【漫画】金魚妻~見舞妻①【感想・ネタバレ・考察】酒気帯び運転で息子の担任教師を撥ねてしまったギャルママは…

金魚妻 1巻 表紙

『妻は何故一線を越えてしまったのか』…不倫を選んだ”妻”の物語をオムニバス形式で描く『金魚妻』。今回の『見舞妻』は一時広告で盛んに宣伝されていた話。

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見舞妻①のあらすじとネタバレ

小2の息子の担任教師、平野を酒気帯び運転で撥ねてしまった真冬(23)は、お見舞いにいった病室で思わず…

病院のベッドに横たわる真面目そうな黒髪眼鏡の青年と、それを見舞っている派手なギャル風の女性…。
息子の担任教師、平野を見舞った真冬は送られた生徒達からの手紙や鶴を見て『平野先生、人気じゃね?』と明るく笑った。しかし、平野が困惑した様に『事の重大さを分かっていますか?』が尋ねられると『さーせん…』と謝ることしかできない。

数日前の晩、真冬は小2の息子たかひろの担任教師である平野を車で撥ねてしまい、さらにその時真冬は酒を飲んだ後だったのだ。

夜道でバイクを撥ねてしまった真冬。相手はバイクごと田んぼに突っ込んでしまい、真冬は慌てて車から飛び出し『生きてますか!?』とバイクの運転手に声を掛けた。

すると、起き上がったバイクの運転手は『その声は、河北たかひろのお母さん!?』と叫び、真冬も『平野先生じゃね!!』と驚愕したのであった。平野は左腕を骨折し、右足も怪我してしまった。

病室で真冬は平野に懇願する。

「お願い!学校の…たかひろの友達にだけは言わないで!」

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

真冬は何より息子たかひろが嫌な思いをするのだけは嫌だった。現在、平野は真冬に撥ねられたこと、真冬が酒気帯び運転をしていたことは黙っており、表向きは『道路で真冬の運転する車とすれ違った時に転倒した、そしてそれを真冬が助けた』という事になっているのだ。

しかし、そんな真冬の懇願に対して平野は憮然とした表情で『警察に言うかどうかは考え中だ』と言い、こう真冬に告げる。

「それはたかひろ君のお母さん次第です!」

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

真冬の反省する態度や誠意が見たくてそう言った平野。しかし、動揺した真冬はとんでもない行動に出た。

「これでもダメー?」

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

なんと自分の豊かな胸を露出して見せたのだ。だが、生真面目な平野は『何やってるんですか…?』とドン引きするのであった。

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夫、マサトから冷淡な態度を取られる真冬

帰宅した真冬は先ほどの病室でやらかしたことについて、落ち込み自己嫌悪に陥っていた。一方、学校から帰ってきた息子のたかひろは『ママが平野先生を助けた』と信じて自慢に思っており、はしゃいでいる。

そして、夫であるマサトも仕事から帰ってきた。疲れて不機嫌そうな様子のマサトは真冬と二人きりになると『担任は何って言っていた?』と尋ねる。平野との事件について、真冬はマサトには正直に話していた。

マサトの顔色を窺って『バイクの修理代と医療費だけで良いって言われた』と嘘を吐く真冬。『誰が出すんだ?』と冷たく聞くマサトに真冬が『もちろんアタシが出す』と答えると、マサトは凄むのであった。

「用意できんのかよ」
「とにかく俺達に迷惑かけんじゃねーぞ」

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

そう吐き捨てて行ってしまうマサトに、残された真冬は『わかってるし…』と力なく呟く。

夜、心細くなった真冬が『しよう』と誘ってもマサトは背を向けたまま『そんなこと言ってる場合かよ』と断り、真冬は『ごめん』とそっと謝るのであった。

真冬が酒気帯び運転をしてしまった理由…それは夫、マサトの無茶苦茶な要求のせいであった

翌日、また平野の見舞いに行った真冬。元気がない様子の真冬に平野が理由を尋ね、真冬は『最近色々あり過ぎてポカーンって感じで…』と憂鬱そうに答える。

そんな真冬に平野は『普段から飲酒運転してるわけじゃないでしょうね?』と尋ねた。真冬が必死の形相で『そんな最低なことはしていない』と叫ぶと、『じゃあ、何であの日はしてたんですか?』と更に問う。すると、真冬は『あの日は…』と事件の晩のことを語りだした。

事件の晩、真冬は息子のたかひろを母親に預け、車でギャル友達の家に遊びに行っていた。久々に友人の家で飲み、そのまま泊って翌日の昼に帰る…当初からその予定で、夫であるマサトにもそう説明はしていた。

ところが、友人達と楽しく飲んでいるとマサトから電話が掛かってきた。『車はどうした』と尋ねるマサト。真冬が『友人の家で飲んでて、明日の昼まで車を貸してくれるって言ってたよね?』と言うと『聞いてねーぞ!明日の朝、仕事仲間と出かけるから車をすぐに返せ!!』と怒り始めたのだ。

『もうお酒飲んじゃったし無理!』と真冬が慌てて言うと電話越しにマサトはこう怒鳴りつけた。

「今すぐ返せないなら二度と帰ってくんな」
「離婚!」

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

マサトの剣幕とその言葉にパニックになった真冬はそのままアルコールが抜けないまま車に乗って家を目指し、そこで平野を撥ねてしまったのだ。

そんな真冬の話に黙る平野。真冬は友達からも『そんな奴とは別れろ』と言われている。しかし、『でも昔はラブラブだったんだ』と俯きながら言う。

息子たかひろを妊娠した時、自分は15でマサトは18だったと明かす真冬。平野は『まだ23だったのか…』と真冬の若さに唖然とする。

『マサトはまだ18だったのに自分の両親に結婚させてほしいと頭を下げ、親達の支援を受けず仕事を掛け持ちして家族を養い、息子たかひろのことも可愛がる、マジで最高のダンナ様』と誇らしげに語る真冬。

しかし、一転して寂しそうな表情を浮かべて真冬は言うのであった。

「もしかしてなんだけど…」
「ダンナ…自由になりたいのかなぁ」

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

最近、冷たいマサトを見てそう感じている真冬。若い頃からずっと懸命に責任を持って妻子を支え続けてきたマサトだったが、もう疲れてしまったのではないかと思っているのだ。
平野はそんな真冬に何も言えなくなるのであった。

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事情を明かした真冬からお金を受け取ろうとしない平野…『それでは悪い』という真冬にとんでもない提案をする。

そして、真冬は立ち上がり平野にお金の入った封筒を差し出して頭を下げるのであった。

「これバイクの修理と医療費…足りなかったら言って」
「もうあんな馬鹿なこと絶対に絶対にしません!」

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

ところが、

「お金はいりません」

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

平野は真冬のお金を『僕の不注意で起きた事故だからいりません』と言って頑として受け取ろうとしない。そして、『お金を受け取ってもらえないと困る』『悪いから』と食い下がる真冬に言うのであった。

「もう一回昨日のあれやってください」

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

平野の意外な言葉に真冬は『はあ!?』と驚くのであった。

病院からの帰り道、息子たちと遭遇した真冬と見舞に来た同僚教師と語る平野

夕方、平野の病室を後にした真冬は学校帰りの息子達に遭遇した。担任の平野を慕って会いたがっているものの、病院の規則でお見舞い出来ないことを悔しがる子供達に真冬は 『ちょっと着いてきな』と笑う。

その頃、平野の病室には同僚の男性教師、山内が必要な書類を届けにやって来ていた。

頻繁に真冬が見舞に来ていることについて、山内は『もしかして不倫関係?』と茶化し、『すれ違った時に自分が転んだから罪悪感を持って心配してくれてるだけだ』と必死に否定する平野に『正直に言っていいよ』となおも言う。見た目は少々派手だが、若くて美人なだけでなく、明るく優しく、子供達からも好かれている真冬は職員の中でも人気なのだ。

すると、窓の外から突然、子供達の呼ぶ声が聞こえてきた。真冬が子供達を病室の窓から見える高台に連れてきてやったのだ。子供達と一緒に『早く良くなってね!』と無邪気に叫ぶ真冬を見ながら山内は『正直、自分はたかひろ君のお母さんはタイプだ、巨乳だし』と明かし、『平野先生はどうですか?』に尋ねる

その山内の問いに一瞬固まってしまった平野。平野は妻がいる上、妻はもうすぐ出産を控えており、今は北海道に里帰りしているのだ。『自分はもうすぐ父親になるから』とはぐらかす平野に山内は『不倫をするグッドタイミングじゃないですか』と笑い、平野は『変なことを言わないで下さい』と赤面して言うのであった。

そして、そうやって平野をからかう山内は自身も最近入籍した事を明かし、『結婚式で妻以外の女性と一生恋愛しませんと神に誓うのは恐ろしいのに、血迷って結婚してしまった』と皮肉気に言う。そんな山内に平野は言うのだった。

「いいじゃないですか」
「そんな相手そうそう出会えるもんじゃない…」

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

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『先生と結婚すればいいのに』という息子の言葉に動揺する真冬

一方、真冬は高台で平野と交流することが出来た息子達を連れて帰ろうとしていた。だが、唐突に息子たかひろが真面目にこう言い出した。

「母ちゃん、平野先生と結婚したら?」

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

ドキッとする真冬。慌てて『何言ってるんだ』と茶化そうとするが、たかひろは友人達がいる前であるにも関わらず真面目に言う。

「だってよ…オレ…父ちゃんがママにひどい事言ったりするの、すっげえ嫌なんだもん」

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

まさひろの言葉に真冬は胸を痛める。まさひろは父と母の関係の変化を敏感に察知していたのだ。

その後、友人達と別れた後もたかひろは『オレがいるからって我慢なんてしなくていい』と真冬に言う。たかひろの優しさを感じる真冬。しかし、たかひろにこう言うのであった。

「ママ、父ちゃんとは絶対に別れないよ」

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

たかひろに『学校で嫌なことがあったときでも家でいつもの様に笑える?』と尋ねる真冬。考えるたかひろに『パパも仕事で辛いことがある』と遠回しに伝え、『許して欲しい』と言う。そして、『パパがママの事ばかり怒るのはたかひろと一緒でママに甘えてるだけだからでしょ』と笑って見せる。

「パパがママの事が嫌いで…ママに消えてほしくて酷いことをしちゃうってわけじゃないなら」
「全然大丈夫!」

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

真冬はそう、自分に言い聞かせるように笑うのであった。

実は昼間の病室で平野の要求を飲んだ真冬はそのまま平野と関係を持ってしまっていた

夜、息子たかひろと共に寝室に向かう前に真冬は夫マサトに『いつもお仕事ありがとうね』と感謝の言葉を伝えた。しかし、マサトはそれに返事をすることなくスマホを弄り続ける。

たかひろを寝かしつけた真冬は寝そべりながら、昼間のお見舞いの時の事を考える。

もう一回、昨日のあれをやってください』…そう平野に言われた真冬は『はずいんですけど』と困惑しながらも、要求通り平野に胸を見せた。すると、平野は赤面しながらも『もっと近くに来て下さい』と真冬に近寄らせ、最終的にはベッドに寝ている自身にまたがらせたのだ。

何故、素直に言うことを聞いてしまったのか…それは真冬自身よく分からない。

真冬にまたがらせた平野はおずおずと『触っていいですか?』と尋ね、またしても真冬は『触るくらいならいい』と受け入れてしまった。いいはずはなかった…たかひろの横で寝ながら、そう思い返す真冬。しかし、何故かその時、真冬は平野の要求を拒否しようとしなかった。

平野に胸を触られる真冬は快感を覚え、そしてしばらく抜けていないという平野が興奮していることに気付き、思った。

あ~まずいこれ
これ勢いでやっちゃう感じの流れだ

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

自分達がどんなにマズイことをしようとしているのか。真冬は『どうしよう、断る?先生は悪い人じゃないから、ここで引き返しても怒らないよね』と考える。

しかし、そんな考えとか裏腹に真冬は平野にキスをしながら『絶対に誰にも言わない?』と尋ね、そのまま、一線を越えてしまうのであった。

負けた…こんな簡単に
不倫しちゃった

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

『たかひろゴメン』と心の中で息子に謝罪しながらも、真冬は快楽に抗えず、誰もいない病室のベッドで平野と激しく求め合ったのだった。

自由になりたいのは自分の方…平野に恋をした真冬は自分の本音に気付き、夫マサトに『好きに生きてもいいんだよ』と言う

平野との情事を思い出して惚けていた真冬だったが、突然マサトから『おい』と声を掛けられて我に返る。慌てて布団から起き上がる真冬にマサトは『たかひろの担任に金を渡したのか』と尋ねる。真冬が受け取ってもらえなかったと説明すると『後々面倒なことになんねえだろうな?』と不機嫌になった。

そして、マサトは真冬をリビングに連れて行き、延々と詰り始めた。『また始まった』と憂鬱な気分になる真冬。最近マサトは何かと理由をつけては、まさひろが寝付いた後に真冬を責め立ててストレスを発散していた。特に平野との事故の件なんて格好の口実になっている。真冬はそのたびに深く傷付いていた。

しかし、今日はマサトからどんなに酷いことを言われても真冬は全然傷付かずに淡々と受け流すことが出来た。マサトの罵倒を聞きながら、真冬はずっと平野との情事に思いを馳せていたのだ。

平野は実家が遠いから、退院後も誰も手伝いには来ず、平野の妻も産後はしばらく里帰りから戻ってこないと言う。
真冬は『平野先生のお手伝いに行きたい。でもあんまり会いに行ったら周囲から怪しまれるかもしれない』『いや、平野先生の家は学校から離れているはず』『マサトも来月から出張でいないし、パートのシフトが増えたと嘘を吐いて母にたかひろを預かってもらおう』…そう再び平野と逢引する算段を考えていた。

『今日のセックスは死ぬほど気持ち良かった。お互いにまた会いたいと思ってる 』『そうだ、明日ピルを購入しなくちゃ』

…そこまで考えた時、真冬は気付いてしまうのであった。

なんだ…自由になりたかったのは…
アタシの方だったんだ…

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

ここ最近冷たく当たって来るマサトを見て、若い頃からずっと家族を支え続けているのに疲れ、自由になりたいと願っていると思っていた真冬。しかし、現状に疲れ自由を望んでいたのは他ならぬ真冬自身だったのだ。

自身のそんな本音に涙を流した真冬。すると、詰り続けていたマサトは真冬が泣いている事に気付き、ギョッとして『何で泣いてるんだよ?』と慌てて尋ねた。しかし、真冬はそんなマサトに涙を浮かべながらも笑顔でこう言うのであった。

「ありがとねマサト。今まで…ずっと我慢してきたんだよね」
「これからはマサトの好きに生きてもいいんだよ」

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

平野への想いの強さと自由になりたいという自身の本音に気付いた真冬は、マサトに選択を委ねた。予想していなかった妻の言葉にマサトはたじろぐのであった…。

その後…夫婦関係を修復した真冬とマサト…しかし、真冬のお腹の中には…

その後、平野は無事に退院し、学校に戻ってきた。子ども達は『退院おめでとう!あと赤ちゃんの誕生おめでとう』と無邪気に祝福する。そんな中、平野はたかひろに言う。

「たかひろ、お母さんにお礼言っといてくれな。色々とお世話になったからさ」

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

平野のその言葉に得意げになるたかひろに友人の一人が『おまえんちリコンするとか言ってたけどどうなったの?』と尋ねる。

するとたかひろは笑顔で『うちの親、今はふつうに仲がいい』と答える。『父ちゃん、ちょっと前に転職してそれでイライラしてたみたいだけど、今は母ちゃんに優しくなった』と嬉しそうに語り、友人も『良かったなー』と安心する。そして、たかひろは更に友人にこう明かすのであった。

「まだ内緒だけどな!実は母ちゃん今お腹に赤ちゃんいるんだよ!」

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

…その頃、真冬は一人お腹に触れながら曖昧に微笑むのであった。

何もない
何もないっつーことで…

金魚妻 黒澤R 見舞妻①

以下、感想と考察

安易に離婚に持っていかない展開のリアルさ

今回も相変わらずストーリー、細部の設定ともに凝っていて、『息子の担任との不倫』だけでなく、『ギャルママ』『酒気帯び運転で交通事故』『仕事のストレスを妻にぶつける夫』と色々なキーワードが満載の作品となっている。

その中でも、『夫がモラハラだ、離婚じゃー!!』みたいな安易な展開に持っていかないのが、好感持てる。妻に当たり散らす夫が悪いというのは当然だけど、そうなってしまう原因があるわけで、真冬がマサトの抱えるプレッシャーを理解し『自由になってもいい』と告げたことで関係が修復するこの展開は救いがあると同時にある意味リアルさもあると思う。

息子たかひろがいい子である分、不倫の罪深さが際立つ

しかし、息子のたかひろ君がいい子だな。顔が父親マサトそっくりなのに、真冬の事を本当に大切に思っていて、天使のような子だ。”母ちゃん”呼びしようと頑張ってるのにふとしたときに”ママ”呼びに戻っちゃうのがなんとも。

それがゆえに真冬と平野が取った行動の責任の重さが際立つというかなんというか…。話が練られているから作品として楽しめる『見舞妻』だけど、冷静に考えると『息子の担任と不倫する母親』と『生徒の母親と不倫する教師』って本当に凶悪だよな。

…でも、結構あるらしいっすね。

真冬と平野…二人は互いをどう思っているのか

この作品で考えてしまうのは、真冬と平野は互いをどう思っているのかということ。

真冬の方は平野の事を酒気帯び運転で撥ねてしまったという負い目はあるものの、作中特に何か優しくしてもらったわけではなく、せいぜいマサトとの関係を聞いてもらっただけだ。平野にとっても真冬は『生徒の母親』で、以前から別に特別に親しいわけではない。

そんな二人が、交通事故というきっかけで関係を持ってしまった。これは、ほぼ”行きずり”の関係と言っても良いだろう。

それでも、真冬は自分の中に会った孤独や不満を解消してくれた平野に一気に心を奪われてしまった。平野はどうなのだろう?作中平野の独白が一度も無いので、はっきりとした彼の気持ちは分らないものの、妻が北海道に里帰り中&誰も見舞に来ないという寂しさが彼を不倫に走らせたのか。そして、『運命の人なんてそうそう出会えるものじゃない』と言ったのが意味深で少々気になる。この言葉を発したのは、真冬との情交の後出し。

平野は妻のことは”運命の人”とは思っていなくて、真冬に運命を感じたのか。それとも”運命”や”恋愛”に対してドライな考えを持っていて皮肉を込めて言った言葉なのか。不倫しておきながら妻の事を”運命の人”と言えるふてぶてしさを持っているのか…色々考察のし甲斐がある発言である。

続編がある見舞妻…続編も面白いのだけどやや不自然さが

ちなみに、この『見舞妻』も続編がある。恐らく『出前妻』同様、反響があったから後日談(厳密に言えば真冬が平野と関係を持ってから平野が退院するまでの間の話)があるのだけど、恐らく後から作ったものであるためか、話単体では面白いのに、時系列的にやや不自然で、また今回のラストシーン(真冬が平野の子を妊娠してしまったことについて、『何も無い…ということで』と自分にも他人にも誤魔化しているような印象)と齟齬がある内容になってしまっている。

同じように続編が出た『出前妻』や長編の『復讐の未亡人』もそうなのだけど黒澤R氏の作る話はディテールがしっかりしている一方で、話が長びくと『実はこのキャラ、こういう人物だったんです』みたいな後出しをして、それが今一つ上手くないというか…、初期のバランスを崩してしまうことが多い気がする。『金魚妻』のさくら周辺の話はあまり破綻が無いのだけど…。

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