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ポセイドン企画の社長、池沢(石橋凌)の圧力で女優が集まらなくなってしまい窮地に陥ったサファイア映像。しかし、そこに恵美(森田望智)が『出演したい』とやって来る。村西(山田孝之)から『黒木香』という新しい名前をつけられた彼女が出演した作品は画期的で、これで勝負に出ようと村西達は意気込んだ。しかし、黒木香の母、加代(小雪)が販売を停止させようと池沢が創った日本ビデオ規制委員会に訴え、規制委員会はこれを口実に作品の販売を停止。サファイア映像は絶体絶命のピンチを迎える。
そんな中、村西は一発逆転ホームランを狙って、なんとハワイで作品を作ると言い出したのだった…。
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→【ドラマ】全裸監督5話「開花」【感想・ネタバレ・考察】倒産の危機の中、黒木香が誕生する~『SMっぽいの好き』で起死回生を図る村西達であったが…
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Contents
以下、あらすじ・ネタバレ
ついにハワイへ飛び立った村西達
時代は『日米貿易摩擦』の真っ最中。アメリカでは反日感情が高まっていた。
そんな中でトシ(満島真之介)はジミーと言う現地のコーディネーターを雇い、なんと村西の希望した往年のポルノ女優、アリソン・マンディの出演の交渉もやってもらったという。
ハワイ行きに反対していた川田(玉山鉄二)も『出どころは聞かないで。ワガママを聞くのはこれが最後です』と言いながらお金を村西に差し出す。
『つまらないのを撮ったら許さない』『くれぐれもお願いします』そう言う二人に村西は感謝しながら順子(伊藤沙莉)、三田村(柄本時生) 、ラグビー(後藤剛範)を連れて、一発逆転ホームランを狙ってハワイへ旅立った。
そしてハワイに到着した4人。村西以外はハワイに大はしゃぎする。そんな中、トシが雇ったコーディネーター兼通訳のジミー(米本学仁)がやって来る。彼はハワイで暮らしているものの、ビザを持っていない足立区出身の日本人らしく、想像とは違った彼にサファイアの面々は少し不安になった。
早速、ジミーにアリソン以外の出演者が待機しているホテルのロビーに案内された村西達。村西は役者達に作品について『諜報機関の女性エージェントが悪の組織とエロスで戦う超大作』だと説明した。
しかし、役者達は『日本人がスパイ映画を』と嘲笑を隠さない。その上、順子は女優の一人の瞳孔が開きっぱなし(薬物か?)なのに気付き、村西も役者の質が低いのではとジミーに不満を漏らす。
そんな中、かつてのポルノスター、アリソン・マンディがやって来る。ホテルに入ってきた肥満体の女性を見て『昔とは別人じゃないか、どうしてこうなってしまったんだっ!』と嘆きながら抱きしめた村西。
…彼女はマネージャーだった。
アリソンはセレブ感満載で格好を付けて登場した。その威厳と眩しさに村西は思わず見とれるのであった。
『絶対にあいつら浮かれてるんだろうな』
…その頃日本で留守番していたトシはいまだにいじけている川田に言う。
『あんな大女優をどうやって口説いたの』と率直な疑問をトシにぶつけた川田。するとなんとトシは『日本一の映画監督、初のハリウッド作品』と騙ったのだと言う。トシのデタラメっぷりに今まで不機嫌だった川田も思わず吹き出してしまった。トシは嬉しそうに言うのであった。
「荒れるぞー、現場は」
全裸監督6話 「誇大妄想」
アリソンはそのデタラメを信じ、破格の料金で出演を引き受けたのだ。村西、ジミーと打ち合わせをするアリソンとそのマネージャー。『目玉は空中での撮影で世界中のポルノ業界に衝撃を与えたい』という村西の話には同意するものの、『日本の男優が居なくてよかった』等と人種差別をにじませるアリソン。『君の心を裸にしたい』と村西は言うが、アリソンは曖昧に笑い『セクシーに撮って』と言う。村西はそんなアリソンに『恥じらいが命で、安っぽい演技や演出には頼らない』と説明するが、今一つ理解し合えないのであった。
恵美はポセイドン企画の池沢に口説かれる、そしてトシはヤクザの古谷に助けを求める
村西達がハワイで撮影の準備をしている間、日本でも様々な思惑が交錯していた。
喫茶店で香を口説く池沢。上品でいながら大胆。そして独特なオーラを持つ香を池沢はポセイドン専属の女優にしたいのだ。池沢の誘いに香は悩む。
そして、居酒屋でトシはヤクザの古谷(國村準)と飲んでいた。古谷は村西がハワイで撮影していると聞いて驚く。『おっさんが考えることは分からない』と言いながらもどこか誇らしげなトシ。しかし、真面目な顔で『池沢達を古谷の力で黙らせてほしいんです』と頼み込んだ。
「…ヤクザにそういうこと頼むのがどういうことか分かってるよな、トシ」
全裸監督6話 「誇大妄想」
一瞬の間の後、トシは『分かってます。でもあいつらがいる限り俺らは安心して商売できない』と答えた。すると古谷は『お前らが池沢に勝てる方法が一つだけある…リスクはあるが』と言うのであった
ホノルル警察に目を付けられる村西
ホノルルの市街地の中でタイトルのシーンを撮ろうとした村西は唐突にアリソン達に服を脱ぐように言う。アリソン達は当然反発し、『恥じらいはどこだ、そろそろアメリカでは道路で裸になることは許されない』と人通りがあるなか言い争いになってしまう。
すると、騒動を聞き付けたホノルル警察が来やってきた。日本人への嫌悪感を隠さないホノルル警察の警官は村西とジミーに事情を尋ねた。アクションロマンスだと誤魔化すジミーだったが、警官はポルノの撮影だろうと疑い追及しようとする。
しかし、もう一人の警官が『帰してやれ』と言い、何やら耳打ちして笑い合う。そうして警官二人は村西とジミーを解放するが、警官の一人はさりげなくジミーの胸ポケットに折り畳んだ紙を入れるのであった。
踏ん切りがつかないアリソンに村西は向き合おうとする
その後場所を変えて撮影をする村西達。しかし、アリソンは『セクシーに撮れていない』と不満を言い現場に出てこなくなってしまう。怒り、強引に連れ出そうとする村西。しかし、そんな村西を順子が『黒木ちゃんとの撮影の時の様にアリソンともちゃんと向き合ってあげてください』と言って制止する。村西は順子の言葉に考え直すのであった。
一方その頃アリソンはマネージャーから必死に説得されるも現場に出ないと言い張っていた。『こんな作品じゃカムバックできない!』落ち目のアリソンは焦っていたのだ。生活や子どものため頑張らないといけないのは分かっている。しかし、それをかつての栄光とプライドが邪魔をし、葛藤していた。
そんなアリソンの元に村西がやってきた。アリソンを尊敬しているという村西の言葉を薄っぺらい賛辞だと思ったアリソンは鼻白むが、『男を悦ばせた数はハリウッド女優より君の方が上回っている』という村西の言葉にハッとする。
「そんな君と世界をあっと言わせたいんだ俺は」
全裸監督6話 「誇大妄想」
アリソンは村西が全力で向き合おうとしてきていることに気付き、こう答えた。
「プロの女優として監督の注文には応えるわ。がっかりさせないで」
全裸監督6話 「誇大妄想」
そして、前向きに撮影に臨むのであった。
トシはポセイドンの池沢が“裏”に手を出していると知る
一方、日本では古谷がトシを再び隠れ家に連れて来ていた。そこで古谷はトシに『池沢が“裏ビデオ”に手を出している』と教える。隠れ家ではポセイドンの“裏ビデオ”を扱っていたのだ。実はボカシ…モザイクの無い“裏ビデオ”の方が圧倒的に利益になり、池沢が日本ビデオ規制委員会を立ち上げたのは自らがクリーンであると印象付けるためでもあったのだ。
そして、その製作所はあえて外国人を雇っている。何故なら外国人を摘発してしまうと強制送還の費用が掛かるだけで見せしめにもならないため、武井(リリー・フランキー)の様な警察はあえて手を出さず見逃すのだ。カラクリを知って驚くトシに古谷は問う。
「なあトシ…池沢よりも上に行きたいか?」
全裸監督6話 「誇大妄想」
トシはその問いに『はい』と答えるのであった。
また、黒木香はサファイア映像にいる川田にギャラを返しに来ていた。作品が販売停止になっているためだ。そして留学費用を稼ぐためモデルとして働き始めていると香は語るが、川田は香が他者のアダルトビデオに誘われていることを察する。香は『撮影成功すると良いですね』と祈る様に言うのであった。
そして、遂にセスナを飛ばして空中のシーンを撮影する
『本当に空を飛ぶの?』…不安げにセスナを見ながら村西に尋ねるジミー。村西は本気で空中のシーンを取るつもりでいた。三田村達も『監督が言ったらやるんだ』と止めるつもりは一切ない。
『クライマックスは真珠湾海上を飛ぶセスナの中でアリソンが色仕掛けで敵から機密情報を奪い、殺す』というものだ。
マネージャーは止めるも、アリソンは笑ってやって見せるといった。
そして、本当に真珠湾の上をセスナで飛び、撮影が始まる。撮影中、『ファンタスティック』等、激を飛ばしながらアリソンを撮影していく村西。
望んでいた画が撮れた村西は突然服を脱ぎパンツ一丁になり、海上を飛ぶセスナの扉をこじ開け、服を投げ捨て外に向かって叫ぶのであった。
「やったぞおおおおっ」
全裸監督6話 「誇大妄想」
別れ際アリソンから受けた厳しい言葉、そしてFBIの突入…なんと懲役370年!?村西はホノルル刑務所へ
撮影を無事に終えた村西達は打ち上げパーティーをしていた。当初は何かと突っかかっていたジミーに突っかかっていた三田村もジミーにすっかり打ち解け、サファイア映像の面々は『一発逆転ホームラン決められた』と大変満足していた。
そんな中、村西に日本にいる黒木香から電話が掛かってきた。電話越しで村西の撮影が上手く行ったことを知り安心した様子の香は相談したいことがあると池沢から女優として誘われていることを村西に話そうとした。しかし、そこで村西にアリソンが別れの挨拶を言いに来たため、村西は掛け直すと言って電話を切った。
出来上がった作品に満足していた村西はにこやかであったが、アリソンはそうではなかった。勉強になったとは言いながらもアリソンは辛辣に『日本の業界は遅れている』と言い、村西に『今回の作品はあなたの自己満足でしかない』と告げる。あまりのキツイ物言いに傍らにいたジミーは困惑し通訳できないでいたが、村西も自身が手厳しく批判されていることが分かり、呆然とする。そして、アリソンはそのまま冷たく別れを告げ、帰って行った。
そして、アリソンを見送ったジミーに以前のホノルル警察署の警官が語り掛ける。辺りにはなんと FBI の隊員が大量に待機していた。
市街地で撮影した日、すぐに村西とジミーは解放されたが、ホノルル警察は見逃した訳では無かった。あの時、警官がジミーの胸ポケットに入れたメモには『グリーンカード(アメリカの永住権)が欲しければ協力しろ』と書かれていた。
ホノルル警察と FBI は反日感情が溢れる中、あえて村西を泳がせ、そして真珠湾が攻撃された日に日本人である村西を逮捕し手柄を上げようとしたのだ。
そして、この日がまさに、真珠湾攻撃の日であったのだ。
物々しい FBI 隊員の数に慄いたジミーは警官に『すぐに解放するという約束だったのに』とすがる。しかし、既にグリーンカード欲しさに村西を”売った”ジミーの言葉が聞き入れられるわけもなく、皮肉気に警官に『アメリカへようこそ』と言われたジミーはただ立ち尽くすことしかできなかった。
そして打ち上げパーティー真っ最中のホテルに FBI 隊員たちが突入する。取り囲まれるサファイア映像の面々。村西は銃を突きつけられ伏せられ、そして手錠を掛けられて連行されていった。
『真珠湾攻撃の日にFBIがポルノ監督を逮捕』…アメリカの新聞ではそう大々的に報じられるのであった。
逮捕された村西を日本のマスコミが取り囲む。『懲役370年と言われていますが?』というリポーターの言葉に呆然とする村西。
「370年…!?そんなの4回死んでも足りないじゃないですか」
全裸監督6話 「誇大妄想」
そして、三ヶ月後…ホノルル刑務所にひげボーボーで憔悴しきった状態の村西が収監されるのであった…。
以下、感想と考察
またもや窮地に陥る村西
4話、5話に続いて、また窮地に陥るところで終わったこの6話。しかも、今回は懲役370年!?もはや渇いた笑いが止まらない。毎回続きが気になる終わらせ方をするのも憎い。
見ていて楽しいハワイ編
しかし、このハワイ編、純粋に見ていて楽しかった。ぎらついた昭和後期の雰囲気も良いけど、やはり広々としたハワイの光景も良いものだ。
米本学仁が演じる現地のコーディネーター兼通訳のジミーも良かった。通訳がジワジワ来る。通訳が大体合ってるんだけど、日本人らしい気遣いをするせいでなんとも言えない感じになるところとか。
あと、ハワイで浮かれる順子さん可愛かった。
しかし、 FBI 突撃のとき、サファイアの面子以外はみんな冷静だったし、笑っている奴もいた。みんな事前に知らされていたのかな?だとしたらそれはそれで怖い。
日本でも様々な動きが
日本に残っていたトシと川田。トシがとんでもないホラを吹いてアリソンの出演を勝ち取ったと聞いた川田は吹き出す。結構とんでもない嘘なのに、慌てたり怒ったりしないで笑っちゃう当たり、『村西ならなんとかできる』と川田も信じていることがすごく伝わってくる。それなのに懲役370年…踏んだり蹴ったり過ぎる。
そして、今回池沢が”裏ビデオ”に手を出していることが発覚。その手口の巧妙さと言ったら。村西を助けるため、トシが古谷と悪魔の契約を交わすことがほぼ確定してしまって辛い。そして、武井警部も『蝶々が一番大きくなるのを待つ』と意味深な発言。色々と目を離せない。
果たして、ハワイでの”懲役370年”。この窮地を村西はどう脱するのか…。
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