【漫画】夏目アラタの結婚 最新話・44話【感想・ネタバレ・考察】賭けに出た真珠と宮前、真珠への想いを自覚したアラタ…そして、裁判長はある疑念を抱き始め…

夏目アラタの結婚 6巻表紙

控訴審三日目は冒頭から波乱の展開を見せる。全てを暴露したうえで傍聴にやって来た卓斗。そんな卓斗が贈ってきた映画『レオン』のヒロイン、マチルダの格好で出廷して来た真珠。そして、検察は真珠と三島正吾の間に親子関係がなかったことを理由に、真珠の証言が全て作り話だと主張した。さらに、真珠は証拠品としてモニターに映し出された、母親の環の写真を見た瞬間、ネグレクトされていた過去を思い出し取り乱してしまう。

休憩時間にアラタは卓斗を捕まえて帰るように叱りつけたものの、逆に卓斗から『真珠を独占しようとしている』と非難されてしまう。自分の気持ちが分からず困惑するアラタに藤田はアラタが真珠に抱いている”幻想”を指摘するのであった。

そして、休憩時間が終わると、今度は弁護人の宮前が事件現場に残されていた謎の血痕が三島正吾のものであることを告げ…。

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Contents

以下、あらすじとネタバレ

事件現場に残された謎の血痕が三島のものであると明かした宮前…宮前は子の血痕の存在が真珠の証言に信ぴょう性を持たせるものだと主張する

桜井検事はDNA鑑定の結果、三島正吾と真珠に親子関係が認められなかったことを理由に、『三島正吾は自分が父親であると言って付きまとい、金や体を求めた挙句、交際していた男性達を次々と殺害していった』という真珠の話が嘘であると主張した。

それに対して弁護人の宮前は、事件現場に残されていた身元不明の血痕を証拠として挙げ、DNA鑑定の結果、それが三島正吾のものであることが分かったといい、こう続ける。

「つまり、三島正吾は、被告の部屋で、何者かに出血を伴う暴行を受けた―と、思われます!」

夏目アラタの結婚44 乃木坂太郎 3/27

だが、傍聴席のアラタは『それを言ってしまっていいのか』と焦る。

アラタ自身、真珠が三島正吾を殺していると確信している。ただでさえ、3人の殺害容疑が掛かっている真珠。事件現場の血痕の件を持ち出したら更に三島正吾の殺害の疑いを掛けられてしまうのではないか…そう懸念したのだ。

だが、被告人席にいる真珠を見たアラタは、真珠が相変わらず俯いたままであるものの、わずかに笑っていることに気付いた。その真珠の表情にアラタは『三島正吾の血痕の件を持ち出すことな何かメリットがあるのか?』と考える。

案の定、桜井検事は『常識的に考えれば、三島に暴行を加えたのは被告人(真珠)じゃないか』と鼻で笑う。

だが、宮前は淡々と『三島が現場で誰かと争ったのは確かだ』ともう一度念押しした上でこう主張した。

「このことから三島が、単なる被告人の母の同級生であったということはありえません」
「三島は被告人に執着を持ち、住居に出入りするほどの関係性があったのです!」

夏目アラタの結婚44 乃木坂太郎 8/27

宮前が血痕の件を蒸し返した狙い…それは、三島の血痕が真珠の部屋にあったことを明らかにすることで、真珠が三島に付きまとわれていたという話に信憑性を持たせることであった。

更に宮前は『三島に暴行を加えたのは被告人(真珠)ではない』と主張する。

もし、真珠が三島に暴行を加えたのであったら、三島は警察や病院に駆け込み記録が残っていたはず。しかし、そんな記録はどこにもないのだ。

「つまり三島はケガをしたことを隠したかった。」
「なぜなら―」
「被告人の主張通り、三島こそが一連の事件の真犯人だからです!」

夏目アラタの結婚44 乃木坂太郎 9-10/27

真珠の主張の正当性を強調する宮前。すると、宮前のその主張に桜井検事は『被告人(真珠)が三島を殺したんじゃないか』『死人に医者は必要ない』と冷笑する。想像通り、真珠が三島を殺したと疑われ始めたことに焦るアラタは裁判長の反応を見て驚く。裁判長は一連の宮前の主張について、今まで見せたことがない位、非常に苦悩した様子で考え込んでいたのだ。

そんな裁判長の方を見ながら宮前は更に『仮に三島が殺されていたとして、3件の殺人と手口が違うことに着目して頂きたい』という。

被害者男性3人は毒殺され、バラバラ死体となって発見された。一方で、三島は出血を伴う暴行を加えられ、バラバラ死体が発見されているわけではない。『3件の殺人と三島の傷害事件の犯人は別人であると考えるのが自然』…そう宮前は訴える。そして、どちらも真珠の犯行と考えるのは無理があると。

「筋道の立った解釈として考えられるのは―」
「三島が3人を殺し、その際に負傷して逃亡したということです。」

夏目アラタの結婚44 乃木坂太郎 13-14/27

そして、黙ったまま考え込む裁判長に『3件の殺人とは別に三島の件については被告人(真珠)が犯人である可能性もあるが、立件もされていなければ三島の死体すら見つかっていない』『この裁判はあくまで3人の殺人事件の裁判なのだから三島の件について弁明の必要はないでしょう』と畳みかける。それには裁判長も『そうですね』と同意し、宮前は『以上です』と言って席に着くのであった。

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真珠を喪いたくない、人生のライバルでいてほしい…自身が真珠に抱いている想いを自覚し認めるアラタ

傍聴席で宮前の主張を見守っていたアラタは『一応うまく煙に巻いたようだ』とホッとする。しかし、一方で不安も残っていた。

万一どこかで三島の死体が発見され、そこに他殺の痕跡が残っていたら真っ先に真珠が疑われ、真珠の有罪が確定してしまうだろうと。

しかし、アラタは真珠が有罪になることを心配している自分に驚き『有罪でいいんじゃないか?』と問いかける。アラタは最初から真珠が殺人犯であると確信しているし、人殺しは死刑でいいと考えていたはずなのだ。

アラタはふと真珠の死刑が執行される様子を想像してみる。目隠しをされて絞首台に連れて行かれ、ロープを掛けられる真珠。そして、死刑執行のボタンが押され、絞首台の床が抜けて真珠は吊り下げられる…。そんな光景を思い浮かべたアラタはゾッとし、そして気付く。

―どうして俺は、心のどっかであいつを喪いたくねえと思ってる…?

夏目アラタの結婚44 乃木坂太郎 18/27

アラタは面会をしている時の真珠の要素を思い浮かべる。あどけない顔立ちをしているのに、時折醜い歯並びをした酷薄な笑みを見せる真珠。そんな瞬間、アラタは緊張し恐怖を感じながらもどこかワクワクした気持ちになるのだ。

「敵」
あいつが俺の人生で初めての―
「好敵手」だから…だ!!

夏目アラタの結婚44 乃木坂太郎 19/27

自分にとっての真珠がどんな存在なのか気付いたアラタ。今までの人生、こんなにも”やりあった”相手は真珠の他にいないのだ。そして、真珠にとっての自身も、そんな相手であると嬉しいと心から思う。

…裁判なんか軽くのりこえて、俺の前に立ってくれよ…!!

夏目アラタの結婚44 乃木坂太郎 20/27

アラタは想像してみる。裁判が終わった後、教会の前で真珠を待つ自分を。すると、純白のウェディングドレスを着てブーケを持った真珠が駆け寄って来る。しかし、アラタの目前に迫った瞬間、真珠は笑顔でブーケを投げ捨てると、隠し持っていたナイフでアラタを突き刺してくるのだ。

―その時 俺の血は、
どれほどわき立つんだろうか―

夏目アラタの結婚44 乃木坂太郎 21-22/27

真珠が突き立てて来たナイフを手で受け止めながら、真珠に口づけをする自身を思い浮かべたアラタ。あまりにバカげた想像に思わず一人苦笑いしてしまう。そして、休憩中に夫婦の絆について語っていた藤田に心の中で『こんな善悪の垣根を越えてしまった幻想も夫婦の絆といっていいのか?』と問いかけるのであった。

だが、アラタにはどうしても気になることが一つだけあった。

それは、何故真珠が数多寄せられた手紙の中から卓斗の手紙に惹かれ、そして会いたがったのかということだった。それについてはどんなに考えてもサッパリ分からないのだ。

そして、真珠が卓斗に抱いている気持ちがどんなものであれ、塀の外に出て最初に向かうのが卓斗のところなら、それは”浮気”であり、許せないと強く思うのであった。

『そもそも、品川環と被告人は…』突然、裁判長が口に出したある疑問が法廷を凍り付かせる

そんな中、ずっと考え込んでいる様子であった裁判長が『一つ、どうしても気になってしまうことがある』と口を開いた。

検察側がDNA鑑定をした結果、真珠と三島が親子ではないということが明らかになった。

『確かによく似ている二人ですが、被告人の母、品川環とはどうなんでしょう』…そう言い出した裁判長に弁護人の宮前だけでなく、桜井検事も驚く。

そして、真珠は硬い表情で裁判長を睨みつける。

「品川環は、」
「本当に被告人の母―なんでしょうか?」

夏目アラタの結婚44 乃木坂太郎 26/27

思ってもいなかった裁判長の言葉にアラタも唖然とするのであった…。

夏目アラタの結婚 6巻表紙

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以下、感想と考察

扉絵のウェディングドレスが捲れてしまっている真珠が相変わらず可愛い。乃木坂氏、色んなタイプのドレス描くの楽しくなってきてない?

真珠への好意を自覚したアラタ

真珠への好意をやっと自覚したアラタ。ここまで来るの長かったな…。サスペンスだけども、しっかり恋愛漫画でもある。

アラタが真珠に求めているのは人生の好敵手であること。いつ、殺し殺され合うか分からないスリルを求めている…ちょっとサイコな感じがするというか、メンヘラ感があるというか…でも、これもきっと一つの愛のカタチなのだろう。どういう形であれ、真珠が卓斗に関心を抱いていることに嫉妬していることも認めた。

それにしても、ウェディングドレスでナイフ片手に襲い掛かって来る真珠に、手のひらを刺されながらも受け入れて口づけをするアラタの絵面の凄まじさと言ったら…。

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裁判長が抱いた新たな疑念に…その発想はなかったが、真珠の表情を見るに図星なのか?

恋愛漫画モードからの今回のラストは本当に驚いた。裁判長が抱いた、『そもそも真珠と環が親子なのか?』という疑念。読んでいて「えっ」と声が出てしまった。そこについては、今まで一切疑ってなかったよ。だって、真珠は三島のことは正直どうでも良さそうだけど、環については強い想い入れ(愛憎)を持っているようだし、裁判長も言っているように、本当にソックリだし。

というのも、フィクション、こと漫画だとソックリに描かれるというのは親子や血縁の記号みたいなものだし、むしろ最初に親子だと明かされていないような場合でも『このキャラとこのキャラ似てるから実は親子だろw』みたいに予想されたりする位だし。

だから、ラストの裁判長のセリフには『何、何で?』と困惑してしまった…。

…が、裁判長がこう言い出した時の真珠の顔、眼…。…怖い、というか昏い。真珠が睨みつけるような暗い表情をするのは別に珍しいことではないのだけど、未だかってこんなに石の様な表情だったことはあっただろうか?

…ということは、この裁判長の抱いた疑念は当たっているということだろうか?

とはいえ、真珠が基本的に”お母さん”と呼んでいる相手はやはり環だし、歯並びの悪さといった共通点からしても血縁関係はあるように思える。真珠は『環と赤子の真珠と三島の3人で映った写真を三島が持っていた』と証言している。…まあ、後者は真珠がそう言っているだけで嘘の可能性もあるけど。

考えられるとしたら

①真珠と環は相当に歳が離れた姉妹(とはいえ、環が真珠を産んだとされる年は18位…18位歳が離れた姉妹だったら十分にありえる)

②真珠は環の姪っ子や従妹である等、親子ではないが、何らかの血縁関係にある

③実は血縁関係にない全くの他人である

現実的なのは①と②かな。でも、戸籍とか出生届とかどうしたのさ?と思ってしまう。児相が介入した時点で二人の関係はある程度洗われていただろうし、今になって『実は…』ということには中々ならないのではないか?

③に至っては最早『八日目の蝉』みたいな誘拐説しか考えられなくなってしまう。若くて未婚であった環が特別養子縁組とかで親になれるはずがないし…。

…うーん、分からん。

より突拍子もない推理をしてみる。…そもそも、真珠は本当に”品川真珠”なのか?

そんなところで、上記の仮説③にちなんだ、ちょっと突拍子もない推測をしてみる。

ずばり、『そもそも、真珠は本当に”品川真珠”なのか?』『実は、幼少期の真珠と今の真珠は別人なのではないか』というものだ。

というのも、思い出してほしいが、この作品の序盤でアラタは『そもそもあいつは本当に品川真珠なのか?』という疑念を一度持っているのだ。真珠は幼少期”愚鈍ないじめられっ子”であり、田中ビネーの知能検査も高くはなかった。しかし、現在の真珠はとてもじゃないが愚鈍なんかではなく、田中ビネーの結果が30も上がっている。そして、個人的に気になっていることなのだが、幼少期の真珠は黒髪で描かれているが、現在の真珠は明るい髪色で描かれている(まあ、これは絵的な問題なのかもしれないけどね)。真珠は本当の”品川真珠”ではなく、実は品川真珠のふりをしている誰かなのかもしれない。

…しかし、真珠自身も環と暮らした思い出を持っており、宮前と会ったことも覚えている。だから、児童相談所に保護された時点で品川真珠は今の真珠なのだ。

一方で、真珠は度々自身の子供時代に重大な秘密があることを匂わせており、『アラタに秘密を知ってほしいという気持ちが募るのが怖い』と語っているし、アラタの父親の思い出話から派生した”止まった時を動かす”の時の言動からしても、自身の幼少期が『見つけて(見て)もらえていなかった』ものであると認識していることが分かる。

そこに、さらに考慮したいのが、真珠が子供に対して何らかのトラウマを抱いているということ。桃ちゃんが堕胎や望まぬ妊娠の経験を推測したのに対して『そんなありがちな話ではない』と答えている。

そして、環自身は何かやらかしていて、身を固められない様子だった。

これらの点を総合して立てた予想が以下

①現在の真珠は本当の真珠ではない
②品川環は品川真珠を産み育てたが、その真珠は何らかの理由で幼くして亡くなっている
③品川環はその事実を隠匿し続けて来た。環が男を家に上げなかったのは、本当の真珠の死体が家にあったから
④そして、現在の真珠が亡くなった真珠のふりをして(愚鈍なふりをして)生きてきた。髪は染めていた?
⑤現在の真珠は本当の真珠の死に関わっているため、”子供”がトラウマとなっている
⑥環が真珠を太らせ、そして歯の治療をしなかったのは真珠が偽物だと発覚しないようにするため(本当の真珠が太っていた?また歯の治療をすると、後々に歯型などの記録から別人だとバレる可能性があるから)
⑦真珠は環が実の母親ではないと分かっていたが、環のことを慕っており、彼女の意に添うように行動し愛を求め続けていた
⑧一方、環は偽物の真珠に対して優しく接していたものの、真に愛情を向けられずネグレクト気味だった
⑨真珠が児相に保護されても引き取りに来なかったのは、児相保護時に真珠が偽物であることがバレず、その後の真珠が周囲に真実を話す様子がなかったため。あるいは、その間に本当の真珠の死に繋がる証拠を隠滅したから
⑩一方で、定期的に面会に来るのは、真珠が真実をばらさないように釘を刺しに来ていた

…どうだろう。うん、突拍子もないな。

でも、仮にこの説が当たっていたとすると、真珠がどこか自分の人生に対して諦めたり責任を放棄しているような態度も納得がいく。今まで他人(品川真珠)のフリをして、他人(環)の意に沿うように生きてきた経験しかないから、自分のために生きていくという感覚が一切ないのだろう。だから、アラタとの結婚についても『アラタのために』『アラタの邪魔にはならないようにするから』みたいな言葉しか出てこない。

となると気になるのは何故卓斗に執着しているのかという点。真珠と卓斗の共通項って何?確かに卓斗は実の父親を殺害されるという不運に見舞われた少年だけど、それ以前の成育歴は至極全うだ。真珠は少年である卓斗と交流することを通して、失われた自身の青春を取り戻そうとしているのだろうか?それもちょっと違う気がする。

…ほかの被害者の遺体の場所は答えていったのに、卓斗の父親である山下良介の首については『見つからなくてもいい』と呟いていた真珠。それは、アラタとの駆け引きのカードが無くなってしまうからという解釈もできるけど、絶対にそれだけではない。山下良介の首と共に、三島正吾や本当の真珠とかの死体が埋まっているという可能性もあるけど。

実は、真珠は山下良介の娘だったりして。そして、弟である卓斗に執着してるとか。

それはないか。というか、山下良介って何歳くらいなんだろう?でも、真珠位の娘がいてもおかしくなさそうだし、良介の妻(卓斗の母)がまるで良介の首が見つかってほしくないかのようにふるまっているというのが何とも気になる。多分、他の被害者男性二人とは違う関係性が真珠と良介の間にあったのではないか?

以前アラタに『親子って気持ち悪い』と語っていた真珠。果たしてその真意は…。

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