控訴審初日、一審時とは打って変わった可憐な姿で現れた真珠に法廷はざわめいた。アラタは死刑囚コレクターの藤田に協力を仰ぎ、引き続き控訴審を見守ることを決意すると同時に、真珠の動機について知りたいと強く思う様になった。
一方、弁護士の宮前は真珠が一審で起訴を早めるために黙秘をしたことを知り、動揺するのであった…。
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真珠の正体についての個人的な推測・考察記事
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Contents
以下、あらすじとネタバレ
『動機を知りたい』…そう願ったアラタは真珠が育った児童養護施設を訪ねる
控訴審初日の翌日。世間では真珠の法廷画が話題になっていた。職場では桃山も『あんな感じの子なんだねー』とこっそりアラタに言ってくる。しかし、アラタは複雑な気持ちだった。それは世間の注目を集めたくないから…というのもあるが、いくら世間に対していたいけな乙女を装って見せても、藤田が指摘するように真珠がクロだと示す状況証拠がバッチリ揃っているのだ。
『動機が知りたい』…そう強く思うようになったアラタ。誰か事件前の真珠の様子を知っている人に話が聞きたかった。宮前を頼るのは気がひけたアラタは藤田に『真珠が入っていた児童養護施設を教えてほしい』と電話するのであった。
真珠が一時期暮らしていた児童養護施設、『しらなみ園』はアラタの職場の隣の区であった。事前に連絡を入れていたアラタが訪ねると、園長であるという初老の女性、平井がにこやかに迎える。アラタが『隣の区の児童相談所の職員で、死刑囚支援の活動をしていてその一環で真珠と入籍しました』『彼女の心の支えになるために、ここにいた頃の話を聞かせてください。彼女は全然喋らないので…』とアラタが言うと、平井は快く応じるのであった。
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教育はしないのに、やたら食べさせようとする真珠の母親…その母親像にアラタは自身の母親を重ねる
『誰とも打ち解けない子でした』…そう真珠のことを語る平井。真珠の母親は若くてキレイで、頻繁に真珠に会いに来た。そして、それが原因で真珠は他の児童達から嫉妬され苛められる様になり、コンパスで刺されたこともあるという。
真珠の母親はやたらと真珠の栄養状態を気にしており、面会の度に金を渡し、『これで何か食べなさい』と言っていたという。しかし、その癖に歯を治療したり、教育をしたりはしない。真珠の母親のチグハグさを思い返して顔をしかめる平井にアラタは『俺の母親もそんな感じでした』と苦笑しながら言う。
男遊びに夢中だったアラタの母、綾子は毎日食卓に『夕飯代です』とお金を置いていた。
『食わせておけば、一時でもまともな親になった気になれるからだ』…アラタは心の中で、綾子や真珠の母親についてそう分析するのであった。
真珠の過去を聞いたアラタはいじめられっ子の小学校の同級生を思い出す
平井はその後も幼少期の真珠の様子について語り続ける。小学校2年生の冬に保護され『しらなみ園』にやって来た真珠。しかし、それまでほとんど学校に通っていなかった真珠は字も読めず言葉も遅かった。
「当然 勉強にはついていけなくて…」
夏目アラタの結婚24 乃木坂太郎 11/27
「その上太ってちゃあいじめの格好の標的ですよ!!」
平井の言葉にアラタは自身の小学校にも似たような女子生徒がいたことを思い出す。
アラタのクラスメートの女子、ひなたは太っていて気が弱く、クラスの男子達から『白ブタ』と罵られていつも泣いていた。家庭環境からもうこの頃既にグレかけていたアラタはひなたをいじめる男子達を『ダセェ』と冷ややかに見ていた。しかし、それと同じくらいに泣いてるばかりで抵抗出来ないひなたのことも見下していたのだ。
いじめてくるやつらなんて刺してしまえばいいのに。そうしたら、誰も手を出してこなくなるのに…。実際に気に食わない相手を拳で従わせてきた幼いアラタは心の底からそう思っていたのだ。
しかし、今になってアラタは思うのだ。
ガキのオレは、どうしてあんなに冷たかったんだろう…
夏目アラタの結婚24 乃木坂太郎 15/27
闘えない子もいるなんて、考えもしなかった。
『ひなたの様な子はオレが助けるべきだった』…そう後悔するアラタ。そして、ひなたの様ないじめられっ子だった真珠が、何人もの人を殺めてバラバラにしたのが、『真珠なりに闘えるようになった結果』なのだとしたら、自分は真珠を赦してしまうかもしれない…そう思ってしまうのであった。
暗い表情で考え込んでしまうアラタ。すると、平井が『そういえばあの子は歌が上手だった』と思い出し微笑む。それは、園の球技大会の日だった。その日、真珠は熱を出してしまい、皆が屋外に行くなか、一人部屋で寝込んでいた。球技大会の途中、忘れ物に気付き園に戻ってきた平井。その時、平井の耳に歌声が届いたという。
「少しかすれた声だったけど…とても上手な「赤とんぼ」が……」
夏目アラタの結婚24 乃木坂太郎 18/27
普段は園でも学校でも決して歌うことがなかった真珠の意外な才能に、平井は驚いたものの、そのまま気付かなかったふりをして園を後にした。真珠の歌声を聞いたのは後にも先にもそれっきりだったという。
アラタもまた、『歌ねえ…』と意外に思う。
そして、平井は真珠の母が真珠が中学生に入ってすぐにクモ膜下出血で亡くなったこと、資格を取ることを勧めたら勉強を始めたことを語り、『愛想はなかったけど、人殺しをするような子ではないと思います』と正直な感想を述べる。
そんな平井にアラタは『母親以外に真珠に会いに来る人はいなかったか』『真珠が他に誰かを待つ素振りを見せたことはないか』と尋ねる。しかし、平井は『いいえ』と答え、アラタは考え込むのであった…。
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宮前は桃山に『真犯人は真珠の父親なのではないか』と語り、真珠の心の内を探るように依頼する
しかし、真珠の動機を探るために動いていたのはアラタだけではなかった。
その晩、宮前は桃山を食事に誘い真珠の裁判の様子を説明する。一審では真珠が死刑になっても良いから早く起訴されたいと願っていた…そう聞いた桃山は驚愕し、『何か捜査されて困ることがあったということ?』と宮前に尋ねる。すると、宮前は『誰かを庇うため、真犯人が別にいるという事実を隠したかったのではないか』と答える。
「……あくまで推測ですが…」
夏目アラタの結婚24 乃木坂太郎 24/27
「真珠さんの、父親じゃないか…と。」
突然宮前の口から出てきた”父親”という言葉の突拍子さに、桃山は思わず『いきなり?2時間サスペンスドラマみたい』と正直に言ってしまう。しかし、宮前は大真面目に『思い出して下さい』と言う。
真犯人の可能性がある”ストーカーの男”は以前、被害者の一人である山下良介に『”俺の真珠”を出せ』と絡んでいたという。
「あれは父親のセリフとは考えられませんか?」
夏目アラタの結婚24 乃木坂太郎 25/27
父親なら真珠のことを”俺の真珠”と呼んでもおかしくない…宮前のその指摘に桃山も『あ!』と小さく叫び、納得する。
”ストーカーの男”は真珠の父親だった…それか少なくとも真珠が自身の父親だと思い込んだ。だからこそ真珠は男を庇い、死体を処理した。だが、今になってやっぱり男がただのストーカーだったと思い直したから真珠は無罪を主張し始めた…そう考えれば全てが腑に落ちると宮前は語る。そして、桃山にこう頼む。
「お願いです桃山さん!!」
夏目アラタの結婚24 乃木坂太郎 26/27
「ぜひもう一度真珠さんに会って、真実を聞き出してほしい…!!」
色々と思惑が多いアラタのことを信用することは出来ず、頼めるのは桃山しかいないと言うのだ。そう言われた桃山は驚き困惑するのであった…。
以下、感想と考察
今回は内容が濃かったし、一気に話が進んだ気がする。
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幼少期の真珠について~チグハグな母親とアラタの悔恨
今まで”ツナ缶”エピソード位しか(といってもこれが強烈なのだけど)描かれていなかった真珠の幼少期についてより詳細な情報が出てきた。嫉妬してコンパスの針で刺されるとか…でも本当にありそうだな。
さらに、真珠の母親像がこれまたリアルで…。真珠に対して全くの無関心だったり、全力で憎悪を向けて来るわけでもなく、一応心配している風なのにどこかズレているのが、毒親の特徴に良くあてはまっている。
しかし、歌声が素晴らしかったエピソードといい、真珠のメアリー・ベル(マリー・ベル)感が増すな…。
そして、真珠の幼少期のエピソードで自身の幼少期に思いを馳せたアラタ。大人になってから色々と後悔することってあるよね。…それにしても、小学校時点から相当不良っぽかったアラタ。目つきがヤバい。しかも、今回の話で所長から『どこのチンピラだ』とか児童養護施設の子供達から『黒社会の男』と呼ばれたり散々だ。扉絵の髪の毛下ろした姿は結構格好良いと思うのだけど…。
あと、児童養護施設の平井園長、もたいまさこっぽいな。
真犯人は真珠の父親??そんな2時間ドラマみたいなことが…?
そして、ここにきて『真珠の父親が犯人説』が浮上する。正直これは全然予想できていなかったのでビックリ。…まあ、確かに、母親がいるならば当然父親もいるはず。でも今まで父親の存在を意識することはなかったな…。
でも、それは桃ちゃんの言う通り二時間ドラマみたいな展開ではある。流石にご都合主義なので、これは宮前の深読みし過ぎ、あるいは真珠が父親と思い込んだだけ…とかになるのかな?でも、以前真珠はアラタに『親子って気持ち悪いよね』と意味深に語ったこともあるから、真犯人かどうかはさておいて、ストーカーの正体は父親だったりするのかな?
そして、そんな重大なことを探るのを桃ちゃんに依頼する宮前。きっと桃ちゃんは断れずに引き受けてしまうのだろうけど、大丈夫かな?以前の面会の調子だと、桃ちゃんが真珠の闇に取り込まれてしまいそうで怖い…。
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