【漫画】モンキーピーク2巻【感想・ネタバレ・考察】続く猿の襲撃~誤解から疎外、拷問される早乙女

モンキーピーク2巻表紙

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前巻までのあらすじ…薬害疑惑から経営が大きく傾いた藤谷製薬。騒動後就任した社長の元、40人の社員達は団結を深めるべく『しらび山』に一泊二日の登山にレクリエーションのためにやってきていた。しかし、一泊目の夜、ナタを持った猿の様な化け物が社員達を襲い4名が殺害される。携帯電話を奪われ外部への通信手段がない藤谷製薬社員達は下山を目指すも、襲撃を受け続け死者は18名になってしまう。更に下山コースも偽装され、下山できず野営を余儀なくされる社員達。野営中も猿に襲撃され、今度は経理の女性社員辻も遺体となって発見される。しかし、主人公早乙女の友人宮田は辻の遺体に違和感を持ったようで…。

前巻の記事はこちら
【漫画】モンキーピーク1巻【感想・ネタバレ・考察】怒涛の展開!会社のレクリエーション登山が一転…サバイバルホラーの惨劇へ!!

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Contents

あらすじ・ネタバレ

第11話 前岳⑦~辻(経理53歳)は猿ではなく社員に殺された??社長と安斎に相談する早乙女達

夜が明けたのち、他の社員達とは離れた場所で、主人公早乙女(営業23歳 黒髪ツンツン頭)と友人宮田(営業23歳 茶髪のイケメン)は社長の富久(54歳 ひげが特徴的)と法務の安斎(34歳 非常に体格が良い)、庶務の林(21歳 茶髪ボブヘアの美人)と話をしていた。早乙女と宮田は辻は猿ではなく社員の誰かに殺されたのではないかと疑っていたのだ。猿はナタや弓といった武器を持っていたにもかかわらず、辻は石で撲殺された様子である。最初に辻(経理53歳 柴田理恵風の鼻の穴が特徴的な女性)の遺体を発見した林も、鈍い音を聞いたと証言する。早乙女、宮田の推測が正しいと判断する安斎。

「この中に殺人犯がいる」

モンキーピーク2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 11/209

そしてこの話は他の社員達を動揺させないためにも5人の中で留めて置くことを提案する。そして『誰のことも信用するな』と言う安斎。互いに協力はするが信用はせず監視し合おう…そう早乙女達に告げるのであった。

第12話 前岳山頂~中岳小屋までは一本道…しんがりを決める最中、飯塚&藤柴コンビにハメられ、孤立する早乙女

社長の号令の元、再び中岳小屋に向けて出発する社員達。苦労しながら山頂に到着すると、山小屋が見えた。一安心する社員達。しかし、中岳小屋までの道のりを眺めて長谷川部長はまずいと言う。
前岳の山頂から中岳小屋までの道は見通しの良い一本道だ。昨夜の様に猿が弓矢を持って襲ってきたらひとたまりも無いのだ。

それに対して遠野(開発室A28歳 華奢で小柄な眼鏡男性)が提案をする。3つある班の中で1班がしんがりとして山頂残る。他の2班が中岳小屋への道を進み、弓矢の射程から出たらしんがりの班のメンバーも少しずつ山頂から小屋へ向けて出発するというものだ。遠野の案では2名が最後までしんがりとして山頂に残ることとなる。社長と安斎はこの遠野の案に納得するが、他の社員達は『しんがりの班は嫌だ』『特に最後まで残る2名は猿に殺されるのでは』と気色ばむ。しかし、誰かがやらねばならない。しんがりはくじ引きで決めよう…そう話がまとまりかけた時、密かに飯塚(開発室A26歳 茶髪で軽薄な印象の男性)が藤芝(庶務24歳 お団子頭がトレードマークの女性)に声を掛ける。前日、『同盟』を結んだ二人。飯塚は藤芝にあることを持ちかけた。

社長がくじ引きをしようとしたとき、飯塚が声を上げた。

「あれーっ!?何だこれ?こんなものが捨ててあるぞ…」「えっ…これジュースの空き容器じゃん!!」

モンキーピーク2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 25/209

それは飲み物が一括管理されて以降も飯塚自身が密かに持ち続け、隠れ飲んでいたゼリー飲料の空き容器だった。まだ新しいその容器に、乾きに耐えていた社員達は動揺し怒り始める。一体誰が…皆が荒れる中、藤芝が手を挙げて言った。

「は…はい…っ。わ…わ……私、みみ…見ました」「それ…早乙女のです」

モンキーピーク2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 26/209

吃りながら、早乙女がジュースを隠れ飲んでいたという嘘の証言をする藤芝。南(開発室B 32歳の色黒の男性、早乙女のことが嫌い)や氷室(営業部長 43歳テンパの男性)と言った面子は怒り狂いながら早乙女を罵倒し問い詰める。当然身に覚えのない早乙女は否定するが、極度の渇きから冷静さを欠いた一部の社員達は早乙女がまだ飲みものを隠し持っているのではないかと詰め寄り、揉み合いになってしまう。もみ合いに庶務の林(21歳 茶髪ボブヘアの美人)が巻き込まれてしまったりと収集が付かなくなったこともあり、早乙女の登山チーム4班の班長でもある佐藤(経理31歳 黒髪ロングヘアの女性)は早乙女に裸になって証明するように命じる。仕方なく下着姿になる早乙女。当然飲み物は出てこないのだが、早乙女を疑っている社員達は『もう全て飲んでしまったに違いない』と怒りを募らせるだけで、早乙女は無実を証明できなかった。

そして、これ以上社員達の空気が険悪になることを防ぐため、安斎(法務 34歳)は『早乙女が所属する4班がしんがりを務める』ということでその場を収めることにする。
全ては飯塚(開発室A26歳 )が仕組んだ通り、しんがりの役目を早乙女が所属する4班に押し付ける様に事が進んだのであった。元々、早乙女が他者との交流が苦手な上、この一連の事件で皆と異なる意見を言い、反感を買ったこと。そして、南が皆の前で『早乙女が人を殺した経験がある』と暴露したことで皆の早乙女への評価が落ちているところ乗じたのだ。

次々と山小屋へ向かっていく社員達。南は元々『人を殺したことがある』という噂がある早乙女を嫌っていた上、自身が右手を骨折していることから余裕がない。早乙女に対して『このクソがジュースを隠し持っていたせいで自分まで連帯責任を取らされるのは気に食わない』と文句を言う。体力の無い岡島(開発室B 27歳)も弱音を隠さない。すると、空気が悪くなる中、何故か別の班の宮田が戻ってくる。

驚く4班のメンバーに、宮田は『出世狙いのためにしんがりを買って出た』と言って笑う。先頭がだいぶ進んだのを確認すると、宮田は自分と早乙女が最後まで残ることを提案。そして佐藤もまた自ら残ることを志願する。

4班のメンバーを見送った早乙女、宮田、佐藤。後方を見張る中、早乙女が『小便をしたい』と申し出る。許可する佐藤。そして、佐藤は早乙女が離れたのを確認すると、宮田に『何故戻ってきたのか』と尋ねた。その時、早乙女の強烈な尿の臭いが漂って来た。顔をしかめる佐藤に笑いながら宮田は『良かった』という。

尿が臭いのは脱水症状の一つ。つまり、早乙女が無実である証であると語る宮田。宮田は早乙女が無実であることを確認するために戻ってきたのだ。宮田の目的に驚く佐藤。そんな佐藤に宮田は前を行く社員達を眺めながら言う。

「サッチーは粗っぽいトコあるけど、汚いことは絶対しない奴です」
「アイツらよりよっぽど信頼できる」

モンキーピーク2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 45/209

黙ってその言葉を聞く佐藤。そこに早乙女が戻ってくる。もう少ししたら皆の後を追おうと佐藤は提案する。山小屋まで行けば助かる…そう言った佐藤に対して、早乙女は疑問を呈する。猿は周到に準備を重ねており、もし猿の思い通りに歩かせられているのならば…『あの山小屋には絶対に”何か”があるはずだ』と。

第13話 前岳~中岳小屋 小屋の前で待ち伏せしていた猿は、社長の腹部を弓矢で射て、山小屋にあった水を捨てる

しんがりを務めた早乙女、宮田、佐藤は山小屋に向かって歩いていく。足元は悪く、革靴の宮田は苦戦。また、脱水症状から佐藤は頭痛に悩まされる。しかし、佐藤が発した『水』という言葉に早乙女はハッとする。そして山小屋を指さしながら言った。

「”水”だ…」「俺があの猿なら…小屋で水を飲ませるような事はしない…っ」

モンキーピーク2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 51/209

早乙女の言葉の意味を察した宮田と佐藤は愕然とする。

一方その頃、先に山小屋に向かった社員達は脱水症状に苦しみながらも、山小屋の近くまでやってきていた。山小屋に着いたからといって助かるのか…そう疑問を口にした飯塚 (開発室A26歳 早乙女を陥れた犯人)。水があっても本当に助けを呼べるのだろうかと言うのだ。しかし、安斎 (法務 34歳 非常に体格が良い) は最悪助けを呼べなくても、本来宿泊している宿に何も連絡が行っていないこと、誰も家に戻っていないことからきっと警察が動き始めることだろうと推測する。

安斎の言葉に希望を持つ社員達。水と寝床さえ確保出来たら助かると喜ぶのであった。しかし、『しんがり案』を提案した遠野(開発室A 28歳 眼鏡をした小柄で華奢な男性)はふと、『反対を考えていなかった』ということに気が付く。…そう山小屋までの道の高低差、一本道は山小屋側から非常に狙撃しやすい状況だということに

そして、そんな遠野の不安は的中し、次の瞬間山小屋の方から弓矢を構えた猿が現れ、先頭にいた社長の腹を射抜いたのであった。

突然のことに動揺しながらも岩場の陰に身をひそめる社員達。安斎は負傷した社長を支えつつも、猿が登山道など関係なく移動でき、昨夜のうちに迂回して先回りしていたのだと理解する。そして、次に猿が取った行動に社員達は悲鳴を上げる。猿はなんと、社員達に見せびらかすように、山小屋にあった水のペットボトルを開け、地面に水を吸わせていくのであった。

絶望の声を上げる社員達。しかし、脱水症状はめまい、吐き気、頭痛のみならず『判断力の低下』も引き起こす。『殺るしかない』…そう寺内(運転手 46歳)が言い出す。その言葉に、一部の社員達は掻き立てられるのであった。

第14話 中岳小屋①~怒りから猿に挑みかかる一部社員達…しかし、あっさり殺害されてしまう

目の前で水を捨てられたことに激昂した一部の男性社員、寺内(運転手 46歳、スキンヘッドに帽子)、馬場(開発室A 30歳、無口)、 氷室(営業部長 43歳天然パーマ)は猿に向かって走り出す。社長と共に皆を統制してきた安斎(法務 34歳 非常に体格が良い)は彼らを制止しようとするも、負傷している黒木(45歳 開発室Bのリーダー)を背負っていることもあり、身動きが取れず止めることが出来ない。

山小屋の中に消えた猿を追いかける寺内・馬場・氷室。しかし、すぐに見失う。そして、山小屋の中で猿を探しているところを、窓の外にいた猿から次々に射られてしまう。矢を受けた寺内と馬場は絶命。安斎が外から更に矢を構えようとしていた猿の所に駆け付けると、猿は逃走していくのであった。
山小屋の中、寺内と馬場の死体の前で呆然と立ち尽くす氷室。幸い矢を受けることのなかった彼は、寺内が持っていたナイフを見つけて、こっそりそれを回収するのであった。

しばらく経って、しんがりを務めていた早乙女、宮田、佐藤の3人が中岳小屋に到着する。しかし、山小屋の外でうなだれる社員達の異様な雰囲気に驚く。遅れてきた早乙女達に『寺内と馬場が猿に殺害され、社長も腹に矢を受け重体である』と説明する長谷川人事部長。更に、南(開発室B 32歳の色黒の男性、早乙女のことが嫌い) が絶望したように、『山小屋の中の水は毒が混入しているコア脳性があるため、安斎が飲むことを禁じている』と告げるのであった。

第15話 中岳小屋②~絶望の中、果物の缶詰が見つかる

生存者はわずか14名となった。水が飲めないと聞いて取り乱す佐藤(経理 31歳 黒髪ロングヘアの女性)に安斎が改めて『山小屋の飲食物には既に猿が毒を混入している可能性があり危険である』と伝える。
安斎と佐藤は研究畑の遠野 (開発室A 28歳 眼鏡をした小柄で華奢な男性) に飲食物の毒の有無を確認できるか尋ねてみるが、検査薬やマウスがいないことには何もできないと言われてしまい、落胆するほかなかった。他の社員達も脱水症状に苦しむのであった。

一方、山小屋内を探っていた飯塚(開発室A26歳 茶髪で軽薄な印象の男性)が藤芝(庶務24歳 お団子頭がトレードマークの女性)は白桃とみかんの缶詰を見つける。 前日『同盟』を結んだ二人は先刻、早乙女に『ジュース隠れ飲み』の濡れ衣を着せて、しんがりの役を押し付けたばかり。飯塚は今度は早乙女に缶詰の試食をさせようと言い出す。飯塚の提案に、もう嫌だと反発する藤柴であったが、一度は早乙女を共にハメたことを持ち出し、威圧する飯塚に何も言えなくなるのであった。

その頃、宮田と共に山小屋内を散策する早乙女。二人は馬場の死体から感じ取れる猿の強烈な殺意について語り合う。『殺意というより”怒り”という感じだ』…そう言った早乙女の言葉に、その場にやって来た林 (21歳 茶髪ボブヘアの美人) も同意する。
猿のみならず、辻殺しの犯人もいる状況。誰を信用していいか分からないと呟く早乙女に対して、林は『宮田君と早乙女君は悪いことをする人じゃない、信用できる』とほほ笑む。そんな林に早乙女は見当違いだと言いつつ、先ほどの『ゼリー飲料隠れ飲み疑惑』の揉み合いの最中、林を巻き込み、頬を傷付けてしまったことを謝罪するのであった。そして、そんな早乙女に『やはり悪い人ではない』と笑顔を見せる林に照れてしまうのであった。

その後、一か所に集められた社員達。社長に代わり皆を取り仕切る安斎は、『果物の缶詰があり、一見細工をした形跡はないこと』『食べても大丈夫ではないかという意見があること』を告げ、どうするべきか話し合おうとする。
『誰かが試食すればいいのではないか』…そう言って藤柴に目配せする飯塚。しかし、その直後、早乙女は自ら『俺が食う』と言い出すのであった。

第16話 中岳小屋③~缶詰の毒見…桃缶を食べた早乙女は無事だったが、ミカン缶を食べた社長は死亡する

自分が缶詰を食べると言い出した早乙女を止めようとする宮田と林。しかし、飢えと渇きに苛立つ氷室 (営業部長 43歳天然パーマ) は本人が言い出しているのだから食べさせるべきだと言う。言い争いの中、早乙女『このままだと死人が出てしまう』と言い、やはり自分が毒見をすると言うのであった。

そして、桃缶を試食した早乙女。皆が固唾を飲んで見守る中、微笑んで見る早乙女。とりあえずウマいと述べた早乙女に岡島(開発室B 27歳 チビデブ不細工の三拍子がそろったうえ、空気が読めない男性)は缶詰に飛び掛からんばかりに喜ぶが、 それを黒木(45歳 開発室Bのリーダー)が遅延性の毒が出やすい2時間は待つように制止する。

空腹の中、早乙女の体調の変化を見守る社員達。2時間経ったら今度はミカンの缶詰を早乙女に食べさせようと提案する氷室。しかし、その発言に矢で腹部を射られて重体になり、意識を失っていたはずの社長が激昂、『バカモノォー!!』と叫ぶ。

『人間で毒見をすることは許されない』そう主張する社長。毒入りの可能性は低いから、皆のため、いつ救助が来るか分からない…そう言い訳する社員達を一喝する。

「ならば、なぜ私に食べさせない」

モンキーピーク2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 122/209

社長の言葉に固まる社員達。社長は血を吐きながら『自分はもう助からない』『死に近い者から。高齢の者から毒見をするべき。若い者を犠牲にするべきではない』と告げる。そして、早乙女に『君は生きなくちゃダメだ』というのであった。

ミカンは私の好物だ…そう言い、社長は缶詰のミカンを口にした社長。そして、美味いと微笑む。そんな社長を見て、あと2時間待てば…と語り合う社員達。しかし、次の瞬間、社長はフォークを取り落し、口から血を吹き出すのであった。

即効性、青酸カリだと判断する遠野。悲鳴を上げ、動揺する社員達。死の間際、社長は早乙女を引き寄せ親指を立てて言う。

「そんな…顔するな…」「笑え」

モンキーピーク2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 128/209

そして、そのまま絶命するのであった。

第17話 中岳小屋の夜①~罠を仕掛け、辻殺しの犯人を炙り出す

ミカンの缶詰の中に入っていた毒により、社長富久は絶命した。山小屋の外で一人うなだれる早乙女。そこに宮田と林が缶詰の桃を持ってやってくる。毒見以降桃を口にしていない早乙女に、食べなければ体がもたないと叱る宮田。
しかし、早乙女は『社長は俺が殺したようなもの』『何故また俺が生き残るんだ』と叫び、『ユージ』『父さん』とかつて自分が死に追いやった二人の姿を思い浮かべ苦悩するのであった。しかし、そんな早乙女に林は言う。

「早乙女君が生き残った事には、絶対何かの”意味”がある」

モンキーピーク2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 136/209

そう微笑んで桃を置いて立ち去るのであった。その言葉に救われた早乙女。桃を平らげて意を決したように宮田に告げるのであった。『退治しよう』と。

夕方になり、安斎は社員達を山小屋の中に集める。『今夜が山で明日には助けが来るだろう』『そのため、窓は閉め切って、正面玄関に1人ずつ交代で朝まで1時間ずつ見張りに立とう』…そう皆に提案する安斎。社員達は今夜さえ凌げれば…と賛成するのであった。

そして、夜、一人ずつ見張りに立つ中、不審な動きをする人影があった。その人物がそっと窓を開けたその時、宮田が懐中電灯を向ける。

「おっと、何しているのかな?」
「氷室さん」

モンキーピーク2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 145-146/209

窓の前に立っていた人物は営業部長の氷室(43歳、天然パーマの眼鏡)であった。『何のことだ』『自分はただ空気を入れ替えようとしただけ』そう言い訳をする氷室。するとそこに安斎と早乙女もやってくる。

「”明日になれば助けが来る”って強調しとけば、今夜しかチャンスはないって思うもんな」
「猿の犯行に見せかけたいなら裏口から侵入した事にしないといけない。…つまり裏口を開けようとする奴が犯人!!」

モンキーピーク2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 147/209

早乙女の言葉に何も言い返せない氷室。氷室こそが辻殺しの犯人だったのだ。

第18話 中岳小屋の夜②~辻殺しの犯人は氷室…そして氷室に真実を語らせるために拷問を課す安斎

罠に引っかかった氷室。『辻殺しの犯人は自分ではない』と言うも、迫りくる早乙女、宮田、安斎に対し、昼間に秘かに回収した寺内(運転手、46歳、猿に頭部を射られ死亡)のナイフを向け、『こっちに来るな』と威嚇し始める。

しかし、早乙女と安斎はひるまず、氷室は窓から逃走しようとするも早乙女に抑えられ、安斎に顔面を殴られ、あっさりと捕縛されるのであった。

物音に次々と駆け付ける社員達。岡島 (開発室B 27歳 チビデブ不細工の三拍子がそろった男性)がツナ缶(山小屋でゲットするも毒入りの可能性があるため食べられなかった)で即席のランプを作り、わずかな明かりの中社員達は集まる。
山小屋の梁に吊るされる氷室の姿に佐藤(経理 31歳黒髪ロングの女性 4班班長)を始めとする事情を知らない社員達はどよめく。

安斎は皆に『氷室が辻を殺した犯人であること』を告げる。そして、宮田が『辻を殺したのは猿ではなく、社員だったこと。犯人を炙り出すため罠を張った事』等を説明する。『犯人は辻以外も殺すつもりだったかもしれない』…そう語るのであった。

氷室に詰問する安斎。しかし、氷室は依然『新鮮な空気を吸いたかっただけ』ととぼける。そんな氷室に安斎は『これで聞いてみよう』とフォークを突き付ける。制止する佐藤と藤柴 (庶務24歳 お団子頭がトレードマークの女性) 、しかし、安斎は『時間が無い、いつ猿が襲ってくるかも分からない』と早急に事態の解明を求めるのであった。

『お前は猿の仲間なのか?』そう尋ねた安斎に全力で否定する氷室。すると次の瞬間、安斎は容赦なく氷室の左太ももにフォークを突き刺した。激痛に叫ぶ氷室。しかし、安斎は一刻も早く口が割らせる必要があると、答えようとしない氷室の左太ももをフォークで何度も突き刺し続けるのであった。

安斎の行動に硬直する社員達。早乙女は必死で止めようとするが、睨みつける安斎の冷酷な眼差しに言葉を失う。安斎は『氷室に拷問を課すことで皆の命が助かるならそれが一番』『どんな罪に問われようと構わない』と社員達に言い放つ。返り血がとんだ顔を向け、宣言するのであった。

「私はとことんやる」

モンキーピーク2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 168/209

第19話 中岳小屋の夜③~氷室に共犯者として仕立て上げられる早乙女~今度は早乙女が拷問を受ける羽目になる

安斎の氷室に対する冷酷な拷問に恐怖心から固まる社員達。『見たくない者は外に出ろ』という安斎の言葉に、藤柴、岡島、佐藤は部屋を出ていく。なおも『自分は何も知らない』と言う氷室にしびれを切らした安斎は、今度はフォークで氷室の足の甲を突き刺したうえで、ナイフを突きつけ、『吐かないなら足の小指から切断していく』と脅しつける。絶叫する氷室。すると、そんな安斎の腕を早乙女が掴み、『いい加減にしろ』と制止した。そして、そこに玄関で見張りをしていた長谷川人事部長(50歳)も駆け付け、早乙女に加勢する。

しかし、安斎は『止めたいなら力づくで来い』『2対1でも自分が勝つ』と強硬な姿勢を崩さない。すると突然、氷室が『自分は金で雇われただけ、ただ計画に協力していただけだ』と語りだす。そして、

「もしもの時は全力で俺を助けるって話だったじゃねーかよぉ」
「早乙女―――――っ!!」

モンキーピーク2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 177-178/209

まさかの氷室の発言に凍り付く山小屋。そして氷室は滔々と『早乙女が猿の仲間』『辻を殺したのも早乙女』『自分の役目は猿が社員の中にいるかもしれないと皆を混乱させること』『自分は大人しく捕まり、黙秘する予定だったが、拷問が予定外で耐えられないので、真実を暴露した』…等、それらしいことを捲し立てる。当然早乙女は否定するが、早乙女に対して不信感を抱いている南 (開発室B 32歳の色黒の男性、右腕を骨折) は『早乙女は上手く猿の襲撃をかわしている』と指摘、糾弾する。否定する早乙女、しかし、次の瞬間、同じく早乙女に不信感を抱いていた黒木(開発室Bのリーダー 45歳、眼鏡の痩せ型の男性、右足を骨折)が突然、早乙女の後頭部をシャベルで殴りつけた。そして、早乙女はそのまま、気絶してしまうのであった。

気絶した早乙女は中学生の時、スクーターの事故で親友ユージを無くした時のことを思い出していた。二人乗りで運転していたのは早乙女。転倒して投げ出された早乙女が傷を抑えながら起き上がると、そこには頭から血を流し眼を開けたまま絶命するユージの姿があったのだ…。

ユージの葬式会場では スクーターを運転していたのは早乙女であったことから 、あちらこちらから早乙女を非難する声が聞こえてきた。『飲酒運転だったらしい』『盗難車だったらしい』様々な憶測が飛び交う中、皆は早乙女を睨みつける。『ユージは死んだ』『早乙女が殺したんだ』『人殺し』

目が覚めた早乙女。気が付くと横の氷室同様、山小屋の梁に吊るされていた。目の前には安斎 (法務 34歳 非常に体格が良く、氷室を拷問した)、南 (開発室B 32歳の色黒の男性、右腕を骨折、早乙女のことが嫌い) 、黒木 開発室Bのリーダー 45歳、眼鏡の痩せ型の男性、右足を骨折) 、飯塚 (開発室A26歳 早乙女にジュース隠れ飲みの濡れ衣を着せた) がいる。足元を見ると、両足が縄で縛られたうえ、裸足にされている。
逃げられないように靴を捨てたと笑う南。しかし、安斎は『素足にしたのにはもう一つ理由がある』と冷徹に言い放つ。

傍らで気絶している氷室の足先を見て安斎の言葉の意味を理解する早乙女。氷室の左足の小指と薬指が切断されていたのだ。安斎は早乙女に尋ねた。

「さて、早乙女」
「お前は何本耐えられるかな?」

モンキーピーク2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 188/209

第20話 中岳小屋の夜④~強烈な安斎の拷問に耐える早乙女

早乙女への拷問に参加しない社員達は山小屋の外に出されていた。寒さに震える社員達に宮田 (営業23歳 茶髪のイケメン、早乙女の友人) と長谷川人事部長(50歳)は安斎を止めて、早乙女を助けるべきだと主張する。しかし、他の社員達は及び腰な上、遠野 (開発室A28歳 華奢で小柄な眼鏡男性) は『放っておくべき』と主張する。『安斎達が話を聞くとは思えない』『力づくで止めれば更に怪我人が出る上、仲間割れを起こすことになる』『仮に助けても、猿の仲間のイメージが付いてしまった早乙女を社員達は受け入れられない』…そう、淡々と述べていく遠野。『サッチーは無実だ!』そう叫ぶ宮田に遠野は『証拠はない』と冷たく言い放つ。同じ開発室Aの同僚で親友であった馬場 (30歳、無口) を猿に殺された遠野は、猿の情報を手にするためなら手段を問わない安斎の姿勢を支持するとまで言うのであった。

一方、その頃山小屋の中では、安斎が拷問の準備を始めていた。すると、南は拷問の前に、まだ毒見していない缶の炭酸飲料を早乙女に毒見させようと提案する。許可する安斎。炭酸飲料を飲んでも早乙女が死なないことに喜ぶ南であったが、早乙女に睨みつけられ怯み、安斎に『思い知らせてやれ!!』と叫ぶのであった。

最初はゆっくり…そう言いながらも、いきなり早乙女の顔面を殴りつける安斎。しかし、なおも安斎をハッキリと睨みつける早乙女に、安斎は『私に服従するしかないと分からせる必要がある』と告げ、今度は腹部を殴りつける。

「私は大学、社会人とアメフトをやっていてね。腕っぷしには頭脳以上の自信がある」
「今からお前を調教する。忠実な犬に」

モンキーピーク2巻 原作:志名坂高次 作画:粂田晃宏 200/209

そうして上着を脱いだ安斎は『何か話したくなったらワンと鳴け。人間の言葉をしゃべるな』そう言って延々と早乙女の顔面を殴りつける。しかし、屈した様子を見せず睨みつける早乙女に安斎は『根性がある犬だ』と笑う。そして、言い返した早乙女に『人の言葉を話すな』と股間を殴りつけるのであった。さすがに叫び声を上げる早乙女。しかし、脳裏にはユージの遺影と亡き父親の笑顔が浮かび、二人を失った経験に比べればこんなことは屁でもないと思うのであった。

その時だった。宮田が『大変だ、猿だ!!』と叫びながら山小屋の中に駆け込んでくる。宮田の指差した闇夜の先には猿の姿があったのだ…。

以下、感想と考察

増え続ける犠牲者、止まらない絶望展開

1巻ほどのペースでないにしても、猿による社員の虐殺は続く。この2巻では3人が犠牲になった。運転手の寺内、開発室の馬場は猿の挑発に乗り、射られて死亡、社長は毒入りミカン缶詰で死亡。殺害のされ方がワンパターンじゃないので展開に飽きることはない。

複雑な様相を見せる人間関係

そして、ここに来て社員達の人間関係が複雑になってきた。辻殺しの犯人が猿ではなく社員、そしておそらく氷室であることが発覚。皆の動揺が広がる。社長亡き後、手段を問わない冷徹な安斎が皆をまとめるようになり、社員達は委縮する。そして、早乙女を信じる宮田、長谷川部長、林達は少数派で、大半は早乙女に不信感を持つかあるいは陥れようとしている。今後の人間関係はどのように変化していくのか。

安斎の横暴

1巻から2巻前半まで、頼れる冷静で賢いマッチョ枠だった安斎さんがまさかの豹変。拷問にかけて口を割らせる…というのはまあ、まだ分からんでもないけど、途中から明らかにハッスルして楽しんじゃってるし。元ヤンの早乙女に嫌悪感を抱いているが、あんたはそれ以上に真正の何かだよ。安斎、お前の人生に何があった。返り血をペロッとかしているが、絵面的に腐女子ですら喜ばないだろう、誰得。

早乙女の受難

そして早乙女。『人を殺した経験がある』と1巻で南に皆の前で暴露され、『ゼリー飲料隠れ飲み疑惑』を掛けられ、『桃の缶詰の毒味』をさせられ、氷室に巻き込まれて『猿の仲間疑惑』を掛けられて、安斎からボコられる。…主人公とはいえ、受難にさらされ過ぎである。

今後の展開は?

1巻に引き続き、テンポ良く進んだ2巻。相変わらず犠牲者は増え続け、社長が死に、辻殺しの犯人が発覚、安斎が豹変、早乙女が拷問に掛けられるなど、展開が早い。そして、ラストにはまた猿が登場。

果たして3巻では何が起こるのか。引き続き記事を書いていきたい。

次の巻の記事はこちら

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