【漫画】モンキーサークル2巻・最新刊・最終巻【感想・ネタバレ・考察】絶望と惨劇の樹海…迎えるラストは…!?そして、3年後の話とは…?

『謎の猿人が出る』という噂を追って、とある森に足を踏み入れた有名な動画配信者とそのスタッフ達、10人の男女。

しかし、そこに本当に”猿人”が現れ、彼らに襲い掛かる。慌てて逃走する一同だったが、慣れない樹海に遭難してしまい、犠牲を出しながら野営することになってしまうのであった…。

前巻の記事はこちら
【漫画】モンキーサークル1巻【感想・ネタバレ・考察】モンキーピークの外伝…樹海にやってきた動画配信者達を襲う謎の猿人…

ネタバレあり登場人物詳細はこちら
モンキーサークル、登場人物・キャラクター最新まとめ~wikiより詳しく、ネタバレあり

スポンサーリンク

Contents

登場人物

生存者

シマ

主人公。バイト代欲しさに”リョウちゃんねる”の撮影の荷運びのバイトに応募してきた。明るく正義感のある性格で窮地でも皆を助け猿と戦う。

リョウ

”リョウちゃんねる”で年2億稼ぐ動画配信者。一見爽やかなイケメンだが、自分勝手で横暴な性格で、この非常事態でも動画を撮る事しか考えていない。

みかん

リョウの相方の動画配信者。一見ツインテールの可愛らしい外見の女性だが、本性はワガママで横暴な性格をしていて口が悪い。猿に腹部を木の棒で殴られてしまった。

チョウ

フリーターの男性。キャップを後ろ向きに被っている。シマと同じく荷運びのバイト。37歳と年長者で、落ち着いた頼りがいのある性格で皆をまとめる。実は過去に会社の同僚を猿に殺されている。

ダイブツ

”リョウちゃんねる” のスタッフ。色黒で高身長の屈強な体格をしている男性。冷静で肝が据わっており、猿と互角に戦える。

マリ

”リョウちゃんねる” のスタッフ。マッシュルームボブヘアのずんぐりした体型の女性。内気だが気配りのできる性格。落石により左足を骨折している(リョウの仕業である可能性が高い)。

えーご

”リョウちゃんねる” のスタッフ。やや小太りの男性。臆病でネガティブな性格で、リョウやみかんからは馬鹿にされ、こき使われていたが、遭難して以降はリョウに対して反抗的な態度を取るようになった。夜、猿に襲撃されて以降、行方不明となった。

スポンサーリンク

死亡者

カトー

”リョウちゃんねる” のスタッフ。眼が寄っている。最初の被害者で、クマに襲われた後、猿に大樹に木の杭で磔にされ、体中刺されて死亡した。

マッシー

”リョウちゃんねる”のスタッフ。眼鏡の男性。撮影役とするとともに、演出等も考えるブレーン的存在だった。カトーの死体のそばに猿が掘った落とし穴に落ちてしまい、そこに敷き詰められていた木の杭に体が突き刺さり死亡した。2番目の被害者。

隊長

森のガイド役として雇われた男性。顔に傷があり、頭にはバンダナを巻いている。森の知識を持っており、みかんに好意を抱いていた。沢に出たところで、滝を下る道を探しているところを猿と出くわしてしまい、体を何度も岩場に叩きつけられて殺された。3番目の被害者。

以下、あらすじとネタバレ

スポンサーリンク

第9話~猿の姿を収めたメインのカメラがえーごによって盗み出されてしまう

夜目の利かない猿から身を守るために焚火を消した”リョウちゃんねる”一同。先ほどの猿の襲撃で、えーごは逃げ出したまま行方不明になっており、みかんは殴られた腹の痛みを訴え続ける。

そんな中でもリョウは『キャンプ場が猿に襲われて…』と動画撮影をしており、シマがそんなリョウを『撮影している場合じゃない、みかんさんが苦しんでいる』と諫める。チョウも『恋人に対して冷たい』と非難する。

しかし、リョウはみかんのことを『付き合ってないし』と冷たく笑う。動画内では親しく、まるで恋人であるかのように振る舞っているが、みかんに対して何も情を持っていないのだ。

リョウは『大丈夫だよな、なあ』とみかんの肩を叩くが、先ほどのリョウの発言を聞いていたみかんは複雑な表情を浮かべるのであった…。

そんな中、シマは先ほど猿を殴り倒したダイブツに『凄かったですね』と尊敬して言う。ダイブツはあの猿人と互角に渡り合ったのだ。

すると、リョウが茶化す様にこう言う。

「それこそ”愛の力”なんじゃねーの?」
「ダイブツとマリお似合いだと俺は思うんだけどなあ」
「付き合えばいいのに ダイブツは前からマリの事……」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 11-12/179

しかし、そのリョウの言葉を遮るようにダイブツが立ち上がり、叫ぶ。

「ふざけた事言うなっ!!知ってるはずだ」
「マリは…前からお前の事を想ってる!!」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 13/179

ダイブツはマリの事を好いていて、そして、マリはリョウに片思いしていたのだ。そして、それを皆分かってはいたが、あえて何も言わなかったのだ。

ダイブツの剣幕にリョウは怯えるが、自身が今、『動画配信に夢中で誰とも付き合うつもりはない』とカメラを片手に笑って見せる。

すると、その様子を見たチョウが突然叫んだ。

「それだ…”夜間モード”だよ!!」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 14/179

カメラの夜間モードを使えば、暗闇でも辺りを見渡すことが出来る…チョウはその事に気付いたのだ。実際に、カメラを夜間モードに切り替えると目視するよりもハッキリ辺りを見る事が出来た。…しかし、わずかだがライトが灯ってしまい、猿に見つかりやすくなってしまう。そのうえ、リョウが持っていたメインのカメラの充電は21%しかない。とっさにリョウはメインのカメラを近くにあった岩の上に載せ、予備のカメラを手にして物音がした方向を見る。

すると、何と木の奥にクマがいるのが見えた。驚きながらクマが見えることを皆に伝えるリョウ。一同は構えながらも黙ってやり過ごそうとする。その結果、クマの方も特に一同に近づいて来ることはなく、そのまま立ち去って行った。

皆はホッと息を撫でおろす。その後も物音がする度に予備のカメラの”夜間モード”で周囲を見渡すリョウ。しかし、突然、『あれ?』と声を上げる。

「カメラが無い…っ」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 23/179

何と今までの映像を収めたカメラが置いたはずの岩の上から無くなっていたのだ。

取り乱しながらリョウは『えーごが戻って来て盗んだんだ!』と気付く。えーごは先ほどの猿の襲撃で森に逃げ込んだと見せかけて、実は近くに潜んでおり隙を見てメインのカメラを盗んだのだ。

「追うぞ!!カメラを取り返す!!」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 26/179

怒り狂いながらそう叫ぶリョウ。あのカメラが盗まれてしまってはここまで来た意味が無くなってしまう…他のメンバー達は戸惑いながらもリョウに従い、えーごを探し始めるのであった…。

第10話~カメラを取り返すためえーごを追いかける一同であったが…

その頃、リョウからメインのカメラを奪ったえーごは息を切らして走りながらも笑っていた。

えーごがリョウと知り合ってから3年。えーごは”リョウちゃんねる”の立ち上げ前からの仲間であるのに、ずっとリョウからはバカにされてパシリの様に使われてきた。その上、リョウはネットで引っかけた女性達とやりたい放題遊んでいたのに、えーごは何も美味しい思いをすることが出来なかったのだ。

ず~っとガマンしてきだんだっ
いつか美味しい思いが出来るって…
それが”今”だ!!
これだけは絶対に渡さない!!

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 31/179

この猿の姿を収めた動画を独り占めできれば、自分が有名人になり、そして大金を手にすることが出来る…そう考えたえーごは、後ろから迫るリョウの『えーご、どこだ!』という怒声に怯えながら必死に逃げる。

そして、えーごは悩む。カメラの”夜間モード”を使わないと足元が見えない。しかし、カメラの電源が付いているとわずかながら明かりがついてしまい、居場所がバレやすくなってしまうのだ。えーごはカメラを使うべきが否か悩むのであった…。

一方、リョウ達はライトと物音を頼りにえーごを追跡していた。カメラのバッテリーを温存するため、一本しかないもののライトを使う事にしたのだ。

その様子を見たえーごは『向こうにはライトがある、このままじゃ捕まってしまう』とカメラの”夜間モード”を使うことを決意する。

えーごのカメラが光った瞬間をシマが見逃さなかった。シマは『えーごさん、危ないから帰ってきてください!』と声を掛ける。すると、えーごは逃げ出し、皆は慌ててそれを追いかけようとするも、ライトを持っているチョウ以外は岩や木々にぶつかってしまい思うように進めない。また、物音がするたびに猿やクマに怯えてしまう。

そんな中、チョウがあるものを発見する。

「…これ」
「”道”じゃないか?」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 39-40/179

ライトで足元を照らすチョウ。そこは草がないキレイな道が真っすぐに続いていたのだ。

大喜びする一同。目の前の道から車や町がある方向を推測して盛り上がる。そして、えーごが町のある右側に逃げたことを確認して、『えーごからカメラを取り返してあとは帰るだけだ』とホッとする。そして、道を歩いてえーごを再び追うのであった。

しかし、えーごはカメラの電源を切ってしまったのか、目印になる灯りが消えてしまった。そんな中、シマはある”違和感”を抱き始め、皆にそれを訴えた。

「…違う」
「これ…俺達が通った道じゃないっスよ」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 44/179

今、シマ達が歩いている道はちゃんと”道”の体をしているが、長らく転がっている様子の木の枝にはタイヤに踏まれた跡がなかった。”リョウちゃんねる”のメンバー達は車でここまでやってきたため、不自然だった。

しかし、えーごからカメラを取り返すことしか頭にないリョウは『そんなの知るか。道なんだからどこかには着くはずだ』と一蹴する。

そして、そのまま歩いて行くとカメラの灯りを見つける。その方向にライトを向けるチョウ。すると、そこにはとんでもない光景が広がっていた。

呻きながら助けを求めるえーご。猿は血塗れのえーごを肩に担ぎながら、人や獣の骨の山に座り、一同を見つめているのであった…。

スポンサーリンク

第11話~一同は猿の巣に誘い込まれていた…ダイブツが一人残り、皆を逃がそうとするが…

凄惨な光景に凍り付く一同。先ほどまで歩いて来た道は人間のための道ではない…猿が作った”獣道”だったのだ。そして、この人や獣の骨がうず高く積まれたこの場所は猿の”巣”…猿はえーごと彼が持っていたカメラの灯りを利用して、一同をこの場所に誘い込んだのだ。

すると、猿は皆の目の前で担いでいたえーごの腹を裂き始める。えーごは断末魔の悲鳴を上げるも、すぐに息絶えた。あまりの恐怖に皆は身動きを取る事もできない。

そんな一同に猿は突然、何かを投げつけて来る。それは土の様なものだったが強烈な臭いを放っていた。あまりの状況にパニックになる”リョウちゃんねる”の生き残り達。

その時であった。ダイブツが突然背負っていたマリを下ろし、シマに託す。何と、『自分が猿を引き留めるからみんなは逃げろ』と言うのだ。

それを聞いたシマとチョウは驚き、マリも唖然とする。そんなマリにダイブツは優しく微笑む。

「マリ…お前は美しい」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 54/179

そんな中、リョウとみかんは早速逃げ出す。シマは『俺も戦う』と言うが、ダイブツからは『マリを死なせるな!』と強く言われる。シマは一瞬ためらったもののダイブツに『死なないで』と叫び、マリを抱きかかえてチョウと共に逃げる。

残ったダイブツは猿の咆哮に負けない叫びを上げながら猿と組み合うが、すぐに押し負けて倒れてしまった。

シマに抱きかかえられ連れていかれるマリは泣きながら『大悟さん』とダイブツの本名を叫ぶのであった…。

先に逃げ出したリョウとみかん。みかんは先ほど猿に腹を木の棒で突かれた痛みで早く走れない。しかし、そんなみかんはリョウを置き去りにする。みかんは暗い森の中で一人孤立してしまうのであった。

一方、シマとチョウ、マリもある程度猿の巣から離れることが出来た。マリはそこでダイブツが自分を好きだった事を知っていながら知らないフリをしていたことを涙ながらに告白するのであった。シマは『ダイブツさんならきっと大丈夫』と慰める。

そして、シマ、チョウ、マリの三人はみかんの助けを求める声を聞き、とりあえずみかんを救出しに向かった。

暗闇の中一人泣きながら座り込んでいたみかんだったが、無事にシマ達と合流することが出来た。シマとマリは『ライトを消せば猿も自分達を見つけられないはず』と言い合うが、チョウが『この臭いだぞ』と否定する。

猿の巣で一同は強烈な臭いの付いた土を投げつけられた。恐らく猿の糞尿が混じっているそれを猿が投げてきた理由…それは”マーキング”…暗闇でもシマ達を追いかけられるようにするためだったのだ。

猿の周到さに唖然とするシマ。みかんは『もう逃げられないの?あの巣にあった骨みたいになるのはイヤ』と泣き叫ぶ。そして、腹痛のためもう動けないと訴え、チョウに『おぶって』と必死の表情で頼み込む。

そんなみかんを背負おうとしたチョウ。しかし、その瞬間、みかんの体が宙に浮く。チョウが驚いて上を見上げると、なんと木の上に潜んでいた猿がみかんを抱き上げているのであった…。

第12話~猿に連れ去られてしまうみかん…一方、シマ達は猿の巣から逃げたつもりが戻って来てしまう

いつの間にか木の上に潜んでいた猿はみかんを抱き上げると、そのまま素早く森の奥に消えて行く。『助けてええ!』というみかんの悲鳴はあっという間に遠のいて行き、すぐに聞こえなくなってしまった。

一瞬の出来事に何も出来なかったシマ、チョウ、マリ。我に帰ったシマは泣きながら『チクショウ、人を殺すのがそんなに楽しいのか!!』と怒りの叫びを上げるのであった。

そんなシマにマリが『私を置いて逃げて』と言い出した。左足を骨折したマリを背負っているシマ。マリは自分が足手まといになると感じているのだ。

しかし、シマは『ダイブツさんと約束したから命に代えても守る』と必死の表情で言う。すると、チョウが二人にこう諭す。

「みんなで生き残るんだっ 絶対に死んじゃダメだっ」
「俺達は負けない!!生きてこの森を出るぞ!!」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 76-77/179

チョウのその言葉にシマとマリは勇気づけられる。『とにかく少しでも猿の巣から離れ、町に近づくこと』…それを目指して三人は森を再び進み始めるのであった。

森を歩きながら、チョウはシマにこの”リョウちゃんねる”の森の撮影のバイトに臨んだ理由を尋ねる。チョウは2年前の真相を探るため、そして仲間を見捨てて生き残った事の罪悪感から再びこの森に戻って来たのだ。

すると、シマは『世界一周の冒険に出るのが夢で、その資金を貯めるためにこのバイトに申し込んだんです』と答えた。そのシマの答えにチョウは『俺はトルコに行ったことがある』『イスタンブールで見た夕日が素晴らしく、忘れられない』『トルコにはめちゃくちゃ甘いお菓子がある』と語る。不安を和らげるようにシマ達はそんな会話をするのであった。

他愛のない会話から『生き残りたい』『家に帰りたい』という思いが強まったシマとチョウ。マリも『生き延びて大悟さんの両親に会う』と決意する。

そして、歩き続けていく中で三人は灯りを見つける。『人がいる!!』『キャンプか!?』…涙を流して大喜びしたシマとチョウは灯りに向かって駆け寄る。

しかし、灯りに近寄って呆然と立ち尽くす。
…そこは逃げ出してきたはずの猿の巣で、灯りの正体はえーごの死体のそばに転がっていたメインのカメラだったのだ。

ショックのあまり座り込んでしまったシマ。何故、猿の巣に戻って来てしまったのか分からなかった。すると、チョウがこう説明する。

『リングワンデルング(リンデワンダリング)』…それは”輪形彷徨・環形彷徨”とも言われるもので、人は方向感覚を失ってしまうと無意識に円を描くように同じ場所をぐるぐると彷徨い歩いてしまうというのだ。

一方、マリはシマの背中から降りて猿と戦っていたはずのダイブツを探すものの、ダイブツの姿はどこにも見当たらなかった。

すると、猿の巣に積まれた無数の人や獣の骨を見たチョウが突然こう言い出すのであった。

「…やろう」
「ここで猿を”狩る”!!」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 88/179

第13話~待ち伏せして猿を奇襲することにしたシマ、チョウ、マリ

猿から逃げるのではなく、この巣に猿が戻って来るのを待ち伏せして”狩ろう”と言い出したチョウ。マリは『それより大悟さん(ダイブツ)を探さないと』と反論するが、チョウは『この暗闇ではムダだ』『夜目の利かない猿を待ち伏せするには今しかない』と主張する。猿により糞尿を付けられマーキングされてしまっている三人だが、猿の巣の中でなら目立たない。シマもマリもチョウの意見に納得し、早速巣の中で何か武器になりそうなものを探すのであった。

猿の巣には今まで殺害された人々の遺品が転がっていた。靴紐、折り畳みナイフ、ストック…使えそうなものを三人はどんどん集めて行く。

その最中、チョウは2年前に行方不明になってしまった同僚の水口が身につけていた上着を発見する。背中を大きく切り裂かれた跡があり、血で染まったその上着をチョウは強く抱きしめ、『遅くなってゴメン』と涙を流すのであった…。

それからしばらく経った後、猿が巣に戻って来た。猿は片手であるものを引きずっていた。それは上半身だけとなり血塗れで絶命しているみかんであった。

巣に潜んでいたマリは思わず小さな悲鳴を漏らす。すると、それを聞き逃さなかった猿がマリの方に近づいて来た。マリを見つけた猿は大きな口を開いて襲い掛かる

その瞬間、マリは手にしていたライトでいきなり猿の顔を照らす。ライトの光をもろに目にしてしまった猿は悲鳴上げて身をすくめた。

…これは全て作戦だった。マリが囮となり猿を引きつけ、ライトで目を眩ませる。その隙に猿の後ろからチョウがストックで構えて突進する。しかし、猿はすぐにチョウに気付き、ストックを勝て手であっさりと受け止めた。

だが、これもまだ作戦のうちだった。猿がチョウのストックを掴んで動きが止まった瞬間…頭上の木からナイフを巻き付けた木の棒を持ったシマがダイブし、背中を突き刺すのであった。

首と背中の間をナイフで突き刺された猿は絶叫し、暴れ出す。猿を倒せる…そう確信した三人。しかし、シマは猿の背中にしがみ付き、もっと深くナイフを突き刺そうとしたものの猿が暴れたため木の棒が折れてしまい、シマは振り落とされしまう。

そして、猿はナイフが突き刺さったまま森の奥に逃げてしまうのであった…。

第14話~カメラを持って逃げかえることを決意した三人だったが、謎の小屋を見つけ…

負傷したまま逃げて行く猿。シマは追ってトドメを刺そうと主張したが、チョウが『猿を殺すのが目的ではない、逃げて家に帰ろう』と説得する。そして、今度こそ巣に戻ってこないように、猿が逃げて行った方向と逆方向に進んでいくことにした。そして、シマはチョウにあるものを死守するように言われる。

「絶対にこの記録だけは持ち帰るっス!!」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 112/179

それは猿の姿や、猿に殺されたスタッフ達の姿が記録されたメインのカメラであった。えーごが最期まで持ち続けていたものを回収したのだ。『これはみんなが生きた証』…そう考えたシマ達は何が何でもこのカメラを持ち帰ろうと決めるのであった。

そして、森を進んでいく内に空が明らんで来た。すると、シマが前方にあるものを見つける。それは岩場に食い込む様に建てられた小さな木造の小屋であった。

誰かいるかもしれないと思った三人は小屋を訪ねる。しかし、小屋には鍵も掛かっておらず、無人。しかし、頻繁に人は出入りしているのか、つい最近販売されたお菓子の袋などが落ちている。

更にシマが小屋についているランプをいじると明かりが灯る。ランプの明るさにホッとする三人。『人里が近いかも』『誰かこの灯りに気付いて助けに来てくれるかも』と希望を抱く。

そんな中、チョウがあるものに気付く。それは柱に刻まれた文字であった。そこには”トオル”という人物の10才からの身長の記録が刻まれていたのだ。

一方、シマはある段ボールを発見する、その段ボールにはなんと猿が身につけていた蓑が入っていたのだ。『これは?』とシマが驚いた次の瞬間。

突然、山小屋の奥の部屋から猿が現れ、チョウを小屋の外へと蹴り出した。そして、チョウの喉元に噛みつく。絶叫するチョウ。シマは急いでチョウが持っていたストックを手に取ると猿に突き刺した。すると、猿は凄まじい咆哮を上げてシマを探り飛ばし、地面に打ち付けられたシマは動けなくなってしまう。

そして、喉を食いちぎられ、大量に出血したチョウはそのままイスタンブールで見た夕日を思い浮かべながら絶命するのであった。

そのままシマにトドメを刺そうとする猿。そんな猿に向かってマリが小屋の入り口にあった薪を投げつけた。薪をぶつけられた猿は標的をマリに切り替え、近づいてくるが、左足を骨折しているマリは身動きが取れず恐怖で固まってしまう。

その時だった。

「待てよ」
「俺の女に手を出すな」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 127-128/179

そう言って現れたのは傷だらけになったダイブツであった…。

第15話~ダイブツと共に猿との最終決戦に臨むシマ…マリとダイブツの想いも通じ合うが…

猿の巣で皆を逃がす為に一人猿と戦っていたダイブツ。しかし、取っ組み合いの中、突き飛ばされ頭を打ち気絶してしまったのだと言う。そして、目が覚めると猿はいなくなっており、皆を探して森を彷徨っているうちに、山小屋の灯りを見つけたのだと言う。

「さぁ起きろシマ」
「決戦だ!!」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 133/179

そうダイブツに呼びかけられたシマは『はい』と大きな声で答え、起き上がる。そして、ストックを槍の様に構え猿に向かって突進していった。そして、途中強い力で猿に再び殴られるものの、引かずに猿にストックを突き刺す。同時にダイブツが後ろから猿の頭を大きな薪で殴りつけた。

すると、猿は一瞬態勢を崩す。しかし、すぐに持ち直してシマを突き飛ばし、ダイブツの喉元を鋭い爪でひっかく。ダイブツは深く首を切り付けられてしまい、鮮血がほとばしる。

「大悟さあああああんっ」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 139/179

マリの悲鳴の様な声が響き渡った。それを聞いたダイブツは力を振り絞るように猿にタックルし、岩場に押し付ける。そして、背中を引っかかれながらもシマに叫んだ。

「早く…シマっ」
「こいつにトドメを…っ!!」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 141/179

しかし、何度となく猿に地面に叩きつけられているシマはダメージが重なりすぐに起き上がれない。ダイブツが猿に押し負けそうになったそのとき。

左足を骨折しているはずのマリが駆け寄り、ダイブツと共に猿を押さえ始めた。

驚くダイブツ。そんなダイブツにマリは涙を流しながらも微笑みかける。ダイブツもまた、涙を浮かべながら笑い返した。…二人の気持ちが通じ合った瞬間であった。

そして、その隙にシマが残った力を振り絞ってストックを構えながら跳び、猿の喉元に深くストックを突き刺した。

断末魔の悲鳴を上げる猿。シマは雄たけびを上げながら何度も『死ねっ』と叫び繰り返し猿にストックを突き刺し続けた。

血を流し、力を失っていく猿。しかし、最期に頭上にある岩に手を伸ばし、岩を引きずり出そうとする。

なんと、猿は岩場を崩して、シマ達を道連れにしようとしているのだ。落石が起こる直前、マリは慌ててダイブツに『大悟さん』と声を掛ける。しかし、ダイブツは事切れかけていて、目から光を失っていた。

そして、シマ達に無数の落石が降りかかってくるのであった…。

第16話~シマを襲う更なる悲劇…そして、物語は3年後に引き継がれる…

森に夜明けがやってきた。落石のショックで少しの間気を失っていたシマが意識を取り戻す。

そして、起き上がったシマの目に飛び込んできたのは…

抱き合う様にして落石の下敷きになって死亡したダイブツとマリの姿であった。

「そんなぁああああ」
「うわああああっあーーーーーっ」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 154-155/179

絶望し慟哭するシマ。さらに、直後にある”違和感”に気付く。それは、目の前で死んでいる猿の体であった。シマは猿の巣で待ち伏せをした際、ナイフで背中を突き刺したはずだった。しかし、この猿にはその傷が無いのだ。

つまり、今目の前にいる猿は今までの猿とは別の猿であるという事だ。

呆然とするシマ。しかし、涙をぬぐい、カメラを手にしたその時であった。

何者かがシマの背中をストックで突き刺した。倒れ、うめき声を上げるシマ。

「猿を退治してくれたとは…スゲーな」
「カメラもあるじゃん!やったっ!!」
「そいつは頂くぜ」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 159-160/179

そう言って笑ったのはリョウだった。山小屋の灯りと物音に釣られてやってきたのだ。そして、シマの頭をストックで強く殴りつけるのであった。

明るくなった森で、リョウが一人動画を撮りながら走っていた。リョウはカメラに向かって『みんな死んでしまった』『一丸となって猿を退治したけど、大きな犠牲を払ってしまった』と状況を説明する。その上で『俺の使命はこの記録、みんなの生きた命の記録を公開する事』『お金や名誉のためなんかじゃない、みんなのためだ』と語るリョウ。

すると、リョウはタイヤの跡のある道を見つける。『やった。助かった!!』とリョウは叫んだ。

その時だった、リョウのカメラに猿が映り込む。カメラの映像に猿がどんどん近づいて来る。『え?』『うわあああ』リョウの悲鳴が響き渡り、カメラは地面に転がっていった。

すると、そのカメラに二人の男が近づいて来た。猿に噛まれ瀕死のリョウは男達に『リョウちゃんねるです…助けてぇ』と懇願する。しかし、日本刀を持った方の男は助けようとはせずに、もう一人の男に『”タバちゃん”、こいつ知ってる?』と尋ねる。”タバちゃん”と呼ばれた男も『さあ』と答え、リョウを笑いながら眺めるのであった。

リョウは涙を流して『リョウちゃんねる…』と言いながら絶命するのであった。

目の前に転がっているリョウの遺体を見ながら”タバちゃん”が日本刀の男に『どうする、”トオル”?』と尋ねた。すると、”トオル”と呼ばれた男はこう答えるのであった。

「隠すしかねーな 今までと同じようによ」
「カメラは頂くぜ この森の秘密を外に漏らすワケにはいかないんでね」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 169/179

そして、目の前の猿を”二郎”と呼び、怪我を見て『可哀想に、山小屋に連れて行こう』と言うのであった…。

一方、その頃ボロボロになったシマが一人森を歩いていた。リョウにストックで刺され殴りつけられたものの奇跡的に生きていたのだ。

「リョウ…猿……許さねぇ…絶対に許さねぇ…」
「殺す!!必ず殺してやるぞぉおおおっ!!」

モンキーサークル2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 169-170/179

そう怒りの叫びを上げたシマ。彼は翌日の午後、無事に森を抜け救助された。

しかし、その後リョウと撮影隊一行の捜索が行われたが、発見されたのは隊長の遺体のみ。それ以外のメンバーの遺体はおろか、猿の痕跡は全く見つからなかった。

その森の通称は”安蔵(やぐら)の森”…この森の秘密は3年後に明らかになるのであった…。

―終わり―

以下、感想と考察

夜明けを迎えることも出来なかった殆どのメンバー達

1巻のラストが『陽が昇ったらまた猿が襲ってくる』…みたいな感じだったので、夜明けからが本番なのだと思ったら違った。シマとリョウ以外は夜を明かすことすら出来なかった。

…せめて、チョウ、ダイブツ、マリには生き延びてほしかったな…。マリは落石の直前で死亡した(死にかけていた)ダイブツを置いていけなくて一緒に落石の下敷きになってしまった感じかしら…。悲しいなぁ。ダイブツさん、本当に良いヤツだった。

そして、リョウの最期は、まあ因果応報。カメラで最期の様子が尚更生生しく悲惨になった。しかし、隊長以外は行方不明者として処理されてしまうのか…。隊長の遺体は猿が草むらにぶん投げてしまっていたせいでトオル達も見つけられなかったのかな?

『モンキーピーク』と比較した感想

緊張感、切迫感はやはり『モンキーピーク』よりは劣ってしまっているように感じる。…まあ、1日の話だからね、どうしても登場人物達も7日間を描いた『モンキーピーク』程、疲弊して追い込まれてはいないし、人間関係も複雑ではないからな…。

ただし、シンプルでこちらの方が分かりやすいと言えば分かりやすい。登場人物も10人と会社丸ごとで始まった『モンキーピーク』よりも圧倒的に少ないし。

『モンキーピーク』と『モンキーピークthe Rock』との関係…シマのその後は??

時系列的に『モンキーピーク』の2年前、同じ”安蔵の森”が舞台になる『モンキーピーク the Rock』の3年前のお話ということになる。”猿”の正体やトオル達の目的については『モンキーピーク』でも、この『モンキーサークル』でもハッキリ言ってよく分からなかった。きっと『モンキーピーク』の続編である『モンキーピーク the Rock』の方で明かされるのだろう。

そして、シマ。リョウと猿への憎しみを胸に抱いたままで本作が終わってしまったが、このままでは終わらない気がする。

何らかの形で『モンキーピーク the Rock』で再登場するのではないかな…と予想している。

モンキーサークル、登場人物・キャラクター最新まとめ~wikiより詳しく、ネタバレあり

【追記】6/20

予想通り『モンキーピーク the Rock』2巻のラスト1コマで再登場したシマ。一人だけ影に描かれていたけど、どう見てもシマだよね…。これ。ちょっと嬉しいけど、死なないでほしいなあ…。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください