【漫画】不倫サレて離婚しました。5話、最終話【感想・ネタバレ・考察】離婚して2年目…ラスト・結末にあめ子が辿り着く境地は…?

不倫されて離婚しました 表紙

結婚生活7年の後、夫に不倫されて最終的に離婚したあめ子は離婚後もフラッシュバックに悩まされたり、周囲の無神経な友人の発言に傷付けられる等、悩みは尽きないものの、同じく不倫されて離婚した親友のモエと共に、色々な事を語り合いながら苦しみを乗り越えていく…。

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Contents

以下、あらすじとネタバレ、感想

離婚後、新しい出会いをすすめる友人達…あめ子が紹介された相手はまさかの…!?

離婚後一人になったあめ子を心配してなのか、やたら周囲が『誰か紹介しようか?』『合コンしようか?』と言ってくるようになった。

とてもそんな気になれず断り続けていたあめ子だったが、ある友人が『絶対にあめ子と合うから会ってほしい』と断ってもしつこく勧め続け、仕方なくあめ子は紹介された男性と会ってみることにした。

当日、映画館で紹介された男性と顔を合わせたあめ子は硬直する。

…この人、めっちゃ元夫に似てる…

不倫サレて離婚しました。5話 ななしなあめ子 6/28

その男性は顔立ちがあめ子の元夫にとてもよく似ていたのだ。

その後、男性と共に映画を見て、お茶をして感想を語り合ったあめ子。男性は顔だけでなく、隣に座った感じも、話し方やその内容、後ろ姿まで何から何まで元夫にそっくりだったのだ。『絶対に合うはず』と友人が断言した意味を理解したあめ子。だが思うのだった。

確かに私こんな感じの人と結婚してたよ(中略)
…でも、でも…
こんなタイプと離婚したんですけど!?

不倫サレて離婚しました。5話 ななしなあめ子 8/28

いい人だとは思ったものの、結局あめ子はその気になれず、また男性の方もあめ子にさほど興味を持っていなかった様でそれっきりとなった。

その顛末をモエに話したあめ子。モエはあめ子に『元夫に似ているだけで判断するな』と叱るがあめ子に『もえちゃんは元夫激似の人でもありなの?』と尋ねられると『無しだよね』と即答するのであった。

…元夫と激似の人を『あなたにとっても合う人』と紹介されるってかなりシュールな光景だと思うのだけど、ななしなあめ子氏がよっぽど夫の顔が好みだったとかなのかな?そうじゃないとしたらそっくりさんをあてがおうとする友人ってなかなか凄い神経をしていると思ってしまうのだが…。

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実はまだ未練がある!?弱った時に思い浮かぶのは元夫の顔?そして一人暮らしで困ることは…?

最終的に若い娘と不倫した夫を軽蔑して離婚したあめ子だったが、それでも『もしかして元夫に未練があるのでは?』と思ってしまう瞬間があった。

というのも風邪をひいたり家の鍵を無くしたりと、弱ったり困ったりした瞬間、反射的に元夫の顔が浮かんでしまうのだ。その度にあめ子は自分の脳みそに苛立ち、あえて不倫・離婚想像を脳に思い出させるのであった。

しかし、離婚後の生活は基本的に家事の量が減ったためあめ子はかなり楽になったと感じる。それでも、未だに料理だけは上手く一人分の量を調節できず、4日目のカレーをうんざりしてしまうのであった。

…困った時に反射的に元夫の顔が浮かんでしまうというのは、特にななしなあめ子氏の場合、元夫とは交際8年、結婚して9年と人生の半分近く共に過ごしていたのだから仕方がないと思う。
そして、『離婚すると家事が楽になる』という女性は多い。離婚する家庭の多くは男性がまともに家事をしないパターンだし、この『不倫サレ日記。』でも元夫はあめ子に家事を押し付けていた様子が描かれていた。…一人分の料理が難しいというのは独身あるあるな気がする。

不倫シタ人サレた人…どちらからも相談されるようになったあめ子

不倫されて離婚した後、あめ子は不倫について相談されるようになったが、意外にも”シテる”側からも相談されることも多い。

ある日、既婚者の女友達から『W不倫をこのまま続けるが旦那と別れるつもりはない』と打ち明けられたあめ子。『何でそれを私に話すの?』と困惑するあめ子だったが、女友達はあめ子にこんな”お願い”をするのだ。

「うちのダンナや相手の奥さんにバレてないか調べて!!」

不倫サレて離婚しました。5話 ななしなあめ子 14/28

女友達はあめ子が元夫の車にGPSを仕掛けて追いかけたりした経験を活かして自身が追跡されていないか調べて欲しいと言うのだ。渋々、女友達が不倫相手とラブホテルに行くのに使っている車を調べるあめ子。調べた結果、特に車には追跡用の器具は取りつけられていなかったものの、あめ子は正直に『アプリとか仕掛けられていたら分からないし、もう不倫をやめなよ』と言うが、女友達は悪びれることなく『やめられない』と答えるのであった

そして、ある時は”サレた”側の友人からその苦しみを打ち明けられたあめ子。友人は夫に不倫されたものの子どもがいるため、『あめ子やモエの様に離婚に踏み出せない、子どもが大きくなるまで我慢するしかないのかな』と涙を滲ませ、あめ子は『離婚するのが必ずしも正解だとは限らない』と慰めた。

しかし、数か月後にその友人と再会すると、彼女はとっくに離婚していた。『子どもの事で悩んだけど一人で育てていくと決意し、なんとかなっている』と語った友人は非常にイキイキとしており、何と既に彼氏もいてすぐに再婚する予定だと言う。驚くあめ子に友人は『あめ子も頑張って!』と笑い、いつの間にか逆に励まされているのであった…。

…不倫している友人があめ子に『バレていないか調べて』と言う所について、「一体どういう神経をしていたらそういう質問・お願いが出来るんだ」と思わなくはない。車を調べているあめ子に『もっとちゃんと調べて』とか言うのってどんな鬼畜なのかと…。でも、向こうもそれを分かっていてお願いしていて、あめ子自身ネタにしてる位だから、まあいいのか…?

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離婚してから2年…当初は辛く苦しんだあめ子の心境は…

離婚した直後、あめ子は同じく夫に不倫されて離婚した先輩から『立ち直るのに2年掛かった』と聞いて、『そんなに長く苦しむのか…』と愕然とした。

先輩は鬱っぽくなったり、別れて正解と思ったり、かと思うと悔しくなったりしながらも、2年経った位に『もう大丈夫、乗り越えた』と思える瞬間が来たと語った。

実際にあめ子も離婚後1年目は非常に苦しみ、”1年記念”と称して親友のモエと祝杯を挙げたものの、内心は落ち込んでいたのだ。しかし、それから季節が巡り、丁度2年経つ頃にふと自身が最近泣いていないことに気付き、モエからも『元気になってきた』と言われる様になったのであった。

『時間が薬というのは本当だった』…そう実感するあめ子。不倫された直後は暗闇にいる様な気分だったが、今は『これで良かった』と思えるようになっていた。

今だけだよ大丈夫ってあの日の私に言いたい」

不倫サレて離婚しました。5話 ななしなあめ子 23/28

そう言って居酒屋でモエと乾杯するあめ子。モエは『自分はそういうの全然なかった』と言い切るが、あめ子はモエもまた口に出さないだけで色々な事を乗り越えてきているのを理解していた。

丁度その時、あめ子の携帯に同じく不倫されて離婚して1年目の友人から『色々と思い出してしまって辛い』というメッセージが届いた。『今から彼女も呼んで良い?』と聞くあめ子にモエは『もちろん』と答え、友人に『孤独で死ぬ前に今すぐ来て!』と電話して見せに呼び出す。そして、泣きながらやってきた友人に『ちゃんと立ち直れるから頑張れ』と声を掛けるのであった。

自分とは違う経験をした人の痛みを知ることは出来ないし、自分達の行き先に幸せがあるとも限らない…そう思うあめ子。しかし、

私のこの暗闇を抜けた経験が同じ経験をした人の役に少しでも立ったらいいなって思ってます
誰かが少しでも笑える明日の為に

不倫サレて離婚しました。5話 ななしなあめ子 27/28

そう思いながらあめ子はモエと共に友人を励まし、『バツイチのこれから』の為に乾杯するのであった。

~終わり~

以下、感想と考察

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新しい恋愛が誰にでも救いになるわけではない~異性の紹介が迷惑になることも

フィクションの世界だと、『恋や愛の消失は新しい出会いで救われる』的な展開がありきたり。現実でも失恋したり、恋人と別れたり、離婚した後にすぐ新しく恋をしたり交際相手を作ったりする人も珍しくはない。

でも、誰もがそれを望んでいる訳ではなく、実際にこの作品のあめ子も『今はちょっといいかな』と思っている訳で、それにも関わらず『合コンしよう』『紹介したい人がいる』としつこく言い続ける人は親切、お節介を通り越して最早迷惑だと思う。

何でもかんでも新しい恋が救いになるというわけではないだろう。あまりにも恋愛脳過ぎる…。そして、実際にあめ子の古傷を抉る様な結果になった訳だし。

サレた側は傷付き、苦しむことが多いが、周囲が不幸と決めつけるのは失礼

1~5話(最終話)まで読んで一番感じたことは、不倫サレた(そして離婚した)人の持つ苦しみと、周囲の同情の微妙なズレだ。

不倫されて離婚することになったら、大部分の人が、辛く感じてうちひしがれることだろう。自身を責めたり、恥ずかしく感じてしまう人も多いだろう。しかし、だからと言って周囲が『みじめで可哀想』と決め付けて露骨に憐れむ様な態度を取るべきではないし、ましてや2話の男性の友人の様に見下しバカにして茶化すなんてあってはならないだろう。失礼だ。

【漫画】不倫サレて離婚しました。2話【感想・ネタバレ・考察】飲んだ後電車に飛び込みそうになるあめ子、そして無神経な共通の友人

上記の『異性を紹介しよう』というしつこい誘いも『パートナーがいないのは可哀想』という過度な憐憫から来るもので、やはり失礼な行為だと思う。

不倫サレて離婚したからといって、その人はその人のままなのだから、『不倫サレて離婚した可哀想な人』等とレッテルを貼ったりせず、当人の気持ちに寄り添ってあげればそれで良いのだと思う。そう考えると、やはりこの作品に登場する(そして実在する)モエちゃんは本当に良い親友だ。

『不倫サレ日記。』その他こぼれ話は…

ちなみにななしなあめ子氏はアメブロの方で、マンガ、日記を公開しており、そこでこの『不倫サレて離婚しました。』や書籍の『不倫サレ日記。』で描かれていないエピソードを公開している。気になる人は見てみると良いと思う。

最後に…あめ子が暗闇から抜け出せてよかった

不倫サレて離婚した後を描いたこの『不倫サレて離婚しました。』は『不倫サレ日記。』で描かれなかった(恐らくその当時は整理できず描けなかった)、自殺衝動等のヘビイな話があったため、「精神的に大丈夫かな?」と少々心配していた。

跡は多少残るかもしれないが、傷は少しずつ確実に癒えていったようだ。

あめ子が苦しみながらも、暗闇から抜け出すことが出来て良かった…そう心から思うのであった。

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