【漫画】機能不全家族4(夏目ユキ)【感想・ネタバレ・考察】性被害に遭うユキと病んでいく弟、そしてバラバラになっていく家族

機能不全家族表紙 

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母の身体的虐待に晒されていたユキ達三兄弟は両親の離婚後、父に引き取られた。しかし、欲しいものは何でも与えくれるものの、叱ることをしない父の無関心な態度に、愛情に飢えたユキは誰とでも寝るようになり、妹のトモは家から出るべく寮のある高校への進学を目指すようになっていた…。

前回の記事はこちら→【漫画】機能不全家族3(夏目ユキ)【感想・ネタバレ・考察】…父親の無関心、自己肯定感の低さから出会い系に走り、性的に逸脱していくユキ

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Contents

あらすじ・ネタバレ

心を閉ざしトラブルを起こす弟ヒロとレイプ被害に遭うユキ、そして妹トモは寮つきの高校に進学する

高校2年生になったユキは大麻を栽培していた彼氏とは別れたものの、誰とでも簡単に寝る癖は治らず、バイト先もコロコロと変えていた。

そして、この頃、中学生の末っ子、ヒロが頻繁に学校でトラブルを起こすようになっていた。学校で物を壊して父が呼び出されたばかりなのに、今度は同級生の女子の顔に石をぶつけたのだ。再び学校に呼び出された父とヒロ。しかし、ヒロは『自分は悪くない』と相手に謝罪しない。そんなヒロに父は困ったと言いながら一切説教しない。同じ中学に通う妹のトモは『自分まで変な目で見られるのが嫌だから早く高校に行きたい』と言うのであった。

同じく家を出たいと思うようになったユキ。彼氏を作ることを止め、バイトはほどほどにし、男友達とゲームをする等して過ごすようになり、いわゆる”オタサーの姫”状態で承認欲求が満たされる様になっていった。

ある日男友達の家から帰る途中、ユキは見知らぬ男に道を尋ねられる。親切心から案内しながら共に歩いたユキ。

しかし、男は突然豹変し、ユキを突飛ばし路地裏に連れ込み、下半身を露出したかと思うと『舐めろ』と凄む。男の狂気をはらんだ様子に拒否出来なかったユキ。そのままレイプされてしまう。男は口止め料のつもりなのか叩きつけるように三千円を置いて去っていった。『自分の価値はこれくらいなのか』と思ったユキは行為後の身体に気持ち悪さを感じたものの、トラウマになることはなかった。恐怖は感じたものの、人から求められることの快感の方が勝っていたのだ。『実の父親からも助けてもらえない自分が、他人に必要されている』と思い、救われた気すらしていたのだ。

しかし、男が置いていった三千円は気持ち悪く感じられ、ユキはそのままゲームセンターに行き使うのであった。

幸い妊娠等はしなかったユキはレイプされたことを父にも誰にも明かすことはなかった。

そして、末っ子の弟ヒロの様子は悪化し、部屋にこもり、家族達と食卓を囲むことは無くなり、朝6時くらいから毎日大きな声で教科書を音読するという奇妙な行動をするようになった。しかし、ユキもトモも父もそれを笑いこそすれ心配することはなかった。

そして、妹のトモは無事寮のある日高校に合格し、家を出ていくのであった。

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こっそり母に会いにいったユキ…しかし、母は…

明るい妹のトモがいなくなり、ユキ達の家は暗い雰囲気が立ち込めるようになる。父はユキに語りかけるようになるが、今さらユキは父に心を開けず、弟は相変わらず自室に篭りがち。

そして、高3の夏休み、ユキは父に東京の予備校の夏期講習を受けたいとねだる。父はホテル代も含んだ講習の費用をユキにくれたが、ユキはあることを計画していた。

東京にやって来たユキは向かったのはホテルではなく、家裁で面会交流が禁止されている母の家だった。2週間の夏期講習中、東京で暮らす母の家から通うことを計画していたのだ。頭の中では母を嫌っていたはずだった。しかしユキは心のどこかでは母を求めていたのだ。

ユキがやって来ると母は優しく微笑み『会いたかった』と言って抱き締める。しかし、『占いを始めた』と言い、昔のことを謝りもせずに一方的に話を続ける母にユキはすぐに『自分は何を期待していたのだろう』と落胆する。

そのうえ、あろうことか母は父に『ユキちゃんはこっちでしっかりお預かりしているので』と電話をし出すのだ。そして、電話を切ると『なんかお父さんにお怒られちゃった』とユキに笑いながら言うのであった。

家庭裁判所に面会交流を禁止されているのに、父が許可を出すわけない。何故、内緒でここに来ているのが分からないのか…ユキはそう、ショックを受けるのであった。

2週間の夏期講習が終わり、ユキが帰宅すると父が待ち構えており、ユキを席につかせる。そして、『家庭裁判所でお前たちとお母さんは会うことを禁止されている』と改めて告げる。しかし、父の言葉にユキは耳を疑う。

「渡したホテル代ちょろまかして何様のつもりなんだ。金なら充分渡してるだろ」

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父はユキが遊ぶ金欲しさにホテル代をくすねたと思って怒っているのだ。

父の言葉に落胆したユキは大学に受かったら早く家を出ようと決意するが、受験に失敗してしまう。だが、ユキが『夏期講習で行った東京の予備校に行きたいから一人暮らししたい』というと、『一年だけなら』と父はあっさり許可を出すのであった。

一人暮らしができると喜んだユキは、ある日美容室でエクステをして帰宅する。しかし、それを見た父は突然怒りだす。

「なにがそんなに楽しい!!」
「お前大学に落ちたんだぞ!!もっと落ち込め!!」
「今回の受験にいくら掛かってると思ってんだ!!」

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また金の事か…と思ったものの、ユキは何故か父に怒られたことを嬉しく感じた。真正面から自分を見てくれているような気がしたのである。

それから一人暮らしを始めたユキは心を入れ替えて勉強する日々を送った。

そんなある日、ユキは学会で東京に来た父と、寮生活を送っているトモと三人で食事をすることになった。和やかに近況報告をし合う三人であったが、父が『末っ子のヒロがしばらく家に帰ってこなかった』と語り、ユキとトモは驚く。それは夏休み中のことで、数日経っても帰ってこない息子を心配した父が色んな所に電話をしたところ、通っている学習塾には毎日顔を出していたという。『家には帰ってこないのに、塾にはしっかり行ってんだよ』『どこに泊ってたか知らないけどお金も十分与えてたし大丈夫だろ』と笑い話にする父。ユキとトモも『めっちゃウケる』と笑うのだった。

…この時、家族のだれも弟の家での理由、弟の身に起きていた異変に気付けず、また気付こうとすらしていなかった。家族は特にいがみ合ったりするわけでもなかったが、互いにどんどん無関心になっていたのであった…。 

以下、感想と考察

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相変わらずおかしい母と、お金のことでのみ子供を叱る父

久々に母が再登場。しかし、謎の占いにハマり、会話が今ひとつ通じない感じ、そして、家裁で下された面会交流禁止をちゃんと理解できていない感じが本当に怖いなあと…。多分現実が見えていないのだろうな…。

父もユキの浪人を認め、かつ東京の予備校に通いたいからという理由で一人暮らしを許可する等、お金をいくらでも出す一方で、『ホテル代をくすねたいから母親のところに行ったのか』とか『今回の受験にいくら掛かってると思ってるんだ』とか、怒るポイントは金なんだよな。本当に不思議だな。

ユキ、ヒロに起こる不幸

そして、この4話の内容はキツイ。ユキはレイプ被害に遭うが、それすら『人に必要とされた』と感じてしまう位愛情に飢えている。弟ヒロは家出をして帰ってこないのに、『金は十分与えたし大丈夫だろう』と放置される。多分、この時点でヒロは中学3年生か高校1年生だと思うのだけれど、笑い話で済まされてしまうなんて酷い。毎朝6時から教科書を大声で読み上げるなんて、もう既に統合失調症になりかけている。…果たしてこの先どうなっていくのか…。

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