【漫画】夏目アラタの結婚 最新話・59話【感想・ネタバレ・考察】裁判官、弁護人、検察官間で次の公判の方針が決まる中、神波裁判長は自身のある欲求に気付き…

夏目アラタの結婚 7巻表紙

真珠は品川真珠ではなかった…。本物の品川真珠は1歳程度で夭折しており、真珠はその代わりとして産み育てられた無戸籍児だったのだ。

真珠の壮絶な生い立ちにアラタは驚き葛藤したものの、再び真珠と向き合って生きていくことを決意した。しかし、当の真珠は『アラタにふさわしいのはスピカ(姉)の方だった』とありもしない姉とアラタの幸せな結婚生活を思い描き、ただ希死念慮を深めていく。

そして、最後の面会で真珠は『次の法廷で、呼んだら必ず来て。叫ぶから助けに来て』と不可解な発言をするのであった…。

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真珠の正体についての個人的な推測・考察記事
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以下、あらすじとネタバレ

裁判所、検察庁に『真珠は品川環の第二子であり、起訴時、そして現在も未成年である可能性が高い』という上申書が届く。神波裁判長と桜井検事の反応は…

朝、東京高等裁判所。いつも通り出勤してきた神波裁判長に、慌てた様子で若い男性裁判官が、宮前から上申書が提出されたと告げる。神波裁判長が新しい証拠でも見つかったのかと尋ねると男性裁判官が『それが…』と口ごもってしまう。

席について上申書を読んだ神波裁判長はその内容に愕然とするのであった…。

そして、その上申書は検察庁の桜井検事の元にも届いていた。

「なんだこの上申書は!!デタラメだ!!」
「品川真珠は品川環の「第2子」であり、起訴時はもとより今現在も未成年の可能性アリ…だと!!」

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一読した桜井検事は立ち上がってそう叫んでしまった。そして、検察事務官の女性に『上申書にある、嬰児の遺体(本物の品川真珠の遺体)が発見されたというのは事実か』と確認する。

検察事務官は困惑した表情で、嬰児の遺体を派遣したのは真珠の夫である夏目アラタで、その件については既に七尾署で一通り取り調べを受けていることを告げた。

それを聞いた桜井検事は『まんまと踊らされやがって』と顔をしかめる。そして、検察側でも嬰児の遺体のDNA鑑定を急がなければならないと考えるが、違う結果が出る可能性は低いだろうと考える。だとすると、残された手段は一つだけであった。

「「品川真珠」の誕生日を調べにゃならん!」

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一審の死刑判決については、起訴時未成年ということで、家裁不経由の手続き違反による”公訴棄却”になるこをはやむを得ない。(未成年を裁く際は家庭裁判所での手続きを経なければならず、真珠は起訴時に成年だとされていたため、当然家裁の手続きを経ていなかったため)

そして、再起訴しても少年法の規定上犯行時に18歳未満であればどんな凶悪事件を起こしていたとしても死刑判決を出すことが出来ないのだ。

ただ、逆に犯行時に18歳か19歳であったことを証明できれば死刑に持ち込める可能性があるのだ。

そう検察事務官に語りながらも桜井検事はそれが非常に難しい事であることも理解していた。真珠の生年月日を割り出そうにも、母親の環が真珠を産んだのは20年近くも前、それも恐らく無保険の飛び込み出産で、偽名を使っていた可能性だってある。しかし、それでも出産記録を洗うしかないのだ。

落ち着きを取り戻した桜井検事は椅子に座り、控訴審の時の真珠の様子を思い浮かべる。実は未成年だった…その事実こそが真珠の自信の源だったのだ。

そして、今度はアラタの姿を思い浮かべた。

公務員同士とかじゃなく、男として忠告すればよかった。

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個人的にアラタを気に入っていた桜井検事は後悔した。以前忠告したときに公務員としての立場から真珠に利用されるべきではないと言ったが、『お前の女房は魔物だ』とハッキリ言ってやれば良かったと。

もし真珠が牢から出てきたら…真珠の様な女と寝床を共にするとしたら…想像した桜井検事はゾッとするのであった…。

その日の夕方、東京拘置所を訪れたアラタは真珠との面会を求めたが窓口で拒否されてしまう。本物の品川真珠の遺体について通報したらアラタには証拠捏造の共犯の疑いが掛かり面会は制限されるだろう…宮前が以前言った通りになったのだ。拘置所を出たアラタは『もう会えないのか』と苦笑いを浮かべた。

その頃、真珠は一人拘置所内の運動場でストレッチをしながら金網越しに夕空を見上げているのであった…。

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検察側のDNA鑑定が済むと、神波裁判長は宮前と桜井検事を呼び出し、一審の死刑判決が破棄となること、次の公判で双方とも上告権の放棄書を提出するように告げる

それから検察側のDNA鑑定を待つため、公判は数週間延期となった。

そして、検察側のDNA鑑定が出ると、弁護人である宮前と桜井検事は裁判所に呼び出された。

「控訴審で公判以外にこうして話し合いの場を設けるのはあまりありませんが、本件は少し特殊な事情ですから集まってもらいました。」

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そう宮前と桜井検事に語る神波裁判長。裁判所の一室に神波裁判長と二人の裁判官、そして宮前と桜井検事の五人が勢揃いし、向かい合って座っていた。

まず、桜井検事が検察側のDNA鑑定の結果を告げた。結果は弁護側と同じ…つまり、七尾市に埋められていた嬰児こそ品川環と三島正吾の娘であるという結果が出たのだ。

憮然とした表情でそう告げた桜井検事に宮前は勝ち誇った表情で嬰児が品川環の”第一子”であることについて争わないのか確認する。

すると桜井検事は嬰児の遺体が死後およそ20年以上経っているため、時期的に”第一子”であることを認めた。

そして、桜井検事は続いて嬰児の死因が”頸椎の骨折”であったことを皆に告げた。あくまで想像だが環が抱きかかえた状態で階段でつまづいて落下したりどこかで転倒したことが死因ではないか…そう陰鬱な面持ちで語り、しばし会議室には沈黙が流れるのであった。

すると、神波裁判長が宮前の『品川環はこの”第一子(本物の品川真珠)”の死を隠蔽するために”第二子(今の真珠)”を出産した』という主張について言及した。

これに対し、桜井検事は『それは疑問ですね』と真っ向から否定する。

子を亡くす親はいくらでもいるが、そんな極端な行動を取った例は過去になく、”第一子”を産んだ後、年子で”第二子”を産んだ可能性も十分ある。弁護側が考える程2人の出産の間隔はなく、被告人(今の真珠)の実年齢は戸籍上の年齢と1歳程度のずれしかなく、犯行時仮に未成年であったとしても19歳に達していたのではないか…そう桜井検事は反論した。

すると、宮前は『なら”第二子”の産院の通院記録がないのはなぜか』と返し、『今から離すのは私の単なる想像です』と前置きしたうえでこう語った。

品川環という女性は星が好きだったという。そしてスピカ…別名”真珠星”と呼ばれる星がある。厳密には5連星であるが一般的に2連星として知られているこの星は二つの恒星があまりに近いため地球からは一つの星に見えるのだ。天体が好きだった環は第一子の死に絶望する中でもう一人娘を産むことを着想したのではないかと。『体は二つでも一つの”真珠”…あの星のように』と…。

宮前の話に神波裁判長は『なるほど』とだけ言い、他の皆は黙ってしまう。

すると、神波裁判長は『いずれにしろ、起訴時は成人であると立証できない以上は未成年として判断する』と言い、こう続ける。

「つまり家裁不経由の手続き違反により、」
「一審の死刑判決は破棄―「公訴棄却」!」
「次の公判では、双方ともに上告権の放棄書を提出して下さい。」

夏目アラタの結婚59 乃木坂太郎 21-22/27

思い通りの展開になったことに、笑みがこぼれる宮前。一方、桜井検事は当然納得ができず、『14日間の不服申立期間も放棄しろということですか』と抗議する。

そんな桜井検事に神波裁判長は淡々と検察は再起訴をするのだろうが、今の裁判についてはこれ以上できることはないだろうと言い、『裁判所は違法で無駄な裁判を続けることは好まない』とハッキリ告げた。

そして、話し合いは終了するのであった…。

皆がいなくなった後、神波裁判長は一人席に着くと真珠について思いを巡らせた。

次の公判が真珠と会う最後の機会となるのだろうか…しかし、不思議と神波裁判長はこれからも真珠との縁が続くような気がしてならなかった。

そして、控訴審三日目、突然傍聴人席に乗り込んだ真珠がアラタと互いの方に触れ合った時の様子、その時の嬉しそうなアラタの顔を浮かべ、こんな風に思うのであった。

あんな若造では、力不足だよな…

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真珠と向き合うのにアラタの様な男はふさわしくない。一対一であの怪物の様な真珠をねじ伏せ制御することができるのはもっと深い洞察力を持った人間だ。そう、それは…。

そこで神波裁判長は我に返り愕然とする。真珠と相対する相応しい人物…神波裁判長はいつの間にか自身が真珠と頬を触り合い向き合っている姿を想像していたのだ。

―まさか、あの怪物の毒は、知らぬ間に私にも回っている…のか?

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夏目アラタの結婚 7巻表紙

以下、感想と考察

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環は第二子が男の子だったらどうしていたのだろうか…?

無事に検察側の本物の品川真珠のDNA鑑定は済み、石川県にあった嬰児こそが品川環と三島正吾との間の第一子で、真珠は第二子であることが証明された。アラタもきちんと取り調べも終えた様でよかった。

アラタが死体を掘り返しちゃったことを理由に逮捕されるんじゃないかとずっとドキドキしていたのでホッとした。桜井検事が何か嫌がらせしてくるんじゃないかと心配してたけど、桜井検事は結構アラタのこと気に入っていたのね…。

そして、遂に本物の品川真珠の死因が判明した。…頸椎の骨折か。これは確かに事故の可能性が高そうだ。階段の移動中に環が転倒…十分にありうると思う。1歳過ぎると子供もだいぶ重くなるし、その上、急にのけ反ったりすると本当にバランス崩す。以前もアラタが想像していたが、三島と別れてワンオペだった環は特に疲労も溜まっていただろう。痛ましい…。

でも、そもそも生まれた第二子が男子だったらどうするつもりだったんだろう…環は。それを言ってしまったら、まあ物語は成り立たないのだけどさ。流石に男の子だったら第一子の死を隠蔽することは諦めたのだろうか…。いや、なんかそれでも無理くり女として育てそうな感じではある、環は…。

地味に闇が深い神波裁判長

そして、今回のラスト、神波裁判長はいつの間にか自身が真珠に執着していることに気付く。『アラタみたいな若造よりも自分の様に洞察力のある人間の方が真珠を制御するのにふさわしい』とまで思ってしまったのだ。

神波裁判長が思い浮かべた、真珠に向き合っている時の顔が怖い。ニーチェの「怪物と戦う者は、その際自分が怪物にならぬように気をつけるがいい。 」を地で行っている感じか。神波裁判長が思いっきり怪物化している。

でも、そんな風に真珠と向き合うということは”怪物化”することだと分かったうえで、神波裁判長は真珠と離れがたいと考えているのだ。一方でまた桜井検事も真珠のことを”怪物”と評しているが、正義感から社会から葬ろうとしているだけで、個人としては真珠を恐れ忌避している(特に今回それが良く描写されている)。この2人の違いはなんなのだろうか。

控訴審が始まってすぐ、早い段階から神波裁判長は真珠の本質…『人の心に忍び込む天才』と評して他の二人の裁判官には真珠の心を覗き込まないようにとまで警告していた。しかし、そうは言いながらも自身は真珠の心という深淵を覗きこんでしまって、いつの間にか毒(真珠の魅力)に侵されてしまっていた。

…やっぱり、それは神波裁判長の心の闇、隙間の存在が大きかったのではないか。

一見優しく献身的な妻とそれなりに関係良好な娘、夏子がいて、幸せな家庭生活を送っているような神波裁判長。しかし、実は夏子が自身の娘ではなく、妻が安定した生活を手に入れるため、夏子が神波裁判長の子だと嘘を吐いて結婚したと考えている。そして、神波裁判長はそんな嘘を吐いた妻のことを長い結婚生活の間、ずっと観察をし続けているのだ。

中々に闇が深い神波裁判長。まあ、その闇故に洞察力が磨かれていったのだろうけど。そんな彼の孤独な心は無意識のうちに得体のしれない真珠に引き込まれていったのだろう。(一方で享楽的なところがある桜井検事には、真珠の魅力が通じないのかもしれない)

理知的な神波裁判長のことだから、突然とんでもない行動を取るということはないだろう。だが、有事の際には彼の一言が強い影響力を持つ。次の公判で真珠は何やら企んでいるようだし、そこで何か起こった時に神波裁判長はどうするのか…。

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次回は公判?真珠の身には一体何が起きる?

今後の裁判手続きの方針が定まった59話。次の60話は恐らく公判になるだろう。

次の公判は上告権の放棄書が出されるだけで終わり、真珠はただ拘置所に戻り、そこで再逮捕されるだけ…のはず。しかし、真珠は何故かアラタに『法廷が終わってもずっと裁判所にいて』『呼んだら来て、助けに来て』という意味深な発言を繰り返している。

何も起きないはずがない。

脱走を目論んでいるのか?真珠がそんな短絡的な行動を取るとは思えないし、アラタも脱走には協力しないと宣言している。希死念慮の強い真珠は自殺を図るのか?でもだとすると”助けに来て”という言葉を選ぶのは妙だ。自殺を図って病院に行くことになったとしても、アラタと一緒にいられる時間をそうそう作れはしないと思うし。

なんか、誰かに襲撃されることでも予想しているのか?この状況で真珠を襲撃するとしたら、山下卓斗の母親しか思い浮かばないのだが(真珠の父親は山下良介という可能性もあると考えている)…実は卓斗母と手紙とかでやり取りしている?だからといって簡単に地下の拘置室に行ったりして接触できるとは思えないのだが…。

果たしてどうなる?

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