【漫画】夏目アラタの結婚 31話【感想・ネタバレ・考察】真珠の本質を見抜き”怪物”と評する裁判官…一方、アラタは真珠が母親を庇っているのではないかと推理する

夏目アラタの結婚3巻表紙

控訴審2回目、女子高生の制服の様な格好で現れ傍聴人を驚かせた真珠は、そこでストーカー「X」…三島正吾のことについて語りだした。三島正吾が赤子の真珠と共に写っている写真を持ち歩いていた事などから彼が自身の父親であることを察したという真珠。しかし、ホームレスの三島正吾は高校生だった真珠に金の無心をするだけでなく体を求めてきて、真珠は精神的に追い詰められ自殺を考えていたと言うのであった…。

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以下、あらすじとネタバレ

休憩に際して若い刑務官に“あること”をする真珠…裁判長はそれを見逃さなかった

“真実”を語る真珠によって翻弄され続ける法廷。ここで裁判長は『被告人の気持ちが落ち着くまで休廷しましょう』と言い出し、30分休憩することとなった。

すると、刑務官二人が再び真珠に手錠を掛けた。傍聴席からそれを見ていたアラタが『どこかに連れていかれるの?』と聞くと藤田が『15分以上の休憩になると被告人は一度地下の拘置室に連れていかれる』と説明した。

その時であった。真珠が突然自身に手錠を掛けた若い男性刑務官の左手の薬指を握ったのだ。

驚く男性刑務官…岸田刑務官に真珠もまたあたふたしながら『ごめんなさい』と謝り、『結婚してるのかな、指輪してるのかなと思って…』と言う。岸田刑務官は手袋をしているため、触って確かめたのだと言うのだ。

「考えてみたらあたし、結婚したけど指輪とかもらってなくて…」
「みんなどんなのしてるかな、ちょっと見たいなって、……ダメですよね」

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そう俯きながら言う真珠。すると、それを聞いていた宮前が非難がましく傍聴席のアラタを見つめる。最前席にいたアラタは真珠と宮前が指輪を催促していると感じ、『買わねーよ、そんなもん』と内心悪態を吐く。

だが、真珠は俯いたまま寂しそうに『拘置所には指輪を持ち込めないですよね?』と岸田刑務官に尋ねる。

「もし死刑じゃない判決が出て外に出られたら…」
「千円とかのでいいから、…ほしいナ。」

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その真珠のあまりにいじらしい態度に、アラタもさきほどまでの反感はどこかに行きただただ困惑し、傍らの藤田も同情する様な表情を浮かべた。更に真珠は『看守さんの奥さんが羨ましい』と誰に言うともなく呟く。

すると、裁判官達が退出するのを確認した岸田刑務官が『普段はめているのはペアで五千円の安物だ』と答えてしまう。そんな岸田刑務官をもう一人の刑務官が『岸田!私語!』と叱りつける。そしてそのまま真珠と刑務官達は一度法廷から立ち去るのであった。

…しかし、裁判長は法廷から出ながら、その真珠と岸田刑務官のやり取りをしっかりと聞いているのであった…。

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『あの怪物の心をのぞき込んではいけない』…休憩室に入った裁判長は若い裁判官達に真珠への心証を語り、忠告する

裁判官二人と共に休憩室に入った裁判長。

(注…控訴審の裁判官は原則3人(裁判長含む)で審理し判決を下す。)

裁判長は寛いでいたが、若い二人の裁判官(男性と女性)は法廷の異様な空気に動揺しているのか『裁判長の心証はどうですか?』と裁判長に尋ねる。

すると、裁判長は真珠をこう評する。

「人の心に忍び込む、―天才、ですかね。」

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そして、先ほど真珠が岸田刑務官に対してとった行動は『自分がどれくらい同情を集めたかのリサーチ』だと分析する。そして、岸田刑務官は真珠の読み通り既に真珠に同情し始めており、もし他の人の目が無ければ手袋をとっても指輪を見せるくらいしてしまうだろうと言うのだ。

それを聞いた男性裁判官は『クロですか?』と率直に尋ねるが、裁判長は疲れた様に言う。

「あの被告の虚実おりまぜた証言から何が真実かを見極めるのは、本当に難しい…」

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裁判長は真珠が三島正吾…“戸籍に記載されていない父親”に会ったことは“真実”だと考えていると言う。一方で、真珠が匂わせた三島正吾からの性的虐待については『嘘だと思うんですよ』と言う。いくら弁護士である宮前に促されているとはいえ、重いはずの経験をスムーズに話し過ぎだと感じたのだ。

しかし、裁判長は真珠について『嘘を本当だと信じさせる卓越した表現力を持っている』と確信し、警戒しているのだとも語る。真珠が語った『父親を殺さなきゃ』『死にたい』という言葉は本音としか思えず、裁判長自身も非常に心を揺さぶられたというのだ。

裁判長の率直な感想を聞いて驚く若い裁判官二人。そんな二人に裁判長は『判決は感情ではなくあくまで証拠にて下されるもの』と前置きした上でこう忠告するのであった。

「あの怪物の、心をのぞき込まないよう―注意して下さいね。」

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雑誌記者に質問されはぐらかすアラタ。そして、アラタは真珠の母親についてある可能性を考える

一方その頃廊下に出ていたアラタはある男性に声を掛けられていた。

「あのう、週刊”実はね、”の者なんですが。」
「ひょっとして――あなたが品川真珠さんの結婚相手の夏目さん?」

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先ほど真珠の気を引くために咳ばらいをする等して目立ってしまったアラタ。早速、記者に捕まってしまったのだ。

アラタは余裕のある態度で『オレはただの野次馬。あの子がダンナと別れたって言ってたから結婚相手に立候補しようって思っただけ。真珠ちゃん、オレのタイプだし』と誤魔化し、傍らにいた藤田も気を利かせてアラタを『栗林君』と呼ぶ。

すると、記者は『夏目さんではないと…』と言って引き下がるが、意味深な笑みをアラタに向け、明らかにまだ疑っている様子であった。記者以外からの視線も感じるアラタはまるで世間がどんどん狭くなっていくような居心地の悪さを感じるの。

しかし、それ以上にアラタは先ほどの真珠の言動が気になって仕方が無かった。特に、真珠が三島正吾のせいで自殺を考える様になったことを語った際に漏らした『死にてえ』という言葉…それが今日聞いた中で最も真珠らしい言葉に思えたのだ。

ろくでもない人生を送って来たのだから死にたくて当然だろう…そう考えるアラタはふと無力感に襲われる。

オレみたいのが一匹いるだけじゃ、……ダメなんだよな。

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やっぱり指輪を買ってあげるべきなのだろうか…アラタはそう悩み始める。

だが、そこで改めて真珠が法廷で語った事を思い返したアラタは出会ったばかりでゲスな性格をしている父親を庇うのは真珠らしくないと感じる。そして、真珠が庇うとしたらどちらかというと、母親なのではないかと思い至る。最後に面会した時、アラタが母親のことについて追及すると真珠は何らかのトラウマを刺激されたようで嘔吐してしまい、『大好き』『殺したい』という矛盾した発言をしたのだ。

「まてよ…?」

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そんな自身の発想にハッとするアラタ。そろそろ休憩時間が終わろうとしており、藤田に『私、先に入っちゃいますよ?』と声を掛けられても動こうとせずに『真珠の母親が引っ越しを繰り返していたのは何かから逃げるためだったのではないか!?』と言い出す。それに対して藤田は『真珠の母親は児童相談所から逃げていたのでは?』と答えるが、アラタは『もっと違うものではないか』と言う。アラタが何を言いたいのか分からない藤田は『借金?ヒモ?』と言うが、アラタは蒼ざめながらこう言う。

「―もっとのっぴきならない事情…!!」
「人を殺して逃げてたとか!」

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突拍子の無いアラタの推理に藤田は困惑しながらも『仮に母親が何かをしでかして、それを真珠さんが庇っているのだとしても、それと今回の事件は関係無いのでは?』と指摘する。アラタは『そうだけど…』と口ごもってしまうが内心ではこう思うのであった。

でも、真珠の心の奥底を、のぞけるかもしれない……!

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やはり母親の過去を追及すれば真珠の本当のことを知ることができる…そんな確信を持つのであった。

一方、その頃真珠は地下の拘置室から再び法廷に向かっていた。刑務官二人に挟まれながら歩く真珠。すると、後ろで真珠の腰縄を掴んでいる岸田刑務官がわざとらしく咳払いする。真珠が振り向くとなんと岸田刑務官はこっそりと左手の手袋を外しており、真珠に自身の指輪を見せたのだ。

自分の思い通りに行動した岸田刑務官を見た真珠はニンマリと笑うのであった…。

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以下、感想と考察

真珠の本質を見抜いている裁判長…果たして裁判官達は真珠に引き込まれずに判決を出せるのか

前回、ノートに真珠の事を『演技力 怪物』と書いていた裁判長であったが、若き裁判官二人に真珠への心証を尋ねられ答えた。真珠が卓越した演技力、人の心に忍び込む才能を持つことを見抜く一方で、彼女の証言が全くの嘘ではないことも確信し、『何が真実であるか見抜くことが難しい』と苦悩しているというのだ。そして、裁判官達に『真珠の心を覗き込んではいけない』と警告する。

ニーチェの『怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない』の”怪物”を地で行く真珠。ある種割り切って関わらないととんでもない闇に引きずり込まれてしまうと裁判長は確信しているのだろう。…実際にアラタもどんどん孤独になってきているし、宮前も少しずつおかしくなっている気がする。裁判長の直感は正しい。

しかし、『証拠にて判決は下されるべき』と裁判長は言うけど、現時点ではそれは真珠にとって不利に働く様に思える。どうなんだろう。宮前も流石に真珠の証言(というか演技力)と三島正吾の存在だけで控訴審を切り抜けられるとは考えてないよね?きっと何か裁判官達を説得させる力がある物的証拠があるのだとは思うけどどうなんだろう。

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岸田刑務官を通して世間の反応をリサーチする真珠…真珠に取り込まれてしまった岸田刑務官の今後は…?

そして、岸田刑務官に突然指輪について尋ねた真珠。ただのアラタに対する指輪欲しいアピールではなく、真の狙いは岸田刑務官を通して、自身が世間の同情をどれほど集められたかをリサーチする事…これにはなかなかゾッとさせられた。そして、真珠が狙っていた通り岸田刑務官の態度はかなり軟化しており、ちょっとしたムチャであれば通りかねない状態である。うっかり真珠の問いかけに答えてしまった岸田刑務官を見ると、いつも面会でアラタと真珠の無茶苦茶なやりとりに巻き込まれても表情のみで一切言葉を発していない井手刑務官は偉いのだな…と感じてしまう。

それにしても岸田刑務官、手袋を外すだけに留まらなくて今後、真珠にどんどん甘くなってしまいそうで怖い。一回でも逸脱行為すると次から職務違反する際に心理的なハードルが下がってしまうからさ…。

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