【漫画】夏目アラタの結婚 26話【感想・ネタバレ・考察】真珠の母について探るアラタ…しかし、予想と異なる真珠の母の話を聞いて困惑し…

夏目アラタの結婚3巻表紙

『一審の黙秘は父親を庇って罪を被るためだった』…そう桃山に語った真珠。一方らアラタは真珠の心の内を知るため、亡き真珠の母の人間像を探るべく、真珠とその母を担当していた児童相談所職員、須藤に話を聞く…。

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Contents

以下、あらすじとネタバレ

真珠の母はどんな人物か…?凄惨な虐待を予想するアラタだったが、須藤の答えは意外なものであった

幼少期の真珠とその母を知る○×区の児童相談所職員、須藤は丸顔で人の良さそうな中年男性だった。アラタは須藤に真珠と拘置所で面会していること、そして真珠が非常にエキセントリックな性格をしていることを語り、『人格形成に母親がどれほど影響を与えたのか知りたい』と正直に要望を告げた。

「真珠の母親は、どんな人間だったんでしょう?」

夏目アラタの結婚26 乃木坂太郎 6/27

過去に自身が見たことのあるアメリカドラマを思い返すアラタ。そこに出てくる殺人鬼達は大抵親が変な宗教に入れあげたり、極度の潔癖症だったりと異常であるパターンが多い。

真珠もきっとそうだったはず…そう予想するアラタ。幼かった真珠が母親から凄惨な虐待、暴力を受けている様子を思い浮かべ胸を痛める。

しかし、須藤の答えは意外なものであった。

「普通でしたよ………?」

夏目アラタの結婚26 乃木坂太郎 7/27

須藤のその言葉に驚くアラタ。須藤もまた『育児放棄も虐待だから“普通”ってことはないんだけど…』と悩ましげに言いながらも『よくいる、オドオドとした自信のない無責任な母親だった』と語る。

真珠の母親は夜の店で働いていた女性でだらしがなく生活力に欠いていて、真珠の食事もカロリー価の高いものを食べさせておけば良いと思っており、虫歯も放置し、学校にきちんと通わせようという意識も持っていなかったのだ。しかし、男を真珠と暮らす家に上げる様なことはしておらず、真珠に対してアラタが予想していたような激しい暴力を振るったり、凄惨で過酷な環境に置いたりしていたわけではないのだ。

真珠の母は特別異常だったわけではない…そう語る須藤にアラタは『子供に過食を強いるのは異常なのではないか』と指摘する。

すると須藤は『後々思ったことなんですが…』とある推測を口にする。

「太らせて…わざと見栄えを悪くして、変な男に目ェつけられないように…って考えたのかもって」

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幼い真珠は太っていてもなお、目鼻立ちは整っていたため、真珠の母がそう考えてもおかしくないというのだ。

しかし、これにはアラタも『いくらなんでもいい方向に考えすぎです!立派な虐待親じゃないですか!』と反論する。

だが、須藤は『私がそう考えちゃうのもわけがありまして…』と、母子が住むアパートを訪ねた日のことを語る。

その日、通報を受けて他の職員と共にアパートを訪れた須藤。そこで、須藤は部屋の前で真珠と母親が歌っているのを聞いたのだ。

楽しそうに二人で『赤とんぼ』を歌う真珠と母親。母親は真珠を『上手だね』『真珠の歌は素敵だね』と褒めちぎっていた。そんな二人の仲睦まじい様子を思い返しながら須藤はこう言うのであった。

「―この母娘なら、やり直せるかもって………私思いましたよ」

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想像と異なる真珠の母親像に拍子抜けするアラタ…そんなアラタの元に宮前から『真珠が真相を話した』と連絡が来る

その後、須藤と別れたアラタは困惑しながら煙草を吸っていた。正直『アテが外れた』という思いが強かったのだ。確かに真珠の母親は育児放棄気味の酷い母親だとは思うが、須藤の話を聞いた今、真珠の幼少期が連続殺人鬼を生み出すほどの境遇…”品川ピエロの過去”としてしっくり来るものとは感じなかった。

アラタがそんなことを考えていると宮前から電話が掛かって来る。電話に出たアラタは宮前は『真珠さんが真相を話してくれました』と告げ、アラタは更に困惑するのであった…。

母親のことを尋ねられても平然としていた真珠だが、アラタがあることに言及すると異変が…

久しぶりに拘置所を訪れたアラタ。そんなアラタに真珠は『裁判以来じゃん!何してたの?』とどこか挑発するような笑みを向ける。

アラタは単刀直入に『真犯人はお前の親父でお前はそれをかばっただけ…というのは嘘だろ?』と尋ねる。事件までろくに会ったことのない父親のために死刑覚悟で罪を被る…何度も真珠と面会しているアラタは真珠が間違ってもそんなことをする人間ではないと確信していたのだ。

だが、真珠はそれを無視して控訴審初日以降に『ファンです』『結婚してください』と書かれた手紙が大量に届くようになったことを語り、『バカじゃね?ボク人妻だよ?』と顔を歪める。

そんな真珠にアラタはこう言う。

「お前がかばったのが、母親だってのなら。俺ァ信じたかもな……!!」

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『母一人娘一人でわずかでも幸せな瞬間はあったはず…』そう述べるアラタ。鋭い真珠はアラタのその言葉からアラタが自身の過去や母親のことを探っていたことを見抜き、『どこに行ったの?児相?養護施設?』『気持ち悪い』と冷笑する。

そんな真珠にアラタは『夫として妻の事を知りたいと思うのは当然だ』と笑う。だが、真珠はアラタの口元を見てどこか落ち込んだように『ボクは今のアラタだけでいい』と俯く。知りたくないこともいっぱいあるはずだから…と。

自身が図らずも真珠を傷付けてしまったことに気付いたアラタは真摯な態度でもう一度真珠に『俺は知りたい。亡くなってしまったお母さんにはもう挨拶にも行けないから』と言う。そして、真珠に『お母さんはどんな人だった?真珠は好きだった?嫌いだった?』と尋ねる。しかし、真珠は悲しそうに黙ったまま。

すると、アラタは正直な気持ちを真珠に打ち明けた。

「……俺は、大嫌いだった。」
「俺の母ちゃんは、歌なんて…一度も歌ってくんなかったぜ。」

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そう、素直に母親への嫌悪と真珠と母親との関係への羨望の気持ちを語ったアラタ。すると、真珠は何かを思い出した様に目を見開いた。

そして、喉に手を当てながら『ゆう…やけこや…』と『赤とんぼ』を歌い出した。突然のことに驚くアラタだったが、真珠のか細い歌声に引き込まれる。

しかし、次の瞬間…真珠は激しく嘔吐してしまったのだ。

自身が吐いてしまったことに呆然とする真珠。アラタも『大丈夫か!?』と叫ぶ。だが、真珠はそのまま泣き出して『大好き』と先ほどのアラタの問いに答える。

苦しそうな真珠にアラタは『もう何も話さなくていい!』となだめ、面会に立ち会っていた井手刑務官も『面会中止』と叫ぶ。だが、真珠は涙を流しながらこう続けた。

「なんで死んじゃったんだろう……お母さん。」
「…ボク、」
「ブチ殺してやりたかったのに。」

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そう言って真珠は醜く顔を歪めるのであった…。

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以下、感想と考察

扉絵がビキニ姿の真珠…夏だねー。そして、本当に細い真珠。ちゃんと骨格も描かれたリアリティのある細さだから好感持てる。そして、さりげなく左手薬指で指輪が光っているのも。

アラタの口元を見つめ、落ち込んだ真珠…その意味は?

以前からだけど、面会の時真珠はかなりアラタの口元を見ている。目の動きよりも口元を観察している。これって同じように問題のある家庭で育ちながらも自身とは対照的に歯の治療を受けさせてもらえた(金を掛けてもらえた)アラタとの違いや差を見つめているのかと思っていたのだけれど、アラタの嘘(作り笑い)を見抜くためなのかな…と今更ながら思ったり。今回のアラタの『”夫として”妻の過去を知りたいと思うのは当然』と言った時の笑顔は流石にウソくさかった。真珠はなんだか失望しているようにも見えたし。

その直後に『アラタの過去を知りたいとは思わない』『知りたくないこともいっぱいある』と俯きながら言った真珠。やたらとアラタの母の名前を知りたがったり、宮前を使って住所を調べたりはしているけど、”過去”は知りたくないと断言するんだな。これはどういう意味なんだろう。

考えられるのは『平気で作り笑いを出来る様(それを見抜くために口元を見続けている)なアラタの過去を知って失望したくない』というのと、『男遊びが激しい母親に振り回され傷付いたとはいえ、キレイな歯並びをしている(適切な歯の治療を受けさせてもらっている)様に自分と比べてまともな環境で育っているアラタとの落差を知ってみじめな思いをしたくない』という二つだ。両方かもしれないけど。

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真珠と真珠の母との関係…そこに愛情はあったのだろうけど

そして、またしても真珠の過去の謎が深まった。

真珠の母は相当酷い虐待をしていたに違いないと思っていたアラタ。しかし、真珠の母は生活力に欠くだらしがない女性であったものの、真珠のことを可愛がっていたと、当時担当だった児童相談所職員の須藤が語る。真珠も母親のことを『大好き』だと言う。

しかし、同時に真珠は『ブチ殺してやりたかった』とも語った。それは一体どういうことなのだろう。

”愛憎”という言葉があるように、愛情と憎しみは表裏一体のものだと思う。真珠は自身の事を愛してくれるものの、恐らく頭が弱く非力だった母親に対して激しい苛立ちと憎しみを抱いていたのではないか。真珠自身が地頭が良いだけに。おまけに、顔立ちも似ているとくれば同族嫌悪を抱きやすかったのでは。

なんにせよ、思い出の『赤とんぼ』の歌を歌った瞬間に嘔吐するなんて、何か相当なトラウマがあると思われる。

果たして真珠とその母の間には一体何があったのか…?

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