【漫画】夫の扶養からぬけだしたい(ふよぬけ)【ネタバレ・各話あらすじ】専業主婦の挑戦と飛び出す夫のモラハラ発言集

夫の扶養からぬけだしたいの表紙

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「収入がないと何も言えないの?」
家事・育児をめぐり険悪になる夫婦。
夫つとむから「僕と同等に稼いでみなよ」と言われた専業主婦のももこは離婚を視野に入れ、経済的、社会的に自立すべく、夫の扶養からぬける年収201万円を目指すのであった…。
そんな、ゆむい氏の漫画『夫の扶養からぬけだしたい』、通称『ふよぬけ』のネタバレ・あらすじを紹介していきます。

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Contents

ふよぬけの登場人物・キャラクター

ももこ

専業主婦。かつては漫画家になることを夢見てアシスタント等として働いていたが、長男たるとの出産・育児を機に断念。
その後、専業主婦としてパートをしつつ家事・育児に専念するも疲弊していく。家事の質について文句を言う夫つとむに『家事・育児が負担であること』
『協力してほしいこと』を訴えるも理解してもらえず、収入を盾に威圧的な態度を取られたことから、『夫の扶養を抜ける稼ぎを得ること』を目標に模索し始める。また、離婚も視野に入れ始める。

色々と悩んだ末、在宅で再びイラストの仕事を受けるようになり、少しずつ収入を得るようになる。苦労しながらも目標の年収201万円を達成する。
つとむに離婚を突き付けようとした直後に、つとむが交通事故に遭い、その最中で夫婦関係を見直した結果、葛藤しながらもつとむとは離婚ではなく再構築を選ぶ(自身でも情に流されたことを認めている)。
イラストレーターという職と収入を得たことで自信をつけ、つとむにも言いたいことを言えるようになった。

つとむ

転勤族で激務のサラリーマン。かつてはももこに優しく、紳士的で、漫画家を夢見るももこを尊重していた。しかし、漫画家を断念した上に、家事を完璧にこなせないももこを軽蔑している。
また、職場では仕事を押し付けてくる上司と後輩の間で板挟みになっており、そのストレスをももこにぶつけるように、家事の粗を探し、嫌味を言うようになる。
そのため、ももこから家事が辛いから分担してほしいと頼まれた際も、『ただの甘え』『社会人失格』とももこの能力不足・努力不足が問題であるとし、
『僕と同等に稼いでみなよ!!』というこの作品の名セリフを言う。その他、多彩なバリエーションの嫌味・罵倒をもってしてももこを傷付け、やる気を削いでいく。なお仕事は激務だが、自分の用事や飲み会の際には早く上がる等している。

作中終盤で交通事故に遭い、休職、自宅療養の身になる。その際に、ももこの一日と家事・育児の大変さ、現実を知ることとなる。その後のももことの話し合いの中でも『自分の発言は間違っていなかった』『会社が悪かった』等と言い訳を繰り返したものの、反省はしているようで、復帰後は激務ではない別の部署に異動し、ももこに対して穏やかな態度を見せ、家事・育児を分担するようになった。実は料理が得意。

エミ

ももこの親友。独身でバリバリと仕事をこなすキャリアウーマン。
ももことつとむの夫婦関係や、ももこの仕事観について辛辣な意見を言う。
特に、つとむについては『何故、そんな男と結婚したのか』『結婚する前に本性を見抜けなかったのか』『そんな夫必要か?』『仮にももこが同額稼ぐようになってもつとむは変わらない』等とももこに離婚を強く推奨する。
(全体的に2chの家庭版の様な意見を繰り返す)
内心ではつとむの様な男と結婚してしまったももこに呆れており、『自分はけっしてそんな男と結婚しない』と思っている。

一方で、仕事をしようとするももこのことを心から応援し、求人サイトを紹介したり、希望する働き方や本当にやりたいことをしっかりと考える様に後押しする。ラストで離婚ではなくつとむと再構築をしたももこの選択に『納得できない』と述べたものの、今後もももこを見守り応援する姿勢を示した。

ひとみ

ももこの親友。結婚・出産後も同じ会社で働き続けているワーキングマザー。
過激な意見を言うエミに比べて穏やかで現実的な助言をする。
ひとみ自身の家庭には大きな問題は無いものの、子どもが病気になったときに仕事を休むのが必ず夫ではなく自分であることに不満を抱いている。

仕事を始め、家事の両立に悩むももこに家事代行サービスを勧める。
ラストでつとむとの再構築を選んだももこの判断に理解を示す。
ひとみ自身も夫と話し合い、夫に以前よりも保育園と関わってもらえるようになった。

ももこの母

古い価値観の持ち主。ももこの父親にベタぼれして結婚した経緯があるが、威圧的で支配的なももこの父親からは些細なことから頻繁にDVを受けていた。
そのことについて『黙っていれば丸く収まる』と言い、ももこに口止め。更に、ももこが暴力を振るわれるようになっても黙認していた。
ももこの相談に対しても『子どもが小さいのに無理して働く必要は無い』『妻は下手に出て夫を持ち上げなくてはならない』等、屁のツッパリにもならない役に立たない助言しかできない。

ももこの父

威圧的、支配的な男性。男尊女卑的な古い価値観の持ち主。
『男女平等はあり得ない。女は感情的で仕事に向いていない。男は外で仕事、女は家事・育児をするべきだ』『女は1人で生きてはいけない』と述べる一方で、『しつけ方は男女平等だ』と言いながらももこに些細な理由で手を上げていた。

つとむの上司(部長と課長)

部下の抱える案件や家庭・プライベート等を一切考慮せずに、仕事を押し付ける鬼畜の様な上司二人。仕事量についてつとむが抗議しても、自分達の若い頃の話を引き合いにして、『後輩達に示しをつける様に』とつとむに無理矢理仕事を割り振る。つとむが交通事故後、異動した後もそういった姿勢に変化が見られず、それを見たつとむの後輩山田はやる気を出すどころか転職を意識するようになるという皮肉な結果を導いた。

山田

つとむの会社の後輩。
つとむの仕事振りを尊敬していたが、つとむに理不尽な仕事の振り方をする上司や会社に疑問を抱いている。
つとむが事故に遭った現場に居合わせており、事故直後にも関わらずつとむが出社しようとしたことをももこに語る。
一連の出来事から最終的につとむと会社の姿勢に尊敬どころかドン引きし、転職することを決意する。

以下、各話あらすじ、ネタバレ

収入がないと何も言えないの?~家事・育児をめぐり険悪になる夫婦「僕と同等に稼いでみなよ」

専業主婦のももこはかつては漫画家になることを夢見ていた。

24歳の時に年上で優しく真面目で紳士的なつとむと結婚した。ももこはつとむを深く愛しており、幸いなことにすぐに子どもも授かる。しかし、息子たるとを出産を機に、育児に追われてしまい、漫画家になる夢を諦めた経緯がある。

その後、つとむに促され、息子が1歳過ぎた頃にパートを始めたももこ。しかし息子が急に体調を崩すことも多く、思い通りに勤めることは難しく、稼いだ額は非定型保育の保育代に消える。その上、つとむからは家事の質が落ちたことを責められてしまう。

「昼間何してたの?」「主婦でしょ?」

夫の扶養からぬけだしたい ゆむい 11/207

そう詰るつとむに、ももこは『パートで疲弊して家事全てを担うことが負担に感じること』『働き始めたのだから少しは家事を手伝って欲しいこと』を伝える。保育園の送迎を含め、家事全てももこが担っていたのだ。
しかし、つとむは『自分は朝から晩まで働いている』と怒り、ももこが稼いだ総額を聞くと、溜息交じりに

たった40万の収入で「共働き」って堂々と言えんの?」「パートって責任を負わなくていいし気楽でいいよなあ」

夫の扶養からぬけだしたい ゆむい 12/207

そう吐き捨て去ってしまった。つとむの言葉にショックを受けるももこ。
しかし、その言い争いの直後、夫の転勤が決まりパートを辞職。専業主婦に戻ったため、この件はうやむやになってしまうのだった。

夫つとむの転勤について行って3か月。再びパートを見つけようとするももこであったが、転勤先は保活激戦区で難しそうだと感じるももこ。
また、息子たるとは2歳になり活発になったことで、家事・育児の疲労も増えていく。
そのため、再びつとむに『私一人で家事育児を全部こなすのは難しく辛いから助けてほしい』と正直に、下手に出てお願いをする。しかし、つとむは
『「助けて」といって助けてもらえるなんてことは社会ではない』『考えが甘い』と嘲笑う。
それでもなお、精神的な疲弊を訴えるももこに、つとむは次の日曜日に自分が家事・育児をこなしてみせると言い

「その代わり僕が一人でできるって証明できたら次からその通りに動いてもらうからね!」

夫の扶養からぬけだしたい ゆむい 22/207

その言葉に深く傷つくももこ。そんなももこにつとむは『僕が家事をできてしまうことが怖いのだろう?』『いつも手を抜いているだけなんじゃないのか?』『働く自分のキャリアへの理解が無い』と恫喝を続ける。

夫の心無い発現の数々に、ももこは悲しみながらも考える。確かにつとむは激務だ。しかし、飲み会や自分の用事がある時は普通に仕事を早く切り上げている。だが、ももこや家庭のために時間を割いてくれることがない。そのことがももこの不満の根源なのだ。
ももこは全てを『ももこの能力不足・努力不足』ということで片づけようとするつとむに強い怒りを覚えて言う。

「協力してってお願いしてるだけなのに、私の否定までしなくてもいいでしょ!!」

夫の扶養からぬけだしたい ゆむい 24/207

するとつとむは言い放った。

「そんなに家事ができないって言うなら、僕と同等に稼いでみなよ!!」

夫の扶養からぬけだしたい ゆむい 24/207

このつとむの言葉をきっかけに、ももこは働くことを強く意識するようになるのであった。

友人のエミとひとみに相談するももこ~自身の社会的信用が夫の上に成り立っていることを理解し…自立を決意する

ももこには親友が二人いる。
独身でバリバリと仕事をこなすエミ。
結婚・出産後も同じ会社で働き続けるワーキングママのひとみ。

ももこは二人につとむとの言い争いについてや、働くことについて相談する。
エミはつとむの人間性に疑問を持つような発言をする。
ひとみが、つとむが息子たるとにとって良い父親であることを上げ、フォローするもエミは
『仮にももこがつとむと同額稼ぐようになってもつとむは家事を分担しないのではないか』『離婚は考えていないのか』と言う。
エミの発言で離婚も意識するようになったももこ。しかし、同時に収入が無ければそれも出来ないこともよく分かっていた。

一方、つとむは会社で働きながら、ももことの言い争いについて考えていた。専業主婦で時間がたっぷりあるにも関わらず、家事ができないと主張するももこに怒りを覚えつつも、『明日ならば早く帰れるだろうか…』等と思っていたその時。上司から本来ならば自分の担当ではない業務を無理矢理振られてしまう。さすがに上司に抗議するつとむだが、
『自分の若い頃はもっと大変だった』『後輩達に示しをつけろ』等不毛な理屈をこねる上司に諦めて仕事を受けることにする。
結局、そのことでストレスを溜めたつとむは、帰宅後まるで家宅捜索をするかの様に、ももこの家事の粗探しを始め、文句を言う。
そして謝るももこに対して

「なーんか不満そうだけどさぁ」「僕に対する反骨心で家事をやってみればいいじゃん」

夫の扶養からぬけだしたい ゆむい 42/207

と文句を言う。

「なんで配偶者が障壁なの?」「もう疲れた。つとむさんと一緒に生活するのが辛い」

夫の扶養からぬけだしたい ゆむい 42/207

ももこは既に、つとむの存在自体がストレスに感じるようになっていってしまった。

翌日、衝動的に団地の案内所に行ったももこ。専業主婦で無職のももこが自分の名義で団地を借りられるのか否かを知りたかったのだ。
しかし、担当者からは『契約者の月収が家賃の4倍あることを証明できなければならない』と言われてしまう。例えば家賃が5万円なら、月収は20万円必要なのだ。
案内所をあとにしたももこは、現実の厳しさと、専業主婦である自身の社会的信用は夫であるつとむの上に成り立っているものであることを痛感する。
生命保険のプラン見直しの際も、FPの態度からそれを感じたこともあった。
幸せな夫婦・家庭ならばそれで良かったのかもしれないが、既にももこは夫への信頼・愛情を無くしていた。
自身の尊厳のためにも、金銭的に社会的に自立したい!そうももこは決意するのであった。

ももこ、つとむのそれぞれの過去~幼少期、生い立ちと思い

ももこの両親は同じ職場で働いていて出会った。父に惚れていた母は、父の転勤先について行き結婚し専業主婦となった。
しかし、父は威圧的・支配的な性格で、常に母やももこに対して男尊女卑的な持論を繰り返していた。
『男は仕事、女は育児。男女平等はおかしい』そう言う一方で、『しつけに男も女も関係ない、男女平等だ』と言い、母やももこに些細なことですぐに手を上げていた父。
母はそんな父の暴力について『黙っていれば丸く収まる』『下手に出ておきなさい』と、ももこに口止めしていた。
そんな家庭であったことから、ももこは実家を好きではなかった。そして母も、ももこがつとむとの関係について相談しても下手に出てつとむを持ち上げた方が良い…といったようなことしか言えない。
ももこには頼れる、帰れる実家が無いのだ。

一方、つとむの両親は小さな洋食店を経営しているものの、貧乏であった。
しかし、つとむは貧しいながらも一生懸命働く両親を尊敬しており、とくに妊娠中、出産直後も働き続け、常に清潔を心掛けるしっかりものの母親が好きだった。
貧しさから逃れるため、一生懸命勉強しそこそこの大企業に勤めることが出来たつとむ。
ももこと出会った時は、真面目で大人しいものの、漫画家を目指すという熱い志と、自分には無い才能と感性を持つ彼女を尊敬し惚れた。
しかし、つとむが応援していたにも関わらず、ももこは子どもが出来たことを理由に夢を諦めてしまった。そんなももこにがっかりし、見損なってしまったつとむ。
それならば、せめて家事を完璧にするか、働くかしてほしいのに、ももこはそのどちらもの満足にできない。何を言っても中途半端なままで、不満そうな態度を取るももこに
『誰のおかげで生活できると思ってるんだ』と考えてしまうつとむ。ももこは甘えている、自分はただ普通に幸せな生活を送りたいだけなのにと。

仕事を探すももこ、働きたいのに働けない!?~やりたいことと、やれること、再び絵を武器に戦うももこだが…

求人誌を見ながら悩むももこ。数日前に市役所の保育課へ行って話を聞くも、現在住んでいる地域は保活激戦区。
求職中の状態で2歳児を保育園に入園させるのは厳しいと言われてしまう。そして求人誌を見て良さそうなところに電話を掛けるも
『保育園が決まってから』『子どもの病気を理由に休まれては困る』『繁忙期は残業がある』等々と断られ続けてそもそも面接に漕ぎつけることも出来ない。

そんなももこの様子をみたつとむは

「仕事なんて選ばなきゃいくらでもあるでしょ?」「あれはいやだこれはできないって仕事を選ぶなんてわがままだよ」

夫の扶養からぬけだしたい ゆむい 80/207

と吐き捨てる。そんなつとむの態度に愕然とするももこ。働くことに希望を持つことすらわがままと言われるのか?息子を抱えながら保育園のことも考えて条件を見ているだけなのに…と。一方つとむは、そんなももこを『夢を捨てたくせに仕事にやりがいを求めるなんて贅沢だ』と軽蔑していた。

そんな夫と同じ空気を吸いたくなくて、息子たるとを連れて散歩をすることにしたももこ。偶然エミと遭遇する。
エミに仕事を探していることを正直に話したももこ。辛辣な意見が来ることを覚悟したが、意外にも
『興味が無い仕事をしても続かない』『子育て中だから選択肢が少なくはなるが、その中でやりたいことを探すこと自体は何も悪いことではない』と言う。
ただし、ももこの仕事の探し方にはダメだしをし、子を持つ母親に特化した求人サイトがあること等を紹介しつつ、
『いろいろな働き方があることを視野に入れること』『ももこが本当にやりたいことを考えるべき』だと後押しをする。

そして、『漫画を描いていた経験を活かすことはできないのか』とももこに問う。
それに対してももこは以前子育てとの両立の難しさから諦めた経緯を話すが『以前と同じ業務を目指す必要はないのでは?』とエミは言った。

エミとの対話を通して、ももこは息子を保育園に入れるのを諦めて、在宅で絵の仕事を始めることを決意する。
技術と経験があるためスタートは切りやすく、雑誌掲載にこだわらず出来そうな仕事を受けていくことに決めた、ももこ。

しかし、夫つとむはそんなももこに強烈なダメ出しをする。

「母親なのに何夢見てんの?」
「君の夢にそんな価値はあるの?」「ももこはマンガで結果を出せなかった。人生を失敗した。また失敗するの?」

夫の扶養からぬけだしたい ゆむい 89、91/207

そしてそんな風にももこが自由に夢を追えるのは自分が家庭と生活を支えているからこそで、自分ばかりが責任を負い、不自由している…そうつとむはももこを批判する。

しかし、そんな風に非難ばかりするつとむに対して、ももこ自身も家事・育児で家庭と生活を支えてきたことを伝え、

「まるで私が仕事で苦しむのを望んでるみたいだよ?」

「あなたは『選ばなければ仕事はいくらでもある』って言った。逆だよ…選べないんだよ。」

「子どもがいて、時間に融通がきかなくて大した資格もなくて、あなたの仕事の都合ですぐ辞めるかもしれない」

「そんな立場で私が仕事を選り好みしてると思ってるの?」

「今の私にはこれ(絵)しか残っていない」

夫の扶養からぬけだしたい ゆむい 96-97/207

そして、自分ばかりが責任を負い不自由で辛いと述べるつとむに
『お互いに経済的に自立すれば、プレッシャーから解放されること』『夫婦で支え合って生きるか。離婚して双方しがらみから解放されるかを選ぶことが出来ること』を伝える。

突如、ももこの口から出た『離婚』という言葉に動揺するつとむ。ももこの意見を滅茶苦茶だと言うが、ももこはとにかく働く、できる所までやると譲らなかった。
勝手にしろと吐き捨てるつとむ。

ももこは内心、不安で仕方が無かったが覚悟を決める。SNSを通して戦略を考えていくと、意外にもすらすらとアイデアが浮かんできた。ももこはやはり、この業界が好きだったのだ。しかし、無名のイラストレーターになかなか良い仕事が舞い込むことはない。無料や非常な低価格を求められることも多く、線引きに苦悩もする。限られた時間の中で家事と育児をこなしながら、必死にイラストを描く日々が始まるのであった。

仕事が軌道に乗り始めるも、家事との両立に苦しむももこ。家事代行を頼んで分かった、『本当に望んでいたこと』は…?

イラストレーターとして働き始めて一か月後、総額3万円を稼ぐことができたももこ。わずかな額だが、ももこは喜びを覚える。
そして、夫の扶養を抜ける201万円を目標年収にすることを決める。

それから毎日作品をアップし、苦手な営業も行い少しずつ取引先を増やしていく。収入も少しずつだが増えていった。WEB漫画の隆盛にも助けられる。
結局、息子たるとを保育園に入れることは叶わず、諦めて幼稚園の申し込みを済ませた。

しかし、仕事が増えた反面、当然家事にしわ寄せが行く。

「あのさー、主婦業もロクにこなせないのに仕事を優先しないでよ?」
「まだ結果が出てないんだから、ももこがやってるのはただの『趣味』」

「主婦は趣味に没頭していい立場じゃないよ」

夫の扶養からぬけだしたい ゆむい 115-116/207

相変わらず、皮肉と文句しか言わない夫、つとむ。しかし、ももこも黙ってはいない。

「パートの時から思ってたんだけど、稼いだ額で上下関係を作ろうとするのやめない?」

夫の扶養からぬけだしたい ゆむい 116/207

ももこの反論に驚いた様子のつとむだったが、自分は事実と正しいことしか言っていないと言う。ももこがまずするべきなのは家事であり、専業主婦としての義務を果たすべきだと強く主張する。
そんなつとむに『何を言ってもダメだ』と諦めるももこ。収入を増やしたくても家事に邪魔をされてしまい、尚更家事を苦痛に感じる負のループにはまってしまうのだった。

数日後、ももこは親友のワーキングママのひとみに、家事で苦しんでいることを相談していた。
ひとみはももこに『両立を目指すのではなく、他の手段を考えてみた方が良い』と助言する。例えば、断捨離でものを減らすことを提案する。
そして『お金で解決できることはお金で解決すること』と、家事代行サービスを勧めてきた。

家事代行に対してお金が掛かるのでは…?と躊躇するももこに対してひとみは、意外とお手頃な価格であることを伝え、一度試してみれば何か収穫があるかもしれないと優しく諭す。

その後、悩んだものの、お試しで家事代行サービスを頼むももこ。やってきたスタッフは感じの良い女性だった。
部屋が荒れていることを恥ずかしがりながら伝えると、スタッフは笑顔で任せてくださいと答えた。その瞬間、思わずももこは泣き出してしまった。
ももこはずっと夫つとむに家事について責められ続けていたため。『任せてください』と言われただけで、気持ちが楽になり、救われたのだ。

そして、ただ部屋を片付けてもらうだけでなく、スタッフとともに片づけを行い、コツを教えてもらう。
たった2時間で部屋はキレイで居心地が良くなった。しかし、それ以上に『誰かに精神的に助けてもらいたかった』ということに気付いたももこ。

家事代行サービスを頼んだことについて、案の定嫌味を言う夫つとむ。話せば話すほどつとむとの心の溝が深まるのを感じるももこ。しかし、もうつとむのために感情を揺さぶられまいと決意するのだった。

年収201万円を達成したももこ、交通事故に遭うつとむ

時は流れ、4月春。息子たるとの幼稚園の入園式。園の前で微笑み、写真を撮るももこ、つとむ、たるとの3人。
ここまで長かった…と振り返るももこ。幼稚園選びや準備も『ももこがメインで送迎やイベントに参加するのだから好きにしていいよ』と言って、つとむは結局ももこに丸投げだった。
そんな夫に呆れるももこ。今思えば、息子たるとが生まれてからずっと孤独を感じ続けていた。つとむにプロポーズをされた日のことを思い出す。小高い山で星座を眺めながら『ずっと一緒にいようね』といってくれたつとむ。しかし、一緒にいたけど一緒じゃなかったと今となっては思うのだ。
仕事が忙しいのは理解できるが、帰宅すると酒を飲んでテレビを見てももこと対話をすることも無い。話をすると、必ずももこが責められるだけ…そうつとむとの結婚生活を振り返るのだ。

お試しをして以降、家事代行を定期的に頼むようになったももこはスタッフに家事の技術を教えてもらった結果、部屋を清潔に保てるようになった。そして、息子の幼稚園で園の先生や他の家族との交流が生まれ、日々の閉塞感が無くなって行った。
そして、息子が園に行っている間精力的に働いた結果、念願の年収201万円を達成することが出来たのだった
喜ぶももこ。ここまでの道のりは辛いことも多く、まだ決して余裕があるとも言えない年収だ。しかし、精神的にも経済的にも自立できるたことを実感できる。
もう、夫つとむとの関係を終わりにすることも見えてきたのだ。

ももこが年収201万円を達成した日の翌朝。ももこは笑顔で出社するつとむを見送る。機嫌が良いももこに、専業主婦はいいよなと嫌味をいいながら出社するつとむ。
その日はいつも以上に出社が嫌で仕方が無かったのだ。会社や上司への不満で一杯になりながら、横断歩道を渡るつとむ。すると、信号は青だったのだがスマホ運転していた車がつとむに突っ込んで来た。つとむは車に轢かれてしまう。

つとむが事故に遭ったことを聞きつけて、息子たるとと共に病院へ駆けつけるももこ。命に別状はないものの血塗れで横たわる夫の姿に動揺し、同時に夫つとむに泣きながらすがる息子たるとの姿を見て、自分が離婚を考えるにあたって『息子たるとの気持ちを一切考えていなかったこと』に気付く。

そして近くに居合わせたつとむの後輩山田から、つとむが車に轢かれた直後も、血塗れになりながらも出社しようとしていたことを聞く。山田はつとむが会社から異常な量の仕事を割り振られていたことを語る。思っていた以上に酷いつとむの労働環境に驚くももこ。しかし、だからといって今までの言動を許せる気にはならなかった。

医師の診察の結果、肋骨2本にひびが入っていることが分かったつとむ。
つとむはももこに『仕事を辞めていいか?』と初めて弱音を吐く。それに対し『辞めたいなら辞めてよい』と返すももこ。ももこの返答につとむは驚くのだった。

待合室で落ち込むももこ。ようやくと離婚を決意で来たにも関わらず、タイミング悪い事故。さすがにこのタイミングでつとむを突き放すことは出来なかったうえ、息子たるとの気持ちを考えてこなかったことに気付いてしまった。悩むももこは、夫の後輩山田から、夫の会社のことをもっと詳しく聞くことにした。

休職中の夫つとむを支えるももこ…そして離婚届を突き付ける

肋骨2本にヒビが入ったつとむは、入院ではなく自宅療養となった。
それから5日ほど経った。事故の加害者、警察、保険屋との対応を全て一人でこなすももこ。つとむは休職中の身となった。
ももこはつとむの今後を考える。こういう非常事態にこそ、家族の本質を問われるのかもしれない…全てを一手に担うことになり、神様か何かに試されているような気分になる。

要領よく家事を済ませ、イラストの仕事に取り掛かるももこ。ももこの手際の良さに驚いた様子のつとむ。夕方、息子が幼稚園から帰宅すると、片付いていたはずの部屋は一瞬で散らかった。さっきももこが片付けたばかりなのに…と唖然とするつとむ。するとももこは以前つとむに押し付けられた町内会の集まりに行ってくると告げ、去り際に皮肉な笑みを浮かべて言った。

「あ、そうだ…私の一日、悠々自適で羨ましい?」

夫の扶養からぬけだしたい ゆむい 159/207

ももこの言葉に困惑し何も返せなかったつとむ。一方家から出たももこは酷いことを言ってしまったと自己嫌悪に陥るのであった。
一連の出来事に疲弊しているももこ。つとむが事故に遭い、いざ自分一人で家族を支えなければならなくなると、強いプレッシャーを感じた。しかし、それは以前つとむが感じ続けていたものなのだ。
落ち込んでいる場合ではない。ちゃんとするべきことをして、そして、最後はつとむと話し合わなければならない…ももこはそう決意するのであった。

一方つとむは焦っていた。寝て体を回復させなければならないのに、会社のこと仕事のことばかり考えてしまい眠ることができない。寝ていられなくなったつとむは食器を洗い始める。そんなつとむを見て驚くももこ。寝てるように促すも、つとむは暇だから…と申し訳なさそうに食器を洗い続ける。しかし、そのつとむの態度はももこの神経を逆撫でするだけだった。どうせ今だけだ、自分の立場が弱くなったからご機嫌とりをしているに過ぎないと。

その後も言葉からトゲが抜けて穏やかな態度が続くつとむ。息子のたるとも事故後からパパであるつとむにベッタリ甘えるようになった。やはり息子がつとむを慕っていることを感じ悩むももこ。
しかし、ももこはつとむに自身の稼ぎが扶養の範囲を越えたことを告げ、復帰後会社でももこを扶養から抜く手続きをするように伝える。 
驚き、すぐにももこの言葉の意味を理解出来ないつとむ。そんなに稼いだのか…と信じられない様子だ。

「お…おめでと…う…?」「そうか…頑張ったんだ…ね」

夫の扶養からぬけだしたい ゆむい 170/207

戸惑いながら書類を受けとるつとむ。そんなつとむにももこは離婚届を差し出しながら叫んだ。

「そうだよ…頑張ったんだよ、ここまでくるのに時間もかかった」
「なんで私がここまで頑張ったかわかる!?」171
「あの時の『自由の意味』を決める時だよ」

夫の扶養からぬけだしたい ゆむい 171-172/207

つとむは脱力したように離婚届を見つめ、答えた。
自分が頑張ってきたのは全部家族のためだった。それを家族に理解してもらえないのは辛いと。

しかし、ももこは反論する。つとむからの発言の数々を思い出しながら

「笑わせないで、私はっ家族をないがしろにされたみたいでずっと…ずーっとつらかったよ」
「あなたが今まで言ってきた私の尊厳を踏みにじるような発言、謝ったって何したって取り消せないんだからね!」

夫の扶養からぬけだしたい ゆむい 173/207

だが、ももこのその言葉に、つとむは『今でも自分の発言の全てが間違っているとは思わない』と反論する。今までの会社では実際に家事・育児を分担するのは不可能であったと弁解する。そのため、転職を考えていると言うのだ。

全て会社が悪かったかのような言い方をするつとむの弁に苛立ちを覚えるももこ。ももこは仮につとむが転職しようがしなかろうが自分は仕事を続けるつもりだと告げる。それはももこ自身の為でもあるし、互いが家族に縛られずに自由になるためでもあると。

「家族を負担だと思わないで」

夫の扶養からぬけだしたい ゆむい 176/207

今までのつとむの言動は絶対に許せないし、この先も忘れられないということを改めて伝えるももこ。しかし、ももこ自身もつとむのことを知らなさ過ぎた。夫の後輩の山田から聞いて、初めてつとむの置かれている立場、苦しみを知ったのだ。互いに互いを知ろうともしなかった二人。

「僕たちもっと時間を作ろう」

夫の扶養からぬけだしたい ゆむい 178/207

涙を流すももこにつとむはそう言う。
二人は歩み寄ることを決意するのであった。とりあえずつとむは体を治すことに専念して、それからゆっくり今後のことを考えることに。それまでは貯金とももこの収入で生活をしていくことに決めた。

ももこは一人になって考える。正直、夫つとむへの愛情なんてないのかもしれない。離婚しないのもただ度胸が無いだけなのかもしれない。しかし、まだつとむとの未来に望みがあると信じたかった。そして、『夫の扶養から抜け出したい』『離婚したい』と考えていたが、結局は夢に向き合えなかったことを後悔していて、自分に自信を持ち、強くなりたかっただけなのだと自身を振り返るのだった。
(明らかにももこは問題をすり替えている。)

ラスト~再構築を選んだ、ももことつとむ

結局夫つとむは怪我からの復帰後、転職せず、同じ会社の別の部署へと異動となった。激務ではない今の部署に異動して以降、穏やかになり、台所に立つようになるつとむ。実家が洋食屋であったため、一通り料理が出来るという。実際に出来上がった料理は美味しく驚くももこ。
(結婚6年目で初めて知った…というが、さすがにおかしいのではないか?今までつとむは一度も料理しなかったの?料理が得意という話もしなかったの?)

今は上手くやっていけているが、一時的なものかもしれない…。こんな風に警戒している状態は本当に幸せなのかも分からず、前進しているどころか、後退しているのではないか…そう思うももこ。しかし、つとむとの関係は少しだけマシになったと思いたいのであった。
ある日、部屋用の簡易なプラネタリウムをクローゼットから取り出したつとむ。部屋を暗くして親子三人で楽しむ。今度は星がキレイに見えるところへ旅行しよう…そんな他愛ない会話にももこは確かな幸せを感じるのであった。

一連の出来事や、夫つとむと再構築することを親友のエミとひとみに伝えたももこ。エミは納得できないと正直に言い、『情が湧いただけではないか』と指摘する。ももこは否定できない。ひとみはももこの選択に理解を示し、最近自身も夫と話し合い、夫にも仕事を調整してもらい、『保育園への顔出し率』を上げてもらっていると語る。
ももこは改めて、そんな二人に精神的にボロボロな時期に支えてもらったことの感謝を伝えるのであった。

一方、つとむの会社の後輩山田は、車の中でスマホを眺めながら考えていた。今まで、バリバリ働くつとむの姿に憧れ尊敬していた。しかし、事故直後もうなされるように仕事へ向かおうとしたその姿に、ドン引きしてしまったのだ。つとむが抜けた後も会社の姿勢は何も変わらず、上司達は社員の事情等に配慮することなく、仕事を無茶な振り方をしている。
つとむの様になりたくない…ハッキリそう感じた山田。転職…起業もいいかもしれない…そう考えて、前向きに今の会社に見切りをつけようとしているのであった。

その後の話

ワイドショーを見るももこ。そこでは芸能人夫婦の離婚が大々的に報じられていた。『価値観の違い』が原因だとされたその離婚。
『価値観の違い』…その言葉について、以前のももこだったらきっと軽く考えていた。しかし、自分が大事にしているものを相手に理解してもらえず、尊重してもらえないことの辛さが今では十分に分かるのだ。
ももことつとむ。今は互いに互いが大事にしているものをちゃんと尊重し合えているか…考えるももこ。

年中になった息子、たると。もうすでにランドセルのカタログが幼稚園から配布される。ランドセルに限らずこれからも出費が増えていくことだろう。それにも関わらず『増えた収入で生活を潤わせよう』と言うつとむに苛立つももこ。増えた収入は貯蓄に回すと宣言し、つとむを黙らせる。

夫の扶養を抜ける年収201万円を達成したももこ。しかし、それをキープし、更に増やすためには立ち止まらず常に走り続けなくてはならない。一方で育児に掛かる費用は嵩み、ついつい息子可愛さに必要以上の出費をしてしまう日々。
しかし、延長保育料の補助等、少しずつ整っていく子育て、働く母親支援の制度に助けられもしていく。そして、何よりも仕事に熱意をもって取り組める日々。

扶養を抜けて感じたのは、責任を負う事への緊張感と自由を手にしたことの解放感であった。ももこは今日も筆を取り、張り切って机に向かうのであった。

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まとめ

無事に年収201万円を達成したうえ、夫つとむとの再構築を果たしたももこ。ハッピーエンド。しかし、それまでの夫つとむのモラハラ発言が凄すぎて、個人的に色々と思うこともあり、感想はまた別の記事に書いてます。

感想記事はこちら
【漫画】夫の扶養からぬけだしたい(ふよぬけ)【感想・ネタバレ】~すっきりしない、モヤモヤが残るラスト・結末

まあ、働いて家庭・育児とは違う世界を持つのは良いことだと思います。

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2件のコメント

  1. 読ませていただきました。どうもありがとうございます。
    他の漫画ネタバレサイトは文章力が壊滅的になくてわかりづらかったり全くまとまっていなかったり、そもそもネタバレをしていなかったりと不満だらけなものばかりな中、こちらはまさに「まとめ」で文章もものすごくわかりやすく、きちんと結末まで記しておられて初めてまともなネタバレサイトに出会った気分です。
    せめてものお礼にと広告をクリックさせていただきました。
    今後の更新もたのしみにしています。
    (私もこの漫画の結末にはモヤモヤしますが、酷いことがあってもなぜか再構築する夫婦は結構いますものね。私もこの漫画の広告を見たときは「モラハラ夫にリベンジしてカタルシスを感じるタイプのコミック」かと思ったのですが、違いました)

    1. 漫画好き 様

      実際に離婚となると色々と大変ですし、多少なりとも情が残っていればやはり再構築というのが現実なのでしょうね。
      コメントありがとうございます。最近はほぼ更新していなかったのですが、またぼちぼち更新していきたいと思います。

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