【漫画】夫婦別生、21話22話23話(8話)【感想・ネタバレ・考察】超絶粘着束縛野郎創介の過去…そして、満里奈は創介に従順になったように見えたが…?

夫婦別生 表紙

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SNSの闇っぽいものをテーマにした『夫婦別生』。今回は前回に引き続きハッピークラッシャー女、満里奈と超絶粘着束縛男、空木創介の話の続編。創介の過去が描かれたり。

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Contents

以下、あらすじとネタバレ(感想混じり)

21話(第8話1)~気弱な惚気束縛男、空木創介…彼が束縛男になってしまった過去の出来事とは…

とある休日。創介は高校時代の友人達とファミレスに集まっていた。今度結婚する男友達がおり、その式の余興についてみんなで相談しているのだ。しかし、創介は上の空でスマホを眺めるばかり。友人達から『スマホばっか見てどうしたの?』と問い質された創介は困った顔でこう答えるのだ。

「いや…彼女から返信が来ないから心配で…」

夫婦別生 竹充ヒロ 021話(8話1)

創介のその言葉に友人達は『相変わらずだな』と呆れながら笑う。以前から交際相手や元妻のことばかり考えていた創介。友人達は元妻のユキと離婚したての創介を心配していたのだが、『新しい彼女と順調そうで良かった』といい合うのであった。

…しかし、友人達は創介の異常さを知りはしなかった。

友人達と別れるや否や創介は走って自宅マンションを目指した。そして、リビングにいる満里奈を見るとホッとする。

「満里奈!!」
「よかった…無事だったんだね」

夫婦別生 竹充ヒロ 021話(8話1)

しかし、そんな創介に吐き捨てるようにこう答える。

「これの…これのどこが無事なわけ…?」

夫婦別生 竹充ヒロ 021話(8話1)

満里奈は右手首をリビングのテーブルに手錠に繋がれていたのだ。

元妻のユキと離婚した創介は不倫相手だった満里奈とすぐに同棲を始めた。しかし、恋した相手に執着する創介は相手が自分の目の届かないところに行くことを異様に怖れるあまり自身が外出するときは満里奈をこうしてテーブルに繋ぐのだ(謎の手錠さばき)。満里奈はかろうじて会社に行くことは許されているものの、それ以外は創介に言葉通りずっと束縛され続けているのだ。

怯えながらも満里奈は『あんたおかしいんじゃないの?』と創介に言う。しかし、創介はそんな満里奈に激昂することもなく、申し訳なさそうに『ごめん』と謝り優しく抱きしめるのだ。『満里奈がどこかに行ってしまったら』…そう考えると創介はいても立ってもいられないのだ。

何故、創介は満里奈や、そして元妻ユキを”束縛”してしまったのか…。それは彼の過去のある出来事が原因であった。

創介の母は優秀な創介の兄に夢中で創介に関心を払わなかった。創介は母に振り向いてもらうために一生懸命努力していたが、小学生だったある時読書感想文で金賞を取ったもののそれでも母に褒めてもらえることはなかった。

寂しさに涙を浮かべながら公園のブランコに座り込んでいた創介(大体そういうときみんなブランコに乗るよね)。すると、創介にある人物が声を掛けてきた。

それは幼馴染の同級生の少女、萌だった。萌は創介が読書感想文で賞を取ったと知ると『天才じゃん』と誉めちぎる。しかし、自信を失っていた創介は『僕なんてお兄ちゃんと比べれば全然』と家庭に居場所がないことを打ち明けた

すると、萌えは明るく笑ってブランコを漕ぎながら創介にこう言うのであった。

「私だけは創介君の味方でいてあげる」

夫婦別生 竹充ヒロ 021話(8話1)

その言葉に涙を浮かべて喜んだ創介。創介が『本当?約束だよ』と言うと、萌は『うん、約束』と言って指切りをしてくれるのであった…。

『この子さえいてくれれば大丈夫…』そう思い、萌を心の拠り所にするようになった創介。

しかし、その期待はアッサリと打ち砕かれるのであった…。

…満里奈、テーブルに繋がれているときの鎖、短いけどトイレ行きたくなったらどうするんだろう?

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22話(第8話2)~萌に裏切られた事で恋人に常に去られる不安を持つようになった創介…そんな創介に満里奈は急に優しくなり…

それは高校生になった時のことだった。

「実はね…この前告白されて」
「それで私たち…付き合うことになったの」

夫婦別生 竹充ヒロ 022話(8話2)

ある日、突然見知らぬ男を創介に紹介してきた萌。萌は笑顔で『“親友”の創介に一番に報告したかった』と言うが、創介は『裏切られた』『俺だけの味方でいると言ってくれたのに、嘘つき』という思いで一杯だった。

その後しばらくの間創介は萌のことを引きずって恋愛をすることが出来なかった。しかし、ある時酒の席でこの出来事を軽く打ち明けると『私ならそんなこと絶対にしないのに』と笑ってくれる女性がいた。それが元妻のユキだった。創介はユキに『本当に俺を裏切らないでずっと好きでいてくれる?』と尋ねた。

大切な人は常にそばに置いておかないと、離れて行ってしまうかもしれない…。そんな思いに囚われた創介はユキを束縛し、今は満里奈を束縛するようになっているのであった。

しかし、創介はそんな自身の行動が異常であることを自覚していた。翌日、創介は会社で働いている最中に満里奈に『昨日はごめん』等とLINEメッセージを送るものの、満里奈から返事がない。すると、途端に創介は不安になり、『満里奈の部署まで行きたい、でもそんなことをしたら本当に嫌われてしまうかもしれない』と悶々とする。

そんな体たらくで仕事は常にどこか上の空なため、周囲からは『トロい』と笑われてしまう創介。するとますます創介は『こんな俺のことを誰も本当に好きでいてくれるわけはない』と自信を失い、恋人への執着を深めてしまうのだ。

仕事後、先に帰宅していた創介は満里奈が帰ってくるや否や『良かった!』『帰ってこないかと思った』と必死の形相で叫ぶ。すると、満里奈は一瞬だけビクッとしたものの、すぐに笑顔になって『そんなわけないでしょ。ここ私の家だし』と答え、外食することを提案する。

満里奈が昨日と違い機嫌が良いことにホッとする創介。更にレストランで満里奈は『これ、私のSNS』とスマホを見せてくる。以前創介がSNSの中身も確認したがっていたのを覚えていたのだ。

満里奈の最近のSNSは『私が間違っていた、心を入れ替える』『今は大切な人と一緒にいられて幸せ』といった、創介の束縛を全面的に受け入れるような投稿がされていた。

「私は創介のことを裏切ったりなんてしないから」
「それだけは覚えててね」

夫婦別生 竹充ヒロ 022話(8話2)

そう言って微笑んで見せる満里奈。どう見ても嘘臭い満里奈の態度だが、単純な創介はすっかり騙され、涙を流して喜ぶのであった。

それからしばらくして、高校時代の友人の結婚式の日がやってきた。出掛ける準備をしたもののどこか落ち着かない創介。満里奈と長時間離れるのが不安で仕方がないのだ。

しかし、そんな創介の目の前でなんと満里奈は自ら手錠をつけ、『これでいい?』と微笑んで見せる。そして、驚く創介の手を取って言うのだ。

「これであなたの不安がなくなるなら大丈夫だよ」

夫婦別生 竹充ヒロ 022話(8話2)

それを聞いた創介は思わず満里奈を抱きしめる。そして、心の底から満里奈のことを好きになって良かったと思うのであった。

しかし、結婚式場に向かった創介を思ってもいなかった再会が待ち受けているのであった…。

…満里奈の行動が分かりやすすぎて笑える。ここまで来ると逆に怪しいよな…。

23話(第8話3)~萌と再会し心が揺らぐ創介…しかし、創介は満里奈の元へ帰るのだが…

「もしかして創介…?」

夫婦別生 竹充ヒロ 023話(8話3)

結婚式場についた創介にそう声を掛けてきた女性を見て驚く。それは何と萌だったのだ。幼い頃の面影がしっかりと残っている萌はかつての様に明るい笑みを浮かべ純粋に創介との再会を喜んでいた。萌は新婦側の友人として呼ばれたのだと言う。

初恋の相手であると同時にトラウマを作った張本人である萌との再会に内心複雑な創介。しかし、創介が指輪をしていないのを見た萌に独身なのか否かと尋ねられると『結婚していたけど離婚して今は一人』と微妙な嘘を吐いてしまう。すると、萌は『式が終わったら2人で飲みに行かない?』と誘うのであった。

そして、式後創介は萌と共にバーに行き、昔話に花を咲かせる(創介、こいつ女を束縛する割りに自分はホイホイ女についていくよな)。萌は相変わらず些細なことで創介を『天才じゃん』と持ち上げ、創介も『この感じ懐かしい』と緊張が和らいでいく。

そして、萌は高校時代に創介に紹介した彼氏とはすぐに別れてしまったことを語り、こう言い出すのであった。

「あとになって気付いたの」
「創介と付き合ってればよかったなぁ…っ
て」

夫婦別生 竹充ヒロ 023話(8話3)

萌のその言葉に揺れる創介。もしかしたら初恋が叶うかもしれない…そう思った創介は『俺も昔、萌に『私だけは味方だ』と言ってくれたから救わてた』と打ち明けた。

しかし、それを聞いた萌はキョトンとした顔でこう答えた。

「私そんなこと言ったっけ?」

夫婦別生 竹充ヒロ 023話(8話3)

その萌の言葉に絶望する創介。萌は『記憶力いいね』と笑い、創介の肩に触れて『また連絡を取り合おう』と言う。しかし、創介はその手を強く払いのけた。そして、

「さわんな」
「裏切り者」

夫婦別生 竹充ヒロ 023話(8話3)

そう言うと萌を残してバーから立ち去るのであった(萌、ポカーンとするしかないよな、これ)。

帰り道、創介は先程の萌の態度を思い返し、『あの思い出を大切にしていたのは自分だけだった』と改めて落胆する。そして、自ら手錠をして帰りを待ってくれているはずの満里奈の事を想う。

優しい満里奈の笑顔を思い浮かべた創介は『俺の味方は満里奈だけ』『彼女だけを想い大切にしよう』と心に誓いながら帰宅するのであった。

しかし、創介が帰宅すると、そこには外された手錠が転がっているだけで満里奈の姿は無かった(満里奈、手錠の鍵を器用に開けたのか、それとも怪力で破壊したのかどちらなのかが気になるところ)。

満里奈が逃げたということを理解した創介は、『どうして大切な人は皆、俺から離れていくのだろう』と絶望する。そして、正気を失った顔でこう考えるのであった…。

肌身離さず常に近くに置いておかないと…――
逃がさないように

夫婦別生 竹充ヒロ 023話(8話3)

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以下、感想と考察

創介アホすぎやろとか、満里奈手錠をどうやって外したんだろうとか、というか手錠してるときにトイレ行きたくなったらどうしてるんだろうとか、細かいことが気になっちゃうけど、とりあえず真面目に考察。

極端な様で、妙にリアリティのある創介の人間像~現実にもいる、距離感の測り方がおかしい勘違い男

わりと極端な話、キャラクターが多いこの『夫婦別生』だけど、今回の詳しく描かれた空木の人間像には妙なリアリティを感じてしまった。

マジで創介みたいな勘違い男、実在するから怖い。萌は確かに『味方でいてあげる』とは言ってたけど、一言も彼女になるとは言ってないし、創介も告白したわけでもない。にも関わらず創介は萌が彼氏を作った事に対して『裏切られた』と感じている。彼の中では萌と付き合っていた(付き合っているのと同じくらい親しい)ということになっているのが怖い。束縛癖を発症する前から既に他人との距離感の測り方がちょっとバグっているのが分かる。こういう何かアクション起こしたわけでもないのに一方的に恋人になったつもりの勘違い男、本当に恐ろしい…。そして、現実世界でも結構多くてストーカー化したり事件起こしたりするんだよな…。

その癖、自分に自信がないから、ちょっと優しくされると舞い上がってしまい、ユキと結婚している最中でも満里奈と不倫し、満里奈がありながら再会した萌とも浮気しそうになる。それでユキに満里奈との不倫がバレて別れることになっても、彼の中では『ユキが裏切った』ということになるのだ。色々とおかしいけど、本人がそう思い込んでしまっているからどうしようもない。

で、ラストに怖い顔をしている創介。満里奈に執着し続けて追いかけ回すのかな…とか思ったのだが意外にもそうはならなかったり。

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