【漫画】夏目アラタの結婚9話【感想・ネタバレ・考察】 真珠に周防英介との関係を問い詰めるアラタ…すると真珠は怒りだし…

夏目アラタの結婚1巻表紙

突然遺体の隠し場所を仄めかし始めた真珠。そこからは最初の被害者、周防英介の見つかっていなかった左腕が発見された。そして、英介の遺族が児童相談所までやってきたことで、アラタと真珠の”婚約”がバレてしまう。怒って”婚約”を反対する所長に対してアラタは反抗し、独自に真相を辿るために英介の妹、沙菜に英介の人柄を聞く。だが、沙菜の話を聞いているうちに英介がアラタとよく似ている事が分かり、アラタは真珠が無罪判決を勝ち取ろうとしている理由が、アラタを殺すためなのではなきかと思い至り戦慄するのであった…。

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Contents

以下、あらすじとネタバレ

桃山と飲みに行った所長はアラタの過去について語り、真珠との婚約を見守ることにする

桃山を連れて飲みに行った所長はアラタについて話していた。

アラタが中学生だった頃から知っている所長。所長の昔の担当区域にアラタが居たのだ。小学校の時に父親が事故死した後、派手な美人だったアラタの母親は再婚と離婚を何度も繰り返し、アラタの名字は新田、山下、沢村…と何度も変わった。そんな状況で荒れたアラタはケンカに明け暮れ何度も警察沙汰になった。しかし、高校2年生のときアラタは『これからは死んだ父親の名字の夏目を名乗っていく』と決め、それから少しずつ落ち着いて行ったのであった。

そんな母親の元で育ったためか、アラタは来るもの拒まずな性格で女ともよく遊んでいたが、アラタ自身が特定の女に入れ込むことは無かった…そう語る所長。所長はアラタがよく桃山を口説いているのも『桃に対しては女というよりは母親を求めている』と言い、『アラタが堀ちえみが好きなのも子沢山のお母さんタイプだと知ってからだ』と説明する。それを聞いた桃山は『あたし子供生んでないですけど!』と小さく叫ぶ。

「そんなアラタが…」
「連続殺人鬼と、――結婚…なんてなぁ。」

夏目アラタの結婚9 乃木坂太郎  6-7/27

そう言って複雑な表情を浮かべる所長。昨日アラタが言ったこと全てを信じている訳ではないが、アラタがあれほどまでに誰かに入れ込んでいるのは初めて見たのだ。考えた結果、アラタと真珠の”婚約”は所内に秘密にしておくことにしたという所長は桃山に『あやういアイツを見守ってくれ、頼んだ』と言うのであった。

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アラタは真珠に周防英介との関係を執拗に尋ねる…すると真珠は普段と違う態度を見せる

沙菜から生前の周防英介の様子を聞いたその翌日…アラタは再び仕事の合間を縫って真珠の面会に向かった。

面会が始まるとアラタは単刀直入に『おととい周防英介さんの遺族に会った』と切り出す。だが、真珠は『何か言ってた?』と尋ねはするものの表情は暗く、アラタの『遺族が左腕が見付かってふんぎりがついて前向きになれると言ってた』という言葉に対しても素っ気なく『そう』としか答えない。

そんな真珠に対してアラタは『周防さんって元カレなんだよね?どこで知り合ったの?』と思い切って質問してみる。すると真珠は『何それ?話さなきゃいけないわけ?』と冷たく笑う。

だが、アラタは『俺は恋愛経験乏しくって。小さい男だと思うだろうけどさ、他の男のことが気になって仕方がない』と言う。勿論、嘘だ。アラタは過去に何人もの女性と付き合っているうえ、彼女たちの恋愛遍歴なんてまったく気にしたこともない。だが、真珠が被害者達とどう出会って何故殺そうとしたのか…さらに言えばアラタを殺したいと思っているならその理由を探りたいと思っているのだ。

アラタのその言葉に真珠はただ冷たく『気持ち悪い』と吐き捨てる。だがアラタはそれでも『俺たち結婚するだろ』と食い下がり、軽い調子でこう言った。

「―――ひょっとしたら、どこかにもう…子供がいたりして、なんてことも……!?」

夏目アラタの結婚9 乃木坂太郎  15/27

すると、真珠は真顔になったかと思うと、突然アクリル板に唾を吐きかけ、顔を歪めてアラタを睨みつけた。

「生むわけないだろ」
「そんなもん。」

夏目アラタの結婚9 乃木坂太郎  17/27

思ってもみなかった真珠の反応に戸惑うアラタ。しかし、同時にこの真珠の様子が…普段のどこかふざけたはすっぱな態度とは違う、初対面でいきなり去ろうとした時の態度と同じであることに気付く。
『これが本当の真珠だ』…そう感じ取ったアラタは”この真珠”こそ真相を掴むためにも切り崩さなければならないと考えるのであった。

周防英介が初体験の相手であったと語る真珠にアラタはさらに問い質していく

真珠の暗い目を見ながら『体の関係は?』と慎重に尋ねるアラタ。すると真珠は無表情のまま答える。

「寝たよ。」
「初めてだった。」

夏目アラタの結婚9 乃木坂太郎  19-20/27

周防英介とは18の時に海で出会った…そう答えた真珠は『これでいい?』と終わらせようとする。だが、アラタは怯むことなく『声をかけたのはどっち?』『二人でどんなとこ行った?映画は?旅行は?』と質問を続ける。真珠は『なんなの?そんなこと聞いてどうすんの』『気色悪い!』と怒り出す。そんな真珠を真っ直ぐ見つめながらアラタはこう言った。

「…こんなに、誰かのことを全部知りたいって思ったの初めてなんだ。」

夏目アラタの結婚9 乃木坂太郎  20-21/27

アラタの真っすぐな言葉に気圧された様に黙る真珠。目的はともかくその言葉は紛れもないアラタの本音であり、『真珠と周防英介の関係を全て暴いてやりたい』と心の底から思っていた。アラタはそのままアクリル板越しに真珠に向かって『お前と周防英介の特別な場所を上書きしてやりたい』と訴える。

それに対して真珠は『周防よりアラタの方が好き、それでいいでしょ』と話を終わらせようとするが、アラタは『ダメだ!』と叫んだ。

「お前が俺を、愛してるわけがないからだ!!」
「子供みたいな字で手紙を送ってきた30男…それ以外俺に何があるってんだ!!」

夏目アラタの結婚9 乃木坂太郎 25/27

ハッキリそう言われた真珠は動揺した様に『その手紙が特別だったんだよ』と答える。そして、『手紙はあたりさわりのない文面だったろう!?』と信じようとしないアラタに真珠は『内容じゃない』と答えた。

「あの子供みたいな字が、ボクの心をうったんだよ…!!」

夏目アラタの結婚9 乃木坂太郎 26/27

そう真珠は涙を浮かべながらもうっとりとした表情を浮かべるのであった…。

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以下、感想と考察

アラタを見守ることに決めた所長

桃ちゃんを飲み屋に連れて行った所長はアラタの過去について語った。再婚&離婚を繰り返す母親の元で荒れてしまった少年時代のアラタ。名字を何度も変わるのも大変なのに、それにしても新田アラタとか嫌すぎる…。からかわれそうだし…。

それにしても所長はアラタを見守ることに決めたようだ。…まあ、話の展開的にもそうならざるをえないだろうけど、8話のアラタの言葉が響いたのだろうな。所長、懐が広いな…。しかし、拘置所の面会って平日しかダメなんだな…。所長はアラタが仕事を抜けて面会に行くのを睨みながらも黙認しているようなのだけど、その時間は時間休みたいな感じで有休消化してるのかな?ちょっと気になる。

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真珠と周防英介の真の関係は?

そして、周防英介の妹、沙菜は『兄と品川ピエロは男女の関係ではないと思う』と語っていたが、真珠は『初めての相手だった』と語った。どちらが本当なのだろうか…真珠の言葉が本当なら、30近い英介が当時18の真珠と付き合っていたことになる。別にそれ自体悪い事では無いのだけど、裕福な30男と学が無いその日暮らしの18の女の子…その関係は果たして対等だったのか…沙菜の証言から英介はいい人っぽい感じがしたけど。

アラタが『子供』というワードを出した途端取り乱した真珠…アラタが英介との体の関係を勘繰るとやたら『気色悪い』という言葉を吐き出すし、性に関して何らかのトラウマを持っていそうだ…。

そして、手紙について『内容ではなく字に心を打たれた』と言い出した。果たしてそれはいったいどういう事なのか…。

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