【漫画】夏目アラタの結婚 最新話・39話【感想・ネタバレ・考察】手がかりは”レオン”…被害者たちの共通項に気付くアラタ。一方、卓斗は真珠から遠ざけようとするアラタに反発し始め…

夏目アラタの結婚 5巻表紙

一人目の被害者、周防英介の腕に続いて、二人目の被害者、相沢純也の脚の在処を真珠から聞き出したアラタ。残された三人目の被害者、山下良介の頭の在処を見つけるべく、アラタは相沢純也の遺族に会い、相沢純也について些細なことでもいいから教えてほしいと頼み込むのであった…。

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【漫画】夏目アラタの結婚 最新話・38話【感想・ネタバレ・考察】見つかった脚の持ち主…2人目の被害者、相沢純也の遺族に接触するアラタ

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Contents

以下、あらすじとネタバレ

相沢純也の父の話から収穫がなくガッカリするアラタ…そんなアラタに相沢の父は純也の昔使ってた部屋を見せると提案する

弁護士の宮前を通して、二人目の被害者、相沢純也の父と会うことが出来たアラタ。アラタの目的は、三人目の被害者である山下良介…卓斗の父親のまだ見つかっていない首の在処を見つけることで、その手がかりを掴むためにも今は亡き相沢純也について些細なことでもいいから教えてほしいと相沢の父に頼み込むのであった。

息子の遺体の在処を真珠から聞き出してくれたアラタに深く感謝している相沢の父親はこれを快諾し、村井淑子弁護士も一緒に3人で食事をしながら話すことになった。

しかし、

「純也は本当に優しい子でした―」
「私が体をこわして働けなくなったら、司法試験をあきらめて塾の講師に…」

夏目アラタの結婚39 乃木坂太郎  4/27

そうしみじみ語る相沢の父の話をじれったく思いながら聞き続けるアラタ。相沢の父の話からは相沢純也がいかに真面目な好青年であったかがよく分かったものの、肝心の真珠とつながりそうなことは何も分からなかったのだ。

痺れを切らしたアラタは『女性関係の話とかないですか?』『看護学生の子と付き合っているみたいな』と単刀直入に切り出した。

しかし、相沢の父は『息子はもともとそういう話をしない子でした』と答える。そのうえ、事件時には純也は既に一人暮らしをしており、なおさらそういった話をする機会がなかったというのだ。それを聞いたアラタはガッカリする。

そして、アラタは『相沢純也には真珠がどのように見えていたのか』と考える。

見る人によって真珠の人間像は大きく異なっている。宮前が見ている、被虐待児だった哀れな真珠。桃山が信じている純粋で不器用な少女の真珠。そして、桜井検事が語るような狡猾な犯罪者の真珠…。そして、それは全て間違いではなく、皆少しずつ真珠の本質を見ているのだろう…そうアラタは思うのだ。

―あと少し、光をあてれば、
俺の真珠が、はっきり見える気がするんだ…!!

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そう確信しているアラタ。だからこそ、相沢純也と真珠の繋がりが分からずもどかしく思うのだ。

すると、そんなアラタの様子を見た相沢の父は願ってもいない提案をアラタにした。

「純也が家を出るまで使ってた部屋はそのままなんですが……」
「よろしかったらごらんになりますか?」

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それを聞いたアラタは大喜びで『是非!!』と答えるのであった。

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相沢純也の部屋から最初の被害者周防英介が好きだった”レオン”のDVDを見つけたアラタ…二人の意外な共通項に驚いたアラタはレオンを愛する男たちの心理について考えるが

相沢純也の昔使っていた部屋を見るためそのまま相沢家を訪れたアラタ。純也の部屋は2階にあり、事件当時純也が一人暮らししていたマンションにあった荷物は段ボールにまとめられていた。早速純也の部屋で段ボールの中身を確認するアラタ。塾講師という職業柄もあってか、受験資料が大量にあり、故人の仕事熱心さと真面目さにアラタは感心するのであった。

そして、アラタはCDやDVDが収められている段ボールたちに着目する。古い音楽が好きなアラタは段ボールの中身を見て、純也もまた”シティイポップ”等70年代から80年代にかけての音楽が好きだったことに気付く。DVDについては、几帳面に目録が作成してあり、その一覧を見るとやはり70年代の作品が多かった。『70年代のものが比較的お好みだったのか』…そうしみじみと目録を眺めるアラタ。しかし、目録の中のあるタイトルに目を止めた。

それは『レオン』であった。

以前、面会で真珠が一人目の被害者の周防英介が『レオン』が好きで、レオンのヒロインのマチルダの様な髪形やファッションをしたら喜んでいたと語っていたことを思い出す。そして、周防英介もまた古い作品が好きだったという話を妹の沙菜は語っていた。意外な二人の共通項を見つけ驚くアラタ。

さらに、目録に目を通したアラタは『野生の証明』『アジョン』『ローガン』『タクシードライバー』があるのを見つけ、それらの作品に共通するものに気付く。

未成熟な少女のために、いい年したおっさんが命をかける映画だ…!!

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アラタの知り合いにもこういった作品が好きな男がいた。しかし、単純な”ロリコン”というのとはまた違う…そう感じているアラタ。

―少女の中に、男(おっさん)たちは何を求めているのか…?

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バトルや困難を通して、いたいけな少女たちと心の交流をする男達。これらを好む男性たちの心理を”レオン症候群”と名付けて考えてみたアラタ。しかし、アラタにはさっぱりその心情が理解できないのであった。

そして、アラタは真珠が相沢純也に参考にできそうな判例を調べさせていたのではないかと推測する

そして、ふと顔を上げたアラタの目に飛び込んできたのは本棚にあった六法全書であった。

アラタは1階にいる純也の父親に『息子さんは法律の天才とかではなかったですよね?』と尋ねる。すると、父親は『まあ、司法浪人を3年したので、”普通”じゃないですかね?』と答える。

それを聞いたアラタは『だよな』と一人で納得する。

桜井検事は真珠が相沢純也の法知識を利用して、完全犯罪を計画したのではないかと推測していた。しかし、いくら相沢純也に法知識があったとしても、所詮は一介の司法浪人生…とてもじゃないが検察を出し抜けるような計画を立てられるとは思えなかった。そして、地頭がいいとはいえ、真珠自身が刑法全書を読み込んだとも考えられない。

真珠にできたことは、相沢に何か判例を探させるくらいのことだったのではないか…そう本棚にあった刑法判例集を手に取って考えるアラタ。

導きだされる結論は、この連続バラバラ殺人には、
―過去によく似た、前例がある…ということだ!!

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卓斗に現状を説明するアラタ。そして、卓斗の父親で三番目の被害者である山下良介も”レオン”のファンであったことも発覚し…

商店街のコンビニの前で密かに卓斗と落ち合ったアラタは相沢純也の家に行ったこと、そして、そこでこの事件には似たような前例があるのではないかと考えたことを話した

しかし、卓斗が『それらしい判例は見つかったんですか?』と尋ねると『全然分からない』と顔を顰めた。

女性が犯人の連続殺人事件は限られているはず…そう思っていたアラタ。しかし、それらの判例で犯人の女性が大逆転で死刑を免れたなんてものはないのだ。

そして、アラタは卓斗に『お前の親父はひょっとして映画の”レオン”が好きだった?』と尋ねてみる。すると、卓斗は『好きみたいでしたよ』と答える。卓斗も中学生の時見せられたというのだ。

『やっぱり』と心の中でつぶやいたアラタ。しかし、他の被害者たちと違い卓斗の父、山下良介は結婚しており、その相手である卓斗の母親は大人びた雰囲気の女性なのだ。

その点についてアラタは『卓斗の親父はマチルダが好みだったわけじゃなくて、お母さんみたいなタイプが好みだったのではないか』とそれとなく探りを入れた。

だが、それについて卓斗は意外な事実を明かす。実は卓斗の両親はデキ婚で、卓斗は『母さんがかなり押しまくったから父さんは仕方なく結婚したんじゃないか』と言うのだ。

そうはいっても別に普段の夫婦仲は良かったと語る卓斗。しかし、美容師だった良介は妻の髪質について『ゴワゴワしていてそこはマイナスだ』と卓斗に零していたという。卓斗の父、良介の職業は美容師だったのだ。

「本当はキレイな髪の人が好きだったみたいです。父さん。」

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そして、生前、誰かの髪について一度熱く語っていたという。『手入れをしていないからゴワついて見えるけど本当は軽い髪質をしている』『”レオン”のマチルダみたいにすれば似合う』と。

それを聞いて唖然とするアラタ。そんなアラタの反応を伺うように見つめながら、卓斗は真顔でこう言うのであった。

「品川ピエロのことだったと思うんです、それ」

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父の首の在処が未だ分からないことと、アラタに嘘を吐かれていたいたことに不満を持った卓斗は『裁判に行きたい』と言い出す…一方、真珠は意味深な独り言を…

黙ってしまったアラタに卓斗は『ニュースで見た品川ピエロの法廷画は夏目さんが言っていたのと全然違っていた』と言い出す。アラタは卓斗がこれ以上真珠に興味を持たないようにするため、ずっと『とても老けた下品な喋り方の女』と嘘を吐いていたのだ。

しかし、法廷画の真珠は清らかな少女そのもので、それを見た卓斗は『髪形は”レオン”の事は違うけど、これが父さんの言ってた女だ』と確信したのだと言う。

それを聞いたアラタは慌てて『本当にあの絵みたいな可愛い子じゃないよ』と言い、『美容師だったなら、首は練習用のマネキンの中に入れられているのではないか』と言って話題を逸らそうとする。

しかし、卓斗は『話をそらさないで下さい』と怒る。マネキンなんて首が入る大きさではないし、そんなところに隠しても臭うはず…そう分かっていながらも、卓斗はマネキンの中はもう調べたというのだ。

安易に首の話題を出してしまったことを後悔して再び黙ってしまうアラタ。すると、卓斗がぽつりとつぶやくように言う。

「なんで、父の「首」だけ教えてくれないんでしょうね?」
「なんでうちは後まわしなんですかね?」

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その様子にアラタは危機感を覚える。卓斗はなまじ他の被害者たちの遺体の一部が見つかっているから我慢ができなくなってしまったのだ。

どうにかして卓斗をなだめようと笑って『だからオレが…』と言おうとしたアラタ。しかし、それを遮るように卓斗はこう言い出した。

「裁判に…行きたいです。」

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それを聞いたアラタは表情を一変させ『ダメだ!』と叫んだ。『オレに任せると約束しただろ』『母ちゃんが心配するだろ』…そう言って卓斗を納得させようとするアラタ。

しかし、卓斗は『その母さんが変なんです!』と叫び返す。卓斗の母は夫の良介にべたぼれだったはずなのに。今ではまるで首が見つかってほしくないかのような言動をしているのだと言う。さらに卓斗はアラタの情報を週刊誌に売ったのも母親ではないかと思っているのだという。『母さんも何か隠している』『品川ピエロをこの眼でみたい』そう訴える卓斗。

しかし、アラタはそんな卓斗の制服のネクタイを掴むと『お前の手に負える相手じゃない。絶対に来るんじゃないぞ』と言って凄んだ。

卓斗は黙ったものの、反抗的な目で恨めしそうにアラタを睨むのであった。

…一方、その頃真珠は警察署の留置場で取り調べを受けていた。『首のありかも話したらどうだ?』と刑事に尋ねられるも真珠はやはり黙秘を貫き通しており、刑事は面白くなさそうに鼻を鳴らすと留置場の前から去っていった。

誰もいなくなると、真珠は一人こう呟くのであった。

「「首」は、出てこなくていいんだよ…」

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夏目アラタの結婚 5巻表紙

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以下、感想と考察

被害者たちの共通点は映画”レオン”のファンであること…レオン症候群について考える

前話の考察で丁度『相沢純也は他二人の被害者たちとタイプが違う様に見えるけど、どうなんだろう』とか書いていたけど、早速、相沢純也と他の被害者たちの共通点が明らかになった。

それは、古い映画や音楽が好きなこと…特に『レオン』が好きなことであった。

以前に最初の被害者の周防英介が真珠にレオンのヒロイン、マチルダのコスプレをさせて喜んでいたという話は出て来てたけど、まさか再びここで出て来るとは…。

しかし、アラタが言う、”レオン症候群”って確かにあると思う。アラタはそれ以上考えを展開できなかったようだけど、屈強なオジサンといたいけで可憐な少女という組み合わせは、何と言うかそれだけで絵になる。無頼漢にしろ、お堅い性格にしろ、何か優しい気持ちを忘れた男が少女との交流を通して心の救いを得るというのは分かりやすく感動的だし、少女を救うという行為もヒロイズムを刺激する。

もちろん、オッサンと少年という組み合わせもあるけど(ベストキッドとか…)、どちらかと言うと庇護する存在というよりは、共に冒険をしたり、導き、鍛える対象となることが多いから、やっぱりちょっと違うんだよな。

被害者たち3人は不幸な少女を救い戦う、”レオン”みたいな男になりたかったのかな?

真珠が参考にしようとした過去の判例とは何か?

そして、アラタは3年司法浪人をした相沢純也が検察を出し抜けるような法知識を持っているはずはないと判断し、真珠に求められたのは判例探しに過ぎなかったのではないかと推理した。まあ、確かに桜井検事が言うような、『寝物語ついでに完全犯罪のストーリーを作らせる』というのは無理があるので、こちらの方が自然。

しかし、真珠が参考にするような事件ってなんだろう。とりあえず、アラタは女が犯人の判例を当たってみたようだけど、当然判例集に載っているとい時点で公になっている…つまり犯人は捕まっているわけだし、日本の刑事裁判で逆転無罪なんてそうそうないわけで。

参考にできそうな連続殺人事件…林眞須美?木嶋佳苗?筧千佐子?上田美由紀?看護師といったら大口病院連続点滴中毒死事件とか考えちゃうけど、最近過ぎるし。でも、こうやって改めて見てみると、女性はやっぱり腕力が弱いのもあってか、やっぱり毒薬とか睡眠薬が出て来るよな。

真珠が参考にした事件とは一体何なのか。

アラタに不信感を抱き始めた卓斗…これ、絶対に何かやらかすよね

そして、卓斗が暴走しそうな予感。元々は卓斗がアラタの名を騙って文通していて、けれども目的が『父の首の在処を探す』から『有名な殺人鬼と文通をする優越感』になってしまったこともあって、アラタが代わりに真珠と面会することになったのだ。そのことで卓斗はアラタに申し訳なく思っていたし、特にアラタが真珠と結婚したときは『僕のためにそこまで…』と罪悪感まで抱いていた。

でも、それはひとえにアラタが真珠について『とても老けた下品な喋り方の女』と嘘を吐いたからできた事で、法廷画が出回り、真珠が可憐な美女だと知ってしまった卓斗は再び真珠への興味が抑えられなくなったし、何よりも嘘を吐いていたアラタに不信感を持ち始めてしまった。おまけに、他の被害者たちの遺体は次々に見つかっているのに未だに父、良介の首は見つからない。焦燥感から『傍聴に行きたい』と言い出すものの、アラタからは『お前の手に負える相手ではない』と一蹴されてしまう。

…これ、絶対に黙って傍聴に来てしまうか、それか…”山下卓斗”の名で、あの特徴的な筆跡で『僕が本物の文通相手です』とか手紙を送って直接真珠の面会に行ってしまう展開になりそう。後者がありそうかな。とりあえず、何かしらやらかしそうで怖い。

ラストに真珠が呟いた言葉の意味とは?

そして、ラストに真珠が呟いた『”首”は見つからなくていい』という言葉はどういう意味なのか。

首が見つかってしまうとアラタが離れて行ってしまうから?いや、そんな単純な理由ではないだろう。他、二人の被害者たちとは違う何かが山下良介、そして山下良介の遺体にはあるのかもしれない。

そして、今までの被害者遺族があまり真珠の存在を把握していなかったのに対して、三番目の被害者、山下良介の妻は少し違うのかもしれない。もしかしたら山下良介が殺害される前から、良介の不貞を疑ってたり真珠の影を感じていたのではないだろうか。

週刊誌にアラタの情報を流したのも、単純な恨みからではないのかもしれない。果たして、これから彼女はどうストーリーに絡んでくるのか…?

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