【漫画】あなたがしてくれなくても49話・最新話【感想・ネタバレ・考察】崩れてしまった夫婦のパワーバランス…明らかになるみちと陽一の馴れ初め

あなたがしてくれなくても 7巻表紙

みちは新名との関係を終わらせた後、職場の昇進試験をきっかけに勉強や新しいことに挑戦する楽しさに気付き、陽一との”レス”に執着することがなくなり充実した日々を送っていた。一方、自分磨きやお洒落に気を使い始めたみちに、陽一は寂しさと不安を覚えるのであった。

そんな中、新名の妻、楓が新名の忘れ物を届けに会社にやって来た。楓を見たみちは彼女の美しさに強いコンプレックスを抱くと同時に今になって新名と交際していたことへの罪悪感に押しつぶされそうになる。

みちの様子がおかしいことに気付いた陽一はみちに優しい言葉をかけ、そして自然とみちを求め触れる。しかし、みちは反射的に悲鳴を上げて拒んでしまい…。

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Contents

以下、あらすじとネタバレ

立場と夫婦のパワーバランスが逆転…互いに動揺するみちと陽一

朝、出勤したみちは先に来ていた華に『おはよう』と声を掛けた。振り返って挨拶をした華はちょっと驚いたように言う。

「先輩 今日はえらいラフですね…!」

あなたがしてくれなくても49 ハルノ晴

ここ最近は髪を上げ、ヒールを履き、化粧やお洒落に気を使っていたみちだったが、今日は以前の様に髪を下ろし、質素な格好で出勤してきたのだ。『いい女はちょっと卒業』と笑うみちに華は『似合ってたのに』と残念がる。しかし、『こっちの方が楽だから』とみちが言うと華は『まあ、そっちの方が先輩らしいけど…』と返すのであった。みちは華の言った“先輩らしい”という言葉について少し考える。

そう 今まで拒否されるのが私だった

あなたがしてくれなくても49 ハルノ晴

スキンシップを求めるのがみちで、それを拒否するのが陽一…それがずっと当たり前でこの先も続くのだと思っていた。しかし、昨夜みちは急に求めてきた陽一を考えるより前に、反射的に拒絶してしまったのだ。

まさか逆転する日がくるなんて

あなたがしてくれなくても49 ハルノ晴

一方その頃、陽一は会社の喫煙室におり、同期の原田の愚痴を聞いていた。『嫁がウザイ』と叫ぶように不満を言う原田。以前、妻に浮気がバレてしまった原田は家事の負担を増やされていたが、更に外にいると都度連絡することを求められているのだという。
だが、そんな原田に陽一は冷たく『お前が浮気したからだ』と言い放ち、さらにこう続ける。

「お前が悪さした時点で夫婦のパワーバランスはお前が下なんだから」
「それが本当に嫌なら離婚するしかねーんじゃねえの?」

あなたがしてくれなくても49 ハルノ晴

いつになく辛辣な陽一の言葉に原田は戸惑い『今日キツくね?』『何かあった?』と尋ねるが、陽一は『別に』と背を向け先に喫煙室から立ち去った。
そして、一人廊下を歩きながら落ち込んでいくのであった。

ずっと崩れてなかったのにオレとみちのパワーバランスは出会った頃から今まで…

あなたがしてくれなくても49 ハルノ晴

そして、陽一はみちと出会った時のことを思い返すのであった…。

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バイト先で出会ったみちと陽一…真面目だが地味な後輩であるみちに、陽一も当初は関心を抱いていなかったが…

当時大学4年生だった陽一はあるレストランでバイトしていた。その日は同じくバイトの時田という男性が落ち込んでいた。別のバイト仲間から彼がバイトの女性、小泉から振られて破局したと聞いた陽一は、ただ『ふーん』と思うのだった。他人に関心がない陽一は、そもそも二人が付き合っていることすら知らなかったし、それも色恋沙汰なんてどうでも良かったのだ。

すると、陽一は突然社員に呼び出された。新しいバイトが入ったため、陽一にホールの仕事を教えてほしいと言うのだ。

「石上です!よろしくお願いします!」

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そう緊張気味に挨拶してきたショートカットにメガネのボーイッシュな少女…それが当時大学1年生のみちであった。

しかし、無愛想な陽一はただ、『はあ』と答えるだけだった。あまりに適当な返事にみちは戸惑うが、陽一はそのまま態度を改めることはしなかった。

その日の仕事終わり、他のバイトの男性陣と共に店を出た陽一。話題は新しく入ってきたみちのことになった。

「新しく入った子見た?」
「見た見た」
「芋みたいだったな~」

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そう地味な見た目のみちをバカにする男性達。しかし、陽一はそんな話題に興味はなく、ただ黙って聞き流していた。

その時、突然後ろからみちが追い掛けてきて『ちょっといいですか?』と陽一に声を掛けてきた。そして、『メニュー表をコピーしていいですか?』と尋ねる。持ち帰ってメニューを覚えたいと言うのだ。

必死にそう訴えるみちの顔をマジマジと眺めた陽一はこう思う。

……芋……か?

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他の男性陣が酷評するほど、みちに魅力がないようには感じなかったのである。

しかし、陽一は『いいんじゃね?』と素っ気なく答えるとそのまま背を向け歩き去り、それ以降も陽一はこれといってみちを意識することはなかった。

しかし、ある日のバイト中、店の奥にナプキンを取りに行った陽一は棚の一番上に手が届かず困っているみちを発見する。

『これ?』と言って段ボールを取ってやる陽一。だがみちは申し訳なさそうに『違います…』と答える。憮然としながら『どれ?』と尋ねた陽一にみちは『横のスイートポテトです』と言う。

陽一がスイートポテトの箱を取って渡すと、みちは『ありがとうございます』と笑顔を浮かべた。

その瞬間、陽一は陰で芋と呼ばれていたみちがスイートポテトの箱を笑顔で持っているのが面白く…そして、可愛く思えて『ふっ』と笑みを零した。

すると、陽一の笑顔を見たみちがホッとしてこう言った。

「よかったです…」
「私 吉野さんに嫌われてるのかと思ってました」

あなたがしてくれなくても49 ハルノ晴

その言葉に『なんで?』と驚く陽一にみちは『一度も笑ってくれたことがなかったから、そうじゃなくてよかった』と嬉しそうに笑った。

その日から、みちは積極的に陽一に話しかけてくるようになった。周囲から『石上さんに懐かれてるね』と冷やかされても適当に流す陽一であったが、次第にみちと一緒にいることが多くなり、そしてそれが心地よくなっていった。

そのため…

「す 好きです!」
「付き合ってください…!」

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ある日のバイト終わりに、必死な様子でそう陽一に告白してきたみち。陽一にとってその流れはごく自然なものに思えた。だから陽一は『いいよ』と答えみちの交際申し込みを受け入れたのだ。

恋人そして夫婦としてのパワーバランス…陽一は常に自身を思い気遣ってくれるみちとの関係に心地よさを感じていたが…

他人に無関心で恋愛にも消極的な陽一は、今までも誰かと付き合うときは決まって相手から”想われて”始まっていた。つまり、いつだってパワーバランス的に最初は陽一が”上”だったのだ。

陽一がみちと交際してからしばらく経ったある日のバイト前のことだった。この頃、眼鏡を外し、髪も伸ばしてお洒落するようになっており、周りから『吉野(陽一)と付き合ってから可愛くなった』と言われるようになっていたみち。みちは陽一に次の日曜日の予定を尋ね、陽一が『友人たちと釣りに行く』と答えると、『そっか、わかった』と答える。笑顔を浮かべていたもののどこか残念そうだったみちの様子に陽一は違和感を抱いたが特にみちに理由を聞くことはしなかった。

そして、その直後に陽一は他のバイト仲間から『日曜日、石上さん(みち)の誕生日だけどどうするの?』と聞かれ『ヤバい』と慌てる。

マイペースで他者への関心が薄い陽一は以前も交際相手の誕生日を忘れて怒らせてしまったことがある。

こうやってパワーバランスは気が付くと傾いてる

あなたがしてくれなくても49 ハルノ晴

相手から好かれる形で交際が始まる陽一だが、気遣いの出来なさや無神経さから次第に相手から愛想を尽かされていき、いつも終いにはパワーバランスは”下”になってしまうのだ。

みちとの関係までそうなってしまうことを怖れた陽一はバイトが終わるとみちに謝り、『日曜日の釣りの約束はキャンセルする』と言う。

しかし、みちは『いいよいいよ!釣りの約束の方が先だったんだから行ってきて!』と言うのだ。

その言葉に陽一は思わずみちを抱きしめた。突然抱きしめられたみちは驚き照れるが陽一はただみちを愛おしく感じ、『来週必ず誕生日を祝おう』と心に誓うのであった。

みちだけは…今まで会ってきた誰とも違くて

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そして、それから数年経ったある日のこと。当時まだみちとは結婚しておらず実家にいた陽一が居間の方に向かうと、丁度姉が母親に結婚することを報告しにやって来たところであった。居間の外から母親が喜ぶ声を聞いていた陽一はそのまま居間から出てきた姉と向かい合う形になった。

軽い調子で『よ!』と挨拶してきた姉に陽一は『結婚するんだ?』と尋ねる。姉はずっと恋人の関と交際を続けていたものの、事実婚で良いと公言し続けており、『なんで急に?』と陽一は疑問に思ったのだ。

姉は『籍入れても入れなくてもあんまり変わらないなら親孝行のために結婚しても良いと思った』と答え、陽一はどことなく面白くなくて舌打ちをする。

しかし、姉はそんな陽一に腹を立てることもなく笑って言う。

「あんたも結婚興味ないでしょ?」
「責任取りたくないもんね~っ」

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自分が結婚と言う責任を伴う行動を取りたくないから、同類であると思っていた姉が結婚することが面白くないのだろう…そう指摘する姉。図星だった陽一が絶句すると姉は余裕たっぷりの態度で『私たちはあんたとは違うけど』と言い、『あんたここ2、3年付き合ってる人いるでしょ?その子を大事にしなよ』と言い出す。

「こーいう顔」
「少なくなったからさ」

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そう言ってどんよりとしたしかめっ面をして見せた姉。陽一は昔はよくこんな表情をしていたが、みちと付き合い始めてから表情が穏やかになっていったというのだ。

「人生の先輩からの忠告~」
「何年も素で一緒にいられる人はそうそう出会えないよ~」

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みちはどんな時でも寄り添っていてくれて愛情を向けてくれる…そう疑うことがなかった陽一は、それが今崩れてしまったことに気付き絶望する

みちはずっと俺と一緒にいてくれた

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その後、みちと結婚した陽一。みちは結婚してからも変わることなく、マイペースな陽一を受け入れ愛し続けてくれた。そして、”レス”になってそのことに不満を漏らすようになっても傍にい続けてくれたのだ。

だから
バランスが崩れることはない…
ないんだ……

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そう、会社の廊下を歩きながら自分に言い聞かせる陽一。

しかし、もうバランスが崩れてしまっていることに気付いている陽一は俯いてしまうのであった…。

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以下、感想と考察

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明かされたみちと陽一の馴れ初め、今とは印象の違うみちの姿

みちと陽一の出会いはバイトだったのか。それにしても…みち、えらいことボーイッシュだったんだな。そして、メガネ。これはこれで可愛いけど、全然今と印象が違うな。他のバイトの男性陣達からは芋くさいとバカにされていたけれども、陽一の目にはそうは映らなかったようだ。

みちは楓の様に超絶美人設定はないけど、少なくとも周囲に馬鹿にされている感じではないので、まあ、並以上の容姿なのだろうな。

そして、陽一は昔から本当に不愛想でマイペースだったんだな…。まあ、いるよね。こういう人。不愛想で他人に興味が無くても、性格や頭自体がそこまで悪くなければそれなりに人に囲まれてやっていけるからな…。以前5話目で描かれていた結婚する直前の陽一はとても可愛らしい笑顔を浮かべていたけど、それは愛するみちの前で本当に心を許していたからこそ浮かべられた笑みだったんだな。

悪さした時点で夫婦のパワーバランスはお前が下になる…原田に投げたその言葉は陽一にそのまま帰ってきている

浮気がばれたくせに、妻から疑われることにうんざりしている陽一の同僚、原田。分かりやすく小物でゲスな原田に陽一は『お前が悪さした時点で夫婦のパワーバランスはお前が下になった』と言っているけど、この言葉はまんま陽一に帰って来る言葉なんだよね。とんでもないブーメランである。

妻に全て知られてしまった原田の浮気と違って、陽一と三島のワンナイトラブについては、みちにバレているわけではない。でも陽一はその後ろめたさ、罪悪感からみちに対してかなり下手に出るようになり、顔色を窺うようになったのだ。

もちろん、これは陽一だけが原因でなくてみちの態度や行動等もかなり作用しているのだけど、そもそも三島との一夜による負い目がなければ陽一は以前と変わらずみちに対して気を払うことはなかっただろう。きっと、みちの様子が変わっていく様子に気付いてなかっただろうし、下手したらみちの昇進試験の時だって『なんで俺が面倒くさい目に遭わなきゃいけないんだ』位に思って家事の分担すらしなかったかもしれない。

そもそも複雑なパワーバランス…結局、陽一がみちの愛情の上に胡坐をかいていたのがダメだった

そもそも、夫婦や恋人のパワーバランスって結構複雑だ。

それぞ『かぐや様は告らせたい』ではないけど、”惚れた弱み”という言葉が存在する様にどうしても先に好きになった方、特に先に愛を告白した方がパワーバランス的に不利になってしまいがちなのは事実だと思う。やはり、惚れられ愛を乞われた側の方が強気に出やすい。

しかし、それはいつまでも通用するものではない。人の感情というものは移ろいやすいものだ。目減りしない愛なんてものは存在しない。告白した側が相手に幻滅して別れを告げること、そして告白された側が追いすがるようになることもよくあることだ。実際、陽一も最初は相手から告白されて付き合い始めても、最後は呆れられて終わりになっていたみたいだし。

陽一がみちと上手く行っていたのはみちがとことん相手に尽くし、それでいて見返りを多く求めるタイプじゃなかったからに過ぎないのだろう。

みちが素の自分を受け入れてくれることを嬉しく思っていた陽一。でも、素の自分を出すのはいいけど、思いやりや気遣いを持たなかったのはダメだろう。結局陽一はみちの愛情と好意の上に胡坐をかき続けていたのだ。『みちが家族にしか思えず、異性に見えない』というのは自身ではどうしようもないことだったかもしれないが、そのことについて適当な嘘をついてはぐらかしたり、普段の生活でもみちをないがしろにし続けたのが問題だったのが。その結果、今度はみちの方が陽一に対して関心を失ってしまったのだ。

結婚前にお姉さんに言われた忠告を忘れずにいられたら違ったのかもしれないのにな…。

今になって失ったものの大きさに気付き絶望する陽一。この先一体どうなる…?

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