【漫画】金魚妻~弁当妻【感想・ネタバレ・考察】会社の先輩に妻と寝て欲しいと頼まれて…!?

金魚妻 1巻 表紙

お弁当って性格が出ると思う。そもそも、弁当を作るか外食・コンビニ食で済ませるか否かでも考えかたが透けて見えるし、『栄養バランス無しで好物ばかりはいっている』『彩りが豊かか』『おかずに冷食を使わない』…等々細かいところに作り手の性格が表れる。なお、私はキレイに美しく料理を並べることが苦手なので、この『弁当妻』みたいなキレイなお弁当やそれを作れる人は本当に尊敬する。

前の記事はこちら
【漫画】金魚妻~出前妻①【感想・ネタバレ・考察】夫の実家の蕎麦屋で居場所のない妻は出前先の常連客と関係を持つが…

関連記事
【漫画 既刊6巻】金魚妻【総評・あらすじ・感想】ただの“不倫もの”、“エロ”ではない…男女の人生の悲喜を描く良作

スポンサーリンク

Contents

弁当妻のあらすじとネタバレ

会社員の津多は先輩の保ケ辺から妻を抱いて欲しいと頼まれる

津多(つた)の会社の先輩、保ヶ辺(ほかべ)はいつも豪華な愛妻弁当を持ってくる。昼休み、『いつも美味しそうですね』と覗き込んだ津多に唐突に保ヶ辺が言う。

「なあ津多…うちの妻とヤリたくないか?」

金魚妻 黒澤R 弁当妻

驚く津多に保ヶ辺は語り出す。保ヶ辺の家は結婚して8年、親族の死によるゴタゴタ等のストレスも相まって、子どもを望んでいるにも関わらず現在“レス”になってしまったと言う。

『妻が他人に抱かれているところを見れば興奮するかもしれない』と保ヶ辺は言うのだ。職場で独身で彼女しかいないのは津多しかいないため、津多に頼むと言うのだ。そう言われて傷付く津多。実は津多は以前、5年付き合った彼女を友人に取られてしまい、まだ引きずっていて、その事は保ヶ辺も知っている。浮気現場を発見した津多に『その時、興奮した?』と尋ねる保ヶ辺。津多は『しませんよ』と怒って答える。津多は彼女に対して浮気を疑っていて苦しんでいたため、浮気現場を見て逆にスッキリはしたものの、性的に興奮することは無かった。

そんな津多は先輩である保ヶ辺に何故、妻が他人に抱かれている姿を見れば興奮出来ると考えているのか尋ねる。
すると保ヶ辺は3ヶ月前に行われた家族同伴の社員旅行の出来事を語り出す。旅行中、津多と保ヶ辺、そしてその妻、朔子(のりこ)の三人で小さなうなぎ屋に入った。しかし、津多の頼んだうな玉丼が一向に来ず、確認したところ忘れられしまっていたことが分かった。だが、津多は怒らず『今ニワトリが卵を産んでるところだと思って待ちます』と笑った。そんな津多の態度を好ましく思ったのか、男嫌いなはずの朔子が『良かったら私のうなぎどうぞ』と差し出したのだ。
その事に非常に興奮し、旅館に戻った後、盛り上がったと言う保ヶ辺。

その話を聞いた津多は『それだけの想像力があれば僕は必要ないでしょう』『他人の奥さんと寝ることは出来ない』と言って保ヶ辺の元から立ち去ろうとする。
だが、保ヶ辺はそんな真面目な津多の態度に『やはり君しか信頼できる人はいない』と喜び、その旅行依頼、朔子と“していない”と明かし、手を合わせてお願いするのであった。

「われら夫婦の危機を救えるのは君しかいないんだ!」
「たのむ!津多くん!」

金魚妻 黒澤R 弁当妻

スポンサーリンク

保ケ辺の家に行った津多…保ケ辺の提案に妻、朔子は怒っており、取り合えず3人は食事をする

とりあえず食事に誘われた津多は休日、仕方なく保ヶ辺の家にやって来た。保ヶ辺の部屋は低層階にあるものの、いわゆるタワマンで、その豪華さに目を見張る津多。しかし、家でご飯を作って待っていた保ヶ辺の妻、朔子は怒った表情を浮かべており、津多を見ると顔を背ける。保ヶ辺は朔子に本当に『津多と寝てほしい』と言い、朔子を激怒させたのだ。まさか、本当に保ヶ辺が妻にそんな話をすると思っていなかった津多も『そりゃそうですよ』と怒り呆れる。

『そういうわけだから今日はメシだけ食べていってくれ』と言う保ヶ辺。テーブルには豪華な朔子の手料理の数々が並び、津多は思わず『美味しそう』と歓声を上げる。
その津多の態度に機嫌を直した朔子は保ヶ辺の突拍子の無い提案について『この人はとんでもないことを言い出すことがあるから、気にしないでくださいね』と笑う。

朔子の手料理に舌鼓を打ちながら、保ヶ辺夫婦の馴れ初めを尋ねる津多。
眼鏡で小太りで冴えない保ヶ辺に対してショートカットの良く似合う、少女の様な清潔さと美しさを持つ朔子。
保ヶ辺は大学生の頃塾講師のバイトで出会った、当時中学生の朔子に一目惚れし、『付き合ってくれなきゃ橋から飛び降りて死ぬ』と脅迫めいた告白をして交際を始めたのだと言う。保ヶ辺の話に呆れる津多。

だが、そんな風に雑談をしていたところで突然保ヶ辺は津多と朔子に言い出した。

「二人ともちょっと手をつないでみてくれないか」

金魚妻 黒澤R 弁当妻

驚く津多と朔子。保ヶ辺はまだ諦めていなかったのだ。しかし、津多は『奥さんが嫌でなければ』と言い、朔子も『手を繋ぐくらいなら』と応じ、二人は一瞬だけ手を繋ぎすぐに離した。
恥ずかしそうにする津多と朔子を見て保ヶ辺は冷静な表情で『今、少しムカついた』と感想を述べ、津多は思わず『すみません』と頭を下げたが、保ヶ辺は『次は恋人繋ぎで』と言い出す。『こう?』と保ヶ辺の前で津多と恋人繋ぎをして見せる朔子。すると保ヶ辺は満足そうに頷くのであった。

その後、部屋の外まで津多を見送った保ヶ辺はワクワクした様子で、タワマンから出る方法を手短に伝えると中で待っている朔子の元にダッシュで向かう。
帰りながら盛り上がっているであろう保ヶ辺と朔子の事を考えた津多は、以前友人に彼女を取られた時の事を思い出して憂鬱になる。
浮気現場を押さえた津多に友人は『初めて会った時から彼女に惹かれていた』と白状した。

僕は奪われるつらさを知っている

金魚妻 黒澤R 弁当妻

津多はそう思いながら朔子の冷たくて柔らかい手を思い出す。

その頃、津多の予想通り、保ヶ辺は朔子を抱いているのであった…。

その後も続く津多と保ケ辺と朔子の奇妙な関係~朔子は津多の弁当も作るようになる

翌日、会社に来た保ヶ辺は肌ツヤが良く生き生きしており、津多の分まで弁当を持ってきた。『昨日のお詫び』ということで朔子が作ったその弁当は見た目が豪華なだけでなく、大変美味で津多は感動する。そんな津多に保ヶ辺は『気になる女の子とかいるのか』と尋ね、津多がいないと答えるとこう言う。

「朔子がな、津多とならいい…と」

金魚妻 黒澤R 弁当妻

『えっ』と小さく叫んだ津多に間髪入れず『次の週末はどうか?』と尋ねる保ヶ辺。動揺した津多は『やめておきます』と言うが保ヶ辺にから『ウチの妻じゃイマイチなのか』と言われると答えに窮する。

もし奥さんが僕の事を好きになっちゃったらどうするんですか?

金魚妻 黒澤R 弁当妻

…そんな言葉が口から出そうになりながらも何とか止める津多。用事がある等言って断ろうとするも、保ヶ辺はしつこく津多を誘い続け、そしてある休日、『朔子が津多の分の食事も作ってしまったから』と言われた津多は根負けして再びタワマンを訪れた。

保ヶ辺の指示されて朔子とキスをする津多は『性欲に負けた訳ではない』と自身に言い聞かせるが、朔子の唇の柔らかさに驚きドキドキしてしまう。そんな津多を保ヶ辺は物凄い顔で睨みながらも『舌を入れたら』等の要求をしてくる。困惑しながらも津多と朔子は要求に従うのであった。

その日以降、朔子は平日、夫である保ヶ辺の分だけでなく、津多の分まで弁当を作ってくれるようになった。
そして、津多と保ヶ辺、朔子夫妻の奇妙な休日の関係も続いた。

保ヶ辺の津多と朔子への指示、要求は最後までさせることはないものの、エスカレートしていく。そんな事をしている最中で朔子は津多に好物や弁当の感想を尋ねてくる。津多もまるで世間話をするかのようにそれに答える。

気をつけないと…勘違いしそうになる

金魚妻 黒澤R 弁当妻

それは朔子の事を意識し過ぎないためであった。津多は朔子に惹かれ始めていたのだ。

津多と朔子が絡む様子を見て満足した保ヶ辺は津多を居間に残して朔子を寝室に連れていくようになった。居間で夫妻の寝室から漏れてくる物音を聞く津多は名伏しがたい気持ちに襲われ耳を塞ぐのであった…。

スポンサーリンク

会社を休んだ津多の元に弁当を持って現れた朔子…二人は互いに気持ちを打ち明ける

何とも言えない気持ちに悩まされた津多はその晩、Facebookで元カノと彼女を奪った元友人が結婚したことを知った。幸せそうな結婚式の写真。すでに二人への怒りや恨みは無かったものの落ち込んだ津多は翌日、『風邪をひいた』と嘘をついて有給を消化して会社を休んだ。

すると、津多のマンションに年賀状から住所を調べた朔子がやってきた。『食欲があるときに…』と言って弁当を差し出した朔子に思わず『抱きしめたい』と感じてしまった津多。風邪と嘘をついた罪悪感とすぐに帰ろうとする朔子を引き止めるために『風邪ではないんです』と打ち明ける

朔子を部屋に上げた津多は元カノや元友人の事等を全て語り吐き出した。話を聞いた朔子は津多に『何故、彼女と友人を許すことが出来たんですか?』と尋ねる。戸惑いながら『時間が忘れさせてくれた』と答えた津多。本当は朔子の存在が大きかったということに気付いたのだ。

すると今度は朔子が『最近、夫との事を考える』と言い出す。津多が来てから“レス”は解消した。しかし、営みの最中、保ヶ辺はずっと朔子に『津多と俺とはどっちの方が上手か』『あいつの事が好きなんだろう』と尋ね続けるのだ。そして、朔子が『太朗さん(保ヶ辺)の方が上手、愛しているのは太朗さん』と言うと子どもの様に喜ぶのだ。
そう語った朔子に津多は改めて『嫌ではないのですか?』と尋ねる。すると朔子は『このまま“レス”なのと同志を見つけて皆で楽しんで“レス”を解消するのとどちらが良いかと聞かれて仕方なく合わせていました』と答えた。

それを聞いた津多は『朔子さんは本当は嫌がっていたんだ…』とショックを受ける。自分同様、てっきり朔子も何だかんだと楽しんでいると思っていたのだ。自己嫌悪のあまり『消えてしまいたい』とまで思う津多。だが、俯いて謝る津多に朔子は『相手が津多さんじゃなければ絶対に断ってました』と言い、こう続ける。

「でも…これ以上一緒にいたら好きになっちゃうから…」

金魚妻 黒澤R 弁当妻

驚いて顔を上げる津多を朔子は頬を赤らめながら見つめていた。

「すみません…僕も…好きになっちゃいました」

金魚妻 黒澤R 弁当妻

その後、津多は朔子を抱きながら、以前保ヶ辺が語った話を思い出す。人間の男性器の形は、前の男の子精子を効率良く掻き出す為に進化したものだと言うのだ。だとすれば自身の今している事は朔子の中に残った保ヶ辺の全てを掻き出す為の行為…津多はそう感じるのであった。

ラスト~突然、保ケ辺の元から姿を消した朔子…津多は行方を知らないと答えるが、彼が持ってきた弁当は…

その後、朔子は突然家出して保ヶ辺の前から姿を消してしまった。会社で泣きながら津多にその事を打ち明けた保ヶ辺。馴れ初めが原因なのか保ヶ辺は朔子の両親に嫌われており、保ヶ辺が尋ねても朔子の居場所を教えてくれないのだという。保ヶ辺は津多に朔子から連絡が来ていないか尋ねるが、津多は『番号も知らないから』と答える。保ヶ辺は落胆した様子で外に昼食を取りに行った。すると、保ヶ辺が去った後、津多は弁当を広げる。

僕は奪われる側の気持ちもその逆もわかる

金魚妻 黒澤R 弁当妻

津多の元カノと友人はあと半年後に子どもが生まれると言うが、それを聞いた津多の気持ちは穏やかだった。
津多の美味しそうな弁当を覗き込んだ後輩達が『美味しそう』と羨ましそうに言い、津多は『だろ』と得意気に答えながら、内心ではこう言うのであった。

あげないよ

金魚妻 黒澤R 弁当妻

スポンサーリンク

以下、感想と考察

コミカルな様でブラックさもある『弁当妻』

今回は打って変わってコメディ色の強い話。保ヶ辺さんのキャラが強烈過ぎて…。合間合間に挟んでくるウンチクが言い味を出している。そして、前半のコミカルな雰囲気とラストのちょっとしたブラックさの対比がまた。

世の中、いろんな趣味嗜好があるけど、個人的にNTR(寝取られ)は特に理解出来ない…。まあ、言動からして保ヶ辺さんは本当に津多に朔子を寝取られたい訳では無く、ただ津多を当て馬にしたあっただけの様だが。藪へびとはまさにこのこと。最後は本当に津多に朔子を寝取られてしまった。津多と暮らしている朔子を出さず、津多が朔子の作った弁当を持っていることでそれを表現するのが上手いと思う。

キャラクターの名前が皆弁当から来ている

どうでもいいけど、今回のキャラの名前ってみんな弁当にちなんでるよね…。
保ヶ辺(ほかべ)→ほか弁(ほっかほっか亭)
津多→津多屋
朔子(のりこ)→のり弁
だよねぇ…。

ちなみにこの『弁当妻』はその後の話があります。

その後の話はこちら
【漫画】金魚妻~弁当妻のその後【感想・ネタバレ・考察】朔子との離婚に同意する代わりに保ケ辺が津多と朔子に要求したモノは…

次の記事はこちら
【漫画】金魚妻~見舞妻①【感想・ネタバレ・考察】酒気帯び運転で息子の担任教師を撥ねてしまったギャルママは…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください