『勝負して勝ったら私と付き合って』と日高小春から決戦を申し込まれたハルオは日高に勝利するも、日高はハルオへの気持ちをまだ諦めることは出来なかった。
一方、大野晶は家庭教師兼教育指南役の業田萌美の厳しい教育方針に、ハルオの存在を心の支えに日々耐えていた。晶と強い絆を持つハルオの存在に興味を持った、晶の姉、真はハルオに接近し、二人の関係を応援する。
また、大野のゲームの趣味やハルオとの関係を認めていなかった萌美もハルオの人柄を知り、態度を軟化させ、大野にハルオと共に幕張の『AOUショー』に行くことを許したのであった…。
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→【漫画】ハイスコアガール10巻・最終巻【感想・ネタバレ・考察】ハルオと大野の最終決戦の行方は?~ラストに巻き起こる奇跡
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Contents
以下、あらすじとネタバレ
41 -CREDIT~ハルオの家で対峙した大野と日高は家庭用『バーチャ2』で勝負することに
1995年9月は『バーチャコップ2』が稼働し、10月はアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』が放送、11月には『ファイティングバイパーズ』が稼働して『Windows95』の日本語版が発売した。そして1996年になった。
1996年、素人の宮尾にも分かる位ゲーセンの進化は目覚ましく盛り上がっていた。ゲーセンで遊ぶハルオと宮尾だが、宮尾は度々ハルオに大野との仲の進展具合を尋ねる。宮尾はハルオがボヤボヤしているうちに、大野が別の男と付き合ってしまうのではないかと心配しているのだ。
だがそんな宮尾にハルオは逆に『女子と付き合ったら何するんだ?』と尋ねる。『イチャイチャしたり…』と言葉を濁す宮尾だったがハルオが今一つピンと来ていないため、『今日はお前の家で語り合おう』と言って、そのためのジュースやお菓子を買うために近くにあった店に入る。
しかし、その店は『日高商店』…日高の親が経営しており、ちょうど日高が店番をしていた。ハルオに対して辛辣な態度を取り、『ひっぱたきたい顔をしてるから』とビンタまでする日高。あまりに荒々しい日高の態度に驚いた宮尾は『気分転換に一緒にハルオの家で語り合わないか』と日高を誘い、日高も行くことにした。
だが、ハルオの家にはちょうど、大野と大野の姉、真がやってきており、ハルオの母、なみえと“オゲレツシリトリ”で盛り上がっていたのだ。ハルオが友人を連れ帰ってきたと知った真は『みんなで一緒に遊ぶ』と言い出したのだ。
だが、ハルオの部屋にハルオ、宮尾、日高、大野、真が揃うと緊張感が走る。以前、日高と顔を合わせたことのある真はこの異様な“気”を最も放っているのが日高で、ハルオとの間に何かがあったことを察して居たたまれない気持ちになる。そして、ハルオと日高の間に起きたことを知っている宮尾は『まさか大野さんがいるなんて』と非常に気まずくなる。大野と日高は互いにどこか不機嫌そうで、部屋には沈黙が流れているのだが、ハルオは何も感じないようで呑気に菓子を食べている。
すると、突然日高が『大野さん』と呼び掛け沈黙を破ったが、重苦しい空気に耐えられなくなった宮尾は悲鳴を上げ、『僕帰ります!』と言って部屋を飛び出した。驚くハルオだが、真もハルオと大野と日高の三角関係を察し『19歳の私はまだ恋すらしたこともないのに、この子達はフケツよ!』と思い、『お母さんとお話する』と言って部屋を出ていく。
結果、ハルオの部屋はハルオと大野、日高の三人だけになってしまい、流石のハルオも『俺の自室がゲーセン並の殺意に満ちている』と流れる空気のヤバさに気付く。すると、そんな中で日高は先ほど言い掛けた事の続きを言う。
「前々から大野さんと対戦ゲームで勝負をしたかったんだよね」
ハイスコアガール7巻 押切蓮介 36/182
日高は大野に“勝負”を申し込んだのだ。セガサターンの『バーチャファイター2』で勝負することになった日高と大野。ジョイスティックは一つしかないため、日高がジョイスティック、大野がパッドでプレイすることとなる。緊張しながらも大野と日高の対戦に少しワクワクするハルオ。大野はアキラを、そして日高はサラを選択した。
開始早々、大野は“鷂子穿林”からの硬化状態のコンボで追い打ちをかけ、さらにそこに“白虎双掌打”で日高のサラの体力を1/4まで減らし“翻身単打”でトドメを差す。
負けて黙る日高を見て、大野も日高も本気であると察し、唖然とするハルオ。
2ラウンド目も大野は“単翼頂”、“外門頂肘”、“双拍手”で攻める。だが『負けたくない』と強く思う日高は押し返しKOする。
3ラウンド目、大野は突然ゲームパッドを床に置く。すると格段に動きがよくなり、ゲームパッドというハンデを感じさせないことに順正に感心する日高。しかし、『大野さんはすごいけど、私も今まで積み重ねてきた』と思いながら食い下がろうとする。
その時、大野は“崩撃雲身双虎掌”を出し日高のサラをKOする。複雑なコマンドで通称『アキラスペシャル』と呼ばれるそれをゲームパッドで見事に出した大野にただただ驚くことしか出来ないハルオと日高。
…完敗だ…
ハイスコアガール7巻 押切蓮介 48/182
日高は負けを認め、悔しく思うのであった。
姉、真に帰るように促された大野は去り際、大野と日高の勝負の裏にあった攻防に気付いてないハルオの足をわざと踏んづける。だが、日高から『また対戦してくれる?』と問われるとうなづくのであった。
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42 -CREDIT~日高の取り巻き”溝の口勢”にイジメられたハルオは渋谷に赴き…
ゲーセンでハルオは“夜ゲー”のゲーマー達…ニコタマちゃん率いる“溝の口勢”を名乗るゲーマー達から『ヴァンパイアハンター』で『必ずパイロンで乱入する』という地味な嫌がらせを受ける様になった。
“溝の口勢”は仲間である日高に愛されながらも、その好意を受け止めないハルオに嫉妬と憎しみを持っており、目の敵にしているのだ。
“溝の口勢”のリーダーであるニコタマちゃんは『プレイヤー同士仲良くしなさい』とゲーマー達を咎めるが、肝心の日高がハルオに辛辣な態度を取り続け、他のゲーマーが『日高氏は(ハルオのことを)目障りだと思っている』と言うと『そうかもしれない』と言ってしまう。すると、流石に気分を害したハルオはゲーセンから出ていってしまった。
ハルオが去ってしまったことにショックを受け後悔する日高。ニコタマちゃんにも『あんなイジワルを言うのはらしくない』と窘められるがハルオへの苛立ちを上手く押さえられず、自己嫌悪に陥るのであった。
ゲーセンを飛び出したハルオもまたムシャクシャしていた。”溝の口勢”に除け者にされ嫌がらせを受けるせいで地元のゲーセンに居づらいうえに最近は大野もあまり見かけない。寂しさを感じたハルオは勢いで渋谷にやって来てしまった。
ガラの悪い輩が数多くいる90年代半ばの渋谷。ハルオは身の危険を感じながらも『やさぐれた俺にはお似合いだ』と思い、大型ゲームセンター『渋谷会館モナコ』に足を踏み入れる。
そこではガラの悪いゲーマー達が『カイザーナックル』のラスボス”ジェネラル”を倒せず騒いでいた。この『カイザーナックル』のラスボスのジェネラルは異常なまでに強くゲーム雑誌『ゲーメスト』すら『気合で倒すしかない』と書くほどだ。そんなゲーマー達を眺めていたハルオだったが、ゲーマー達から『何見てんだ、ジェネラルを倒せない俺たちをバカにしてんのか』と絡まれてしまい、『腕に自信があるならやってみろ』と脅される。仕方なく『カイザーナックル』ををプレイし、武龍をセレクトするハルオ。
実は中学生の頃、ハルオは大野と共に『打倒ジェネラル』を目指していた時期があった。天才的な腕を持つ大野ですらジェネラルは倒せず、その夢を果たす前に地元のゲーセンでは『カイザーナックル』の筐体が撤去されてしまったのだ。しかし、大野はある有効な攻略法を編み出していた。
それは武龍で”龍気斬”をやって”下段蹴り”を繰り返す…つまりパターン化させてハメ殺すというものであった。美しくないやり方だが、すぐハメ殺してくるジェネラルに対してこれ以外に有効な方法が無く、油断するとすぐに片足ぐりぐりの反撃が来る。渋谷のゲーマー達が盛り上がる中、大野の意思を継承するためにも集中してハメ殺しを続けるハルオ。結果、無事にジェネラルを倒すことができ、渋谷のゲーマー達は始めてみる『カイザーナックル』のエンディングに感動する。『本当は大野とクリアの喜びを分かち合いたかった』と複雑な気持ちになるハルオ。
すると、渋谷のゲーマー達は一転してハルオに好意的な態度を見せ、『良かったら渋谷のゲーマー、”渋谷勢”として加わってくれ』『最近よそのゲーマーが渋谷に攻め入ってこようとしているから返り討ちにしたい』と誘ってくる。気が乗らないハルオだが、その攻め入って来るよそのゲーマーが”溝の口勢”であると知って顔色を変える。
溝の口勢!!
ハイスコアガール7巻 押切蓮介 77/182
アイツら…豪指の矢口を差し置いてそんなだいそれたことを…!!
そん中に日高がいるってのも気に入らねぇ
ハルオは”渋谷勢”に加わり”溝の口勢”を倒すことを決意するのであった。
43 -CREDIT~すっかり渋谷色に染まったハルオを周囲は心配するが…
日高はニコタマちゃんから『”渋谷勢”と対決する』と聞かされて困惑する。そんな日高にニコタマちゃんは『別の地域のゲーマーとの交流の場だと思えばいい』と語るが、日高は『縄張り争いみたい』と思い気が進まない。最近では『ストZERO2』が稼働したというのにゲーセンにハルオが姿を見せることがなく、日高は『この間のことを謝りたいけど家にも行きづらい』と悩むのであった。
その頃、ハルオはスカル柄のニット帽にスカル柄のスウェットを着る等、見た目はスッカリ渋谷色に染まって?いた(絶妙にダサい)。そんなハルオを心配しながら渋谷まで付き合う宮尾と土井。結局行先はゲーセンで『ダライアス外伝』を喜んでプレイするハルオを見て『変わっていない』とホッとする宮尾であったが、『渋谷に入り浸っていると大野さんと会えないぞ』とハルオと大野の関係を心配する。そして、土井が”エアーマックス狩り”と”ジーパン狩り”、ついでに食べていたガリガリくんを取る”ガリガリくん狩り”に遭ったのを見て、宮尾は『渋谷は恐ろしい場所だ』と叫んで土井と共に帰ってしまう。
一人残され少し寂しく感じたハルオ。だが、すぐに”溝の口勢”と対戦の種目の話し合いを終えた”渋谷勢”の仲間がやってきて囲まれる。ハルオは渋谷勢から可愛がられており、そして、中には明らかにハルオを狙っている女子高生マユマユもいるのであった…。
溝の口にいた日高は”渋谷勢”の話し合いを終えて戻ってきたニコタマちゃん達から『”渋谷勢”にハルオが加わっている』と聞かされ驚く。拠点を渋谷に移し、格好も不良っぽくなっているというハルオの様子を聞いて動揺する日高。
そんな中、意外な人物が渋谷のゲーセンにいたハルオの元を尋ねて来る。それは、大野の姉、真であった。宮尾と土井から『ハルオが渋谷で不良化している』と聞いた真は妹の晶そっちのけで渋谷に入り浸るハルオを叱りに来たのだ。
『大野は家庭教師業田萌美の指導が緩くなったため、ゲーセンで最近稼働した”ストZERO2”をやり込んでいて、ハルオと会えないことを寂しく思っている』…そう真から聞いたハルオは反省し、真はそんなハルオを強引に溝の口まで連れ帰ろうとする。
だが、そこに”渋谷勢”がやって来てハルオをカラオケに誘う。”ハルオの姉”のフリをして『うちの弟を不良にしようとしているでしょ』と”渋谷勢”を威嚇した真。しかし、何故かその後、カラオケでは真が一番ノリノリで歌っていた。楽しいことが大好きで自由奔放な性格にも関わらず、家庭の教育方針もあってカラオケをしたことがなかった真は羽目を外し過ぎてカラオケで転倒し水を被ってしまう。だが、そこで”渋谷勢”の女子高生達と共に”アムラー”の服を買ってさらにテンションを上げ、ハルオを連れ帰るという当初の目的を忘れてさらに夜まで渋谷を満喫する真。ハルオは心の中のガイルさんに『大野や母親のため国(溝の口)へ帰れ』と言われるが、真と街の雰囲気に流され中々帰れないのであった。
その頃、溝の口で買い物をしていたハルオの母、なみえは車に乗ったじいやに会う。じいやは大野の専属運転手に復帰できたのだ。なみえはじいやに渋谷に入り浸っているハルオについての愚痴を漏らす。『あのまま不良にでもなったら…』と言うなみえの言葉を車の後部座席に座る大野は心配そうに聞いているのであった。
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44 -CREDIT~溝の口勢VS渋谷勢~そこで日高はハルオへの想いが再燃して…
”アムラー”の装いで屋敷に帰った真は業田萌美に酷く叱られ、服は没収されて焼却されてしまった。残念がる真だったが『渋谷は魅力的な街だからハルオくんが入り浸る気持ちも分かる』『でもつるんでた連中はちょっと危険でこのままだとハルオくんも毒されるかも』と妹である大野に語る。真は『私が連れ戻す』と豪語していたが、気が気でない大野はこっそり一人でハルオを探しに渋谷に向かう。渋谷の街で怪しいスカウトの勧誘やナンパを跳ねのけながら『渋谷会館』を目指す大野。
その頃、渋谷では”溝の口勢”と”渋谷勢”の対戦がまさに始まるところであった。渋谷会館を賭けた『ファイティングバイパーズ』の10人勝ち抜き戦。開始前、日高は久しぶりに会うハルオのファッション(黒いニット帽に黒の上下)についてダメ出しをする。すると、日高のハルオへの恋心を見抜いた”渋谷勢”のマユマユはわざと日高の前でハルオの腕に抱き着き『応援してる~』『神奈川の田舎者に負けないで~』と甘えた声を出し、日高を挑発する。怒った日高はニコタマちゃんに『先鋒を任せて下さい』と言い出し、ニコタマちゃんは困惑するも日高の気迫に負けて了承する。
怒りの力もあってか、先鋒の日高はあっという間に”渋谷勢”をなぎ倒していく。とんでもない勢いで9人倒し、残りは大将のハルオ一人になった。
しかし、大将のハルオも渋谷にある沢山のゲームに浮気していたのもあって日高と比べると明らかに『ファイティングバイパーズ』のやり込みが足りておらず押されていく。
その時、ハルオと対戦している日高の耳に”渋谷勢”の女子達の会話が聞こえてくる。他の女子に『矢口君を狙ってる?』と聞かれたマユマユは『ウブでかわいいから』と笑い、言うのであった。
「あんなチョロそうな男…脱いで押し倒しちゃえばイチコロよ」
ハイスコアガール7巻 押切蓮介 123/182
それを聞いて激昂した日高は操作していた”ハニー”のアーマー脱衣でハルオが操作していた”バン”を倒し勝利する。日高が一人で”渋谷勢”を倒してしまったのだ。
勝利に沸く”溝の口勢”と悔しがる”渋谷勢”。しかし、日高は真っ先にハルオの側にいるマユマユの元に行ってこう言うのであった。
「ねぇ…私の恋人にツバつけないで」
ハイスコアガール7巻 押切蓮介 126/182
その後、悔しがる”渋谷勢”と勝負できず物足りない”溝の口勢”は『2回戦しよう』と盛り上がる。だが、日高とハルオはいつの間にか姿を消していた。
大雨の中、外に出たハルオと日高。『派閥とか縄張りとかくだらない』と吐き捨てる日高に対してハルオは『お前の10連勝には恐れ入った』と素直な驚きとショックを告げる。そんなハルオに日高は『さっきは”私の恋人”とか言ってごめん』と謝る。だが、ハルオは日高がやたらベタベタしてくるマユマユを追い払うために言ってくれたと思っており、謝る必要はないと笑う。
すると日高は『じゃあ今からデートして』とハルオにせがむ。躊躇うハルオだったが、『さっき私に負けたでしょ』『デートじゃなくて遊びに行くだけ』と食い下がる日高に根負けして付き合う事になった。
…だが、日高は先ほどのマユマユの『脱いで押し倒せばイチコロ』という言葉やハニーのアーマー脱衣の光景が頭から離れないのであった。
その後別のゲーセンに行ったハルオと日高は『エアホッケー』や『IDYA』のゲームを楽しむが日高は二人で密室状態で密着する『IDYA』で『ここならカップルが隠れてチュッチュできちゃう』等と扇情的な事を言ったり、『好きと言ってくれないとここから出さない』と言ってハルオを困らせるのであった。
その頃、『渋谷会館』では”溝の口勢”との対戦を終えた”渋谷勢”のゲーマー達がたむろしていた。結局あの後、他のゲームの対戦をしたりボーリングをしたりと何だかんだと和気あいあいとし、仲良くなってしまったのだ。しかし、その中でマユマユは苛立たし気に言う。
「それよりさ~…あの日高って子、まさか矢口くんの彼女だったなんて」
ハイスコアガール7巻 押切蓮介 136/182
『二人だけでこっそりいなくなるなんて、きっと今頃どこかでイチャついてるに違いない』…マユマユがそう吐き捨てた直後、ゲーマーの一人が叫ぶ声を上げる。何と『カイザーナックル』を”マルコ”で、それもハメに頼らない正攻法で倒した女子が居たからだ。…それは大野であった。しかし、マユマユの話を聞いた大野はエンディングを観ることもなくそのまま立ち去るのであった。
その頃、渋谷駅に居るハルオと日高は二子玉で落雷があった影響で電車が止まってしまっていることを知る。時刻は既に22時30分で、その上豪雨。帰れるかどうか心配し、タクシーを使うことを提案するハルオに対して日高は『朝までコースでもいいじゃん』と言い出す。ハルオは『ご両親が心配するだろ』と真面目に言うが日高は固く決心しているのであった。
今夜は帰さない
ハイスコアガール7巻 押切蓮介 141/182
45 -CREDIT~ファミレスで過ごすハルオと日高…するとなんと日高はハルオをラブホテルに誘い…
豪雨の渋谷で電車も止まってしまい駅で一人立ち往生する大野。大野の頭の中には先ほどゲーセンでとある女子高生が発していた『日高って子が矢口くんの彼女』『二人でこっそりフケてしまった』という言葉が響いていた…。
一方、同じく立ち往生するハルオと日高であったが、日高の両親が心配するであろうことを想像してどうにかして帰ろうとするハルオに対して、日高は帰りたくないと思っていた。
だが、結局あまりの豪雨で帰れずハルオはファミレスで朝まで過ごすことを提案し、日高は売店で傘を買って来る。しかし、日高はハルオとあいあい傘をしたいがためにあえて傘を一つしか買わなかった。小さい傘一つで濡れながら何とかファミレスに辿り着いた二人。
ファミレスで食事を終えると日高はハルオの顔を見てニヤニヤしっぱなしで、ハルオのことを『こんなカッコよくない人が何でモテるんだろう』と言ったと思えば『矢口くんはかわいい』とも言う。何とも言えない居心地の悪さを覚えるハルオは話題をゲームに持っていこうとするが、日高はまたしても『ソウルエッジ』を『ソウルエッチ』とわざと発音する等の挑発行為を繰り返す。
困惑するハルオに日高は『矢口くんのせいで最近モヤモヤする、衝動を抑えられなくなる』と明かし、こう言う。
「最近 矢口くんにハグされる夢ばかり見るんだ」
ハイスコアガール7巻 押切蓮介 159/182
日高の言葉に困惑しながらも話題を逸らそうとするハルオ。だが、日高はその夢の話を続け、ハルオは『スケベだな…』と動揺するが日高はハッキリ言う。
「スケベだよ、悪い?」
ハイスコアガール7巻 押切蓮介 160-161/182
「私たちもう高校1年生だよ、こういうこと考えるのも普通じゃない?」
そして、どう答えたらいいか分からないハルオを『布団がある所…男女で行く所に行きたい』とラブホテルに行こうと誘うのであった。道玄坂にそういった場所が沢山あると”渋谷勢”の仲間達から教わっていたハルオは日高の言葉にショックを受けるが、日高は更に言う。
「…だめ?私と一緒にふたりで、矢口くん」
ハイスコアガール7巻 押切蓮介 164/182
…そして、朝が来た。雨上がりの渋谷の街を歩くハルオと日高。日高は黙って先を歩き、ハルオが呼んでも振り返らない。そしてそのまま駅に到着した二人。すると、日高は突然ハルオに抱き着いた。驚くハルオだったが、日高は涙を流しながら叫ぶ。
「矢口くんは………ホンットにひどい…」
ハイスコアガール7巻 押切蓮介 168-169/182
「女子に こんな恥をかかせて…むかつく男…!!」
「どんな気持ちでアプローチしてるのか…矢口くんには一生わからないでしょうね」
ハルオは結局日高の誘いに乗らず、朝まで二人でファミレスで過ごしたのだ。泣き続ける日高にどうしていいか分からないハルオは『ああいう所は愛し合う大人が行く所だから』と答えるが、そんなハルオに日高は『そういうつもりじゃなく、疲れてたから寝るだけだった、矢口くんなんて襲わない』と言い返す。『あれ、そうだったの!?』と驚きながらもどこかホッとしたようなハルオ。すると日高はまたしても号泣する。
「うそ、めちゃくちゃに襲ってた」
ハイスコアガール7巻 押切蓮介 171/182
「矢口くん……ギュッとして、一生のお願いだから…」
あまりの日高の切実なお願いに、抱きしめ返そうか迷うハルオ。その時、ハルオは視線を感じて振り返る。そこには驚いた表情を浮かべた大野が立っていたのであった…。
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以下、感想と考察
カオスな渋谷編…オタサーの姫みたいになる日高
今回の渋谷編もまた何とも波乱に満ちていた。日高の取り巻きと化した”溝の口勢”にイジメられて渋谷に拠点を移してしまうハルオ。日高と溝の口勢の感じが絵的にオタサーの姫みたいになってるのが何とも…。しかし、ゲーマーの集団にこんなに可愛い子が居たら自然と姫になってしまうよね。ニコタマちゃんも可愛いけどさ。…そういえば、私この作者、押切蓮介がキャラデザした『オタサーの姫~僕らの姫はデリケート~』というしょうもないスマホゲーをやってた時期がありましたな。しょうもないんだけど、それなりに面白いゲームだったな。
そして、この時代の渋谷って本当にカオスだったよね…。子供だったから行くとしても親同伴だったのだけど、なんか色々と怖かったイメージがある。
日高の真っすぐ過ぎる思いが痛い7巻
そして、日高が痛い。日高の強い想いが本当に痛くて、苦しい。当たり前だけど、6巻のゲームの決戦なんかでハルオへの想いに諦めがつくはずもなく、恋心は増すばかり。…もしも、ハルオが大野と正式に分かりやすく付き合ったりしたら全然違うのだろうけど、そうじゃないから『矢口くんは自分に対して好意を持っていない』という思いと『自分もまだ行けるんじゃないか』って思いの板挟みになって苦しむ羽目になってしまう日高。辛い、これは辛い。
そして、そんなところにマユマユショック。やってくれたな、マユマユ。ほぼモブの癖に。『ウブそうで可愛い』という軽い気持ちでハルオにちょっかいかけて『脱いで押し倒しちゃえばイチコロ』というマユマユの言動には読んでいて正直にムカついた。これは日高が激昂するのも無理はない。
しかし、マユマユの言葉に怒ると同時に影響も受けてしまった日高。わざと会話を性的なものを連想する様に持っていったりと本当にいじましくて、痛々しくて、真じゃないけど『この子を見ていると胸がキュ~ってする』状態になる。
だってね、あんなにね、真面目な子がね、ラブホテル行きたいなんて、ここまで直接的な事を言うってどういう事なのか。本当にもう…辛い。
…そして、明け方の渋谷でそんな日高に抱き着かれているところを大野に見られてしまったハルオ…。果たして!?
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