果。しかし、そんな未果がすがるのは、やはりアプリであった。『些細なことで夫を怒らせてしまったけど、どうすればいいですか』と投稿すると、『お互いが冷静になるまで距離を置いた方がいい』という意見が多数派で、未果はそれに従い、その日は真を放っておいた。
しかし、翌日も真の怒りは収まっておらず、未果は戸惑うものの、『みんなが言っている通りにしているから大丈夫』と考えるのであった。
会社では美奈子が誰からも構われなくなっていた。いつまでも被害者面している様子から、皆の目が『可哀想』から『鬱陶しい』という“流れ”に変化したのだ。
そんな美奈子を後目に、未果は『私は社会の“平均台”から落ちないで上手くやれる』と言い聞かせる。
しかし、真との関係はどんどん冷えきっていき、会話も無くなっていった。焦った未果は『お悩み相談アプリ』に『夫が3日程ろくに口を利いてくれません。どうすればいいですか?』と投稿する。『自分は間違っていない』と思っていた未果だったが、その投稿についた回答は意外なものであった。
11話(第4話3)~夫婦関係修復までアプリに頼ろうとした未果は真に出て行かれてしまう
未果の投稿についた回答は『ありえない。異常です』『どうしてもっと早く手を打たなかったのですか?』といったものばかりであった。それを読んだ未果は『みんながこの間、放っておくのがいいと言ったのに』と愕然とする。
『いつの間にか”流れ”が変わってしまった』と焦る未果だったが、『まだ大丈夫、上手く間違えなければ”平均台”から落ちずに済む』と自身を落ち着かせる。
未果は真をリビングに呼んで話をすることにした。
『ごめん、私は真の気持ちを考えてなかった』…そう改まった様子で切り出した未果に真も真面目に話を聞く態度を見せた。
しかし、未果がスマホを取り出して見始めると真は失望した表情を浮かべる。未果は『夫に何と言って謝れば良いのか』とアプリで質問しており、その皆の回答を元に謝罪の言葉を発しているに過ぎなかったのだ。
すると、真は乾いた笑いを浮かべて『未果と会話しているとロボットと会話している様で、一緒にいてもつまらない』と未果に言い放つ。
『つまらない』という言葉にショックを受ける未果。周囲から浮かないこと、そればかりに神経を尖らせる自分がいかにつまらない人間か…それは自分自身が一番よく分かっていた。
しかし、だからこそ親の勧めで結婚した、顔も収入も性格も平均的で普通な真にだけは『つまらない』と言われたくなかった。
「ずっとずっとつまらない男だと思ってたのは私の方よ!!」
夫婦別生 竹充ヒロ 011話(4話3)
未果は泣きながらそう叫んだ。
…椅子が倒れ、割れた食器や物が散乱したリビングに呆然と未果は一人しゃがみ込んでいた。すると、未果のスマホに真からのメッセージが届く。『真…!』と縋りつくようにメッセージを開く未果。そのメッセージは『これからどうしたらいいか、お悩み相談アプリに聞けば?』という冷たいものであった。
『誰かどうしたらいいか教えて…』と呟きながらアプリを開く未果。『平均台から落ちないように上手に歩いていたはずなのに、私は一体どこから間違えてしまったのか』…そう嘆くのであった。
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以下、感想と考察
実体のない”みんな”という存在に準じる危険性
「こんなバカいる??」…とか言ってしまっては元も子もないので止めよう。ここまで極端ではないにしても、こういった相談系のアプリやSNSにハマる人は一定数いるし(Yahoo!知恵袋とか発言小町とか)、”世間の声”なるものを味方につけたがったり、主語を大きくするのが好きな人も確かにいるから。
今回の話では”流れ”という言葉が押し出されているけど、どちらかと言うと『顔が見えず実体のない”みんな”の言葉を信じるリスク』の方がテーマなのではないか。“みんな”とは誰なのか?
顔が見えない”みんな”の意見程曖昧なものはない。ネットの相談は確かに一般論が返って来ることが多いから、自身の置かれている状況を客観視するといった意味ではネットの相談はアリかもしれない。でもその一般論(常識)なんてものは曖昧ですぐに変わるし、そもそも一般論=正解ではない。ネットの回答者でも善意で丁寧に回答してくれる人は結構いたりするけど、大体が惰性で適当に回答してるだけだし、その人の背景や人間性を細かく知っているわけでは無いのだから、状況に則した回答をするのがそもそも難しい。
”みんな”って言葉って怖いよな。”みんな”という言葉は個人の背景や個性を塗り潰して見えなくしてしまう言葉だし、実体が無かったりする。
恐らく誰しもが子どもの頃に『”みんな”が持ってるからおもちゃを買って(遊園地連れてって)!!』『”みんな”が○○って言ってた』と等と騒ぎ、お母ちゃん等に『”みんな”って誰よ!?言ってみなさい』と言われて言葉に詰まったり、数人しか挙げられず『全然”みんな”じゃないじゃない!』と叱られた経験があると思うけど、このやりとりが案外真理を突いている気がする。
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アッサリ退場した又吉、ウザがられる美奈子、忘れ去られた優大
どうでもいいけど、『つまらない男だと思ってたのは私の方よ』というバルス級の破滅の呪文を未果が放った後、メチャクチャ部屋の中が荒れてるシーンになったけど、どっちが暴れたの?雰囲気的に真っぽいけど、部屋を荒すな。物に当たるな。
そして、又吉退場か。そんな気もしていたけど、サイコっぷりがちょっと面白かったから残念。
美奈子も案の定アッサリ皆の同情を失ったな。一切登場しなかったけど、優大息してる?大丈夫?
この『夫婦別生』って、こんな感じで毎回主人公変わるのかね?これって”夫婦”が一応テーマなんだよね?これからも”SNS”ネタを必ず絡めていくのかしら?
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