【漫画】ハイスコアガールCONTINUE4巻【感想・ネタバレ・考察】家出する大野を探すハルオ、そして日高はついにハルオに告白し…

ハイスコアガール4巻表紙

中学校で再会したものの、心が擦れ違いギクシャクしてしまっていたハルオと大野。しかし、修学旅行中に出た『スパⅡX』の大阪大会での対戦を機に和解し再びゲーセンで肩を並べる様になっていった。

厳しい教育方針で自由がない大野を心配し、『一緒にいたい』と強く願う様になったハルオは大野と同じ高校を受験するためにゲームを断って猛勉強をする。しかし、ハルオは大野と同じ学校を落ちてしまうのであった…。

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【漫画】ハイスコアガールCONTINUE3巻【感想・ネタバレ・考察】修学旅行とスパⅡXの大会…そしてハルオは大野と同じ高校を受験するも…!?

最新刊・最終巻のあらすじ・ネタバレの記事はこちら
【漫画】ハイスコアガール10巻・最終巻【感想・ネタバレ・考察】ハルオと大野の最終決戦の行方は?~ラストに巻き起こる奇跡

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Contents

以下、あらすじとネタバレ

22 -CREDIT~ ゲーセンから足が遠退いていたハルオは日高小春にボロ負けしてしまう

1995年6月。セガサターンやプレイステーションの出荷台数は100万台を突破し、名作ゲームは次々に家庭版に移植されていった。

親の方針で女子校に進学した日高は髪を伸ばし大人びて、度々他校の生徒から告白される程美しくなっていた。しかし、日高は毎回告白を『好きな人がいる』と言って断っていた。同じ高校に進学した鬼塚から意中の相手を聞かれても決して答えようとしない。

ハルオの顔を最近見ていなかった日高は学校からの帰宅中、ハルオの家の窓を見つめる。するとハルオの母、なみえに遭遇し、せっかくだから家に上がる様に促され、ハルオの部屋に通された。

受験勉強の反動と、セガサターンを購入したことが原因で、ハルオは最近ずっと部屋の中でセガサターンに夢中になっているのだ。

ハルオは第一志望の上蘭高校には落ちてしまったものの、勉強を頑張った甲斐があって、親友の宮尾と同じ高校に合格することが出来た。今の学校でも勉強について行くのが大変な上、早朝にはバイトを入れている等、中々忙しい様子のハルオ。セガサターンで出る予定の『デイトナUSA』『極上バロディウス』『VFリミックス』等を購入するためにお金を貯めているのだ。

そんなハルオの話を聞きながら、本当は『大野さんとは最近どうなのか』と聞こうとした日高。しかし、ハルオから『プレイステーション買ったって言ってたよな?何のソフトを持ってる?』と聞かれ、質問するタイミングを失う。

『MYST』『鉄拳』『悟空伝説』等を持っていると答える日高。『気になるならウチに来ればいいのに』とそれとなくハルオを誘うも、ハルオは『セガサターン派だから』と妙な義理立てをするのであった。

それよりも、日高は最近ハルオがゲーセンに顔を出さないことが気がかりだった。『最近セガサターンをするのに忙しかったから』と言い訳するハルオを日高はゲーセンに連れて行く。

久々のゲーセンには新しい筐体が並び、最近『クロノトリガー』や『RPGツクール』等の家庭用ゲームしかしていなかったハルオは呆気に取られる。

そんなハルオを日高が『スパⅡX』で対戦しようと誘う。『この俺に闘いを挑むだなんて』と生意気に思いながら受けて立つハルオ。すると、日高はなんと隠しキャラの“豪鬼”を選択する。複雑な操作が必要な“豪鬼”の選択に失敗したことがないという日高に驚くハルオだったが、『ストⅡは自分のオハコだから』とあまり使いなれていない“本田”を選択する。

しかし、日高の豪鬼は想像以上に強く、きっちりコンボまで入れてきて、ハルオの本田はあっという間に倒されてしまう。

悔しさのあまり失禁しそうになるハルオだったが、『ヴァンパイアハンター』で勝負するよう日高に言う。あまり対戦経験はないものの、前作の『ヴァンパイア』はやりこんでいたため、自信があったハルオ。しかし、ハルオのビシャモンは日高操るフォボスに開始早々チェーンコンボを決められ、“コンフュージョナー”、“エスペシャルジェノサイドバルカン”を次々放たれ瞬殺されてしまう。

ショックのあまり、『私も上達したでしょう?』と嬉しそうに言う日高の声も聞こえていないハルオ。元々、ゲームの才能の片鱗を覗かせていた日高は場数を踏むことで強くなった。一方、家庭用ゲームで満足していた自分は弱くなってしまった…ハルオはそう気付いた。

ハルオは日高に『やるじゃないか』と強がるものの、ショックのあまりゲーセンから逃げるように帰ってしまう。

すると、その途中でじいやと一緒にいる大野を見掛けるが、慌てて物陰に隠れてしまう。

合わせる顔なんて…ねーよ…

ハイスコアガールCONTINUE 4巻 押切蓮介 26/200

大野と同じ高校に行くと言っておきながら落ちてしまったハルオは、大野と顔を合わせ辛くてゲーセンを避けていたのだ。

夜、そんなハルオに心の中のガイル(負け顔)が『諦めるな、コンテニューしろ!』と呼び掛けるが、ハルオは『日高に負けてしまう俺が大野に勝てるはずがない、もう家庭用ゲーマーになろう』と諦めようとする。すると、そんなハルオを『鉄拳』のアキラが『10年早いんだよぉ!』と叱り飛ばす。

目が覚めたハルオは初心に帰ってまずゲーセンの感覚を取り戻すことを決意するのであった。

そして堂々と…大野(俺より強いやつ)に会いにいく…!!

ハイスコアガールCONTINUE 4巻 押切蓮介 29/200

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23 -CREDIT~ 再度日高と対戦するハルオであったが…久々に土井登場

ゲーセンで手始めにストリートファイターの新作『ストリートファイターZERO』に挑戦するハルオ(しかし、今までの持ちキャラのガイルは登場せず、同じ戦闘スタイルのナッシュは使わずあえてガイを持ちキャラに)。

そして、モチベーションを上げるために高校の休み時間にはストⅡのサウンドトラックを聞く。

そんなハルオに絡むのは小学校の同級生だった土井(大野を口説こうとしていた少年)。

土井はゲームへの闘志を高めようとしているハルオに『大野さんはどうしてる?お前と大野さんが二人でいたという噂が流れている』と尋ねる。

ハルオは慌ててその噂を否定するが、そんなハルオの態度を今度は宮尾が心配する。宮尾はハルオが大野の通う上蘭高校の受験に失敗したことを引け目に感じて接触を避けていることを見抜いていたのだ。

宮尾と土井と共にゲーセンに向かったハルオ。宮尾はゲーセンに慣れていない土井をメダルゲームコーナーに連れていき、ハルオは『大江戸ファイト』『スーパーマッスルボマー』『マーシャルチャンピオン』に熱中する。昔の感覚を取り戻すものの、傍らに大野がいないことをハルオは寂しく感じる。

すると、その時背後に長髪の女性が立っていることに気付き、ハルオは慌てて振り返る。

そこに立っていたのは日高でハルオは一瞬落胆してしまう。日高はハルオが最近またゲーセンに顔を出すようになったことを喜んでいた。

ハルオはそんな日高に『真サムライスピリッツ』で勝負を挑む。日高は“ナインハルト・ズィーガー”を選択し、ハルオは“半蔵”を選ぶ。

対戦中に修学旅行の時の思出話を始める日高。しかし、日高は“ティーガー・コップ”、“ファルケ・ナーゲル”、“エレファント・グリード”の3連必殺技を繰り出し、ハルオの半蔵の“爆炎龍”を“ファイヤー・ストゥーム”で簡単に弾き、すぐに1本取る。

焦ったハルオは2ラウンド目は『ナインハルトの技が卑猥に聞こえる』等と言って日高を動揺させて勝利するも、最終ラウンドもあっさり日高に負けてしまう。

悔しさから『ザ・キング・オブ・ファイターズ94』でも勝負をせがむハルオだったが、またしても日高に惨敗する。

日高はハルオが自分に無関心であることをよく分かっていた。しかし、ゲームが絡めば別だ。

勝ち続ける事で私に関心を持ってくれるのであれば…
私は絶対に負けない――

ハイスコアガールCONTINUE 4巻 押切蓮介 51/200

不敵に笑いながら『イー・アル・カンフーからやり直せば?』とハルオに言い放つ日高。すると、ハルオは泣きながらゲーセンから走り去ってしまう。言い過ぎたことを後悔する日高。

そのやり取りを見ていた宮尾と土井。土井は『何故ハルオがあんな可憐な女子と仲良くできるのか』と悔しがり、宮尾は日高のドSさに驚く。

落ち込みながら両替機の元に向かった日高。すると、そこで大野に遭遇するのであった。

24 -CREDIT~ 始めて言葉を交わした大野と日高…日高は大野にハルオへの気持ちを尋ねるが…

初めて近距離で対峙した日高と大野。緊張しながら『大野さんでしょ?』と語り掛ける日高に、大野もまた緊張した様に頷く。無口な大野に何を話していいか分からず困惑する日高だったが、目の前の大野こそがハルオに勉強とゲーム断ちをさせるほどの存在だと思うと妙な闘志が湧いてくる。

すると、そこに宮尾が『久しぶり』といいながらやって来る。離れた所から二人のやりとりを見守っていた宮尾はぎこちない雰囲気を察して助け舟を出しに来たのだ。

そんな中、意を決して『せっかくだから私と対戦してほしい』と大野に行った日高。しかし、対戦ブースでは乱闘騒ぎが起きており、宮尾が『今日はやめた方がいい』と制止する。今日はもう帰るか…という流れになったその時。

大野を見た土井が『大野さん、土井だよ、覚えていてくれたかい!?』と言って突入してきた。土井が『大野さんのためにアメをゲットする』と言い出したため、4人はクレーンゲームコーナーに移動することにした。

スウィートランドに文句をつける土井とそれをなだめる宮尾を後目に大野のことが気になって仕方がない日高。

あの矢口君にゲームをガマンさせるくらい本気にさせる人

ハイスコアガールCONTINUE 4巻 押切蓮介 65/200

しばらくすると、土井が大野に『僕が勝ったら映画を見に行こう』と言ってバスケットボールゲームで勝負を挑む。淡々とゴールにボールをシュートし続ける大野に後ろから日高が突然、『最近矢口君と顔合わせてる?』た尋ねる。

すると、大野はコントロールを誤り、顔面にボールを喰らってしまう。

日高の問いに答えることなく、ガンアクションの『バーチャコップ』をプレイしようとする大野。すると、すかさず日高は『私もやる』と2Pとして参戦する。『華麗な女子の銃撃戦』と喜ぶ土井と違って、ただならぬ雰囲気を感じ取った宮尾は『えらいこっちゃ』と心配する。

一発で確実に目標を仕留める大野の腕に感心する日高。無口で取っ付きにくいがキレイでどこか陰のある大野の魅力を知る。

どうしても大野の本音を知りたい日高はここでも『矢口君の事をどう思っているの?』とさりげなく尋ねる。

すると、途端に大野は一般人を誤射する凡ミスをしてしまう。畳み掛ける様に『矢口君は上蘭高校に落ちた引け目で大野さんと会うのを怖がってゲーセンに来なくなってしまった』と告げる日高。大野に『気持ちを教えて』と言い、こう続ける。

「もし大野さんが矢口君に対して関心がなく…何も感じてないのであれば…」「私が矢口君に…」

ハイスコアガールCONTINUE 4巻 押切蓮介 70/200

すると、その直後から大野はすごい気迫で敵を倒していき、日高の三倍近いスコアを叩き出すのであった。

まるで敵わなかった日高だが『もし、これが対戦格闘ゲームだったら』と考えてしまう。しかし、一方、初めて話す相手に、それもゲームプレイ中にあんなことを言ってしまったことを恥じた。

帰宅後、大野は待ち構えていた家庭教師兼教育係の業田萌美からゲームセンターに立ち寄っていることについて厳しく咎められる。じいやは『お嬢様にとってのささやかな楽しみで息抜き、ゲームセンターがダメならせめて家庭用ゲーム機を…』と大野を擁護するが、萌美に蹴り倒されてしまう。

大野に午後4時までと厳しい門限を課すことにした萌美。『友人との交流は行内で十分』だと言い放つ。

「男子との交流…恋愛なんてもってのほか」
「高校を卒業し一流大学に入学して勉学に専念したのち…」
「決められた男性との結婚が控えているのです。それがアナタのお父様とお母様の御意思なのです…」

ハイスコアガールCONTINUE 4巻 押切蓮介 76/200

その頃、そんな大野の事情を露も知らないハルオはクラスメイトの金持ちの少年から借りた『ネオジオCD』で修行し、日高を倒すことはもちろん、この調子なら来週は大野と堂々と戦えると待ち遠しく思っていた。

…夜、ベットで横になった大野は厳しい萌美の締め付けと、日高から言われた『大野さんの気持ちを教えて』という言葉を思い出し、一人涙を流すのであった…。

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25 -CREDIT~ 厳しい教育方針に耐えられなくなった大野は家出し、ハルオは川崎まで大野を探しに行く

1995年7月。修行して格ゲーの感覚と自信を取り戻したハルオだったが、どこのゲーセンに行っても肝心の大野の姿を見つけることが出来ない。

物足りなく残念に思いながら『真・サムライスピリッツ』の幻庵で21連勝をするハルオを日高は『すっかり昔の勘を取り戻した』と安心して後ろから見守る。

ハルオは日高に『俺はもっと前へ行く』と言って勝負を申し込む。だが、日高は『まだ優位に立っていたいから』とそれを断る。日高はハルオが『前』…すなわち自分の先に大野を見据えていることに気付き、それが気に食わなかったのだ。

バイトに励みながら、放課後は大野を探しながらゲーセンに通うハルオ。しかし、もうすぐ『ザ・キング・オブ・ファイアターズ95』や『鉄拳2』が出るというのに大野は姿を見せない。

なんで俺はこうも空回りしちまうんだろうなぁ…

ハイスコアガールCONTINUE 4巻 押切蓮介 90/200

ハルオは『大野はゲームに飽きてしまったのか』と心配し、寂しく思うのであった。

すると、その1週間後、ハルオの元にじいやが尋ねてきた。なんと、大野が家出をしてしまったというのだ。

厳しくなる一方の家の躾のため、自由な時間が全く無くなってしまった大野。高校に入ってからは友人も全くいなくなってしまい、手掛かりはハルオだけだと思い尋ねてきたのだ。

大野の置かれていた環境に愕然とするハルオであったが、『大野が行くとしたらゲーセンしかない』とハルオは近所のゲーセンを探し回る。しかし、そこに大野はおらず、『家出をするのだからじいやが見つけられるような場所にはいない』と考えた。

修行なんて言っていないで、もっと早くアイツに会うべきだった…そう後悔するハルオ。しかし、同時に『俺なんかが出しゃばっていいのか』とも躊躇していた。

それでもハルオは大野の所持金の少なさや、一度一緒に行ったことがあることを考慮して、電車で川崎まで行って大野を探すことを決意する。

途中ゲームショップやゲーセンで道草を食ったりしながら大野を探すハルオ。
(途中のゲームショップでハルオが手にしたのは『ストリップ・ファイターⅡ』というストⅡをパロッたお色気ゲーム)

しかし、川崎は広いうえ、ゲームセンターの数も膨大でハルオは大野の姿を見つけられず、『そもそも川崎にいるかもというのも、ただの憶測だし、とっくに家に帰ってるかもしれない』と諦めかける。

『今回も結局自分の一人相撲で、また空回りしてしまった』…そう思って帰ろうとしたが、素直にこう思う。

大野と会いてーなぁ…

ハイスコアガールCONTINUE 4巻 押切蓮介 103/200

その時、目立たない地下にあるゲーセンの看板がハルオの目に飛び込む。

そこでは大野が『ヴァンパイア』で既に70連勝もしており、新しい対戦相手のビシャモン使いも中々強かったものの、攻撃を”ガーキャン”で跳ね返して倒す。

だが、その相手のビシャモン使いはハルオだった。大野の強さを噛みしめながらも、見つけられたことに安心するハルオ。気まずそうな大野にご飯を食べさせるために外に連れ出すのであった。

26 -CREDIT~ 同じホテルの部屋で一晩共に過ごしたハルオと大野…帰りに”プリント倶楽部”で写真を撮る

とりあえず家出中の大野を川崎で保護し、ファミレスでご飯を食べさせたハルオ。大野はまだ帰りたくないようでハルオは『もうちょっとだけ遊びに行くか』と言って一緒にゲーセンに行く。

しかし、その後も帰りたくないと駄々をこねる大野にお手上げ状態になったハルオは自宅にいる母、なみえに公衆電話で相談する。大野の事情を汲んだなみえは自分がどうにかすると言って5分後に再び電話する様にハルオに指示した。

ハルオは待っている間、お金もほとんど持たずに無計画に家を飛び出した大野を『そういうところ俺より馬鹿だ』とからかい、怒った大野に蹴りを入れられるのであった。

…母、なみえの指示に従ったハルオは困惑する。なみえはビジネスホテルの部屋を取ってくれたものの、ツインベッドの一部屋を取ったのだ。

『二部屋用意してくれればいいのに』『自分が誘拐したり連れ回したと大野の家に勘違いされないか』等と気を揉むハルオであったが、深夜の街から逃れられたことに安堵し、風呂の準備をして先に大野に入らせた。

大野がお風呂に入っている間、『久しぶりに大野に会ったというのに、何故こんなところにいるのだろう』と改めて自分の置かれた状況に混乱するハルオ。お風呂から出てバスローブ姿になった大野を直視できず、とりあえず自身も慣れないユニットバスに浸かる。

その後、互いのベッドに座るものの、何の会話も出来ないハルオと大野。高校に入って4か月、積もり積もった話があったはずなのに言葉が出てこない上、土曜深夜のテレビはCMばかりで、ハルオは気まずく感じる。

すると、ハルオは大野を探している途中で『ニューファミコン』と店主に勧められた海外ソフトを購入したことを思い出し、大野に一緒にやろうと誘う。

海外ソフトはパチモンでストリートファイターの春麗とキング・オブ・ファイターズのテリーが対戦する等、中々に壊れた世界観。大野的にはあまりピンと来ないようだが、ハルオは深夜に大野と共にゲームに興じることにワクワクする。

『大野に次世代機のすごさを見せてやりたい』と語るハルオ。最近の家庭用ゲーム機ではアーケードの移植が進んでいることを説明する。そして、厳しい大野家の教育がいつ終わるのかを尋ね、『俺に何か出来れば…』と言い、ゲームをしながら寝落ちしてしまうのであった。

寝落ちしてしまったハルオに大野は布団を掛けてやり、しばしその寝顔を見つめてから自分もベッドに戻り眠るのであった。

早朝、目覚めたハルオは同時に起きた大野に、朝6時半から11時までバイトが入っているため、チェックアウトの12時に戻って来ることを告げて、昼食代を渡してホテルの部屋から出る。

部屋から出る直前、見送る大野が見せた笑みにドキッとしたハルオ。帰宅したらまた酷く叱られるであろう大野を想像して思う。

…大野(アイツ)の…支えになってやりてぇな…

ハイスコアガールCONTINUE 4巻 押切蓮介 130/200

いつになくバイトに励んで大野の待つホテルに戻ったハルオ。地元に戻る道を歩きながらハルオは大野に『イヤなことがあったら矢口家で匿ってやるからいつでも来い』と言う。

すると、大野が道中にあった『プリント倶楽部(プリクラ)』を指さして撮りたいとねだり始めた。照れくささを感じたハルオは変顔をして誤魔化そうとするが、気付いて怒った大野がそんなハルオに頭突きをかました。プリクラは大野がハルオに頭突きしたその瞬間を撮ってしまったが、大野はそのプリクラを嬉しそうに見つめるのであった。

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27 -CREDIT~ 『勝ったら付き合って欲しい』そう言ってハルオに勝負を申し込んだ日高

『ヴァンパイアハンター』でフォボスを操り14連勝した日高。ハルオに誘われ駄菓子屋で格ゲーに触れてから1年半、自身がこんなにゲームに夢中になるとは想像すらしていなかった。しかし、同時に日高は縮まらないハルオとの距離に苛立ちを感じていた。『それは矢口君が大野さんしか見ていないから』…そうハッキリ気付いている日高の気持ちは晴れない。

ゲームの事ばかり考えていて、子供っぽいハルオ。

それでも己の世界にまっすぐな矢口君に…私は惹かれちゃってんだなぁ…

ハイスコアガールCONTINUE 4巻 押切蓮介 141/200

『たまには肩を並べて『パズルボブル』とかをやりたい』…そう思うものの、日高はそれを口に出すことは出来ないのであった。

花火大会の夜、特に出掛けるつもりもなく家で過ごすハルオに母、なみえは『晶ちゃんを誘ったら?』と言う。じいやからあの家出の後、大野がこっぴどく叱られたと聞いたものの、大野としばらく会っていなかったハルオは大野に電話してみようか等と考える。

すると、チャイムが鳴り、『プレイステーション』を持った日高がハルオの元にやってきた。もうすぐ『鉄拳2』がでるから『鉄拳1』をやりこみたい…ハルオがそう言っていたのを覚えていた日高は貸してあげるためにわざわざ持ってきてくれたのだ。

初めて触れる『プレイステーション』に興奮するハルオ。一緒に対戦しようとするハルオに日高は『うしろで見ている方が好き』と言って楽しそうなハルオの姿を満足げに眺めるのであった。

一通りプレイして満足したハルオは『プレイステーション』のお礼に『セガサターン』を貸すと言い出す。『VF』『デイトナUSA』『Dの食卓』『バトルモンスターズ』等、日高が好きそうなソフトを選び、ハルオは持ち運ぶための紙袋を取りに部屋を出た。

一人ハルオの部屋に残された日高は興味津々で乱雑なハルオの机を眺める。…しかし、そこで大野と二人で写ったプリクラを発見してしまうのであった。

花火が打ち上げる夜道、母なみえに促されて日高を家まで送ることにしたハルオ。ハルオは『ストリートファイターリアルバトルオンフィルム』の話をするが、日高がそれを遮るように言う。

「お…大野さんとは…付き合ってるの?」

ハイスコアガールCONTINUE 4巻 押切蓮介 153/200

戸惑うハルオに日高は『矢口君はどう思ってるの?』『異性として好きなの?』と矢継ぎ早に尋ね、そして言う。

「私は矢口君の事が好き」
「大好き」

ハイスコアガールCONTINUE 4巻 押切蓮介 155-156/200

驚き、何か言おうとするハルオを『何も言わないで』とセガサターンが入った紙袋で殴って制止する日高。そして、『一方的なのは分かっている』『矢口君と大野さんの関係に入り込む余地がないのも分かっている』と言ったうえで、以前からハルオが度々願っていた『再戦』を持ち出す。

「その勝負で矢口君が勝ったら…私はおとなしく引き下がる…」
「…で…もし…私が勝ったなら…」
「…私と付き合って…」

ハイスコアガールCONTINUE 4巻 押切蓮介 158-159/200

花火が鳴り続ける中、日高は涙を浮かべながらそう言うのであった…。

SPECIAL-CREDIT①~セクハラを受けながら、ゲーセンで一人修行する日高

時は遡り1995年、4月。上蘭高校に落ちて以降気が抜けたようになり、ゲーセンに顔を出さなくなったハルオとは対照的に、日高はゲーセンに通うようになっていた。

しかし、対戦すると手足も出ない日高。ハルオのアドバイス通りに『イー・アル・カンフー』から練習するが、横で『ギャルズパニック』をプレイする男がわざと『裸!裸!』と騒ぐなどセクハラめいたことをされる。

卑猥なゲームも少なくないゲーセン。日高は戸惑うものの、『耐性をつけなくちゃ』といたいけな小学生男児の前で『ギャルズパニック』をプレイし、エロい画を出し泣かせるのであった。

『ゲーセンは男の戦場でアホの巣窟』…かつてハルオに言われた言葉の意味を実感する日高。しかし、一方で『スプラッターハウス』のストーリー性の高さを感じるなど、ゲーム達の持つ魅力に惹かれ始めていた。

そして、なんと『スプラッターハウス』でハイスコアを叩き出した日高。自身の名、小春から『KOH』とつけた日高はハルオが気付いてくれるのを想像してワクワクする。

『いつか矢口君がゲーセンに戻ってきたとき、対等に遊べるように腕を磨かなくちゃ』と思う日高は実家である日高商店の筐体でも『真剣さがないと強くなれない』と自腹で練習をするのであった。

ある日、ゲーセンで『スパⅡX』でキャミィを操作していた日高は対戦相手のザンギエフからハレンチな技を繰り返され怒る。ギャラリーも『ハレンチ攻撃だ』と喜びはしゃぐが、それが劣勢だった日高に火をつけた。日高はキャミィを駆使してザンギエフに“スピンドライブスマッシャー”を叩き込み勝利するのであった。

『すごい女子だ』とざわめくギャラリー。日高は純粋にゲームを楽しいと感じており、『男の戦場でスケベでアホな人も多いけど、ゲーセンは素敵な場所』と思うのであった。

結果的に13連勝した日高は『うしろで矢口君が見てくれていたら』と思いながらも上機嫌になる。そして、ふと『スプラッターハウスでトップを保ててるかしら』と筐体を覗き込む。

…すると、トップの座を奪われた上、トップの名前が『SEX』となっているのを見た日高は心が折れそうになるのであった…。

SPECIAL-CREDIT②~『ヴァンパイア』の“スペシャル必殺技”を求めて旅するハルオと大野

更に時は遡って1994年8月(ハルオと大野が中学3年生の夏、修学旅行の後で和解している)。それは初代『ヴァンパイア』が稼働開始した時期であった。

ハルオは『ヴァンパイア』の”スペシャル必殺技”を探し出そうと躍起になっていた。『ヴァンパイア』には各キャラクターに”スペシャル必殺技”が用意されているのだが、筐体の技表には『ときはなて秘められし闇の力を』と書かれているだけでコマンドは伏せられているのだ。

その話に興味津々な様子な大野にハルオは”サスカッチ”と”ガロン”、”ビクトル”、”ビシャモン”の”スペシャル必殺技”を見せる。ハルオはこの4人の”スペシャル必殺技”を自力で見つけたのだ。

あと、6人…”デミトリ”、”オルバス”、”モリガン”、”アナカリス”、”ザベル”、”フェリシア”の”スペシャル必殺技”を見つけられないハルオ。見つけるためにはプレイしなければならず『ゲーマーは金が掛かる』と嘆く。

すると、大野が置いてあった”ゲーセンノート”をハルオに見せる。そこにはなんとザベルの”スペシャル必殺技”のコマンドが書かれていたのだ。

驚きながらも『これはカンニングでは!?』とパニックを起こすハルオ。すると大野が『OK』とジェスチャーで言い、ハルオは『大野が良いと言うなら』と納得。

そして、二人は『ゲーセンノートがあるゲーセンに行けば、残り5人の”スペシャル必殺技”が分かるかもしれない』と、ゲーセンを巡る小旅行に出る事にした。

次のゲーセンの掲示板でオルバスの”スペシャル必殺技”のコマンドをあっさりと見つけた二人。しかし、次に行った駄菓子屋ゲーセンでは全く何の手がかりも得られず、二人は駄菓子で腹ごしらえをする。

『やっていることは小学生の頃と変わらない』『来年で高校生で受験も控えているのに、こんなことをしている俺ってどうよ』…そうボヤくハルオに再び『OK』をする大野。

次に行ったゲーセンでは丁度デミトリを操作していたゲーマーからハルオは”スペシャル必殺技”のコマンドを直接伝授してもらう。

『残るは”フェリシア”と”モリガン”と”アナカリス”だ』と言うハルオ。するとそれを聞いていた怪しげなゲーマーが『フェリシアの隠しコマンドなら500円で教えてやる』とハルオと大野に寄って来る。

『コイツは豪鬼の出し方を金で教えてたタイプの奴だ』と思いながらも『500円で教えてもらうのもありかも…』とお金を出しかけたハルオ。すると、そんなハルオに大野は怒ってゲンコツをし、ハルオは反省して『地道に行こう』と次のゲーセンを目指す。

だが、その後、”スペシャル必殺技”の出し方はどこのゲーセンに行っても分からず、日が暮れてしまった。

大野の門限を考えたハルオは『先に電車で帰ってくれねーか?』と言う。『本当は大野と全キャラの”スペシャル必殺技”を見つけ出す喜びを分かち合いたかった』と残念がるハルオ。すると、大野はハルオの服を引っ張って『ヴァンパイア』の筐体に座る。

そして、 ”フェリシア”と”モリガン”と”アナカリス” の”スペシャル必殺技”をハルオに見せつけた。複雑なコマンド操作に驚くハルオだったが、それと同時にあることに気付く。

「っていうかテメー最初からスペシャル必殺技を全部知ってたんだな」
「なんで黙っていやがった!?」

ハイスコアガールCONTINUE 4巻 押切蓮介 188/200

帰り道、『とんだ無駄足だった』と思いながらも『何故大野は全部コマンドを知っていたのに、こんなコマンド探しの旅に付き合ったんだろう』と疑問を持つハルオ。しかし、鼻歌を歌うなど上機嫌な大野を見て『まあいいか』と思うのであった。

以下、感想と考察

大野と日高、それぞれの魅力が描かれた4巻

大野と日高が接触する等、”ラブコメ”らしさが増した4巻。と同時に大野と日高のことが深く描かれてより両者の魅力が伝わってきた。

まず日高。元々可愛かったけど、高校生になり髪を伸ばした彼女はずいぶんと垢ぬけた。ハルオを振り向かせるためにゲームの腕を磨いた彼女は、ゲーセンから離れていたハルオを圧倒的な力の差で負かした。

しかし、日高はハルオが常に自分ではなく大野を見据えていることに気付いており、どうしても二人の絆の中に割り込めない現状に苛立ち、大野に揺さぶりをかけ、そしてついにハルオに堂々と告白する。

…普通のラブコメだったら、ライバルキャラってどうしてもイヤミな所が出てしまうものだけど、日高においては全くそういうのを感じさせないのがすごい。

一方、大野も家の厳しいしつけに縛り付けられることと、自身のハルオへの気持ちに苦しむ。許嫁がいるんだ…。涙を流す大野が本当に不憫だ。そして、優秀な様で所持金もほとんど持たないで家出してしまうなど、向こう見ずな所も描かれた。ホテルでハルオを見送る大野は半端なく可愛い。

オマケ漫画のSPECIAL-CREDITが秀逸

毎回楽しみにしてるけど、おまけマンガのSPECIAL-CREDITが今回は特に秀逸。

まずは、日高小春の修行を描いたSPECIAL-CREDIT。時代的にもっと後であるが、私も一時期ゲーセンに通っていたので、このゲーセンのすえた雰囲気はよく分かる。

…やっぱり男性が多いので、こんな感じで間接的に微妙にセクハラめいたことをされることはなくもない。そして、オチも良い。こんな感じにゲーセンを美化しすぎない所に好感を持てる。

そして、『ヴァンパイア』の”スペシャル必殺技”のコマンド探し。大野がチャーミング。ゲーセンノートにザンギエフの顔を描いたり、さり気なくコーンアイスの蓋を開けるのに失敗していたりするのが可愛い。本当はコマンド全部分かっているのにハルオと旅したいがあまり黙っているのがね…。

26CREDITの裏側、ハルオと泊まったホテルで、以前じいやに『絵の裏にお札が貼ってあったらヤバい部屋』と言われたことを思い出して絵の裏を見る大野。貼られていたのは『ビックリマン』のシャーマンカーンのシールだったのだが、そもそも『ビックリマン』のことを知らない大野はショックを受けてしまうという…。

果たしてハルオと日高の勝負の行方は…!?

ついにハルオに告白すると同時に『勝負に勝ったら付き合って』と言い出した日高。果たしてハルオの心は、そして勝負の行方は…!?

次の記事はこちら→【漫画】ハイスコアガールCONTINUE5巻【感想・ネタバレ・考察】決戦に備えて修行する日高~そして大野の姉、真が登場

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