【漫画】ハイスコアガールCONTINUE3巻【感想・ネタバレ・考察】修学旅行とスパⅡXの大会…そしてハルオは大野と同じ高校を受験するも…!?

ハイスコアガール3巻表紙

中学生になったハルオは大野との対戦を夢見て相変わらずゲーム一筋の日々を送っていた。そんなハルオに同級生の日高小春は恋に落ちる。

中学3年生になったときに、大野がアメリカから帰国し、喜ぶハルオ。しかし、大野に日高との仲を勘違いされてしまったこともあり、距離が開きすれ違ってしまう…。

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【漫画】ハイスコアガールCONTINUE2巻【感想・ネタバレ・考察】中学生になったハルオに惹かれる新ヒロイン、日高小春

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【漫画】ハイスコアガール10巻・最終巻【感想・ネタバレ・考察】ハルオと大野の最終決戦の行方は?~ラストに巻き起こる奇跡

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Contents

以下、あらすじとネタバレ

16 -CREDIT~ 意図せず大野との溝を深めてしまうハルオ

親にねだって“スーパーファミコン”と『ファイナルファイト』のソフトを買ってもらった日高。あえてハルオの持ってないソフトを買ったのは、ハルオに『家にやりに行く』と言わせたいからだ。一緒に“共同プレイ”をしたいのだ。

しかし、学校で『ファイナルファイト』を買ったと話してもハルオは日高の予想に反して『貸して』と言うだけだったので日高はいじけてしまう。

すると、廊下を大野が通りかかる。ハルオの親友の宮尾は大野を『妖艶で謎の多い子』と興味を持っているようだが、大野の本当の姿を知るハルオは『無口で無愛想な奴』としか言わない。

だが、ハルオと大野が共にゲーセンから出てくる様子を偶然目にした日高は二人の間に、“何者をも寄せ付けない雰囲気”があるのを感じ、『同じ小学校だった二人の関係はどんな感じだったのか』とモヤモヤするのであった。

そして、日高は以前、ハルオの代わりに『スパⅡX』をプレイしていた時に、隠しキャラを使ってきたプレイヤーが大野だった事に気付き、ハルオにそれを伝える。

隠しキャラ、“豪鬼”使いは大野だった…その事に合点がいくハルオ。『スパⅡX』は海外の方が2ヶ月位早く稼働したため、アメリカにいた大野が豪鬼の出し方を知っていてもおかしくない。

そんな事を考えながら廊下を歩いていたハルオは大野を見つける。大野は相変わらず皆に囲まれていたが、どこか窮屈そうに見えた。しかし、ハルオはそんな大野に声を掛けることなく通りすぎる。大野が寂しげな表情を浮かべた事にも気付かなかった…。

昼休み、体育館の壇上で一人パンを食べながらゲーメストを読むハルオ。“格ゲー全国大会”のリポートを見て自分もいつか参加したいとワクワクしていた。

すると、体育館に大野がやってくる。ある男子生徒に呼び出されたのだ。ハルオの前で男子生徒から告白された大野。だが、大野はその告白を断る。

すると、一部始終を見ていたハルオにフラれた男子生徒が絡み始める。一部でハルオと大野が一緒にいたという噂が流れているのだと言うのだ。

『お前は大野さんとどんな関係なんだ』と他の者達がいる中で問われたハルオは困惑する。衆人環視の中、大野のゲームの趣味をばらすわけにもいかない、そして、大野は趣味仲間というよりライバルに近い…だが、ハルオは大野に到底追い付けない。

困ったハルオは『目の上のたんこぶ』と答えてしまう。

劣等生が優等生をひがんでいるかの様な発言をハルオは男子生徒に笑われてしまう。だが、それを聞いた大野は怒った顔をして体育館から立ち去ってしまう。

そんな大野を慌てて追いかけ、呼び止めたハルオ。口ごもりながら『ご…』と言いかけるが、出た言葉は

「豪鬼の出し方教えてくれねェか」

ハイスコアガールCONTINUE 3巻 押切蓮介 25/200

すると、振り返ってハルオの方に近づい来る大野。どぎまぎするハルオだったが、大野はそのまま何も言わずに行ってしまうのであった。

大野が何かを怒っているのは分かるものの、何故大野が怒っているか分からず、『ワケが分からない』と困惑するハルオ。すると、そんなハルオに宮尾が『今度の修学旅行で大野さんに告白してみようと思う』と言う。宮尾は大野と接したことはないが、大野に強く惹かれているのだと語る。それを聞いてハルオは内心動揺するが、『恋に“待ちガイル”はない』と応援するのであった。

その頃、日高は自宅でSFC版の『ファイナルファイト』では二人協力プレイが出来ないことを知り、自分の無知さを呪うのであった…。

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17 -CREDIT~ 修学旅行、新幹線に置いて行かれてしまうハルオと日高

6月、ハルオは修学旅行のため京都行きの新幹線に皆と一緒に乗り込んでいた。しかし、京都に対して『源平討魔伝』の舞台位にしか思い入れのないハルオは、夜皆でやるためと『PCエンジンハード』と『マルチタップ』、『ボンバーマン』『桃太郎電鉄』をこっそり持ち込むなど相変わらずゲームのことしか頭にない。

すると、ハルオは途中の停車駅で乗り物酔いしてしまった生活指導の沼田から『飲み物を買ってきてくれ』と言われ、五千円受け取って新幹線を降りてホームで飲み物を買う。

だが、ハルオは『みんなの分も』と発車近くギリギリになっても駅で飲み物を買い続け、見かねた日高は降りてハルオに早く新幹線に戻るように言う。

しかし、ハルオは飲み物を落としてしまい、二人でそれを拾っている間に新幹線は出発。ハルオと日高は駅に取り残されてしまった。

『どうしよう』と焦り狼狽える日高とは対照的にハルオは『沼田からもらったお金もあるし、『琵琶湖も近いから観光しながら京都に行けばいい』と楽観的だ。二人は京都駅に連絡し伝言を頼んで電車を待つ。

だが、落石の影響で鈍行列車も止まってしまい、立ち往生になってしまう。ハルオはそんな状況でも駅のゲームコーナの『パロディウス』や『功夫老師』を楽しむ。そんなハルオへの苛立ちを『ワニワニパニック』にぶつける日高。

結局、電車が動きそうにないので、二人はバスと徒歩で京都を目指すことになった。落胆していた日高であったが、ハルオと二人で琵琶湖を一望しながら歩くことに『これってデートみたい』と思い、ドキドキしてしまう。そして、『大野さんとの関係を聞きたい』と思うものの、聞けずに悶々とするのであった。

バス停でバスを待つ間もハルオは近くの駄菓子屋ゲーセンを見つけてはしゃぐ。『タントアール』『イチダントアール』『オーダイン』『富士山バスター』…これらの筐体を前に興奮するハルオに共同プレイを求められる日高は、『近くにいられるキッカケがゲームなのに、間にあるゲームの存在が憎たらしい』と複雑な思いを抱くのであった。

ああ…なんで…こんなワケのわかんない片思いしてんだろ

ハイスコアガールCONTINUE 3巻 押切蓮介 48/200

そして、無事に京都に辿り着いたものの、日高はもう少しハルオと二人で居たかったと名残惜しさを感じるのであった。

旅館に着いてそうそう、ハルオは旅館の中のゲームコーナーに足を運ぶ。すると、そこには先に大野がいた。

睨み付ける大野に『日高という女子と一緒に新幹線に置いていかれて、二人で駄菓子屋ゲーセンを見つけたりしながらなんとかココまでやって来た』と語って聞かせるハルオ。

しかし、それを聞いた大野は冷たく背を向けて立ち去ってしまう。

大野が何故怒っているか見当が付かず、苛立ちを同室の同級生達と『ボンバーマン』をすることで解消しようとしたハルオ。しかし、あっさりと担任の遠野に見つかってしまい、没収されてしまうのであった。

18 -CREDIT~ 修学旅行を抜け出し『スパⅡX』の大阪大会に出場するハルオ…するとそこには大野もいて…

翌日、修学旅行2日目は自由行動だった。しかし、ハルオはこの日、大阪で行われる『スパⅡX』の大会に出るつもりで、同じ班の宮尾にアリバイ工作を頼んでいた。

ハルオが修学旅行を抜け出すことを知って寂しがる日高。その様子を見て、宮尾は日高がハルオに片想いしていることを見抜き指摘する。そして動揺する日高に

「あいつはバカだけど本当は優しくてあっっったかい奴なんだよ」

ハイスコアガールCONTINUE 3巻 押切蓮介 63/200

と言って理解を示す。そして、宮尾自身も一人で行動することの多い大野を心配し、そしてますます惹かれて行くのであった。

(ちなみに近くにいた僧侶に駅へ行く道を尋ねたハルオが『インド人を右に』と言われるが、これは有名なゲーメストの誤植ネタである)

道に迷いながらも何とか大阪、梅田の『スパⅡX大阪大会』の会場に辿り着いたハルオ。すると、会場には何と大野がいた。大野もまた修学旅行と大阪大会の日が重なることを知って修学旅行を抜け出してきたのだ。

しかし、大野はハルオと目が合っても、冷たく顔を背ける。そんな大野に苛立つハルオだったが、『前回はゲーセンで逃げられたが、大会で勝ち続ければ大野と対決できる』と気付き、闘志を燃やすのであった。

大会は『待ち』『ハメ』なんでもありで、緊張感が漂う(でも、優勝賞品はトロフィーとお風呂セット)。

A~Hの8ブロックに別れて予選が行われ、大野はAブロック、ハルオはHブロックの予選を見事勝ち抜く。HブロックのハルオがAブロックの大野と対戦するには決勝まで勝ち上がるしかない。

準決勝ではハルオが苦手な豪鬼使いが相手になるが、相手が豪鬼の入力を失敗して”茶色リュウ”を出してしまうという、奇跡に恵まれ、ハルオは決勝まで勝ち進み、大野と対戦することとなった。

大野との因縁対決…しかもこんな大舞台で…
長い年月を経てようやくこの瞬間が来たんだ…

ハイスコアガールCONTINUE 3巻 押切蓮介 80/200

最近何故か避けられているが、ゲームの中でなら昔の様に語り合える…そう信じたハルオは大野の隣の筐体の前に座るのであった…。

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19 -CREDIT~ 大会の決勝で大野に勝利したハルオだったが…ハルオは今までの気持ちを大野にぶつける

『スパⅡX大阪大会』の決勝で対戦を果たすことになったハルオと大野。『自分とガイルの成長を見せたい』…ハルオがそう強く想う中、バトルは始まった。

大野が操るザンギエフの前では一つのミスが命取りになる。ザンギの新技の”フライングパワーボム”をギリギリかわし、”フライングメイヤー”を喰らわせるガイル。そこに、大野がザンギの”空中レッグスルー”を返してくるが、すかさずハルオがガイルの”バスタードロップ”を決めて1本目を先制する。会場には歓声が響き渡る。

『”待ち”や”ハメ”に頼らない正攻法で”スクリュー殺し”を開花させた』と誇らしく感じるハルオ。しかし、どこか大野のプレイに違和感を覚える。

2本目はザンギエフの絶妙な位置からの”フライングパワーボム”の嵐で大野に負けてしまったハルオ。プレッシャーに押しつぶされそうになりながらファイナルラウンドが始まった。

『負けるわけにはいかない』と全てを筐体にぶつけるハルオ。

とくと見よ大野!!この力の源は唯一の同志(ライバル)だと思っていたお前にガン無視を決め込まれた俺の…
困惑と悲しみだ……………!!

ハイスコアガールCONTINUE 3巻 押切蓮介 91/200

しかし、同時に相変わらず黙ったままの大野に寂しさと怒りを感じ、ハルオは涙ぐみながら”ダブルサマー”を決めるのであった。

ファイナルラウンドを制したのはハルオだった。優勝したハルオは”トロフィー”と”お風呂セット”を受け取る。参加者には全員記念のTシャツが配布された。

(表彰式で司会者が『なにいっ、はるおがいない!?』とボケるのはストⅡのリュウエンドのパロディである)

優勝したにも関わらず、なんだかモヤモヤが残っていたハルオ。すると、ハルオは運営者たちが『大野が使っていた2P筐体のパンチボタンが全部故障していた』と話し合っているのを聞いてショックを受ける。準決勝でハルオと戦った豪鬼使いが、豪鬼を出すのに失敗して癇癪を起こして筐体を殴ったことが原因だった。

慌てて既に会場から去っていた大野を追いかけたハルオは『パンチボタンが全部利かないことを何故申し出なかった!?』と問い詰める。ハルオの違和感の正体は『ザンギエフがスクリューで吸ってこないこと』だったのだ。パンチボタンが効かないと”ダブルラリアット”や”バニシングフラット”も出せない。

『ナメた真似して』『真剣勝負を何だと思っている』と激昂するハルオの顔面を突然大野は殴りつけた。だが、ハルオは鼻血を出しながらも『俺にはキックボタンのみで余裕か?』と引き下がらず、河原でハルオと大野は取っ組み合いの喧嘩になってしまう(ほとんどハルオがボコられている)。

大野に何度も殴られ、投げられボロボロになったハルオは今まで無視されてきた怒りを口にしながら大野に掴みかかる。そして、泣きながら叫ぶのであった。

「大野…ッ、お、お前が帰ってくる事をどれだけ楽しみにしてたか…」

ハイスコアガールCONTINUE 3巻 押切蓮介 102/200

ハルオのその言葉に殴る手を止める大野。ハルオは涙を拭いながら『格ゲーブームに火がついて、次々と生まれる名作について色々と語りたかった』と素直な気持ちを伝える。そして、大野が昔、空港で渡したおもちゃの指輪をペンダントにして首から下げている事に気付き、驚く。

『何でこんなものをいまだに持ってるんだよ?』と尋ねたハルオを、大野は真っすぐと見つめ返す。ハルオは大野も自分と同じく再会を待ち望んでいたことを理解するのであった。

河原の取っ組み合いでボロボロになったハルオと大野は近くの銭湯に寄る。優勝賞品の”お風呂セット”と参加景品の”記念Tシャツ”が思いもよらず役立ったのであった。『ボタン不調の件は、大野は会場の空気を読んで言い出せなかったのだろう』…そう心の中でガイルと話し合うハルオ。どのみちハンデがある状態でも勝負は五分五分でハルオはまだまだ精進しなくてはいけないと痛感するのであった。

ペアルックで宿泊先を目指すハルオと大野。大野は先ほどまでの凶暴性が嘘の様に大人しくなり、自身が付けたハルオの顔のケガを心配していた。二人はそっと宿泊先に戻って別れたものの、ペアルックで一緒にいたところを宮尾に見られてしまう。

何があったのかと驚いて尋ねる宮尾に、ハルオは今までのこと、自身と大野の関係について打ち明けた。意外な大野の一面に驚く宮尾にハルオは言う。

「…アイツは…俺にとって…師弟関係というか…同じ価値観を持つ同志みてーなもんだ…」

ハイスコアガールCONTINUE 3巻 押切蓮介 110/200

すると、宮尾は笑いながら『俺が付け入る隙はなさそうだ』と笑う。宮尾の言葉の意味が分からないハルオに宮尾は部屋に戻る様に促すのであった。

…修学旅行の帰りの新幹線、ハルオは顔が傷だらけなもののどこか晴れた様な表情を浮かべていた。そんなハルオに疑問を持つ日高。ハルオは宮尾から『もうすぐ”真サムライスピリッツ”が稼働するんじゃないか』と話を振られると、『オレも進路を真剣に考えないといけない』と言い出して、宮尾を驚かせるのであった。

20 -CREDIT~ 夏休み、大野とゲーセンを巡ったハルオは、大野と同じ高校を受験することを決意する

1994年8月。ハルオと大野は小学生の時の様にゲーセンで顔を合わせ、共にプレイするようになっていた。修学旅行まで何故大野があそこまで怒っていたのかよく分かっていないハルオだが、大野と和解し対等にゲームが出来ることを喜んでいた。大野がいない間に出た『ストⅡダッシュ』『ターボ』『サムライスピリッツ』『餓狼伝説』…これらについてずっと大野と語り合いたかったハルオ。だが、実際に大野といるとあっという間に時が過ぎてしまう。

『バーチャファイター(VF)』では同名でコマンド入力が難しい“アキラ”を使用する大野。ハルオの“影丸”を圧倒するも、3ラウンド遊べる様に、わざと1ラウンド落としてくれる優しさ?も見せる。

年末にはソニーから『プレイステーション』、セガから『セガサターン』の発売が控えており、それらについて語ったハルオ、家が厳しく家庭用ゲームを持つことが出来ない大野に言う。

「じゃあ…俺が奇跡的に手に入れる事が出来たらよ…またウチに遊びにこいや」

ハイスコアガールCONTINUE 3巻 押切蓮介 124/200

そう言われた大野は密かに頬を赤らめる。小学生の時よりも孤立して、友達がいる様子の無い大野。無口だが、本当は人懐っこくて寂しがり屋の大野をハルオは心配しているのだった。

そして『夏休みが終わったら受験シーズンがやってきて、それから大野とは別々の学校になってしまう』…そう考えるとハルオはやるせない気持ちになるのであった。

夏休みの終わり、新しく稼働した格ゲー『ヴァンパイア』が地元に来るのを待ちきれなかったハルオと大野は川崎のゲーセンまで繰り出す。『ヴァンパイア』を目にしたハルオはその滑らかでコミカルな動きに感動する。

順番が来た大野は初プレイで全クリし、ハルオは相変わらずの大野の腕に感心する。その後も大野は『パンチングゲーム』『るすばんやぎさん』等のゲームを満喫するし、ハルオはその様子を見守る。

ゲーセンから出たハルオは大野とラーメン屋でラーメンを食べながら今後の事について語り合う。

大野は名門校の”上蘭高校”を受験する予定で、ハルオはまだどこを受験するかも考えていなかった。これからゲームセンターは『ヴァンパイア』で盛り上がりを見せるだけでなく、『バーチャファイター2(VF2)』『真サムライスピリッツ』『ザ・キング・オフ・ファイターズ94』等の魅力的なゲームが登場する予定だ。その上、『プレイステーション』と『セガサターン』まで発売される。『ゲーマーに取って激動の時代がやって来るタイミングで受験と言う人生の分かれ道が待っている』と淡々と語るハルオ。これから息抜きなんて出来なくなる大野も目を伏せる。

その後、じいやの迎えの車に乗り込んだ大野を見送ったハルオ。去り行く車を見ながらハルオは自分の正直な気持ちに気付く。

俺は大野(アイツ)と一緒に居てぇと思っているんだ

ハイスコアガールCONTINUE 3巻 押切蓮介 136/200

そして、ハルオは大野と同じ”上蘭高校”を目指すため、猛勉強を始めるのであった。

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21 -CREDIT~ ゲームを封印して猛勉強をするハルオは大野に『共にいたい』という気持ちを伝える…そして受験の結果は…

今まで全く学業に向き合ってこなかったハルオが偏差値の非常に高い”上蘭高校”を受験する…そのハルオの決意に周囲は非常に驚く。

三者面談でも担任の遠野はハルオと母、なみえにハッキリと『無謀な考えだと思う』と言うも、『この無謀は悪いことではなく、大事なのは現状を変えようという姿勢です』と応援する態度を見せる。動機を『女への愛だろう』と指摘した遠野の言葉にギョッとするハルオ。しかし、遠野は『努力が結果に結びつくよう先生も一緒に闘います』と笑顔を見せるのであった。

親友の宮尾もまた、ハルオが大野と一緒にいたいがために”上蘭高校”を受験しようとしている事に気付き、『俺で良ければ勉強を教えてやる』と協力してくれるのであった。

ゲームの事ならすんなり頭に入るのに、中々学業の事は頭に入らないハルオ。しかし、ゲーセン通いと家庭用ゲーム機を封印して、担任の遠野や勉強ができる宮尾や日高のアドバイスを素直に聞き入れ、ハルオは少しずつ今までの遅れを取り戻していく。

本当にゲーセンに来なくなってしまったハルオにそれぞれ寂しさを抱く、大野と日高。魅力的な新作が稼働しても、『プレステ』が発売されてもハルオはぶれずに勉学に勤しむ。

そして、年が明け、2月、“上蘭高校”の受験当日の朝がやって来た。すると、家を出たハルオの前にじいやがやって来る。ハルオの母、なみえからハルオが大野と同じ“上蘭高校”の受験を目指していると聞いており、大野と一緒に受験会場まで車で送ってくれると言うのだ。

ハルオがゲームセンターに姿を表さなくなったことを、大野から心が離れたからではないかと心配していたというじいや。大野をゲーセンに連れて行っても心ここにあらずだったと話す。『お嬢様にとってお坊ちゃん(ハルオ)は心の拠り所』と言うじいやは、大野にハルオが同じ“上蘭高校”を受けるとは教えていないので自分で話すように言って、ハルオを車に乗せた。

車に乗ったハルオを見て驚く大野。何を話していいか分からないハルオは沈黙の末、新作の『バーチャファイターⅡ』の導入日にちょっとだけ様子を見に行った事を話し始める。『俺達子供が時代の変化を目の当たりに出来るのはゲーセンだ』と持論を語ったハルオは言う。

「この大きな流れを大野と見ていけたらどんなに楽しいかと本気で思ったんだよ」

ハイスコアガールCONTINUE 3巻 押切蓮介 163/200

そして、大野と同じ“上蘭高校”を目指すためにゲーセンを自粛して勉強をしていた事をハルオは明かすのであった。

すると、大野は顔を背けながら突然ハルオの手を握る。呆気に取られたハルオはこう口走る。

「…大野……俺なぁ…」

ハイスコアガールCONTINUE 3巻 押切蓮介 166/200

しかし、沈黙の後、『なんでもない』と濁してしまうのであった。

そして、じいやの車は受験会場に着いた。受験番号がカプコンのシューティングゲーム名と同じ『1942』であることに縁起の良さを感じたハルオ。猛勉強の成果を各科目の試験にぶつけていく。

(何度か出てくる『ギースに醤油』というのは『餓狼伝説』の楽曲名)

…そして…もし…受かったら
大野に俺の正直な気持ちを――

ハイスコアガールCONTINUE 3巻 押切蓮介 170/200

…そして、合格発表の日。そこには、大野の受験番号はあったものの、ハルオの“1942”は無いのであった…。

巻末オマケ、SPECIAL-CREDIT~デパートの屋上遊園地で、景品ゲームで対決するハルオと大野

1994年の7月、仲直りしたばかりのハルオと大野はデパートの屋上遊園地にやってきた。

しかし、大野は『フワフワドーム』でハルオに頭突きをかましたり、パンダの乗り物で跳ねようとしてきたりと、まだどこか意地が悪い。

『体験型は危ない』と悟ったハルオは屋内の景品ゲームをプレイしようとするが、そこでも大野が邪悪な笑みを浮かべながら妨害してくる。

流石に腹を立てたハルオは『景品ゲームで雌雄を決めよう』と大野に宣戦布告をする。

残金は互いに800円。『どちらがより多くより高価なモノを獲得できるか』を競うことにした二人。ハルオはまず1回20円のクレーンゲームで数を稼ごうとするも、“振り子現象”で一つしか取れなかった。しかし、受け口に前のプレイヤーの取り忘れたラムネが入っており、二人はしばし闘いを忘れて程よく湿ったラムネに舌鼓を打つのであった。

『クレーンゲームの腕なら俺の方が上かも』と笑うハルオ。大野もラムネの箱を取るが、ハルオはオマケのオモチャ付きのポンカン飴を取るなど先を行く。

更にハルオは『カプセルゴルフ』でデジタル時計を獲得する。ハルオは大野に自慢し、悔しがった大野はどこかに行ってしまう。

まだ安心できないハルオは『回転するターンテーブル上の景品を棒を押し獲るゲーム(正式名称不明)』で、『大人が付けそうなチェーンホルダー(と、ハルオが思っている厨二病感満載のチェーンホルダー)』も獲得する。

勝利を確信したハルオ。しかし、そこになんと大野が伊勢海老を7匹持ってくる。大野は残っていた700円を全て『イセエビキャッチャー』に投入し、全て取りつくしたのだ。

負けを認めるしかないハルオ。大野はじいやの迎えの車に乗り込み、獲った伊勢海老たちを海に返すのだという。『景品は勝った方の総取りだ』と言って、『メチャクチャ価値のありそうなチェーンホルダー (と、ハルオが思っている厨二病感満載のチェーンホルダー) 』を大野に渡そうとしたハルオ。しかし、大野はそれにゴミを見るような目を向け、そのまま去ってしまい、ハルオは憤慨するのであった。

修学旅行中、ハルオから没収した『ボンバーマン』をプレイした教師達であったが…

オマケとして描かれている17-CREDITの裏話が何とも…。修学旅行でハルオからゲーム機を没収した担任の遠野麗子は他の教師たちに『ボンバーマン』をやろうと誘う。

しかし、下手糞で自身を爆弾で閉じ込めてしまう(あるある)遠野先生はヒステリーを起こし、他の教師に噛みつき(物理的に)、止めようとした生活指導の沼田を返り討ちにするなど暴走するのであった…。

…ゲームって結構隠された人間の本性が出てくるので、この話は割とリアル…。この遠野先生の様に、普段冷静なのにヒステリーを起こしたり、あるいは、かなり卑怯な手を使ってきたり…普段仲が良い相手でも『コイツとはもう二度とゲームはしねぇ…』と思った経験は私にもある。

加速する日高の恋心と大野との和解

修学旅行で二人で新幹線に置いていかれるといった、ある種の”イベント”でより、ハルオへの想いを募らせた日高。

一方、距離が出来ていたハルオと大野の関係も、『スパⅡX大阪大会』をきっかけに改善。和解した。ここでとりあえず和解して、以前の様にゲーセンを共にめぐる様になったりはしたけど、個人的にはハルオが何故大野があそこまで冷たかったのかを完全には理解していないのがミソだなと感じる。大野がハルオと日高の事を誤解してしまって、そのことにハルオが全く思い至らないのはハルオが鈍感…というのもあるけど、日高のことを全く異性として見ていない、欠片も好意を持っておらず、本当に大野の事しか考えていないからこそ起きた悲劇だと言えるだろう。全く相手にされていない日高…。

そして、ハルオも『大野と一緒にいたい』とハッキリ意識する様になり、なんとゲーム断ちしてまで猛勉強して同じ難関校を目指す。落ちたけど。

純粋にラブコメとして物語も加速していったという印象だ。

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